トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成30年6月5日火曜日)
ページID:85783更新日:2018年6月6日
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本館2階特別会議室 11時30分から
発表事項 知事コメント 発表事項以外の質疑応答 |
知事
昨年の山梨県観光入込客統計調査結果がまとまりましたので、発表させていただきます。平成29年の観光入込客数は、県全体で対前年比0.4パーセント増の3,216万2千人になりました。外国人延べ宿泊者数は、対前年比11.8パーセント増の153万3千人とこの2つの数字は過去最高の数字となっております。特に外国人宿泊者数につきましては、(平成)28年の都道府県別の順位は11位でありましたけれども、昨年29年は10位と1位順位が上がりました。
富士山が依然として非常に高い人気を持っていること、さらに桜のシーズンの特にインバウンドのお客様の訪日需要が非常に高いということで、(外国人観光客が)増加をしたということでございます。(内訳を見ると)日帰り客は実数で(前年比)4.1パーセント全体で伸びていますけれども、国内のお客様が減ったことで9.2パーセント全体の宿泊者数は減っているという形になっています。特に(圏域別では)富士・東部圏域(の観光入込客数)が、前年比2.9パーセント増加し1,550万人を超したことが全体の数字(観光入込客数)を押し上げている結果となっています。(観光)消費額も、4,133億円と(平成)28年に比べ若干減っていますけれども、依然として4,000億円を上回る数字という結果になっています。
いずれにしても、観光産業は山梨県にとっても、これからも成長産業と位置付けており、最終年度となっている観光推進計画について関係する皆さんと一緒に見直しを行い、さらなる観光資源の魅力の増大、そして魅力発信ということに心掛けていきたいと考えているところでございます。
記者
統計では日帰り客が増えていて宿泊客数が減っていることについて、どのように見ていますかということと富士北麓・東部地域に集中していますが、山梨県全体の観光業をどのように盛り上げていきますか。
知事
日曜、祝日と平日の並びの問題と春と秋の天候不順が宿泊にブレーキをかけたのではないかと考えています。ただし、インバウンドのお客さまは12%増加して153万人です。これが日曜、祝日と平日の平準化をしていますから、そういう意味では、これからもインバウンドのお客さまをさらに快適にリピーターとして山梨県を訪れていただけるように努力をしていきたいと思います。半分近くが富士北麓・東部地域ということですから、偏在している観光客が峡東地域や甲府、峡南地域、峡北地域を含めた他の地域に周遊するよう次期観光推進計画の改定の中で、さらにネットワーク化を図っていく。実際、峡東3市と甲府市が富士河口湖町を中心とした富士北麓地域の観光協会と富士山フルーツ観光推進協議会を作ってネットワーク化しています。また、峡東地域ではワインリゾート構想や過日、日本遺産に認定された葡萄畑が織りなす風景があり、さらに峡北地域や甲府には、同じく日本遺産に認定された縄文世界があります。こうした新しい観光資源の魅力を引き出し、もっと高めていくために、各地域の関係者と力を合わせて、今、あげられている課題を解決するさらなる努力をしていきたいと思っています。
知事
2点目はリンケージ人口の暫定値についてです。今まで公式の統計等で対応できなかったところをアンケート調査で補完し、県内全体の実態把握に努めて参りました。先ほど山梨県観光入込客統計調査の平成29年の結果がまとまりましたので、それと連動して暫定値を算定いたしました。
