トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成30年9月4日火曜日)
ページID:87084更新日:2018年9月5日
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本館2階特別会議室 11時30分から
発表事項 知事コメント 発表事項以外の質疑応答 |
知事
シャインマスカットの特性を引き継ぐ赤系ブドウということで果樹試験場を中心に品種開発を行ってきたところでございます。この度、途中経過でありますけども、大粒で外観(品質)に優れ、食味も良いという形で新しい系統を選抜したところでございます。ご覧になっていただいている赤系ブドウと今売られているシャイン(マスカット)と大きさ等を見ていただくとお分かりになると思いますけれども、ある意味では悲願の達成ということです。今のシャインマスカットは、市場等の評価、特に海外での評価も含めて、非常に高いものを持っておりますけれども、これから両輪となって山梨県の農業をより強くするという観点から、赤系ブドウの開発を進めたものが今回系統選抜ということになりました。これから来年の10月をめどに品種登録出願を行い、その約半年後には農林水産省から出願公表がなされるという流れで対応を進めていきたいと思っております。実際、市場等に出てくるのは、その前に苗木の供給をしなければいけませんから、少し市場に出るのは時間がかかります。およそ(苗木が出てから)5、6年後には一般の皆さん方にも、県民の皆さん方にもお食べいただけるような、そんな時間軸で対応が進められていくということになります。
いずれにしましても、昨年の山梨県の農業生産額は17年ぶりに1000億(円)を超え、農家の皆さん、また、農業を通じた景観力、さらには、観光も含めて、連動しながら元気になりつつあります。そういう意味では、この赤系ブドウ、私は個人的には「レッドシャイン」というのがいいのかなと思いますけども、名前については、いずれにしてもこれからいろいろな関係する皆さん方と山梨らしい、また、この赤系ブドウの特性を生かした名前の命名ということをこれから検討を進めていきたいと思っています。いずれにしましても、今日お食べになっていただけないのは大変恐縮に思いますけれども、もう少し待っていただければいろいろな意味で試食する機会も出てくると思いますので、ぜひ、ご理解とご協力を賜り、これがまた新しい山梨の農業の力になってくるということを重ねて皆さん方にもメッセージをお伝えしたいと思います。詳細については、後ほどお話しできる範囲で、農業技術課長が同席しておりますのでご確認いただければと思います。いずれにしても、これからいろいろな準備をして、山梨のオリジナル品種、山梨ならではの品種として、成長栽培させていきたいと思っております。
記者
それはもう実物なわけですか。
知事
はい。
記者
知事はお食べになったのですか。
知事
はい。職責上、二粒だけ食べさせてもらいました。
記者
味の感想について伺いたいのですが。
知事
糖度が高くて甘いです。先ほどお話ししたとおり、甘い、大きい、そして見た目も良いと三拍子揃っていて、モモで言えば「夢みずき」だと想像してください。そういう意味では糖度もかなり高くて甘いです。食感もシャイン(マスカット)と同様です。このまま食べられるということです。
記者
知事としては、シャインマスカットに並ぶ県産ブドウのブランド品として5、6年後に市場に打ち出していきたいそんな思いでしょうか。
知事
それは強くそう思っております。また農家の皆さん方も大いに期待していると思います。海外では、ブドウを皮ごと食べるという習慣があります。海外でも黒系ブドウの評価がかなり高いのですが、やはり皮を出す、種を出すという行為がなかなか受け入れにくいところもあるので、そういう意味ではシャイン(マスカット)はそのまま皮ごと食べられるということですから、これも皮ごと食べられるということで、海外での評価も多分非常に高くなってくると思います。そういう意味では、シャイン(マスカット)、他にももちろんピオーネとか巨峰とか赤系も当然ありますし、青系もありますし、そういうものにこれが新しく仲間として、一つの大きな塊となって山梨県農業の大いなる飛躍につながっていく、大変貴重な本当にうれしい品種系統選抜だと思っています。
記者
品種の登録は来年の10月をめどにということでしたが、日本以外の海外、特に中国等での品種の登録というのはいかがでしょうか。
知事
