トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成30年10月26日金曜日)
ページID:87666更新日:2018年10月27日
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本館2階特別会議室 11時30分から
発表事項 発表事項以外の質疑応答 |
知事
「やまなしパワー」については、明年度から3年間、内容を充実し、「やまなしパワーPlus(プラス)」として事業を継続することといたしました。今般、準備が整ったので、来月1日から、明年4月以降の供給先について募集を開始したいと思っています。今回の募集におきましては、電気料金の割引率を既存企業については3.5パーセントから5パーセントに、新規立地企業等につきましては6パーセントから7パーセントに割引率を引き上げ、電気料金の一層の低減を図るほか、供給対象先に農畜産物生産施設を追加したところでございます。また、CO2(シーオーツー)排出削減等に取り組む企業向けに、「ふるさと水力プラン」として、環境価値を提供するメニューも新設するなど、新たなニーズにも対応することといたしました。「やまなしパワーPlus(プラス)」を多くの企業の皆さん方にご利用いただき、県内経済のさらなる活性化に対応してまいりたいと考えています。
記者
3年間、企業誘致に効果を発揮してきていると認識していますけれども、知事のこの事業に対する評価といいますか、成果について教えていただけますか。
知事
3年間、「やまなしパワー」については、概ね400社に利用いただいています。アンケート調査では、約2割の企業が既に低減した電気料を設備投資に、約7割の企業が今後、設備投資や雇用増加につなげたいと回答していることから、着実に「やまなしパワー」の成果が上がってきていると認識しています。今回、Plus(プラス)という形で、割引率を拡大したり、環境価値を提供するメニューを新設したり、また、対象施設を拡大することにより、さらなる企業の元気につなげていければと思っています。
知事
私の就任以降、ジビエ等の肉や皮の製品化など捕獲したシカの有効利用について、2つの組織を立ち上げて検討してまいりました。1つは、平成28年に庁内に山梨県ニホンジカ有効活用プロジェクトチームを設置し、ニホンジカの有効活用のための課題等の整理や活用策の検討を行いました。また、昨年度から山梨県ニホンジカ有効活用協議会を設置し、シカ肉の認証制度の運用やシカ皮の活用方法など多方面からの活用方策について検討を進めてまいりました。また、産業技術センターでは、技術的なサポートということで、新たな製品開発に取り組んできました。この結果、シカの皮の白色なめし技術による製品化に関し、有効活用協議会におきまして、それぞれの関係者の役割分担のもと、製品化の流れについて合意に至りましたので、今、報告をさせてもらいました。
製品化により、狩猟から製品化という川上から川下までが一体となって進めていける、いわゆる地域循環ができることになります。この白くなめす技術は、これから特許を取っていくこととしており、他の産地や地域と差別化ができるということや甲州印伝のオリジナルな技術を使ったもので消費者の方にも喜ばれるということで、有効活用の促進や循環型社会の構築にも資するものであり、また、いわゆるSDGs(エスディージーズ)の発想にも通じていると思っています。これからは、産業技術センターや畜産試験場等の県の研究機関もそれぞれの専門性に合わせてきめ細かな支援をしながら製品化や販売も含めて支援してまいりたいと考えています。
「URUSHINASHIKA」のネーミングは、印伝の一つの要素である漆、山梨、シカの語呂をうまく組み合わせて、「ウルシナシカ」という造語をつくりました。これは、商標を来月に出願し、半年くらいで登録されると思います。また、この白なめしの技術につきましても、登録まで1年程度かかるようですが、特許出願を12月に行うよう準備しているところです。また、循環型には他の産地との差別化が大切ですから、そういう視点で特許と商標登録の合わせ技で新しいビジネスモデルやSDGsの環境社会経済に合致したものにつなげていきたいと思います。
記者
白いなめし技術は、全く新しい県の技術ですか。
知事
県と有限会社レオンインターナショナルというなめしの専門業者で共同開発した技術で特許も共同出願となります。また、印伝は、昭和62年から国の伝統的工芸品になっていますから、すでに30年以上経過しています。その漆の技術とのコラボで特許出願ということですが、なめし技術は伝統的に残っていないとのことから、関西の会社と組ませてもらいました。詳細は産業技術センターの所長から説明させます。
記者
白いというのも初めてですか。
知事
そうです。今までできなかったそうです。印伝でも黒や赤などに染色したものが多いです。白という色は汎用性が高く、いろいろなデザインに応用することができます。
記者
白と漆の関係はどういう関係ですか。
産業技術センター所長
これまで白い革を製造することはできておりませんでした。今回、白い革ができ、さらにこの革に漆付けがしやすくなるような加工を施すことに成功しました。今後は、印伝業界において、さまざまなデザイン、さまざまな色と組み合わせた、差別化された商品ができると思われます。
記者
白いものに漆を塗るのですか。
産業技術センター所長
通常の革加工製品で色が付いているものについては、原皮をなめした後に染色するか、塗装を施すという加工をします。印伝の技術は、シカ革の上に型紙を用いて漆をのせるという加工になります。
記者
並んでいるものの真ん中に財布がありますよね。あれは漆で加工しているということですか。
産業技術センター所長
加工した革の上に漆をのせております。
知事
これは原皮、もともとの皮を使った上で、白くなめして、その上に漆をのせたもの。漆がのるので、いろいろと使い道が広がります。
記者
白いままでも、(漆を)のせることもできるということですね。
知事
はい。ちなみに、白色はあまりないので、庁内でも素敵という評価した女性職員もいました。これまで捨てていたものが新しい素材として製品化され、販路が拡大されていく。狩猟の段階で気をつけていただくことなど、川上から川下の(プロセスの)中で、やっていただかなければいけないことがあり、協議会の中で合意されたので今日公表しました。
記者
製品化が完成したということなのでしょうか、そうすると、いつから市場に出す予定なのか、スケジュールを教えてください。
産業技術センター所長
商標出願を11月から進めようと思っていますが、通常は約半年後に、商標が登録されます。ブランドが保護できますので、その頃から製品として市場に出していけるのではないかと考えています。
知事
商標出願を来月11月に行い、半年後とすると、ゴールデンウィークの頃。そんなタイムスケジュールになると思います。
記者
ゴールデンウィークくらいの発売ということですか。
知事
はい。今後、いろいろなニーズに応じて、大きさや色などバリエーションが広がっていくと思います。
記者
今朝の閣議決定で、甲府市が中核市に移行しました。知事の受け止めをお願いします。
知事
本日、甲府市の中核市移行の閣議決定がされたということは本当に嬉しく思います。私も樋口市長から要請を受けた際にお話したように、できるだけ住民の皆さんに近いところで、行政の意思決定ができるということは大変良いことであると思います。甲府市が中核市として、より一層元気になってほしいと思っていますし、そうなることが山梨全体の元気につながると思います。来年4月1日からスムーズに中核市に移行できるよう、県もしっかりと応援していきますし、甲府市にも頑張ってもらいたいというエールを送りたいと思います。
以上