ページID:88409更新日:2018年12月27日

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知事臨時記者会見(平成30年12月26日水曜日)

特別会議室

10時00分から

 

発表事項

配布資料

 「災害時における応急仮設住宅の建設用木材確保に関する協定」締結式について

知事

ただいま、県も含めて6者で災害時における応急仮設住宅の建設用木材確保に関する協定が、締結できたこと本当に嬉しく思います。また、関係者の皆様方には師走の本当にお忙しい時間帯にこの締結式に御参加いただきまして心からお礼を申し上げます。

7年前の東日本大震災、2年前の熊本地震、さらには今年に入っての北海道胆振(東部)地震等々の大規模な地震が発生していますが、災害時にどう円滑に応急仮設住宅を提供するのかというのは本当に大きな課題だと思っています。

皆様方もご存じのとおり、本県ではあらゆる災害に対応するために、山梨県地域防災計画を策定しております。多くの住宅が被害を受けた場合でも、被災された方々にしっかりと、また、迅速に住まいを提供する仕組みを構築してあります。

今回の応急仮設住宅の建設(用木材確保に関する協定)の締結は、(被害が)大規模、長期化し、建設用の木材が不足した場合に、県有林の材を速やかに確保できる仕組みの構築が目的です。そういう意味では、応急仮設住宅の供給体制を一層強化できたということにつながるものです。

県では、大規模災害時に1万5千戸の住まいの確保をするために、県営住宅の確保、民間賃貸住宅の借り上げ、さらには今回の応急仮設住宅という三層に分けて、できるだけ住まいを提供する仕組みを構築しているところです。特に応急仮設住宅では、1万3千戸の用地をすでに市町村と連携しながら確保しており、主体は県土整備部の建築住宅課になります。今まで応急仮設住宅の建設ということでは、プレハブ協会との協定、さらには全国木造建設事業協会との建築に関する協定という、二層で対応していたものに、さらに今回、木材供給という部分、要するに県外から材が入ってこない場合に想定される木材不足に対応するものです。

森林整備生産事業協同組合さんには伐採と運搬をお願いし、原木市場の皆様には集積と引渡をお願いし、県を通じた部分(県が販売した木材の使用)を全木協さんに対応していただくという、この4つの循環の仕組みを構築しました。

皆様方もご存じのとおり、県有林は明治末期に明治天皇から御下賜いただいた恩賜林です。(御下賜から)100年以上経った今日、災害時の対応に焦点を当てた県有林の協定ができたということは本当に嬉しく思いますし、非常に感慨深いと思っています。

いずれにしましても、関係する組合さん方に本当に御理解と支えをいただいたことに改めて感謝を申し上げながら、防災力の向上と、更には山梨県の森林・林業行政の更なる振興発展にこれからも御尽力をいただきますことをお願い申し上げまして、感謝の御挨拶にさせていただきます。本当に今日はありがとうございます。

山梨県森林整備生産事業協同組合理事長

皆さんこんにちは、山梨県森林整備生産事業協同組合の理事長の河野です。本日ここに、災害時における応急仮設住宅の建設用木材確保に関する協定が、締結できたことに深く感謝しております。

当組合は、山梨県内で森林林業に係る事業を行っている林業団体や森林組合で組織する団体で、加盟組合員は59社に及び、毎年多くの組合員が県有林内で森林整備事業や素材生産に携わっております。

近年、全国的に相次ぐ台風や地震などの自然災害の発生を受け、もし山梨県内で災害が発生した際には、当組合の組合員が持つ伐採等の技術力や、機械を活用した社会貢献活動が出来ないかと考え、県と協議を重ねてきました。今回、災害が発生した際には、応急仮設住宅の建設に使用する県有林材の伐採、搬出作業に関して県と協定を締結しましたが、これらの作業はまさに、当組合員の持つ技術力が活き、得意とする分野です。また、県有林の多くは、当組合の組合員が長い期間、森林整備や素材生産の作業を行ってきた森林であり、場所や地形、搬出路となる道をよく知る立場にあります。