まず国内で農林水産省といろいろなやりとりがあります。農林水産省から出願公表という形で種と権利が守られる段階になって、その前後では当然、今、皆さんがお話されたような海外においてもということは当然対応していきたいと思っています。まずは国内での諸手続をきちっとしていくということに全力投球をしていきたいと思っています。
記者
改めて、そもそもの開発の狙いをお伺いしたいのと、既にシャインマスカットがかなり人気ですけれども、それに加えてバリエーションとして赤系のブドウということで、競争優位性がどこにあるのかお伺いします。
知事
競争優位性ということでは、種苗法に基づき品種登録し、きちっと知的財産を守りながら、県内での生産栽培ということに集中できるような形にしていきたいと思っています。シャイン(マスカット)はご案内のとおり、農林水産省の果樹試験場が品種開発の登録をしているものですから、全国で使えるということです。この赤系ブドウを山梨県のオリジナルということにしていきたいと思っていますから、そういう意味では、山梨でしか生産ができない、栽培ができない、そして出荷ができないという形で、良い意味では囲い込みという形にして、山梨ならではのオリジナル品種というものに育て上げていきたいと思っております。
知事
先週の28日から9月1日まで山梨県の魅力、さらには県産酒等の魅力の発信ということで、ベトナムとフィリピンを訪問してまいりました。ベトナムでは、まずハノイに入って県産酒セミナー等を開催し、県産酒の魅力を地元流通関係者の皆さんにPRしてきたところでございます。また、ホーチミンでは、ホーチミン市のグエン・ティエン・ニャン書記とお会いし、観光のみならず人的交流も含めて、これからホーチミン市と山梨県で協力していこうということになり、合意内容については今、最終的に詰めているところでありますけども、人的また観光の交流を深めるという覚書を近い将来交わしていきたいと思っています。さらに観光セミナーということで、30名以上のベトナムの観光業者またメディアの皆さん方にご参加いただく中で、改めて山梨県の魅力等々について、山梨県から一緒に行っていただいた観光事業者の皆さん方と一緒にPRをしてきたところでございます。昨年のベトナムからの本県の誘客宿泊者数は4万1千人余りでありました。今年に入ってから、127%増ということで倍以上に増えています。それを加速していきたいと考えています。また、今、ベトナムの、いわゆる海外に旅行に行ける少し余裕がある所得層がだいたい3割になった。だいたい3千ドルを抜けきって平均国民所得が4千ドル近くなっていると説明を受けました。そうなると35%の方が海外も含め、観光を楽しむようになるというお話もありました。そういう部分と併せて、今、山梨県の産業をさらに強くしていくためには、喫緊の課題である人材不足にどう応えるのかということもございます。越日工業大学をお訪ねし、学長や副学長の皆さん方と意見交換をしてまいりました。18の学科がある工業系の大学でありますけども、観光学科等もありまして、山梨県の企業の魅力、さらには山梨県で暮らしていただく魅力等についても意見交換し、いくつかの部分で少し深掘りをしたいわゆるインターシップを含めた部分につながっていく可能性が少し芽生えてきたところでございます。いずれにしても、まだできて3年目の大学でありますから、ちょうど4年生が卒業する1年後を念頭に置きながら、インターンシップ等の交流を深めることに注力してまいりました。フィリピンにつきましても、昨年は5千人足らずの山梨県の滞在宿泊人数でありましたけれども、フィリピンからも堅調に推移をしています。それを加速するため、山梨県がどこに存在し、どんな観光資源があり、そして魅力は何かということについて旅行会社を中心に、意見交換をしながら対応を進めてまいりました。また、山梨県の桑郷という企業がJICA(国際協力機構)の事業で、桑の葉を使ったいろいろな事業をパンパンガ国立農業大学と連携しながら対応しています。その事業についてのいろいろな意見交換やパンパンガ州のボードメンバー(理事)の皆さんとの意見交換を通じ、さらに、農業分野も含めて交流を深めようという確認ができたところであります。最後に、パンパンガ州での山梨県に関係する皆さん方の農業分野への貢献、さらには、これからの期待ということも含めて、外国人で初めてとお聞きしていますけれども、名誉博士号を私自身がいただきました。詳細については、1番最後のページで確認いただければと思います。
記者
今回、知事として1番の成果はどういうところか教えてください。
知事