リンケージ人口の暫定値は、6.5万人となっています。このリンケージ人口は、ご案内のとおり山梨県を訪問する皆さん方の消費等を県民の皆さま方の消費等と比較して何人分にあたるかをかなりきめ細かく整理をしたものであります。これをさらに伸ばすため、二地域居住者や観光客などの交流人口をさらに増やすこと、さらには、これを実現するためには、県の行政だけでは十分にできない部分もありますから、関係する団体、地域、企業の皆さん方と力を合わせて取り組みを進めて参りたいと思っています。特に二地域居住の1つのパターンであります市民農園を含めたクラインガルテンもこの数年で市町村によってはかなり増加しておりますので、その点ももしご関心があれば後ほど課長から説明させますのでよろしくお願いしたいと思います。
記者
リンケージ人口を定住人口とは別に算出している意義とダブルカウントを指摘する声があったと思いますが、知事自身、問題点があるとお考えになっているのかどうかをお伺いします。
知事
ダブルカウントについては、後ほど課長から説明させます。3年前に県民の皆さん方に今の人口問題、少子化、子育て環境に関わるいろいろな事項について各世代、男女別、地域別にヒアリングやアンケートをさせてもらいました。やはり交流というものが、およそ観光産業ということになれば、観光産業を中心とした産業の強化、すなわち交流人口が増加し、県内経済にも定住している私たちと同じように消費や購買力が向上するという評価を細かく統計的に整理したものがリンケージ人口です。その後、国でも総務省において関係人口という言葉で議論が進められていると承知しています。この関係人口とリンケージ人口、さらには交流人口の関係は、本県の帰属意識や愛着度という形で整理させてもらっていますので、後ほど担当課長から説明させていただきます。いずれにしても、今、私たちが住んでいるという定住と、県外から来ていただける帰属意識が高い方を山梨県に住んでいただくことにつなげていくことが人口ビジョン、これをベースにした山梨県まち・ひと・しごと創生総合戦略の流れですので、それをこれからも強化していきたいと思います。これは、県だけではなく関係する市町村、団体の皆さん、企業とも連携しながら推進していきたいと考えています。
記者
知事はリンケージ人口という独自の概念を打ち出して当時のやまなし未来会議で定義が分かりにくいとか、リンケージ人口とはそもそもどういうものなのかという指摘もあったと思いますが、その件に関して知事は改めてご説明されますか。関係人口という概念が他にある中で、リンケージ人口というものを山梨県があえて打ち出す意味合いをどのように考えていますか。
知事
関係人口は、グロスのそのままの数字になります。たとえば入込客数が3千万人といえば、関係人口は3千万人となります。リンケージ人口は、1人当たりの年間消費額が120万円とすれば、その数字で割り戻して定住人口と同等の消費や購買力になるという概念で整理していますから、より精緻だと思っています。
記者
定義のあいまいさを指摘する声については、どのように思っていますか。
知事
割り戻しをするなど生の数字ではないので、あいまいさというよりも分かりにくさはあるかもしれません。県民1人当たりの消費額等をベースに県外から来た方を定住人口に換算しています。
記者
リンケージ人口を県民の全員が知っているわけではなく周知があまり進んでいないように思われますが、その点について知事はどのようにPRしていきますか。
知事
PRというのは、山梨県の経済や暮らしにどのように資するかということだと思います。経済的に観光や二地域居住的なものが増えていけば、このリンケージ人口も増加するでしょうし、消費額が増えれば経済的な貢献も増えるわけで、山梨県の全体の経済にプラスになるという正の循環になっていくと今でも考えています。
記者
知事は、就任半年後の2年半前にリンケージ人口を打ち出しました。知事選では、リニア開通後に100万人を目指すと公約を掲げて当選されましたが、その半年後に、2060年に定住人口と交流人口を合算した形で100万人を目指すと変わったと思います。それは今も当時も同じなのでしょうか。
知事
県外から来て泊まって帰る方、二地域居住とかリピーターでたくさん来る方、要するに愛着度で評価してカウントした方がいいだろうということは、2年半前に人口ビジョンや総合戦略を作ったときの意識として当然ありました。今は、リニアというものがより具体化し、周辺整備について再来年までかけて対応しながら2027年以降に備えるということですから、今回、その評価をどうするという中で変わっていく部分もあるかもしれませんが、暫定値を出した現時点は、2年半前の人口ビジョンと総合戦略を出した時点と同一であります。
