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ページID:52399更新日:2017年6月8日

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遺跡トピックスNo.0367甲府城跡-県庁委員会室棟発掘調査速報-

 

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発掘調査の概要

遺跡名:甲府城跡

時代:江戸時代

所在地:甲府市丸の内一丁目6-1(県庁構内委員会室棟南側)

期間:2013年1月下旬~2月中旬

関連トピックス

甲府城跡(県庁構内委員会室棟)地点は、県庁委員会室棟の南側に位置しています。この場所は、甲府城の楽屋曲輪(がくやくるわ)という広場の中にあり、月見櫓台下の西側にあたります。甲府城内の様子を描いた絵図では、この場所から温泉が湧くと書かれています。明治33年から昭和6年に県庁舎がこの場所に移転するまでは、甲府中学校(現在の甲府第一高校)が建っていました。

発掘調査では明治時代以降の石組み水路2条と溝、土坑などが検出されました。その他、調査区内では陶管列4条や雨水桝1基、配線U字溝など現代のインフラも見られました。甲府城と明確にわかる遺構は今回の調査では検出されませんでしたが、甲府城期を含む大量の瓦が出土しています。

発掘調査の成果1.-石組み水路-

石組みの水路は約8m間隔で南北方向に平行して2条検出されました。石組み水路の中には竹樋が設置されていました。この竹樋は近代の「上水」と呼ばれる水道管だと思われます。

写真1石組み水路写真2石組み水路

左:写真1石組み水路1.

右:写真2石組み水路2.

この2条の溝は竹樋を使った同じ構造で築かれており、また平行していることから同時期に作られたものと思われます。

また、東側の石組み水路から西へ2mほどのところで、南北方向に溝が掘られていました。深さは約15cmほどでしたが、溝の中に粘土が堆積していたことから、水が流れていたものと思われます。溝の南側には、溝の先を深く掘りこんだ土坑が検出されました。土坑は深さ約80cmあり、中には粘土が堆積していました。溝や土坑には大きな石が大量に入っており、溝と土坑を廃棄する時に投げ込まれて埋め戻されたと考えられます。

写真3写真4

左:写真3溝

右:写真4土坑

発掘調査の成果2.-瓦溜まり-

今回の調査区の広い範囲で瓦が敷き詰められていた状況が確認できました。瓦はいずれも細かく砕かれて敷かれていたことから、人為的に瓦を割って広い範囲にばらまいたものと思われます。この瓦溜まりには、甲府城期の瓦が含まれており、中には写真のような軒丸瓦も出土しました。今回の調査範囲では、推定500kgの瓦が出土しています。

写真5写真6

左:写真5瓦溜まり

右:写真6軒丸瓦

今回の発掘調査成果について

今回の発掘調査では、甲府城の時代と明確にわかる遺構は確認できませんでした。しかし、甲府城期の瓦を含む大量の瓦が出土しており、今後の整理作業に期待したいところです。また、まだ整理中ですが、甲府城廃城以降のモノもたくさん出土しています。

写真7写真8

左:写真7昭和初期のビール瓶

右:写真8薬きょう

たとえば、写真7は昭和初期のビール瓶で左の瓶には「日本麦酒鉱泉」、右の瓶には「サクラビール」と書かれています。いずれもサッポロビールの前身です。また、写真8は薬莢の蓋です。大量に出土しているので、戦時中に使用したものでしょうか。こうしたモノは本来の目的である甲府城とは関係ありませんが、当時の歴史を知ることができる資料です。

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