ページID:16807更新日:2019年2月1日

ここから本文です。

知事記者会見(平成18年2月17日)

詳細内容

平成18年2月定例県議会提出予定案件について発表する山本知事(JPG:51KB)知事臨時記者会見
平成18年2月17日(金曜日)11時00分から
本館2階特別会議室

<発表事項>
○「平成18年2月定例県議会提出予定案件」について

(知事)平成18年2月定例県議会提出予定案件について発表致します。
2月定例県議会は、2月24日に招集することとし、本日、招集告示を行ったところであります。
提出案件は、条例案33件、予算案24件、その他の議決案件12件、報告事項6件の予定であります。
このうち、平成18年度当初予算についてでありますが、予算の規模は、一般会計で4,524億5,033万3千円であります。
国の予算・地方財政計画の状況につきましては、国の平成18年度予算は、三位一体の改革や医療制度改革など構造改革を一層推進し、持続的な財政構造の構築と予算の質の向上を図るため、歳出改革を堅持・強化するとの考え方に基づいて編成されたところであります。
三位一体の改革については、平成18年度までの全体像に係る「政府・与党合意」などに基づき、国庫補助負担金については、平成18年度までに総額4兆円を上回る廃止・縮減等の改革を行うこと、税源移譲については、3兆円規模とし、平成18年度は所得譲与税によって全額を措置すること、地方交付税については、歳出の見直しに伴う改革を行い、平成18年度においては、地域において必要な行政課題に対しては適切な財源措置を行うこととされております。
これらを踏まえ、地方財政計画は、5年連続して規模が縮小されましたが、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源総額は確保されました。
こうした中、本県の財政状況でありますが、明年度の本県財政は、歳入面では、県税収入の増加が見込まれるものの、三位一体の改革などにより、国庫補助負担金や地方交付税が減少する見込みであることから、徹底的な歳出削減努力を行ってもなお大幅な基金の取り崩しを余儀なくされたところです。
また、歳出面では、市町村合併に関連する経費、老人医療や介護保険に要する経費の増加が避けられないところであり、本県財政は、歳入歳出の両面において、引き続き厳しい状況にあります。
こうした厳しい状況下の予算編成ではありましたが、その基本的な考え方について申し上げます。
厳しい財政状況下にあっても、明日の山梨の発展に向け、「創・甲斐プラン21」の着実な推進を図り、県民の期待に応えていく必要があります。
このため、平成18年度当初予算編成に当たっては、税収確保特別対策の実施など歳入の確保を図る一方で、行財政改革プログラムに基づき、公共事業等の段階的縮減、事務事業や県単独補助金の見直し、給与の適正化や職員数の見直しなど行財政改革を着実に実行するとともに、公共事業等や試験研究、環境関連事業の重点化を図るなど、施策の大胆な選別と集中化を行い、歳出予算の質を高めるよう努力しました。
こうした見直しを行う中で、三位一体の改革に伴う国庫補助負担金や地方交付税の削減により、厳しい財政運営を強いられることから、更なる歳出削減を行うとともに、140億円の基金取り崩しで対応することとしたところであります。
その上で、限られた財源の重点的かつ効率的な配分に努め、「創・甲斐プラン21」に基づいた施策を積極的に展開していくこととしました。
中でも、県民の関心が高く社会全体での取り組みが求められる少子化対策や安全・安心なまちづくり、本県の特色を最大限生かし山梨の将来に活力をもたらす観光の振興や新産業・新事業の創出といった重要な政策課題に積極的に取り組むこととしました。
少子化対策としては、子育てに必要な情報の発信強化や協賛企業と連携した子育て家庭への支援、心のケアが必要な子どもたちの診察などを行う「子どもメンタルクリニック」の開設など、「やまなし子育て支援プラン」に基づく3つの重点プロジェクトを中心に、積極的に施策を展開して参ります。
また、安全・安心なまちづくりを目指し、通学時の安全指導などを行うスクールガード・リーダーの増員や子どもの見守り活動等への支援、子どもの安全情報を共有するシステムづくりの推進など、地域全体で子どもの安全確保を図る取り組みに重点を置いたものであります。
更に、防災対策では、防災行政無線のデジタル化をはじめ、木造住宅の耐震診断や耐震改修に対して引き続き支援するとともに、耐震化の目標を定めた計画の策定など、大規模地震の発生に備えた取り組みを強化したところでもあります。
観光振興では、NHK大河ドラマ「風林火山」の放映に合わせ官民協働で開催する「風林火山博(仮称)」や大型観光キャンペーンの実施をはじめ、都市住民の本県への定住を促進するための相談窓口、「グリーンカフェ」の設置、インターネットや携帯電話などのITを活用した観光情報の発信強化、中国からの修学旅行の誘致に向けた宣伝活動など、観光立県「富士の国やまなし」の確立に向けて、様々な事業を積極的に実施して参ります。
新産業・新事業の創出については、燃料電池技術を活用したクリーンエネルギーシステムの構築に向けた産学官の共同研究をはじめ、世界文化遺産の登録活動と連携した富士山ブランドの開発、障害者の社会参加や環境保全に資する技術や製品の研究開発への支援、大規模な農業経営を促進するための農業生産法人や農業参入企業に対する技術・経営支援など、山梨の発展の基礎となる新たな取り組みに積極的に対応して参ります。
この他、障害者の起業やITを活用した在宅就労などの障害者の自立支援、環境公益林の整備を支援する森林(もり)づくりや明野廃棄物最終処分場の整備など環境対策、小学校1・2年生を対象とする30人学級の推進など教育・文化の振興などに要する経費について計上したところであります。
次に、平成17年度2月補正予算についてであります。
その主な内容としては、民間の社会福祉施設、病院等におけるアスベスト除去等に対する助成、公共事業等の事業費の確定による減額などであります。
以上であります。詳細については、財政課長から説明を致させます。