今回の協定で県有林材の供給に協力することにより、県の災害復旧に貢献できることは、当組合にとってとても喜ばしいことであり、もし災害が発生し、県から要請があった場合は、速やかに県有林材の供給が出来るよう、できる限りの努力をしたいと考えております。後藤知事をはじめ、本日の協定に尽力いただいた皆様に重ねて感謝を申し上げ、今後とも当組合が行う森林整備や素材生産事業への御支援御協力をお願い申し上げ、お礼の挨拶とさせていただきます。

一般社団法人全国木造建設事業協会理事長

御紹介をいただきました、一般社団法人全国木造建設事業協会の理事長をしております大野年司でございます。今日はありがとうございます。今日は、災害時における応急仮設住宅の建設用木材確保につきまして協定を結ばせていただきましたこと、誠にありがとうございます。

我々協会は、災害時における復旧、復興、応急仮設等の住宅建設に関する事業を行っている団体でございます。工務店の全国組織でありますJBN・全国工務店協会、約3千社ほどの工務店が加入しているわけでございますが、ここと全国建設労働組合連合が一緒になって作った一般社団法人で、通称全木協と言っております。この全建総連さんは、建設関係の労働者、組合員が62万人ほどの組織でございまして、大変大きな組織となっております。山梨県様とは、平成28年3月3日に応急仮設住宅に関する協定を締結させていただいております。今現在、私どもの協会は、全国で34の都道府県と協定を結ばせていただいているところでございまして、今年度中に3つの都道府県と協定が進む予定となっております。また、来年の1月17日には茨城県、山梨県において応急仮設住宅の実地研修を行う予定でございます。

今回、建設資材の供給につきまして、県有林材を私どもで確保させていただくということで大変心強いことでございます。木造応急仮設住宅を確実に建設するのに、我々も自信を持って安心して取り組めるのではないかと思っております。県有林材、地元の材木を使って、地元の工務店あるいは職人さんで応急仮設を建設するということは、単に資材の供給だけでなく、地元の皆さんが地域のためにと、皆さん一所懸命やられる事業でございます。そういう意味で、大変今回の協定は意義深いものだと思っております。

後藤知事はじめ関係各位には、大変この度の締結につきまして御尽力賜りましたこと心から御礼申し上げますとともに、また、当協会に御指導ご鞭撻お願いしまして挨拶とさせていただきます。今日は本当にありがとうございました。

山梨県森林組合連合会代表理事会長

御紹介をいただきました、山梨県森林組合連合会の渡邉でございます。災害時における応急仮設住宅の建設用木材確保に関する協定が締結できましたこと、心より感謝を申し上げます。

私どもの連合会は、県内11の森林組合により結成されており、共販所の運営、製材品、杭木等の生産、販売などの事業をおこなっております。共販におきましては、昨年度、約1万立法メートルの木材の競り売りを行っており、県有林材も多く取り扱っております。私ども連合会の共販所で取り扱っている県有林材の多くは、県の事業により搬出されるものでありますが、県が一貫して、造林、保育を行い、伐採、搬出においても統一した規格となるよう作業が行われているため、競り売りにおいても非常に好評で高い評価をいただいております。また、近年はFSC認証材としても注目を集めております。

今回、災害が発生した際に応急仮設住宅の建設に使用する県有林材の販売に必要な業務への協力に関して、県と協定を締結させていただきましたが、東日本大震災の際には応急仮設住宅の基礎に使用する杭丸太が不足し、当連合会からも4万2千本もの供給をさせていただいております。このような経験から、災害時の資材確保の重要性を感じておりましたが、今回の協定により、県民の皆様が、地元の県有林の木で作られた仮設住宅で暮らすことへの手助けができることは、当連合会にとりましてもこの上もない喜びでございます。災害が発生し県から要請があった場合は、県有林材の調達が円滑にできますようできる限りの協力をさせていただきます。

後藤知事をはじめ、本日の協定に色々と御尽力いただきました皆様に重ねて感謝を申し上げますとともに、今後とも当組合の事業への御支援御協力をお願い申し上げ、お礼の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

記者

知事に伺います。資料だと東海地震の発生で5,900戸の応急仮設住宅が必要と左上に載っているんですが、このうち木造応急仮設住宅はどのぐらいを目指すところなんですか。

知事

内訳は、あくまでも標準的な県内でのニーズ、必要戸数です。先ほどお話しをしたように、今、山梨県で一番被害が大きい地震が釜無川断層地震といわれており、この場合、約2万戸を被災者の方に提供する可能性があります。

県営住宅が7,700戸のうち1,100が供給可能戸数で、民間のアパート・マンションが、17,000戸の事前登録のうち、現在の供給可能戸数が1,100、この二つを足しますと2,200ありますから、仮に5,900戸が必要としますと、(残りは)3,700戸となります。いずれにしても13,000戸の土地は市町村と連携して確保してあります。応急仮設住宅というのは土台を作るなど少し時間が掛かります。プレハブ協会とも協定を結んでおりますけど、今回は木造を念頭に置いて、出来るだけ早くということです。

先ほどお話ししたように、2万戸というのが釜無川断層地震の最大だと県では想定していますが、基本的には県営住宅の供給、そして既存の民間のアパート・マンションの供給、それに今回のような応急仮設住宅という部分が必要であれば乗っけていくという形です。2,200は今でもすぐ入っていただけるよう対応していますし、(県営住宅の)計画的な維持修繕、長寿命化も対応しています。今回は、本当に大きな地震、災害がきて、長期化、大規模化をして、県外から材の供給ができなくなってしまったことを想定していますから、材の伐採、集積そして利用を県有林に焦点を当てて対応することで、供給体制を強化しました。そういう意味で捉えていただければ、この5,900というのがどういう意味を持つかというのは、色々ある想定の中の一つの指標と捉えていただければと思います。

記者

山梨県森林整備生産事業協同組合の河野理事長に伺います。この資料を読み解くと、まず流通在庫が80戸分、年間の生産量が540戸分、月当たりにすると45戸分、発災から一カ月、普通にしていると125戸分の資材がある状態になると思うんですけど、これが今回の協定で、実際に木材が入って来なくなった時に山梨県内でどれぐらいの戸数の木材が供給できるようになるんですか。

山梨県森林整備生産事業協同組合理事長

2、3年前では山梨県全体で総材積として15万立法メートルぐらい出ていたんですけど、県有林材としては、全部を併せて毎年6万5千立法メートルぐらいは出ています。災害があった際にも木材は動いている形はとれます。今、林道もだいぶ整備されている状況ではありますし、山梨県全体で見れば、山梨県全体に大きな災害があるとは限らないと思うんですね。今動いているもの、また、これから災害時にということで、県有林課でも想定で山を確保してあるとも聞いています。この数字については、まあ、ほぼ、この数字以上はいくかと思います。

記者

作れる戸数というのはどの数字になるんですか。

山梨県森林整備生産事業協同組合理事長

540戸ぐらいはいけるんじゃないでしょうか。

記者

月ですか。年間ですか。

山梨県森林整備生産事業協同組合理事長

年間です。月別にすれば多少偏りは出ると思いますが、各地区で台風や地震等の災害があった時の教訓が、山梨県民に浸透している部分もあると思います。

知事

今のご質問について、どこまで必要となるのかはその時の災害の規模にもよります。県外から材が入ってこないということを想定して、県内で材を確保するために、材を切り出して集積して作っていただくということですから、本当にそこまでの地震があったとしたら、県内も含めて大変なことになっていると思います。その意味では広域連携であるとか、いろいろなことを県としても想定しています。今も材が県内から県外へ行くこともありますし、県外から県内へ来ることもあります。

 

以上

 

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