記者
リンケージ人口の6.5万人について知事の今後のビジョンと併せてその評価を教えていただきたい。
知事
少なくとも2020年のときにリンケージ人口を6万人にしようという目標を2年半前に立てています。今回は、暫定値ですが6.5万人で、その目標値はクリアしたと思っていますが、もっと観光を中心とした交流人口やクラインガルテンを含めた市民農園や二地域居住が拡大するように、あらゆる施策を積極的にやっていかなければならないと改めて感じています。
記者
リンケージ人口の多くを支えているのは、山梨県を訪れる旅行者ですが、先ほどの発表で入込客数は過去最高。4倍くらいにしないと2060年の目標には足りないと思います。そこに向けて飛躍的にリンケージ人口を増やしていくための新たな事業はあるのですか。
知事
2030年の目標が10万人を超える数字になっていますから、今回の暫定値より4万人多くなります。宿泊を増やすとか、日帰りではなく周遊滞在にしていくとか、そういう観光政策との連携がますます大切になっていくと思います。もう一つ、リニアの開業後の山梨県の姿は、今、リニア駅周辺整備基本計画の策定や各地域でいろいろなビジョンを作っていますから、そういうものの中に違った数字が入ってくる可能性は当然あります。2年半前に、それを全部入れ込んで整理しているわけではありません。
記者
次期知事選挙に出馬する場合、これまでの1期目の自己評価をされるというお考えを先日の囲み取材で示されました。人口問題については、リンケージ人口も含めてなのですが、日本全体が人口減少社会に向かっているわけで、どなたが知事になっても簡単にいくものではないと、誰もが認識しているとは思います。自己評価の中で、人口問題について、リンケージ人口も含めてどのような総括をお考えでしょうか。
知事
今日の時点では、総括をして自己評価をする段階ではないと思います。いずれにしても、人口減少対策、人口問題についての3年3ヵ月の率直な感想は、息の長いものということです。粘り強く対応しなければいけないし、たくさんの関係する主体と力を合わせなければ、出生率にしても社会増にしても、ビジョンに掲げたようなものに全て近づけることは難しいと思っています。これは日本全体の課題でもありますし、もっと言えば、先進国と言われるヨーロッパやアメリカなど成熟した先進国と言われているところは、全て同じ悩みを抱えています。そういう意味では、リンケージ人口が良いかどうかは別としても、目標感を持って対策や事業をしなければいけないということは思いつつも、自己評価については、いずれかの場面でまたお話をさせていただければと思います。
知事
1点目は、甲府工業(高校)の専攻科棟の実施設計ができました。本県の基幹産業であります機械電子産業の生産現場での声を踏まえて、即戦力となる人材の育成と確保を図るため(平成28年2月)甲府工業(高校)に(高度な専門教育を行う)専攻科を置くことといたしました。(専攻科では)高校の3年と専攻科2年の5年の一貫教育により、特に不足感が強かった、生産工程の設計ができる人材を育成するというのが主なねらいであります。今回の設計では、より高度な実験・実習にウエイトをおいた施設という形に注力し、研究室の設置など、地域の企業に密着した教育環境を整えた施設にいたしました。そして、平成32年4月に専攻科を開設し、さらに2年後の(平成)34年3月には、第一期目の専攻科の卒業生が出ます。そういう意味では、本県産業の基幹であります機械電子産業の持続的な発展、成長に資する人材育成のためのハード的な整備は、今、順調に進んでいると言えます。また、カリキュラム等の内容についても、今、検討委員会において高度化に対応したカリキュラム等を並行的に検討していただきますので、ソフト・ハード一体となって(平成)32年の専攻科の開校、そして(平成)34年の専攻科の卒業というものにつなげていきたいと考えております。
知事