<質疑応答>
○「平成18年2月定例県議会提出予定案件について」

(記者)来年度当初予算案についてですが、山本知事らしさを打ち出そうとしたところはどこでしょうか。

(知事)平成18年度当初予算の特色は、予算規模が対前年比2.6パーセント減の4,524億円と5年連続の減となりましたが、施策の大胆な選別と重点化を行って、質の高い歳出予算を編成したことです。
特にその中での目玉は、県民の関心が高い少子化対策や安全・安心なまちづくり、また、観光の振興や新産業・新事業の創出に特に重点を置いて予算編成を行ったところです。

(記者)任期最後の年を締めくくる節目の予算案だと思いますが、どんなお気持ちを込められましたか。

(知事)行政は特段、それがためにということはありませんので、「創・甲斐プラン21」を着実に実行していくということと、同時に、少子化対策や安全・安心なまちづくりなどの課題、問題点には、重点を置いてやらなければなりません。
その都度出てくる課題にしっかり対応していく、という予算編成を常に行っていかなければならないものだと意識しております。

(記者)目玉は、少子化対策や安全・安心なまちづくりということですが、これは全国的にも取り組む自治体が多いと思います。
その中でどんなところに重点を置いていますでしょうか。

(知事)詳細な事業については後で財政課長から説明させて頂きますが、やはり少子化問題というものは、人口減少時代に入った今、国を挙げての最大課題であります。
そのために、過日も少子化担当大臣と意見交換を行ったところでして、最優先課題だと思っています。

(記者)少子化対策や安全・安心なまちづくりは、今年度予算の重点項目でもあったと思いますが、今年度予算と比べて来年度はどういうところに、より重点を置いていらっしゃるでしょうか。

(知事)安全・安心なまちづくりについては、スクールガードへの要請に対して、引き続き強固に助成をしていきます。
特に、子供に対する犯罪が増えてきていますので、そうしたものに対する対策に重点を置いています。
少子化の問題については、男女共同参画社会を更に進めていく施策を行っていきます。
これは、一度やって良いというものではありませんから、継続してやっていかないとこういう問題は解決出来ないということです。
子供を産み、育てやすい環境づくりに資する事業については、今まで以上に努力していくような形で予算編成を行っています。

