ページID:41029更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成24年2月1日水曜日) 

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

発表事項以外の質疑応答

 新県立図書館の館長の選任について

知事

新県立図書館の館長の選任につきましてご説明を申し上げます。

現在、甲府駅北口に建設中の新県立図書館の館長といたしまして、小説家の阿刀田高(たかし)氏に就任の承諾をいただきましたので発表させていただきます。

新県立図書館では、蔵書の充実など図書館固有の機能の強化に加えまして、多くの県民が交流する場を設けることによる賑わいの創出を目指しておりまして、本年11月11日日曜日の開館に向けて、図書館が提供するサービスの充実に力を注いでいるところであります。

そのためには、読書や図書館運営に豊かな見識と優れたリーダーシップをもった責任者が必要と考えまして、新県立図書館の初代館長にふさわしい人材の検討を進めて参りました。そして、小説家の阿刀田高氏が最適任者との結論に至りまして、館長就任をお願いいたしましたところ、このほど就任していただけることになりました。就任の時期は、4月1日でございます。4月から11月までの間は、現図書館の館長として新図書館の開館準備についてご指導いただくこととしております。

阿刀田氏は、聖書やギリシャ神話など歴史、文化に関する深い造詣に裏付けされた作品や数多くの短編小説を発表いたしまして、多くの読者の支持を集めている方でございます。また、直木賞作家であり、文化庁の文化審議会会長や日本ペンクラブ会長を歴任され、現在でも直木賞選考委員を務められるなど文壇において確固たる地位を築いておられます。さらに、大学卒業後11年間、国立国会図書館の司書として勤務された経験をお持ちであります。

阿刀田氏を館長に招へいすることによりまして、新県立図書館の提供するサービスが一層充実し、本県の文化の拠点として機能していくものと期待しております。

以上でございます。  

<質疑応答>

記者

阿刀田氏は山梨に特別ゆかりがあるとは思えないのですが、どのようなところから選んだのかということと、阿刀田氏が引き受けるにあたってどのようなことに取り組みたいというような言葉を発していられるのかをお伺いしたい。

知事

阿刀田氏はおっしゃるように特に本県とのゆかりはございません。阿刀田氏の活動の内容とか見識などを評価して、新県立図書館をお任せするに相応しい方だと判断したところであります。

先ほど申し上げたことでありますので繰り返しになりますけれども、何と言っても現在の我が国の小説家として確固たる地位を築いておられる方でありますし、11年間国立国会図書館の司書として図書館運営の経験も豊富な方でありますし、文化審議会の会長とか日本ペンクラブの会長ということで文化人としても高い評価を得ておられる方であります。

今回、新図書館をつくるにあたって、従来、館長は学校の教員が果たしてきたわけでありますけれども、やはり新図書館をつくるにあたって、サービス水準を高めて県民の皆さんに本当に喜んでいただき、また十分活用していただける図書館にしていかなければならない、同時にまた全国的にも高い評価を得る図書館にしていかなければならないと考えましたときに、図書館あるいは読書文化について高い見識を持った文化人にお願いすることが適当であろうと判断したということでございます。

それから阿刀田氏が就任を承諾するにあたって何かおっしゃったことがあるかということですが、私もお会いしましたけれども、大変意欲を持って取り組んでいきたいとおっしゃっておりました。阿刀田氏の考え方は、本は養老保険みたいなもので、若いうちに読書の習慣を身に付けておけば、老後には必ず帰ってくるものだと。そして図書館について大事なのは、人、本、施設の順番なのだと、つまり司書が一番大事なのだとおっしゃっておりました。阿刀田氏が館長になれば、図書館には司書が28人おりますけれども、その方々にしっかりと司書としての心構えとかサービスを植え付けていただけるものと思っております。

 おもてなし推進週間について 

知事

本日の2月1日から7日までは、「おもてなしのやまなし観光振興条例」が昨年12月に制定されまして、初めて迎える「おもてなし推進週間」でございます。「おもてなし推進週間」は、県民総参加による山梨ならではのおもてなしの取り組みに向けまして、おもてなしの重要性について県民の皆さんのご理解と関心を深めるために設けるものでございます。

「おもてなし推進週間」の初日である本日は、新聞紙上での広告とか甲府駅における街頭キャンペーンを実施いたしましたし、また、JR新宿駅のプラットホームにおきまして、「やまなし女将の会」の皆さんによりまして啓発キャンペーンが行われております。

また、「おもてなし推進週間」の期間中には、各種の関連イベントの開催等が予定されておりまして、特に2月3日には、おもてなしのやまなし県民大会を開催し、県民一体となっておもてなしを推進していく契機にしていきたいと考えております。

以上であります。

発表事項以外の質疑応答

 中小企業高度化資金貸付金について

記者

中小企業高度化資金の関係ですが、第三者委員会の報告がありましたけれども、県庁職員については法的責任がないということで報告がありました。ただ、例えば県庁を一般の民間の金融機関に置き換える場合、100億円の損失が仮に出た場合には、おそらく職員の融資の過去の経緯をきっちりと調べて、職員も何人か処分されるでありましょうし、おそらく頭取や役員の責任問題に発展すべき金額の大きさだったと思います。

もう1つは、県民が県庁の職員と組織を信頼してこれまで税金をずっと払い続けきた。その100億円が無駄になったことの重さを考えますと、これで法的責任がないということで一件落着にすると、どう見ても県民からするとやるせない気持になってくることは間違いないと思います。

責任の明確化と言いますか、知事ご自身を含めて何らかの身を削られる責任、目に見える形での何らかの対応を知事としてご検討されているのかどうか、もし、ご検討されているのであればその一端をここでお聞かせいただきたい。

知事

おっしゃるように、いろいろな理由がありますけれども、結果として100億円余の損失を県民におかけすることになったということは、誠に申し訳ないことで深く反省すべきことだと思っております。ただ、第三者委員会(の報告書)に書かれておりますように、要はこれだけの巨額の融資をする以上は、金融機関に準じてそれだけの審査能力を持つ職員をしっかりと養成し、それだけの審査能力を持った組織をしっかりとつくっていかなければならなかったわけでありますけれども、そういうものがつくられることなく、職員は2年から3年で交代していく。したがって、十分な審査能力がないままに巨額の融資が行われたというところに原因があるわけでして、個々の職員の行動と1つ1つの融資案件について個々の職員がどのような取扱いをしたのかについては、第三者委員会で詳細に当時の資料、あるいは直接当事者からのヒアリング等で検討していただいたわけでありますけれども、それぞれの職員はきっちりとした注意義務を持って所要の手続きは行ってきていた。加えて当然の事ながら、中小企業基盤整備機構とも十分に協議し、その了解を取りながら進めておりましたし、議会の議決もいただいて進めてきたことであるということであって、個々の職員に法的な責任はないということを委員会は言っているわけであります。ということは、結局、この県庁組織として責任があったということでございまして、これは10数年間のことでありますけれども、組織の長として私としても大変申し訳ないことだと思っております。

具体的にどのように対応していくのかということでありますけれども、これは組織としてまずい点があったわけでありますから、今回の委員会の指摘にのっとって中小企業高度化資金貸付要領の抜本的な改正をするとか、あるいは類似の融資であるとか、あるいは民間に対する支援を行う場合における意思決定のあり方であるとか、そういうことについて見直して二度と再びこういう損失が生ずることのないようにそういう組織体制をつくって行かなければならない。そのことに努力して行かなければならないと思っております。

記者

ご自身を含めて、前の不正支出の時は知事も給料カットという形でもあったかと思うのですが、何かご自身なり(県の)幹部なりそういった面も検討というのはいかがでしょうか。

知事

不正支出というのは違法であるとか、あるいは不適正な事務処理が行われたということでありますが、今回の場合には詳細な調査が行われた結果として、違法あるいは不適正な事務処理というものがあったといことではない。しかし、結果として巨額の損失を生じてしまったということであります。したがって、巨額の融資を行うにふさわしいだけの審査能力とかがないままに、そのようなことが行われたという組織の欠陥があるわけでありますから、そういうものをきっちりと直していくということが一番大事なことでありまして、そのことをしっかりと行っていきたいと思っております。