2点目は、アレルギー疾患(対策)の取り組みで、明日、総勢で21名の委員からなるアレルギー疾患対策協議会をスタートします。治療に従事する耳鼻咽喉科の先生や小児科も含めた医療関係者、そしてそのアレルギー疾患にかかっている患者のご家族の皆さん、そして学校現場でアレルギーの子どもさんに給食等を提供する学校保育の関係者、さらには、私もスギ花粉、ヒノキの花粉を持っていますけど、その排出をするといわれている森林・農業の関係者(など)、トータル21名の方々からなる協議会をスタートします。第1回目の明日の会では、アレルギー疾患対策の山梨県の現状と今年度、県内の状況がどの様になっているのか、何割の方がアレルギーにかかっているのか等、今後実施する実態調査の内容などについてご協議いただくことになっています。併せて、本日付けで、山梨大学医学部附属病院をアレルギー疾患医療拠点病院に指定し、アレルギー疾患の診療ネットワークの中心的な役割を果たし、県内医療機関等と連携した医療提供体制を整えていきたいと考えております。
知事
3点目は、6月9日に富士山直轄砂防事業山梨県着手式を富士山科学研究所で開催することといたしました。ご承知のとおり、富士山の砂防事業の国の直轄事業化について、この数年間、私自身も富士山火山噴火対策砂防事業促進期成同盟会の市町村関係者の皆さん方と一緒に国土交通省に要望して参りました。この結果、この4月から富士山砂防の山梨県側の部分の火山防災事業が事業化という形で、国が一体的に対応していくという運びになりました。そういう意味でハード対策が一層進むということで、今までご協力をいただいた富士山火山噴火対策砂防事業促進期成同盟会の皆さんをはじめ、さらには国土交通省の皆さんや国会議員、県議会議員をお招きしながら「富士山直轄砂防事業山梨県着手式」を行うこととなりました。これまで山梨県は、国土交通省の管轄で言うと関東地方整備局がメインでありましたけれども、今回の富士山砂防は静岡県と一体という形になりますので、中部地方整備局が事業主体になります。この中部地方整備局の関係者も参加いただき、6月9日に「富士山直轄砂防事業山梨県着手式」を開催し、富士山の火山防災対策をできるだけ早く、また充実できるように努力していきたいと考えております。
記者
富士山噴火の対策訓練につきまして、市町村の協議会からは県が図上訓練を撤回して、実動訓練に切り替えたという話が出ていますが、県としての考えをお聞かせください。
知事
図上訓練ではなく実動訓練にもっと積極的に関わってほしいという地元の市町村長の皆さん方の思いに対して、実動訓練にも県がどのように参加できるかということを(防災)局長等に調整をしてもらっています。皆さんのお仕事で例えると、皆さんは企画をして、現場に行って、取材をして、編集をして、視聴者の方にお伝えされていますが、図上訓練というものは、企画として課題を検証したり、評価したりする場として大切です。ですから、図上訓練と実動訓練をうまくリンクしながら、それぞれのメリット、時期だとか規模感などについて地元の自治体の皆さんと相談をして対応するよう指示してありますから、すでに地元との調整に入っているものと認識しています。
記者
森友学園の決裁文書改ざん問題をめぐって、財務省が昨日調査報告書を公表しましたけれども、佐川前国税庁長官が主導し、(決裁文書改ざんの)方向性を示したとされていますが、この調査報告書に対する知事の受け止めと、麻生財務大臣が辞任しない意向を示されていますが、そうした政府の対応は国民の理解を得られるかという点について、知事の考えをお伺いします。
知事
調査報告書の全てを読んでいる訳ではありませんが、行政文書の決裁をしたものが書き換えられるということ、改ざんというものは絶対あってはいけないこと、そういう意味では本当に問題だと思っていますし、大変遺憾であります。昨日の結果が財務大臣の件も含めてどうなのかということについては、私が今コメントする立場でもないですし、一つひとつの事象が良いか悪いかについても、いろいろな捉え方があると思います。私は、二度とこういう事案が発生しないように、公文書管理法の見直しも含めて再発防止策を霞ヶ関全体で考えていただきたいという強い思いを持っています。
以上