(記者)5年連続で減という予算案について、何か思うところはありますか。

(知事)最近は景気の回復も見込まれているところですが、やはり日本経済の長期低迷の時期ということであります。
加えて、三位一体改革によって、補助金が減り、交付税も少なくなり、やむなく基金の取り崩しによって対応しているところです。
更に、減税補てん債、臨時財政対策債など本来国が持つべきものが減ってきているということで、やむなくそういう措置を取っているわけですので、歳出を抑制していくのはやむを得ないことで、5年連続マイナスになっているということです。

(記者)予算上見込まれている140億円の基金の取り崩しについては、いかがお考えですか。

(知事)三位一体の改革以来、そういったことが続いてきているわけですが、昨年より多少は少なくなってきています。
この取り崩しの額を出来るだけ少なくしていくには、もっと行財政改革等も進めながら歳出を抑制していく以外にないのではないかと思っています。

(記者)これから団塊の世代の大量退職が増えていく中で退職金の額も膨らんできており、来年度予算については人件費が伸びてきています。
経常収支比率も全国的に見れば本県は良いようですが、率そのものを見ると、財政の硬直化が心配されます。
知事ご自身も「小さな県庁、大きなサービス」を目指されている中で、公共事業、準公共事業など、事業費が減らされて経常経費が嵩むということについては、どうお考えでしょうか。

(知事)団塊の世代の大量退職というものも全国的なすう勢ではありますが、ここは一時、やむを得ない現象だと思います。
これを過ぎれば、そういう部分についての縮減を図っていくことが出来ると思いますが、今現在は団塊の世代と言われる人たちの大量退職という時期を迎えておりますので、何とかここはしのいでいかないと次へつながっていきません。
ですから、平成19年度以降の交付税等の動向は不透明な部分もあるわけですが、出来るだけ抑制を図りながら、県民サービスは低下させないように努めていかなければならないと思っています。
あとわずかな期間ですが、努力をする必要があると思っています。

(記者)先ほどの基金のお話の中で、「行財政改革等も進めながら歳出を抑制していく」とのことですが、どの辺のお金を減らす余地があると思いますか。

(知事)組織のスリム化です。平成18年度から地域振興局を廃止しますが、組織をスリムにして、職員定数の純減を図っていき、人件費の抑制をしなければなりません。
それから後は、公共事業の選別化、重点化です。こういうことも継続して行っていく必要があります。

(記者)そこが主な2点ですか。

(知事)はい。大きなところです。

(記者)組織のスリム化とか職員の純減というのは、去年の12月に県が策定した「第二次山梨県行財政改革プログラム」に既に盛り込まれているかと思うのですが、「財政の中期見通し」によりますと、それでもまだ独自の財政措置が必要だと書かれています。
更なる行財政改革の必要性があるということでしょうか。

(知事)もちろんそうですね。
その時の社会情勢等に的確に対応する組織というものは、時には必要なものはそちらへシフトして、そうでないものは無くすとか、組織も生き物ですから、常に変動していくということはあり得ることですね。

(記者)就任以来、厳しい財政状況が続く中で、ご自分でやりたいことや思ったことでも、なかなかお金が足りなくて出来なかったとか、そういうこともおありかと思うのですが、その辺の苦しさといいますか、もどかしさといいますか、率直なお気持ちはいかがでしょうか。

(知事)もちろん事業的にはいろいろありますが、一つには、県民の方々や我々含めて意識の中に、バブル全盛時のものがまだ残っているということですね。
こうした意識を変えないとレベルを下げるということは非常に難しいということです。
細かいことは申し上げませんが、こういう時代認識というものをしっかり持って頂いた中で、県民も行政も一体となって行政を進められることが出来れば、非常に上手くいくのですが、まだまだそういうものが完全に払拭されたという状況ではありませんので、その点が行政としての舵取りをする時に非常に苦しく、また悩みも多いところです。

(記者)バブルの時の意識というものがどこに、誰にあるのですか。

(知事)日本の国、全体ではないでしょうか。

(記者)例えば、県民と行政の話ということであれば、県庁にも県民にもそういう意識が残っているということでしょうか。

(知事)前進、前進ということの中で、何でも出来るという時代ではなくなったということです。
そのようなことに対して、やはりある程度は耐えなければならないというものが、徐々に浸透はしてきてはおりますが、従来のように物事が進んでいくということに対する希望というものが、なかなか薄らいで来ないという部分があります。
当然、ある程度は耐えなければならない、との認識の中で進められている部分もありますが、全体的に見ると自分の生活とか回りのことを考えてみても、そういうことはたくさんあると思います。
そういうことに対しての意識改革というのが必要なのではないかと思います。

