ページID:37592更新日:2023年1月20日

ここから本文です。

知事臨時記者会見(平成23年6月6日月曜日) 

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

  • 山梨県と(公財)鉄道総合技術研究所との超電導等を用いた電力貯蔵技術の研究の推進に関する協定締結式について

※(公財)鉄道総合技術研究所との共同記者会見

配付資料「グリーンイノベーションの推進~超電導等を用いた電力貯蔵技術の研究の推進に関する協定の締結について~」

山梨県と(公財)鉄道総合技術研究所との超電導等を用いた電力貯蔵技術の研究の推進に関する協定締結式について

知事

本県では、「地球温暖化対策実行計画」に基づいて、地球温暖化対策を推進し、あるいは「山梨県産業振興ビジョン」に基づいて、競争力の高い産業集積の形成を目指すといった施策を進めているところであります。

この取り組みの一環といたしまして、県と鉄道総合技術研究所は、お互いに連携して超電導関連技術等を利用した電力貯蔵技術の研究を推進するために、本日協定の締結をしたところであります。

本県ばかりでなく日本全体そうでありますけれども、地球温暖化対策としてもちろんのこと、東日本大震災以降で原子力発電所の推進が見直されている中で、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーというものの大量の導入が急務となっている状況であります。

しかしながら再生可能エネルギーは日照時間であるとか、風速だとか自然条件によって発電量が大きく変わる、左右される、いわゆる不安定な電源であるために、極端に言うと停電したりする恐れもあるわけでありまして、より効率的かつ安定的にエネルギーを利用していく。再生可能エネルギーを利用していくためには、電力の蓄電装置、蓄電システムというものを整備いたしまして、発生したこの不安定な電力を平準化して、活用していくということがきわめて重要であります。

現在は、蓄電装置としては鉛蓄電とかリチウムイオン電池というものがございます。これは家庭用とか車用に利用されているわけでございますけれども、こういう蓄電池は大規模なものには適さないわけでありまして、こういう電力系統を安定させるための大規模な電力貯蔵技術というものが必要となるとされています。そこで、この超電導、あるいは水素などを活用した新技術の開発が期待されているところでございます。

本県には超電導を利用したリニア実験線があり、また水素については山梨大学において燃料電池の研究が行われており、いわば技術的な蓄積がありますことから、一つは超電導による電力貯蔵技術、二つには燃料電池のエネルギー源である水素を利用した電力貯蔵技術についても推進することとしまして、鉄道総合技術研究所に技術協力をお願いしたところであります。

鉄道総合技術研究所は、みなさんご案内のとおり、新幹線の技術開発、特にリニア、磁気浮上式鉄道の技術開発に取り組んでこられた、日本を代表する超電導研究の拠点であります。特にいま話題になっている電力貯蔵技術では、その一つとして超電導フライホイールの実験機を製作して研究をおこなっている国内唯一の研究機関であります。また、山梨リニア実験線で長年技術開発に携わってこられ、本県との関係も大変に深く、縁もある研究機関でありますから、一緒に研究を重ねていく上でふさわしい研究機関でありまして、この度協力をいただけることに大変感謝申し上げたいと思います。

当面の目標でありますけれども、国においては、この平成25年から新しい電力貯蔵技術に関する実証試験が始まる見通しでございますので、この実証試験の県内への誘致をいたしまして、県内に実証試験の研究拠点というものを整備していくということを目指したいと思っています。

こうした取り組みによりまして、再生可能エネルギーの普及の促進に貢献をしていくということと同時に、このクリーンエネルギー関連分野とか、あるいは次世代スマートグリットなどということも言われていますけれども、そういう分野でも本県への新産業の集積を促進したいと考えております。

今年度の取り組みといたしましては、有識者による委員会を設置して、年内を目処に研究の推進に向けた基本計画を策定していくことにしておりまして、委員会の委員長には、超電導研究の権威である東京大学の大崎博之教授、そして委員会のメンバーとして、東京電力株式会社、中部電力株式会社、電力中央研究所などをお願いしているところであります。

鉄道総合技術研究所の協力を得ながら、太陽光発電などの再生可能エネルギーの早期普及を図るために、超電導機器あるいは水素貯蔵による電力系統の安定化試験を県内で実施していきまして、同時にまた、この超電導関連技術の情報発信や関連産業の振興にも、連携して取り組んで行きたいと考えているところであります。

以上であります。

鉄道総合技術研究所理事長

ご紹介いただきました、鉄道総合技術研究所の理事長の垂水(たるみ)でございます。

この度はグリーンイノベーション推進プランに参画させていただくということで非常に光栄に思っています。ただいま知事の方から技術的な面に関しては詳しくご説明がありましたので、私の方は鉄道総合技術研究所の活動について多少コメントさせていただきたいと思っております。

鉄道総合技術研究所は、この中央線の沿線国立駅に本拠地がありまして、約500名のメンバーで基礎的なことから応用開発まで非常に幅広いことをやっております。国鉄時代、新幹線の開業する数年前から超電導の本格的研究が始まったわけでありますが、これについては、最近については6年前より、JR東海が中心となって具体的に進めるということになりましたので、私どもは基礎技術というところに的を絞って研究していこうということで、超電導については取り組んで行きたいと思っております。

その一環として、知事からも非常にお褒めの言葉をいただきましたが、フライホイール等を含めた蓄電技術関係を含めたいろいろな関連の研究が蓄積されて参りました。ちょうどそういう時期にお声をかけていただいたということで、我々も今まで以上にスピードアップして研究し、ご期待に応えなければと思っています。実際にはなかなか難しい関門がいくつかありますけれども、今我々の国立(くにたち)試験場に山梨県からのこのようなお声かけに対して非常に力を入れて頑張ろうと思っているところでございます。

とにかく知事からもお話ありました、不安定なエネルギーを使うということを考えると蓄電技術がやはり重要でございます。同時にどうやって制御していくかということも重要でございますが、これについては、私どもも、架線と電池で走るトラムの開発もしておりますので、いろいろな面でまた貢献ができるのではないかと思っております。

何しろ日本で有数の太陽エネルギーが降り注ぐという山梨県ということでございますが、昔から、確か風の話もあったかと思いますが、自然エネルギーを今後さらに有効に使われて、公共交通関係のエネルギーの一つに使えたらどうかと思っています。私どもも公共交通、地方の公共交通がこれから伸びていくようにいろいろな面で研究を存続させていきたいと思っています。

ここ7、8年日本の自治体の数が、4割程度、平成の大合併ということで自治体数が縮小してしまいましたけれども、山梨県におかれましては日本全体の模範となるような施策を打ち立てて、是非頑張っていただきたいと思います。そのためにも鉄道総合技術研究所が少しでもお役に立てればと思い、知事の話を聞きながら身の引き締まる思いでございます。今日はどうもありがとうございました。

質疑応答

記者

今回、協定を結んだことによって、山梨県側からしてみると、鉄道総合技術研究所のいろいろな技術が提供されるというメリットがあることは、分かりやすいのですけれども、鉄道総合技術研究所側から見て山梨県でこういう研究をする一番のメリットは何になるのでしょうか。

鉄道総合技術研究所理事長

先程申し上げましたように、少なくとも6年は力を入れて、この蓄電技術についてやってきましたが、やはり研究が1歩2歩先へ進むには、先程知事が言われた実証実験等も含めて、具体的な現場と言いますか、そういうものがあってはじめて研究も進歩していく、進んで行くと思っておりますし、そういうニーズがあって、先程お話ししましたように私どももますます力を入れるということであります。したがって、実証実験を含めて現場に関係させていただくということが研究を進める上で非常に重要な点でございます。

記者

山梨県が太陽光発電の大規模な発電所をつくったり、あるいは日照時間が長いという気象条件が鉄道総合技術研究所にとっても強力なものが得られるということでしょうか。

鉄道総合技術研究所理事長

そうです。同時に先程言いましたが、こつこつ勉強してきた蓄電の技術、あるいは制御技術等を含めて、まだまだ勉強しなくてはならない点は多いのですけれども、これから少しは、貢献できるのではないかということで、1歩2歩現実に近づき、(貢献)させていただけると期待しているところであります。

記者

今回の山梨県との共同で蓄電の装置をつくるというイメージでよろしいでしょうか。そして、それをつくる際は、どれくらいの量の電力を蓄えることができる装置をつくることを目指すことになるのでしょうか。

鉄道総合技術研究所浮上式鉄道技術研究部長

今回、このような形で研究を推進するというところでスタートするということであって、まだ具体的に超電導を利用した電力の貯蔵装置についても、幾つかの種類があったりとか、いろいろなメリット・デメリット、得手・不得手がありますので、その辺もよく検討しながら、この地にあった、特に太陽光発電等のマッチングにあったものをつくっていくということについて、これから検証して、国への働きかけにつなげていきたいと考えております。 

記者

蓄電池をつくるとのことですが、よく分からなかったので、もう一度説明をお願いします。

鉄道総合技術研究所浮上式鉄道技術研究部長

実証試験を行っていくに当たって、そのような装置が必要になると思っておりますので、そのような蓄電装置を最終的にはつくっていくことになるとご理解いただいて結構です。

記者

そのような場所はどこか想定しているのですか。山梨県は、太陽光発電所を今つくっているところですが、その近くということでしょうか。

知事

場所は、まだ決めているわけではありませんけれども、今米倉山でメガソーラー発電所を東京電力と一緒につくっているわけでありますけれども、まだその土地に約3ヘクタールくらい余裕がありますから、その辺りが候補地の1つになるだろうと思っております。まだそこと決めたわけではありませんけれども、その辺りを想定しながら、あるいはもっと良い場所があるかもしれませんが、その場所での研究サイトを想定しながら、平成25年に国が大規模な蓄電技術の実証試験を始める見通しですから、それを本県としては誘致して、具体的にサイトをつくって、そこに設備を設置して、電力中央研究所をはじめ東京電力や中部電力や山梨大学を含めまして、そのような機関と一緒に蓄電システムの実証研究を行うことを考えているわけであります。

 

以上

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

同じカテゴリから探す

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop