トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事臨時記者会見(平成30年11月19日月曜日)
ページID:88008更新日:2018年11月20日
ここから本文です。
特別会議室 16時30分から
発表事項
配布資料 |
|
知事
ただ今、四者におきまして、「糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定」を締結いたしました。この間、県医師会の今井会長始め、北村会長、刑部会長には、本当に御尽力いただきまして、心から御礼を申し上げたいと思います。
県内の人工透析の患者さんの数は、2,100人前後で推移していると承知しています。人工透析が必要となった場合、週3回、1回4から5時間の人工透析を受けるということ、これが生涯続くということで、患者さんの負担は非常に大きなものとなっております。さらに、一人あたりの治療費は、人工透析の場合、年間約500万円、患者さん全体で、山梨県全体では約100億円を上回るという形で、本県の医療費が約2,700億円程度でございますから、約4パーセントという形で、医療費の面から見ても大きな課題であると承知しています。
また、本県では、新規透析患者さんのうち、糖尿病性腎症が原因となる割合が非常に高く、人口10万人あたりでは17.6人と、全国でも上位の部分に位置しております。県では、平成27年度から、新規透析患者さんの数を減らしていくことを目指し、CKD対策をスタートさせたところ、平成28年度の新規透析患者さんの数は、27年度に比べると、28人減少するなど、減少傾向に転じ、徐々に成果を上げているところでございます。これを医療費に換算すると、1.5億円程度の削減につながったと報告を受けております。
先月末には、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定いたしましたが、本日、四者で締結いたしました協定は、このプログラムの活用を推進するものであり、これまで行ってきましたCKD対策と併せて、人工透析に至る患者さんを抑制するという部分の両輪になることを大いに期待するところであります。
今後は、まず、このプログラムをよく理解していただくため、地域の医療関係者の皆様方に、丁寧にご説明させていただくとともに、実際に患者さんに指導を行う、市町村の保健師や栄養士などの方々を対象とした説明会を今年度中に開催して参りたいと思っております。また、国民健康保険だけでなく、企業などに勤務する方が加入しております被用者保険の保険者の方々にも説明を行い、県内の全ての保険者の皆様方に取組を広げていきたいと考えております。
御臨席いただいています、今井会長、北村会長、刑部会長を始め、本協定締結にあたり、御尽力いただきました関係各位に改めて感謝を申し上げるとともに、今後も、糖尿病性腎症重症化予防対策への更なるご理解、ご協力をお願い申し上げ、御礼のあいさつとさせていただきたいと思います。本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。
山梨県医師会会長
ただ今、糖尿病性腎症重症化予防に関する連携協定が締結されまして、大変意義深いことと考えております。これを機に、重症化予防の更なる推進に新たな決意を持って臨むものです。医師会としましては、この協定に書いてあります保険者とかかりつけ医との連携の強化、そして、かかりつけ医と専門医との間の連携の強化などに一段としっかり取り組んでいきたいと考えているところでございます。また、この重症化予防につきましては、透析移行者を減らし、健康寿命の延伸につながり、ひいては医療費削減につながるということで、今まさに取り組まなければならない喫緊の課題であると考えているところでございます。医師会といたしましても、かかりつけ医、健康スポーツ医などを中心に、県民の運動習慣の定着化、あるいは生活指導を積極的に推進いたしまして、重症化予防に一層取り組んでいきたいと考えているところでございます。
また、富士吉田市医師会が取り組んでおります腎症患者の人工透析への移行を予測するコンピューターシステムの開発につきましても、医師会としても支援をしていきたいと考えているところでございます。今後とも、腎症の重症化予防の対策に一層取り組んでいきたいと申し上げまして、あいさつにさせていただきます。よろしくお願いいたします。
山梨県糖尿病対策推進会議会長
山梨県糖尿病対策推進会議の代表を務めております、山梨大学医学部第三内科の北村でございます。本日、糖尿病性腎症重症化予防に関する連携協定が締結されましたこと、また、プログラムが策定されましたことを大変嬉しく、意義深く思っておりますとともに、この連携を進めていかなければいけないと身が引き締まる思いでございます。
山梨大学医学部第三内科は、主な診療領域として、糖尿病や腎臓病を担っているところでございます。この糖尿病性腎症重症化予防につきましては、糖尿病専門医並びに腎臓専門医、私どもの診療科が担当している領域が積極的に、このプログラムに取り組み、県民の皆様が健やかな生活が送れるよう鋭意努力していかなければいけないと思っております。
