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ページID:100029更新日:2021年6月22日

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遺跡トピックスNO.523「国指定史跡甲府城跡-築城期の瓦2.「平瓦」-」

 

0039国指定史跡甲府城跡-石垣-

0043指定史跡甲府城跡-甲府城発掘展-

0069指定史跡甲府城跡-金箔瓦-

0119指定史跡甲府城跡-石垣補修工事(H19)-

0124指定史跡甲府城跡-稲荷櫓-

0127指定史跡甲府城跡-整備された城跡-

0129指定史跡甲府城跡-道路の下から追手門-

0141指定史跡甲府城跡-滴水瓦-

0146指定史跡甲府城跡-石垣補修工事(H20)-

0156指定史跡甲府城跡-石垣補修工事(H17)-

0161指定史跡甲府城跡-詰石-

0176指定史跡甲府城跡-矢穴-

0180指定史跡甲府城跡-甲府城展-

0183指定史跡甲府城跡-おもしろ講演会-

0189指定史跡甲府城跡-石垣石材の加工-

0198指定史跡甲府城跡-石垣補修工事(H21)-

0214指定史跡甲府城跡-石垣補修工事と石工技術の体験-

0225指定史跡甲府城跡-「昔覚ゆる甲府城-築城技術と甲州石工文化-」展の開催-

0232指定史跡甲府城跡-「昔覚ゆる甲府城-築城技術と甲州石工文化-」展の開催-

0244指定史跡甲府城跡-鉄門の再確認調査-

0257指定史跡甲府城跡-野面積み-

0261指定史跡甲府城跡-鉄門の石垣-

0278指定史跡甲府城跡-鉄門復元事業-

0283指定史跡甲府城跡-「昔覚ゆる甲府城展」の開催-

0285指定史跡甲府城跡-狭間-

0306指定史跡甲府城跡-お城の排水施設「暗渠」-

0295指定史跡甲府城跡-ひらけ!玉手箱-

0297指定史跡甲府城跡-石工道具-

0317指定史跡甲府城跡-慶長一分金-

0329指定史跡甲府城跡-数寄屋曲輪の地鎮祭-

0332指定史跡甲府城跡-発掘された甲府の城下町展-

0345指定史跡甲府城跡-「ひらけ!玉手箱~よみがえる鯱」展の開催-

0364指定史跡甲府城跡-石垣補修工事-

0369指定史跡甲府城跡-発掘された甲府の城下町~武田氏館と城下町-

0370指定史跡甲府城跡-鉄門の活用-鉄門イベント-

0378指定史跡甲府城跡-輪宝-

0389指定史跡甲府城跡-石垣-

0397指定史跡甲府城跡-石切場跡-

0403指定史跡甲府城跡-石垣-

0408指定史跡甲府城跡-石垣-

0412指定史跡甲府城跡-石垣の積み方-

0416指定史跡甲府城跡-本丸-

0418指定史跡甲府城跡-石垣の切れ目-

0420指定史跡甲府城跡-鏡石-

0249甲府城跡-県庁構内の遺跡-

0352甲府城跡-石垣普請-

0362甲府城跡-県庁構内(駐輪場)発掘調査速報-

0367甲府城跡-県庁構内(委員会室棟)発掘調査速報-

0456甲府城跡-山梨県庁の地下に眠る甲府城の遺構-

0487甲府城跡-石垣の移築復元-

0490甲府城跡-山梨県庁内に眠る敷石遺構-

0496甲府城跡-甲府城の追手門-

0506甲府城跡-稲荷櫓常設展の一部リニューアル-

0512国指定史跡甲府城跡ー浅野家金箔瓦ー

 

 甲府城の歴史のおさらい

 甲斐国は、天正10(1582)年に武田氏が滅びると、織田信長の領国となりましたが、本能寺の変後は徳川家康の支配下となり、平岩親吉が城代になりました。その後、豊臣秀吉が天下統一を果たすと、徳川家康は関東に移され、甲斐国は豊臣秀吉の甥にあたる羽柴秀勝が支配することになりました。羽柴秀勝の移封後は、加藤光泰が、光泰が文禄の役で没すると浅野長政・幸長の支配となりました。ここまではいいかな・・・?

軒平瓦

 

 

軒先にくるのが軒平瓦、その後ろに並ぶ瓦当の無いものを平瓦といいます。

 523瓦模式図

 坪井利弘「日本の瓦屋根」理工学社(1976)より

 

523稲荷櫓 

 稲荷櫓の屋根 

 

 築城期と推定されるものには、大きく分けると2種類が認められます。細分化すると5種類に分けられます。最も古いタイプがA類「三葉均等唐草紋」を配するもので、これに続くタイプがB類「五葉均等唐草紋」を配するもので、いずれも羽柴秀勝、加藤光泰、浅野長政・幸長の三代で使用されたものと推定されます。

 

【A類】

 topi523Arui1

 瓦当面(下向き三葉)

 

topi523Arui2

 面取り

 

topi523Arui3

 側面

 

topi523Arui4

 裏面

 

【B類】

topi523Brui1

 瓦当面

 

topi523Bryi2

 面取りとキガキ痕

 

topi523Brui3

 中心飾りアップ

 

平瓦の特徴について

 版型と粘土を外すために使われるキラ粉の痕跡が無く、粘土粉や離れ砂を使用された痕跡が確認できます。全体的に調整が甘く、やや粗雑な作りとなっています。青瓦(須恵質)と赤瓦(土師質)が認められ、赤瓦には「いぶし」が施されているのが特徴です。瓦当面の径はおよそ七寸(21センチ)から9寸(27センチ)の規格があることから、時期差や用途(建物の大きさ)により使用した瓦が異なることを示しています。瓦当面が大型化してくるのはB類からなので、家紋が配される軒丸瓦の特徴と合わせると、櫓のような大きな建物が完成したのは浅野領有時代と推定することができます。A類は大坂城や掛川城などと同系で、上方の職人の影響が考えられます。B類の中心飾りは全国に例がなく、甲府城オリジナルデザインとなります。転封先の和歌山城に引き継がれていないのがちょっと不思議な気がします。現在のところ金箔の付着は認められませんが、丁寧に精製されたものもあることから、今後発見される可能性もあります。

 

 次回は、御府内以外での出土は珍しい江戸瓦の謎に迫ります。

 

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