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ページID:15452更新日:2019年2月1日
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(JPG:15KB)知事・山梨大学学長共同記者会見
平成18年4月26日(水曜日)16時30分から
本館2階特別会議室
<発表事項>
○「都市エリア産学官連携促進事業」について
(知事)都市エリア産学官連携促進事業の採択について発表致します。
本日、文部科学省から、本県が提案した「分散型クリーンエネルギーシステムの構築」事業を平成18年度の「都市エリア産学官連携促進事業」として選定したとの連絡をいただきました。
この事業は、「環境日本一やまなしの確立」に向けて、燃料電池の最先端の研究を進めている山梨大学と県の試験研究機関及び産業界が連携して、次世代のクリーンエネルギーシステムの構築を目指す事業として本県が提案したものであります。
この事業の採択により、国からの助成金3億円を含めて、3年間で総額4億5千万円の研究費が燃料電池の実用化等に向けて投入されることとなります。
県と山梨大学との密接な協力のもとに、このような大規模な産学官研究事業に取り組めることは、誠に意義深いものであり、予想される研究成果が本県の環境と産業にもたらす影響は計り知れないものがあると思います。
今後、山梨大学をはじめ、産学官の研究者がしっかり連携して事業に取り組み、エネルギー問題や地球温暖化の解決に貢献するとともに、新産業の創出など、本県産業の発展に寄与する多大な成果が得られることを期待するものであります。
(学長)今、山本知事から発表がありましたように、「都市エリア産学官連携促進事業」について採択がありました。これは山梨県からの申請ということで、県の皆様には大変頑張っていただきました。また、大学の方でも地域支援研究連携部というものをつくりましたけれども、文部科学省の方にも大変応援をいただいて採択されたわけです。
大学としましても、これまでクリーンエネルギー研究センターを中心としてクリーンエネルギーの研究を進めてきましたので、大変喜んでいます。これは、県と大学で協力して地域おこしを図り、産業を振興していこうというひとつの課題でありますので、こうした協同作業を通じて更に県との協力関係を深め、山梨県のために大学の知的財産を活用していただこうと思っています。
何はともあれ、昨年度ようやく調査費がつきまして、それをひとつの弾みとして関係の方々には頑張っていただきましたので、本当に心から感謝しています。山梨大学は中核研究機関ということで一所懸命このプロジェクトを進めていこうと思います。県の方々、あるいは文部科学省で協力していただいた方々にも見守っていただき、大学がどんな働きをするかということにも注目していただければと思います。
本日はどうもありがとうございました。
<質疑応答>
○「都市エリア産学官連携促進事業について」
(記者)学長にお伺いします。独立行政法人となって軌道に乗ってきたところだと思います。今回の採択によって国の大きな支援を受けられることになり、県とも協力していくことによって、山梨大学が激しい大学間競争時代の中で個性をさらに発揮していくことが期待できると思いますが、そのあたりの競争を乗り切るために、今回の決定をどのように活用していきたいとお考えでしょうか。
(学長)非常に大きな力になると思っています。大学にはクリーンエネルギー研究センター、ワイン科学研究センター、クリスタル研究センターの3つの特徴ある研究センターがありまして、それ以外にも工学部、医学部、教育人間科学部でいろいろなことをやっていますが、他にはない特徴を持ったセンターを持っています。その中のひとつが、県との協力関係の中で大きなプロジェクトを得られました。弾みになると思います。
さらに他の特徴あるセンターも活かしていただいて、産学官の共同が大変に重要視される中、大学としても地域貢献は大きな柱のひとつでありますので、ぜひ県の方々に協力いただいて、もっといろいろなプロジェクトを組んでいきたいと思います。大学だけではこれからは大きなプロジェクトはとれませんから。
幸いなことに県とは非常に親密な関係にありまして、山本知事をはじめとしていろいろと協力をいただいておりますので、そういう意味でも今回のことは大きな弾みになると思います。
(記者)知事にお聞きしたいと思います。県の施策に山梨大学が非常に大きなウェートを占めることになると思いますが、このことについてどのように活用していくお考えですか。
(知事)これはかねてから何か具体的な形で示すことができないかという想いを持っていたわけですが、ようやく文部科学省で認めていただいたということで現実のものとなってきたと思っています。これは大変喜ばしいことでありますし、本県の知的財産というものを、これから大切に育て、大きく発展させていきたいと思っています。
これは、これからの地球環境問題等を考えたときに世界的な規模で貢献できるのではないかと、こんな期待も持っています。
(記者)お二人にお聞きします。知事がいわれたとおり、山梨大学にとって燃料電池を中心とするクリーンエネルギーというものは、いくつもある研究分野の中で世界レベルで勝負できる分野と位置づけておられると思いますが、その辺り山梨大学として今回の決定をどのようにとらえているかということと、それは転じて県にとっても世界レベルで通用する産業の育成に繋がっていくことになると思いますが、そのことについて知事がどのように考えておられるかお伺いします。
(学長)クリーンエネルギーに関しては、前々から日本のリーディングプロジェクトとして政府の援助をいただいているわけであります。これは、世界的な、日本をリードするプロジェクトを山梨大学でやっているというひとつの証でありまして、この研究が地域の産業と結びついて、先程知事がいわれたように世界的な事業になっていくのでなないか、こうしたことを認めていただいたと大学としては考えています。
(知事)既にこの燃料電池の実用化に向けて企業も相当研究をしているわけですが、このルーツは山梨大学にあるわけです。ですからその意味では、これを進めることによって、まさに世界的規模に拡大していくのではないかと思っておりますので、一時も早くこれが国民の目に見えるかたちで現れてくること期待しています。
(記者)これはあと何年ぐらいで実用化されるのでしょうか。
(学長)プロジェクトには13社の企業が入っていまして、3年ぐらいで実用化に向けた基本的な作業をして、次のステップに移るわけです。基礎固め及び試作品を3年間でしっかりやって、本格的な実用化には市場調査などもいろいろやらなければならないわけですので4~5年はかかるのではないかと思います。3年プラス4~5年はかかるのではないかと思います。
(プロジェクト総括研究代表者)いろいろな分野の技術が総合されて最終的なかたちになっていくわけです。今のプロジェクトの中で、例えばある材料を開発するとか、水素を作る触媒を開発するとかでありますと、学長が言われたように、3年であるひとつの試作品をつくって、それを今度はかたちにするところを次のフェーズで地元の企業と協力してやっていくということになると思います。燃料電池というものはまだスタートしたばかりですので、使いはじめたからといっても、それをさらに改善したり、よりいいものの開発はずっと続けていかなければならないことだと思っています。
(記者)今回の決定を受けて、燃料電池を中心とするクリーンエネルギー産業というものは、例えば今の中心産業であるIT産業と並ぶような、あるいはそれ以上の新産業に育成していきたいという想いがあるかと思いますが、そのあたりお二人に期待というか、抱負というものを話していただければと思います。
(知事)今はご存知のとおりの原油高で、日本の経済も窮地に追い込まれています。こうしたことを考えたときに、次世代の新エネルギーを山梨県から発信できると、こんな夢を持っています。これが夢でなく、現実のものとなっていくことを期待しています。
(学長)技術的なところから言いますと、山梨大学は基本的な技術を持っています。それと、山梨県の中にはいろいろなクリーンエネルギーに関する技術を持っている企業があります。水素を作る技術だとかいろいろありますが、そうした企業は現在13社ありまして、このプロジェクトに積極的に加わっていただいています。大きなところでは東京ガス、東京電力、東京エレクトロンとかですが、特色を持った企業に入っていただいておりますので、そういう意味ではインフラは山梨県内に相当あると思っています。
自然環境にも恵まれています。水素を作るためにはいろいろなことをやらなければならず、例えばバイオマスの利用は山梨県で相当取り組んでいます。それらを含めたエネルギー戦略の中で、このクリーンエネルギー、水素を使った燃料電池というものは大きな位置を占めていくだろうと思います。
これは山本知事が言われるように、ぜひ山梨県から発信したいと思っていますし、次世代に向けてどうしてもやらなければいけない事業だと思いますので、実用化まで頑張っていきたい。3年の期限ではありますが、その後も努力していかなければいけないと思っています。
(記者)将来的にはどの程度の産業にしたいとお考えですか。
(学長)ものすごくいいんじゃないでしょうか。石油がすごい勢いで値上がりしていますが、水素は水から安定供給できるわけです。水素がどのくらいできるかはこれからの技術にもよるわけですが、世界的な産業になるのではないでしょうか。
(以上)
リリース日:2006年4月28日
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