山梨県は、後藤知事の強いリーダーシップのもと、平成27年度からCKD対策を進めて参りました。今回、糖尿病性腎症重症化予防プログラムで、保険者と糖尿病専門医とかかりつけ医の連携が強く結ばれ、この連携とCKD病診連携システムと併せて、プログラムが融合的に連携できるということが、透析とならないように予防対策をしていくうえで、非常に重要な役割を果していくと思っております。今後も山梨県糖尿病対策推進会議といたしましては、糖尿病専門医の立場から糖尿病性腎症重症化予防に努めるとともに、山梨大学医学部第三内科といたしましても糖尿病、腎臓病両面から県民の皆様の健康づくりのお役にたちたいと考えております。よろしくお願いいたします。
山梨県CKD予防推進対策協議会会長
山梨県CKD予防推進対策協議会の刑部でございます。この協議会は、山梨県における病診連携等による効果的なCKDの予防、あるいは重症化予防に関する施策を協議し、推進することを目的としております。具体的には、CKD対策の課題及び具体的な取組、病診連携の体制整備に関すること、山梨県慢性腎臓病の予防の効果の検証、その他山梨県慢性腎臓病予防推進事業の実施推進に関し、必要な事項を協議する場でございます。5年間で新規透析導入患者の10パーセント減少を目指し、回を重ねて参りました。この度、山梨県、山梨県医師会、山梨県糖尿病対策推進会議とともに協定が締結され、病診連携とともに各種団体との連携が更に強固なものになり、CKDの患者さんにとってよりよい生活の質が提供されることを期待しております。
また、今回示されました糖尿病性腎症重症化予防プログラムも他の都道府県と比べて、決して見劣りのするものではなく、むしろ一歩先をいく充実したものであると感じます。今回の締結を機に山梨県の糖尿病、腎臓病の予防事業が素晴らしい結果を残せるよう、山梨県CKD予防推進対策協議会としても協力していく所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
記者
今回のプログラムでは、先ほどもお話がありましたが、病診連携、かかりつけ医と専門医との連携、患者さんとも連携していく等、CKD対策と併せて取組んでいくということですが、連携は今までも図られてきたと思うのですが、より確認をしたという意味合いになるのでしょうか、それとも、もっと具体的にこういう場合はこうするとかの取り決め、代表的なものがあるのでしょうか。
山梨県糖尿病対策推進会議会長
今回の糖尿病性腎症重症化予防プログラム策定の前から、病診連携、つまり、かかりつけ医と専門医との連携は図られておりました。糖尿病の患者さんによくあるのですが、糖尿病の疑いがあり、健康診断で異常を指摘されているにもかかわらず、医療機関を受診されない方、もしくは糖尿病というのはほとんど症状がないものですから、一回医療機関で通院を始めても中断されてしまう方、そういう方が後々重症化してから病院に来るという状況がございますので、今回のプログラムではそういった中断されている方、医療機関未受診の方をどのように拾い上げるかという基準を作ったというのが一つ大きなポイントでございます。
もう一つは、日頃かかりつけ医さんにかかっていらっしゃる患者さんでも、糖尿病専門医との連携、もしくは御意見を伺うある程度の基準、かかりつけ医と専門医が患者さんをやり取りする連携基準も具体的に作成させていただきました。ここも新しい点かと思います。また、腎臓に関しては平成27年から行っていますCKD対策の病診連携基準というものがございますので、この基準を踏襲するということ、また、新たに基準を設定することによって、患者さん、かかりつけ医さんが分かりやすく連携のプログラムの中に入っていけるという仕組みづくりをしたつもりでございます。
記者
5年間で患者10パーセント削減というのは、プログラムの目標ですか。
山梨県CKD予防推進対策協議会会長
これはプログラムの目標ではなく、県CKD予防推進対策協議会の目標になります。今回の協定を踏まえて、県医師会、県糖尿病対策推進会議、県CKD予防推進対策協議会の三者の共通した目標にもなるかと思います。
記者
これはいつまでの目標で、糖尿病、慢性腎臓病の両方の10パーセント削減ということでしょうか。
山梨県CKD予防推進対策協議会会長
糖尿病性腎症の方も含めて、平成27年から5年間の目標でございます。
記者
本県は人口10万人あたりの糖尿病性腎症を起因とする新規人工透析患者が非常に高いということですが、これは全国で何番目あたりになるのでしょうか。また、どうして本県は高いのか教えていただきたい。
山梨県糖尿病対策推進会議会長
平成22年のデータでは、糖尿病性腎症を起因とする新規透析患者数は、人口10万人あたり、17.3人で全国1位、平成27年は17.6人で全国2位となっております。
記者
1位はどこでしょうか。
知事
徳島県です。
山梨県糖尿病対策推進会議会長
なぜ多いのかについては、なかなか難しく、まだはっきりした答えが出ていないところでございますが、基本的に山梨県には比較的糖尿病の患者さんが多いということが要因の一つとして挙げられます。また、厚生労働省の国民栄養調査では、車社会というのを反映しているかと思いますが、歩く数が全国と比べて少ないことが分かっております。そういった影響もあろうかと思いますが、はっきりしたことは申し上げにくい状況でございます。また、専門医の数も比較的少ない状況にございます。山梨県は糖尿病専門医、腎臓専門医が比較的少ない県でございます。専門医が少ないことからかかりつけ医との連携が難しくなっているということも一つ原因ではないかと言われております。
知事
今回、山梨県では連携協定を締結しましたが、全国で9番目、関東では栃木県に次いで2番目という報告を受けております。
以上