観光はこれからツアー造成も含めて若干時間がかかる部分です。日本酒業界の皆さん方7社、ワイン業界では2社、一緒にセールスしてまいりましたけれども、昨日までに、この県産酒セミナー関係だけでも、日本酒では6件、ワインでは1件、商談が継続中という話をお聞きしています。そういう意味では少しずつでありますけれども、山梨県の地場産業製品、特に県産酒ということで、ベトナムの皆さんの理解が深まってきたと感じています。また、ホーチミン市のニャン書記は、副首相を経験されているということでありますけれども、やはり山梨県というのは富士山、また水もきれいで景色もいいといろいろな話をしている中で農業との交流という話もありました。いろいろな産業でお互い補完し長く自治体間で継続して交流を深めるということは、長続きすることですし、特に若い皆さん方が交流を深めるということは今の世代だけでなく、次の世代に向けて、大きな力になっているということを改めて感じました。そういう意味ではパンパンガ州で、私自身望外の部分でありましたけれども、初めて博士号の帽子をかぶせていただいて、200人くらいの教授や学生などの皆さん方が学部ごとに、立会人で陪席をしていただいて、その後、学部ごとに写真を撮っています。200人ぐらいで写真を撮りましたから、もしかしたらSNSの発信も含めてパンパンガ州に山梨県という存在が今まで以上にPRできたと思います。いずれにしても、実際、私自身が行って、お互いの共通の課題、またこれからの方向性の確認をしながら、フォローアップをするという大切さは、ベトナムでは、日本酒の民間の皆さん方が少し深く入っているという成果がセミナーに出てくるのですから、トップセールスとフォローアップの事業が一体となってやっていく大切さを改めて確認しました。いずれも2つの国、フィリピンは1億人を超え、ベトナムも今年は1億人ぐらいの人口になりますけれども、これからもいろいろ元気な国でありますから、自治体間交流を通じて山梨県の産業がより良くなっていく、活性化につながる、そういう視点でこれからも取り組みを進めていきたいと思います。
記者
オリンピックに関する質問をさせていただきます。県内でホストタウンの認定が10件、事前合宿に関しては11市町村で10競技決まったと思いますけれども、知事自身によるトップセールスというのも、誘致を動かした背景にあると思いますが、誘致活動の手応えについてコメントいただけますでしょうか。
知事
市町村や競技団体の皆さん方と、一体となってやってきた成果だと思っています。タイのウエイトリフティング協会の副会長と、バンコクでお会いしたのが2年前になりますが、それが本格的に現地の関係者とお会いしたスタートでした。県産酒や農産物の輸出促進とコラボをしながら、直接お会いして、お話をし、合宿環境の優位性、魅力というものを伝えられたことは一つの大きなきっかけになったと思っています。併せて、実際に本県に来ていただいて、現場を見ていただくということは、昨年の7月(のフランスでのトップセールスの際に)フランス大使公邸でフランス競技団体、関係者の皆さん方を招いて魅力説明会を開催した後、加速的にフランスとの関係が深まっていったと思っています。いずれにしても、来ていただく時の費用負担などの財政的な支援やPRなど諸々が生きてきたと思っています。そういう意味では先週決まった、ドイツのウエイトリフティング協会の山梨市での事前合宿も、自治体間の深いつながりの中で、県も窓口となって後押しをした成果だと思っています。オール山梨の体制で行った結果、27市町村のうち11の市町村で事前合宿が決まっているというのは、全国の中でもかなり高い比率だと思っています。東京に近いという地理的条件も含めて、いろいろなPR活動や、直接お会いし、お話した成果が今日に至っていると思います。まだまだ、いくつかの市町村でもう一歩というところがありますから、それについては手を抜かず、きちっとした形にできるよう進めてまいりたいと思っています。
記者
ホストタウンに決まっても、チームが合宿に来くるとは限らない中、ドイツのウエイトリフティングの事前合宿が山梨市に決まったということで、県として今後、どのような誘致支援を行っていくのか、考えがありますでしょうか。
知事
