トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成30年5月22日火曜日)
ページID:85542更新日:2018年5月23日
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本館2階特別会議室 11時30分から
発表事項 知事コメント 発表事項以外の質疑応答 |
知事
今日、ジャン=フランソワ・ミレーの絵を仮契約いたしましたので、それにつきまして、発表いたしたいと思います。皆さんご案内のとおり、今年は、県立美術館が(開館して)40周年の節目の年になります。ミレーの美術館として国内外にも大変有名になり、ミレーの作品を見るのであれば、山梨県立美術館ということでたくさんのお客様が毎年来ていただいています。私が昨年の7月にフランスに魅力説明会に行った際にも、山梨とフランスの共通点の1つとしてミレーの美術館が山梨にあり、たくさんの収蔵品があるという話をさせていただいて、フランスの皆さん方からもご理解をいただいたところです。
今回、購入予定のミレーの作品は、つい先日、名前が決まりましたけれども、「角笛(つのぶえ)を吹く牛飼い」というものです。皆さんもご覧になって分かるように男性が笛の音を鳴らしながら、牛の群れを集めている様子を描いたもので、専門家の皆さん方からのご評価ですとミレーの後半の作品ということで、代表作品であります農民画というものの1つにあたる作品だと承知しています。2月議会で私の方からバルビゾン派を中心とした収蔵の強化をしたいと、(購入を)検討したいというお話をさせてもらって以降、県立美術館の青柳正規館長を中心にいろいろな調査、また検討をしていただきました。この作品は、今まで世に出なかった、個人の収蔵家の方がお持ちだったとお聞きしていますが、たまたまこのミレーの絵が1つの俎上にのぼり、そして値段や真贋について専門家の皆さん方にいろいろなご検討を賜りながら、今日仮契約に至った次第でございます。
(本作品の)購入金額はお手元に資料等が渡っていると思いますが、8千9百万円余であります。この財源は、美術品購入等のための美術資料取得基金を活用しながら、この費用に充てていきたいと考えております。いずれにしましても、今日(画廊と)仮契約でありますから、(本作品については、)6月議会での議決を経て(購入し、)修復等をした後に9月10日に美術館のミレー館でお披露目を行って、翌11日から一般公開していきたいと考えているところでございます。
私からは以上でありますが、40周年の節目でこの貴重な作品がミレーの70点目の収蔵となります。美術館のさらなる魅力の拡大、そしてそれを通じた観光や芸術文化の発展に資するという形で私自身、大変嬉しく思っていますし、ぜひ、皆さん方からも県民の皆さん方に、40年の節目に70点目の収蔵ができるということを広めていただければ幸いであります。
記者
ここにあるのはレプリカですが、見た印象はどうでしょうか。
知事
これを修復していけばもう少し鮮やかになるようですが、鮮やかさと色合いがミレーの(他の)画風と同じで、すごい絵だと初めて見たときに思いました。いろいろな検討や調査をした中で、40年の節目の年に今まで個人がお持ちのものが市場に出て、(70点目の収蔵品として)仮契約ができたということは本当に嬉しく思います。多分、県民の皆さん、ミレーを愛する国内外の皆さまも喜んでくれているのではないかと思います。さらに、美術館がミレーを中心に元気になっていく1つの素材になってくれるよう期待しています。
記者
40周年の節目で購入を検討されたというよりは、たまたまあったということですか。
知事
画廊とかいろいろな専門家の皆さん方にご相談し、調査検討する過程で、(この作品の情報が)入ってきました。いろいろな点で比較し、もちろん値段や真贋の問題など総合的に考えて、これが今の基金の活用を含めて40周年には最適だということで青柳美術館長や専門家の皆さん方が判断され、私に報告があり、今日、仮契約を結ばせていただきました。
記者
個人の収蔵家は国内ですか。
学術文化財課長
アメリカの個人です。
記者
アメリカの個人から買うのですか。
知事
国内の画廊から買うこととなります。
記者
基金の原資は何ですか。使い方。その役割や位置づけを教えてください。
知事
詳細は、担当課長から説明をさせますが、美術館はいろいろリニューアルが必要ですし、新しいものを充実していくという観点から、文化振興に資するということで基金を活用しています。ちなみに、平成28年度には11,515千円を、平成29年度は12,912千円をそれぞれ基金に積み増しし、平成30年3月31日時点の現金残高は1億7千万円余ですが、計画的に美術品を買って使うので(基金の残高は)増減します。
記者
ミレーと山梨の親和性やミレー絵画のお好きな部分を伺いたいです。
知事
山梨とフランスは、2つの親和性があります。1つは、山岳地帯やワイン地帯を有して風土的、景観的に類似性があり、全国の中でも(フランスと)姉妹交流をしている都市の数が多いということがあります。さらには、ワインのコマーシャルベースでのスタートは141年前の2人の若者の明治初期の物語があり、その研究指導をしていただいたのがフランスということで、ワインを通じた親和性があります。そして、その一環で40年前にミレーの作品を収蔵しました。いわゆるバルビゾン派(の作品です。)この風景は今、この県庁の周辺にはありませんが、少なくとも40年くらい前は、こういう田園風景、農村風景が山梨県にもあったと思いますから、個人的にも当時の先輩たちがミレーの作品の収蔵をスタートしたということについては、そういう歴史的な背景もあったものと思います。当時、山梨の人口の3割近くが農家と記憶しています。その前の親和性とこの40年間の収蔵品の蓄積により、「ミレーを見るなら山梨県立美術館」という大きな広がりに至っている。いわゆる伝統というものも、この40年間で蓄積されながら山梨とフランスの親和性も相まって今日に至っていると思っています。これからも機会があれば、いろいろな節目の中で、これからの皆さん方がミレー館、美術館を充実させて、県民の皆さん方の芸術文化、そして、それを通じて観光や地域の発展につなげていただけると大いに期待しています。
知事
先日の庁議で決定をいたしました、平成31年度国の施策及び予算に関する提案・要望につきましては、先週の金曜日、5月18日に県選出国会議員の先生方、並びに各政党の関係者の皆さん、さらには主要な霞が関の省庁を訪問し、25項目について説明、また要望の実現方お願いをしてきた次第であります。まだ(平成)31年度までは10ヶ月ほどありますから、繰り返しいろいろな場面を通じ、また秋に向けてさらにブラッシュアップをしながら、要望項目が実現できるように最大限の努力をしていきたいと思っています。
その一環で、明日午後から、関東地方知事会がございます。今回の25項目の(うちの)2つの項目について、私の方から関東地方知事会で要望の説明をし、また合意形成を得て参りたいと思っています。1点目は、公共職業能力開発施設の訓練生に対する給付型奨学金制度の創設であります。さらに全般的に言える公共事業の十分な予算の確保ということについてもソフト・ハードという視点も含めて、明日の関東地方知事会できちっと説明をし、全体の合意形成を得て、対応が実現できるように関東地方知事会の皆さん方にもお力をお借りして、我が県の要望が貫徹できるように最大限の努力をして参りたいと思っています。
記者
学生のスポーツ競技をめぐる問題について、日本大学のアメリカンフットボール選手が悪質なタックルをしたということがあって、今日午後にも会見をするということです。県内でも学生のスポーツという意味では、アーチェリー協会のセクハラ、パワハラと思われる言動がありました。そういった意味で、スポーツ競技を、健全に子どもたちの育成につなげていくという視点でみた時にどのようなことが求められているか、お話をお願いします。
知事
他の社会生活でもそうですが、スポーツの世界での暴力行為、ハラスメント行為というのは絶対あってはいけないことだと思っています。今回の事案については、原因等も明確になっていないようですから、徹底的な原因究明と二度とあのような事案が起こらないよう強く要望していきたいと思います。県内では明日、県体育協会が定例会議を行います。その場には、それぞれのスポーツ競技団体の皆さん方が一堂に会しますので、県体育協会から暴力行為、ハラスメント行為を起こさないよう徹底すると聞いています。また各学校機関にも同趣旨の話がいっているはずなので、総合的な対策として対応しながら、根絶につなげていきたいと思っています。もう一つ言えば、これは一人一人の心の問題です。暴力行為やハラスメント行為というのは、肉体的な問題だけではなく、心の部分にも影響する大きな問題だと思います。その意味では、根絶と再発防止を絡めながら、今回の報道のような事案も、対応が進められるように強く望みたいと思います。
記者
県立射撃場の整備についてお伺いします。先般、山梨県と県猟友会で今後協力して、民間の射撃場を活用しながら猟友会の練習環境を整備していく方針を出されたと伺っています。この件に関しての知事の見解と、今後の整備に関する見通しを教えてください。
知事
3月末の検討委員会のとりまとめに基づいて、県の関係部局と猟友会の幹部の皆さん方でいろいろな協議をしてきたとお聞きしています。今日の報道にも一部ございますように、県が方針を示したことで、昨日の理事会で猟友会としても一定の方向性が出たと理解しております。(猟友会の)練習環境の充実にまず対応をしてほしいというお話も承っておりますので、今後は、練習環境の整備について、それを通じた鳥獣害対策の充実ということにプラスになるように、スピード感をもって対応ができるように努力をしていきたいと考えています。
記者
猟友会は、県との委託契約による管理捕獲を18年度分も実施するということを決めたそうですが、それについての見解をいただきたい。
知事
それは大変ありがたいことだと思っています。大変ご苦労が多い事業だと思いますけれども、継続的に対応していただけるということで、関係者の皆さん方にはお礼を申し上げたいと思います。
記者
先週の県教育委員会の発表で、高校生の県外就職率が2年連続で過去最高を更新している現状が明らかになりました。この点について知事の受け止めと、県外就職が増えれば県の人口減少につながると思うのですが、対応策についてお聞かせください。
知事
これは全体的な景況感、好景気感というのが非常に強いと思っています。特にこの数年は県外の大企業から直接の求人件数が増えているとお聞きしています。いずれにしても、一人でも多い山梨県の皆さん方が県内で仕事をする環境にもっていくことが望ましいと思っています。
就職決定者の動向を見てみると高校生で就職が決まったのが1,228人、前年比で70人増と聞いています。(1,228人のうち)県内に1,085人が就職し、前年比48人増えています。県外に就職を決めたという高校生が143人で前年に比べて22人増えているということです。相対的な比率というのは88パーセントと12パーセント、これは確かに90パーセントと10パーセントから比べれば、県外のウエイトが高くなっています。昨年から県内の企業の魅力(発信)ということでいろいろな事業をやっていますけれども、特に今月31日には、山梨労働局や県内の経済団体にご協力をいただいて、県内企業への求人票の早期提出を県内の企業の皆さん方にお願いすることにしています。もう一つは、年間を通じたインターンシップというものを今年も実施します。11月というのはかなり煮詰まった時点ですけれども、採用担当者といろいろな話ができる合同就職説明会を開催し、県内の高校生と県内の企業のマッチングが今まで以上にうまくいくように、対応していきたいと思います。また、本年は、ここで生活をして働くことの魅力というものをもう少し時間をかけてお話をしていった方が良い部分もあるということで、座談会というものを実施していきます。これで全てが解決できるかどうかは別として、国の機関である山梨労働局や求人の本体である経済界、経済団体の皆さん方とも連携強化をしながら、事業が実になっていけるように、この1年間努力していきたいと考えています。
以上