(記者)意識改革というのは、どこに必要ということですか。

(知事)時代対応にですね。

(記者)県庁の行政の進め方にもということですか。

(知事)もちろん、行政もそうですね。

(記者)団塊の世代の再就職を支援しようという事業と、民有林を環境公益林と位置づけて枝打ちの整備に補助するという新規事業が2本ありますが、こちらの施策の背景、狙いについて、知事からご説明頂きたいのですが。

(知事)特に後の問題につながってくるのですが、山梨の自然環境を守っていくことは、山梨の役割です。
特に、道州制という方向に動いている時にその役割を果たしていくためには、「森の国・水の国やまなし」を確立していかなければいけないということで、森林整備等についても、支援をしていくということです。
なお、そのことなどに対して労力を惜しまず参加して頂く人達には、積極的に対応していこうという、仕事の面でもサポートしていく部分も入っていますので、新たな新産業の創出というのも視野に入れています。
また、今までの経験を生かした中で再就職をして活躍をして頂く機会をできるだけ多く創っていきたいということです。

(記者)基金の取り崩し額が140億円ということですが、土地開発公社への無利子融資は単年度ですが130億円(平成13年度から一般会計より50億円、平成18年度に80億円の増額で計130億円)という数字が出ています。
こう考えると、公社への無利子貸付というのが、県の財政にとって負担ということはありませんでしょうか。

(知事)平成18年度に80億円、無利子で貸付けをするわけです。その(土地開発公社の民間金融機関からの借入金)金利の負担を抑制していくということになります。
それにより、山梨県土地開発公社の金利負担は軽減されるわけです。
同時に、それを放置しておくと、簿価がどんどん上昇してしまいますので、簿価と実勢価格との乖離というのが大きくなってきます。
いずれ、これを処分するとかいろいろなことを考えた時に、出来るだけ簿価を抑えておかなければいけないということで貸付けをしているわけです。
財政支援をせずに放置して金利負担を補填していくよりも、一旦、そのような形で金融機関から借りているものをやめて、一般会計の方からそれを賄っていくということですので、財政的にはその方がはるかに良いのではないかと思っています。
(※注:貸付金は単年度のものであり年度末には貸付額は返済される。
80億円の財源は全て諸収入であり、一般財源ではない。
仮に80億円の貸付けを行わなかったとしても、基金の取り崩し額が140億円から60億円になるということではない。)

(記者)先程の団塊の世代と民有林の話の中で、「道州制でその役割を果たすためには『森の国・水の国やまなし』で森林整備をしていくことが大切だ」とおっしゃられたのですが、道州制とのつながりというのはどういうことなのでしょうか。

(知事)山梨の魅力です。魅力づくりということは大事です。
都市的な機能というのは、山梨よりもはるかに進んでいる県はたくさんあります。例えば東京、神奈川と比較すると全然違うわけです。
そういう中で、山梨の誇れるものは何かというと、東京には水を供給してます。あるいは、神奈川県にも供給しています。
山梨県は、東京都民、神奈川県民の水源、水がめにもなっているということです。
そういうものを山梨の魅力として位置づけていくためには、この自然環境というものをもっともっと保全していく必要があります。
それが「森の国・水の国」としての役割だということで、森林整備には力を入れていこうということです。

(記者)背景には、ミネラルウォーター税の導入ということもあるのでしょうか。

(知事)別にそれと結びつけてお話したわけではありません。
加えて、今、地球環境問題が叫ばれている中にあって、この二酸化炭素の吸収源としての森林の果たす役割というのは非常に大きいものがあるわけです。それも一つの大きな魅力であり、誇れる部分ではないかと思っていますので、森林整備には力を入れていきたいということです。

(以上)

リリース日:2006年2月17日

知事政策局広聴広報課

甲府市丸の内1-6-1本館2F
TEL:055(223)1336
FAX:055(223)1525

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop