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知事記者会見(平成16年2月19日)

詳細内容

知事臨時記者会見
平成16年2月19日(木曜日)10時30分から
本館2階特別会議室

<発表事項>
○「平成16年2月定例県議会提出予定案件」について

(知事)ご苦労様でございます。まず始めに平成16年2月定例県議会提出予定案件についてであります。
2月定例県議会は、2月26日に招集することとし、本日、招集告示を行ったところであります。
提出案件は、
条例案29件、予算案23件、その他の議決案件10件、報告事項25件
の予定であります。
この内、平成16年度当初予算についてでありますが、規模(一般会計)は、4,747億1,273万6千円であります。
まず国の予算・地方財政計画の状況についてでありますが、平成16年度予算は、これまでの「改革断行予算」という基本路線を継続し、歳出全般にわたる徹底的な見直しを行い、歳出改革を一層推進するとの考え方に基づき編成をされました。
国の予算においては、三位一体の改革の初年度の姿が示され、国庫補助負担金については1兆円の削減、税源移譲については所得譲与税の創設等、地方交付税については総額の削減を行うこととされました。
一方、地方財政計画は、国の歳出予算と同一歩調の下に策定され、三年連続して規模が縮小されました。
こうした中で本県の財政状況でありますが、明年度の本県財政は、歳入面では、県税収入は法人二税についてやや持ち直すことが見込まれるものの、三位一体の改革の影響により、地方交付税及び臨時財政対策債には大幅な減額が見込まれております。
この内、三位一体の改革による本県財政への影響は、退職手当等の義務教育費国庫負担金の一般財源化などによる国庫補助負担金の減少額が19億円、これに伴う所得譲与税の創設など税源移譲が24億円、地方交付税改革による地方交付税及び臨時財政対策債の減少額が、合わせて279億円と見込まれており、総額274億円という極めて大きなものであります。
また、歳出面では、市町村合併に関連する経費や介護保険関連経費、公債費などの増加が避けられないところであり、本県財政はかつてない厳しい状況にあります。
こうした厳しい財政状況下での予算編成でありましたが、その基本的な考え方を申し上げます。
まず厳しい財政状況にあっても、明年度は「創・甲斐プラン21」の初年度として、「誇れる郷土力ある山梨」の実現に向け積極的に施策を展開し、県民の期待に応えていく必要があります。
このため、平成16年度予算編成に当たっては、行財政改革プログラムを着実に実行に移す中で、歳入歳出の両面において、あらゆる努力と工夫を重ね、限られた財源の重点的・効率的配分に努めました。
歳入面では、税収確保特別対策事業の推進により県税収入の確保を図ることとし、また歳出面においては、シーリングによる一般行政経費の抑制や経常経費の削減、事務事業や県単独補助金の見直し、公共事業等の段階的縮減や選別と重点化など、歳出全般にわたる見直しを行いました。
こうした見直しを行う中で、三位一体の改革の影響額274億円には、県税の収入増37億円、歳出削減による一般財源の節減58億円、基金の弾力的活用179億円で対応することとしました。
その上で限られた財源の重点的・効率的配分に努め「誇れる郷土力ある山梨」の実現に向け、重要な政策課題には積極的に取り組むこととしました。
なかでも、産業振興にはとりわけ重点的に取り組むこととし、将来有望な企業の支援育成を図るためのベンチャーファンドの組成、経営支援緊急融資の継続などの金融対策、山梨ブランド確立のための取り組みなど、本県経済を支えている中小企業のための施策には、特に意を用いたところであります。
また、観光立県「富士の国やまなし」の確立を目指し、新たに策定した観光振興戦略を基に、地域の観光資源の魅力を高めるための基盤整備への重点投資など、6つの主要戦略に沿った様々な事業を展開することとしました。
その他、富士山の山小屋トイレ整備に県単独補助制度を設けるなど環境保全対策、小学校1年生に30人学級を導入するなど教育・文化の振興、不妊専門相談センター設立など少子・高齢化対策、市町村合併の推進などに要する経費についても積極的に計上したところであります。
次に、平成15年度2月補正予算についてでありますすが、補正予算の主な内容としては、事業費の確定に伴う減額補正、市町村合併に伴い緊急又は臨時に必要となる事業を実施する市町村に対する合併支援特例交付金などであります。

○「山梨県長期総合計画・甲斐プラン21」の実施計画の公表について

(知事)次に、「山梨県長期総合計画・甲斐プラン21」の実施計画につきまして発表致します。
「山梨県長期総合計画・甲斐プラン21」については、先般の基本計画に引き続き、本日、実施計画を公表する運びとなった次第であります。
この実施計画は、基本計画で掲げた目指すべき県土像である「誇れる郷土力ある山梨」を実現していくための具体的な事業を体系的に整理したものであります。
内容といたしまして、まず、県民生活に特に関わりが深く、早急な取り組みを要する重点項目を「活力やまなしプロジェクト」として位置付けております。
また、体系別施策事業につきましては、基本計画の施策体系に沿って、218の単位施策を設定し、905の具体的事業を掲げております。
総事業費は、国、市町村や民間団体等の事業費も含め、概ね1兆4,300億円であります。
かつてない厳しい財政状況下での計画のスタートとなるわけでありますが、あらゆる努力と工夫により財源の確保に努めるとともに、事業の選別と重点化、効率化を一層進め、施策の着実な展開を図って参りたいと考えております。
今後は、「誇れる郷土力ある山梨」の実現に向け、「県民挙げて参画する県政」を基本に、県民、事業者、行政が一体となった取り組みを進めていくため、実施計画に掲げた事業について、県民の皆様の御理解と御協力が得られるよう努めて参る考えであります。

○「平成16年度の『山梨版景気対策』」について
(知事)次に、「山梨版景気対策」についてであります。
本日「緊急中小企業・雇用対策本部会議」を開催し、平成16年度の「山梨版景気対策」について決定致しました。
県内景気は、全体としてなお足踏み状態が続いており、依然として厳しい状況であります。
このような中、中小企業金融対策や雇用対策を柱に全力を挙げて「山梨版景気対策」に取り組んできたところであります。
明年度においても、中小企業金融対策として、本年度、緊急措置として創設した経営支援緊急融資制度と借換融資制度を継続実施するとともに、既存の融資メニューの整理統合を行い、総融資枠180億円を確保致しました。引き続き中小企業者の資金需要に応えて参ります。
また、新たな投資制度として、県内民間企業などと共同して、やまなしベンチャーファンドを組成し、成長初期段階にある有望な地場中小企業の支援・育成を図って参ります。
さらに、宝飾や織物、ワインなどの優れた県産品のブランド化を図るため、山梨ブランド推進事業としてデザイン開発や商談会開催、新製品の宣伝の支援などを行って参ります。
雇用対策については、「雇用創出・就業支援プログラム」に掲げた取り組みを各部局で連携しながら効果的に実施して参ります。
緊急地域雇用創出特別基金事業としては、県分、市町村分を合わせて11億円余を計上するとともに、中高年齢者や若年者等の離転職者の早期就業を促進するため緊急離転職訓練を拡充実施します。
今後とも、県内の景気動向や雇用情勢を見極め、中小企業の経営の安定と雇用の場の確保のため適時適切な対応をして参りたいと思っています。
以上です。

<質疑応答>
○「平成16年度当初予算(三位一体改革)について」

(記者)三位一体の改革で274億円の財源不足が生じたとのことですが、地方財政計画が出る前の各部局の予算見積もり段階での不足額の予測がどのくらいだったのかということと、実際に274億円の財源不足が生じた時の知事のご感想をお伺いします。

(知事)当初、(国は)1兆円削減して税源を移譲するということだったのですが、第一段階では4、200億円の税源移譲ということになりました。
これは大変厳しいものでして、当初は1兆円ということだったので前年並みのところを想定していたのですが、各県で配分されていくのを見ますと200億円前後は少なくなるだろうと思っていたのですが、それよりもちょっと厳しくなったということです。

(記者)それを踏まえて、臨時財政対策債を含めて交付税が減るということがわかってから県で特に対応したということはあるのですか。
他の県では、ひどいところでは予算を組み直したりした例もあるのですが、山梨の場合はどうだったのですか。

(知事)事務事業の見直し等を行いながら行政改革の中でぎりぎりのところまでは詰めておりましたので、その額は確保しなければならないということで基金の取り崩しをやむなく行い対応していくということとしました。


(記者)そうしますと想定を上回る財源不足が生じるということで、基金の取り崩しに至ったということですか。

(知事)はいそうです。

(記者)今回の国の三位一体改革についての、改めて知事の見解をお伺いします。他県の知事なんかは反発している知事がいますが、山本知事はいかがお考えですか。

(知事)私も反発をしています。
当初は全体で4兆円(の補助金・交付税削減)、初年度として1兆円(の補助金・交付税削減)で、財源の移譲というものがそれに見合ったものでないというならば、その差額については今までの交付税のような財源の保証をもらわないと、本県は基金で対応できましたが基金で対応できないというところがいくつかあるようです。
これから、この不足分を国がどういう風に補填して来るかということもありますから、早速にも集中的に国に申し入れをしていますので、今現在では見通しが立っていませんが見通しが立たないと困りますし、このまま放っておかれると地方と中央の格差が広がって来てしまいますので、そういうことのないようにしっかりとした国の対応をこれからもお願いをしていきます。

(記者)この当初予算編成に対するご自身の評価、「頑張ったな」とかはいかがですか。

(知事)頑張りは頑張りですが、厳しい状況です。前年よりも厳しくなったわけですから・・・自己評価というよりも各部ができるだけ歳出を抑えていく努力をしてくれたと思います。

(記者)その厳しい中で、やりたいと思っている事はできたのでしょうか。

(知事)先ほど申し上げた長期計画の中で組み立ててありますから、その事業はやっていかなければならないということで、実施計画に基づいて5年間、計画的・段階的にやっていきます。

(記者)来年度に関してはやりたい政策というのは十分ですか。

(知事)予算編成をしましたからそれに基づいて執行していきます。

(記者)例えば、もっと予算があればやりたい政策があったとか・・・

(知事)それはねえ、もちろん予算があればどんどんふくらんでいくでしょうがそういう状況ではありませんから。

(記者)先ほど、国の方に交付税を含めた対応を働きかけていくとのことでしたが、国に対する働きかけと同時に、県の自助努力が求められると思うのですが、その点については財源不足に対応するため、今後こういうことをやっていきたいということがありますか。

(知事)それは常に、毎日毎日考えないといけないですね。やはりスクラップ・アンド・ビルドという言葉もありますが、時に時代の流れの中でもういいのではないかとか、予定は10であったが7で抑えるとかの見直しを常に日々行わないといけないと思います。
そういう努力を怠らないようにしなければいけないと思います。

(記者)新しい財源を見つけるというようなことはいかがですか。

(知事)こういう経済的な不況下で課税客体を求めていくということは大変難しいと思います。
しかし、(課税によって)何か還元できるということを目標にしていくならば不可能ではないと、こういうことです。

(記者)新たな独自財源について具体的にはいかがですか。

(知事)今は具体的には申し上げられませんが、ただ利益が上がっているから課税するということだけではならないと思います。
利益が上がっていると同時に、それに課税をする時には何か目的的なものとして還元をしていくことが可能かどうかという形をとらないと、理解は得られないのではないかと思います。

(記者)先ほど、スクラップ・アンド・ビルドというお話がありましたが、まだまだ事務事業など内部的な見直しで対応出来るのか、もう限界まで来ているのでしょうか。

(知事)出来るものはあるでしょうね。
まだここには示せませんが、もっともっと精査して縮減を図れるものもあると思います。
また、逆に拡大をしていかなければならないものもあると思います。

(記者)国の方針が定まっていない中で来年度以降も相当厳しいのかなという気がしますが、長期的展望ではいかがですか。

(知事)そうですね、この後2、3年ですね・・・しかし景気の方がだいぶ上向きになって来ていますので、そういう意味では税収増というものを期待していきたいなと思いますし、自助努力といいますか、そういう中では産業振興ということに力を入れていく必要があると思います。
長期計画の中でもその点は中核的存在として打ち出させて頂いております。

(記者)地方交付税がこれだけ下がったということに関しての思い、国への思い、感想はいかがですか。

(知事)結局、国も地方も事業が非常にふくらんでしまったということでしょうね。これを元に戻すということが非常に難しい・・・それには一人一人の意識というものも変えていかないと難しいのではないかと思いますし、国際化という中での国際連携ということも今まで以上に進めないと、日本単独だけで動くような時代でなくなったということですね。
もちろんそういう方向へ進んでいるのですが、もう少しテンポを進めないとならないのではないかなという感じがします。

○「平成16年度当初予算(財政状況)について」

(記者)今まで山梨県は県の財政について、国の適切な財政措置があれば危機的な状況に陥ることはないというような判断を示されていたのですが、この度、国の方で交付税とかだいぶ絞り込んで来たのですが、そうなりますと山梨県の財政はどのような状況にあるとお考えですか。

(知事)全国的な数字を見ていきますと、山梨県は人口が少ないので規模的には小さいのですが、実質的な中身はそんなに悪いところには位置付けされていません。山梨県も厳しいのですが、平成16年度予算も組めないというまだまだ厳しいようなところもあるということですから、まだそこまではいっていないというところです。
楽観しているわけではありませんが、そういう状況に置かれていると思います。

(記者)財政の健全性を示す指標ですが、起債制限比率、公債費負担比率ともに全国平均を上回っていると聞いています。また、経常収支比率も数字的には悪化したとのことですが、その上でどのように財政に取り組んでいくのでしょうか。

(知事)人口(規模)が大きくても小さくても公共サービスは一定の水準まで上げなければなりません。
ですから国土の均衡ある発展ということで、今まで全国どこでも同じように行われてきました。
今の全国総合開発計画(「21世紀の国土のグランドデザイン」)というのは個性ある発展というものを目指すということですから、今までなかったものをこういう風に(全国一律に)やるという時代ではなくなってしまったということです。
そういう時代は、人口(規模)が大きくても小さくても同じようなレベルで交付税が来ていたのですが、それが段々少なくなってきました。これは市町村にも言えることです。
ですから個性的なものを発掘していかなければならないという財政環境に置かれているということです。

○「平成16年度当初予算(舞鶴城公園の天守閣整備)について」

(記者)個別の事業についてお伺いします。
新年に、舞鶴城公園の天守閣の整備なども含めた整備についてかなり前向きにお話しされていたかと思いますが、新年度予算案の中に新規事業というか、それに関する予算がまだ盛り込まれていませんが、どういう風にされていかれるのでしょうか。

(知事)あの時は、甲府市で北口に山手門の復元を進めていこうという発表がされました。
甲府の街は、山形市なんかと同じように中世と近世・近代が一体的に組み込まれた非常に貴重な街であると専門家の先生方がよくおっしゃるわけですが、その核になるものとして舞鶴城というものは中心的な存在だと思います。
甲府市も山手門を整備して、なんとか街の活性化のためにも寄与していきたという思いで建設をしようという動きがあるわけです。
そういう時に、以前からも天守閣論争がありましたが、舞鶴城は県が管理している所ですから天守閣についても考えていかなければいけないな、ということでそんな話をさせて頂きました。
天守閣ということになるとこれからも多くの人々のご意見を聞きながら、また、甲府市の取り組みとも連携をとっていかなければならないだろうなと思いました。
甲府市の動向等も見ながら必要であるならばその研究機関を設けていきたいなと、特別の予算は計上してありませんが平成16年度からスタートします政策秘書室を中心に検討していくことも可能です。
そのための予算は、政策秘書室の中の予算で対応できるのではないかと思っています。

○「平成16年度当初予算(県債の削減)について」

(記者)知事の公約の中で県債の削減というのがあったと思うのですが、行財政改革プログラムの中で公共事業費と準公共事業費の目標値を設定して来年度の予算に取り組まれて数字的には達成されているのかなと思いますが、来年度予算編成に取り組まれた今、県債削減の公約に対して県債削減が進んでいるのかどうかということについてはいかがですが。

(知事)多少ですが削減してきています。
県債の中には、臨時財政対策債という、(地方が行う事業に対して)国が地方に配分すべき財源を配分できないから起債で行いなさいというものも県債の中には入っています。
そういう県債を除きますと、多少は抑えられています。

(記者)交付税で補填される臨時財政対策債ではなくて、本来削るべき県債について少し歩みが遅いのではないかと見えるのですがいかがですか。

(知事)現状の経済状況の中では、経常的な経費というものがふくらんでいますので、それに対応せざるを得ないですし、新たな財源は税収増を見込む以外にないのですが、そういう意味では経済状況が非常に厳しい中ではなかなかそちらの方へ振り向けられる状況は難しいです。
しかし、それを(経常的な経費というものを)ふくらんでいくことのないようにはやっています。

(以上)

リリース日:2004年2月20日

広聴広報課(ホームページ管理者)

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