上野裕一氏にスーパーバイザー就任のお願いをしたということで、橋渡しの中心人物を作ったということだと思います。上野先生のいろいろな人脈を通じて、フランスなど直接、間接を含めてやりとりをした成果だと思っています。併せて、自治体単位では渡航費用であるとか、例えば競技団体と直接面談するという難しい部分を、今年度からはオリンピック・パラリンピック推進室を中心に、窓口を作りながら後押しをしてきたという部分、特に実務的な作業のお手伝いを一緒にしてきたということだと思います。特にフランスは、この2月に在日フランス商工会議所との連携協定を全国の自治体では初めて締結し、5月の富士北麓公園でのフランスフェスティバルにも、フランス商工会議所の部長、課長の皆さん方が来て、交流を深めています。郡内織物では、パリのオペラ座のデザイナーの皆さんと交流を深め、郡内織物を使った衣装を作るということで、具体的に経済交流の部分でもまわり始めていると思いますから、そういう部分を来年、また本番の2020年、さらにはその後にもつなげられるよう、山梨の活性化、観光や地場産業のプラスになる活動を、山梨県全体でやっていければと思います。
記者
今一番話に出てきたフランスを中心に、さらに活動を深めていきたいという解釈でよろしいでしょうか。
知事
ドイツもありますし、タイもアジアの国では観光も含めて非常に大切なパートナーですし、工業の部分でもいろいろな交流をしています。どこにということではなく、3カ国を中心に交流を深め、スポーツの交流だけではなく、より広がっていくという、少し高い目標を持ちながら活動していきたいと考えています。それが、たくさんの皆さん方に参加していただくことに繋がって、もう既に富士北麓公園では、フランスの男女のラグビーチームが来て練習をしていただいていますから、いろいろな部分で市、町とも交流が深まっていく。そういうものが全域に広がっていけば、グローバル化の中で山梨県の立ち位置も確認できるでしょうから、よりポジティブな形になっていくと思います。
記者
台風21号が接近しています。改めて県の対応と県民に対する呼び掛けについて伺います。
知事
台風21号が、勢力が強いまま本県にも近づいています。今日の庁議の中で、万全の態勢を取るように関係部局長に指示をしました。併せて、昨日台風21号の事前事後対策として、農政部からJA等を通じ、農家の皆さん方に情報発信し、できるだけ早く風や雨に備えるよう注意喚起しています。台風の接近が予想される時には、事前事後対策として、果樹、野菜、畜産等に分けて情報発信をしています。住民の皆さん方には、台風に備えて命を守る3つの行動をお示しさせていただきます。一つ目は、報道機関や市町村の防災行政無線を通じていろいろな情報が伝わると思います。ぜひ、防災情報を事前にチェックをしながら避難の準備をしていただきたい。大雨に関する情報や、市町村からの防災情報に対応しながら、慌てずに行動するということを心がけていただければと思います。二つ目は、市町村の指示に従って避難をしていただきたい。市町村から避難に関する指示が出た場合は、ただちに落ち着いて避難を開始してください。準備ではありません。三つ目は、皆で助け合うということです。地域でそれぞれ声をかけあって、助け合いながら避難することで、皆さんの命が守られます。ぜひ、3つの項目を県民の皆さん方に、共通の行動としてお願いを申し上げます。
記者
障害者雇用の関係で、先月いわゆる水増しがありました。法定雇用率を下回っているということを含めて、今後の対応をどのように考えているのか伺います。
知事
障害者雇用率については、本来、障害者手帳等で確認をしなければいけないものが、確認をしなかった者を含めて算入したということについて、改めて理解不足と不適切な処理であり、私からもお詫びをしたいと思います。今回の件をきっかけに、人事担当部局に来年度から法定雇用率を達成できるように、職場環境の整備も含めて指示を出しております。来年度には法定雇用率が達成できるよう最大限努力していきたいと思っています。
記者
来年の任期満了に伴う知事選の対応についてお伺いします。過去の知事選では、現職の態度表明の時期は、9月議会の所信表明において表明されるケースが多かった訳ですが、議会開会を控え、9月議会での表明について知事はどのようにお考えなのか、教えていただけますか。
知事
いろいろな地域、産業界から立候補要請をいただいている中でもお話をしていますが、(要請を)重く受け止めており、いろいろな方と相談をしながら、自分の気持ちの整理も含め対応しているところであります。今やらなければいけないことも課題としてたくさんある中で、もう少し時間をいただければと思っています。
記者
従来から、涼しくなってきた時期(に態度を明らかにする)とおっしゃっていましたが、その思いは今も変わらないでしょうか。
知事
自分なりの気持ちの整理、たくさんの課題の解決も含めて、もう少し時間をいただきたいということです。
以上