 二期1年目を振り返って

記者

今年二期目の1年がそろそろ就任の節目になるかと思うのですけれども、1年振り返ってみますと、高度化資金の件も含めて、前々県政からの引継案件で処理された件が多かったと思うのです。(林業)公社にせよ、高度化資金にせよ、不幸な時代の知事なのかなというところもありまして、そういう処理を二期目に大鉈を振るったということを振り返っていただきたいのですが。

知事

確かに過去から引きずってきたいろいろな県政のアキレス腱に刺さったとげみたいな問題を解決してきたわけですが、これは時代が大きく変って右肩上がりの時代から右肩下がりの時代になってきたわけでありまして、右肩上がりの時代に意思決定して進めてきたことが、結果として時代にそぐわないこととなり、巨額な赤字であるとか、損失を生ずるという事態になっているわけであります。そして、そういうものは放置しておいてどうなるのかと言えば、解決しないわけでありまして、ますます悪くなってくるわけでありますから、やはりこれはよく金融機関が損切りはできるだけ早く行うべきだと言いますけれども、やはりできるだけ早く処理していくべきものであると思って行ってきたということであります。

これは、ちょうど今の時期がそういう時期であって、別にそのことで私が自慢したり、あるいはひどい目にあったとか、そのようなつもりは全くないわけであって、どなたであってもこの時期になればそれは行わなければならないことであって、今の時期に行うべきことを行ったというだけのことだと思っております。

 富士山世界文化遺産登録について

記者

富士山の世界遺産について伺います。ユネスコに推薦書を提出して国内の手続きは終了したわけですが、今後は夏頃に行われるユネスコの諮問機関であるイコモスの現地調査が大事になると思われるのですが、県としてどのような態勢で受け入れて、この現地調査をどのようなものにしたいという、お考えでしょうか。

知事

おっしゃるように夏あるいは秋に予定されておりますイコモスの現地調査というものは、来年の6月頃に行われるユネスコ世界遺産委員会での審査の上で、極めて大きな影響を及ぼす大変に重要なものであると捉えております。したがって、これにしっかりと対応していくということは大変に大きな、また重要な課題でございます。

今、具体的に過去の平泉とかいろいろな世界遺産の事例がありますから、そういうものにおいてどのような観点で調査員が審査するのか。またそれに対してどのような対応をしていくことが非常に有効なのか。要はその調査員の方に富士山が世界遺産として価値があるということを認識してもらうことが大事でありますから、そのためにどういう説明をしたらいいのかというようなことを、今、少し過去の事例を調べているところでありますけれども、そういうものにのっとって説明の仕方、補足的に提出する資料、それから通訳の方の能力その他を含めまして、最善の説明の態勢をつくっていきたいと思っております。

 新党結成の動きについて

記者

最近、大阪、東京、愛知の知事が政党を立ち上げるような動きが相次いでいるのですが、そういう動きを知事としてどう見ているのか。また知事が横の連携みたいなものが今後出てくるのかどうなのか、その辺をどう見ているのか、お考えをお聞かせください。

知事

おっしゃるように、これはマスコミ報道以上のことをもちろん知っているわけはないわけですけれども、石原新党とかあるいはそれに大村(愛知県)知事とか橋下(大阪市)市長が合流していくのではないかとか、いろいろな報道が行われております。

現在の既成政党に対する国民の不満というものが非常に強いわけでありまして、そういう中で石原(東京都)知事なり橋下(大阪市)市長なりが新党をつくれば、国民の期待感は大変大きいだろうと思います。しかし、大事なのは政策でありまして、これは言うまでもないことでありますけれども、きれい事の政策ということではなく、今のこの日本の厳しい状況に対応して、国民に痛みを分かち合ってもらうようなメリハリの利いた政策が打ち出されるかどうか、その辺のところに私としては期待したいと思っております。

これがどのように、どのくらい拡がりが出てくるかということはあまり分からないのですが、やはりこれだけ既成政党に対する不満が国民の間にあることからすると、相当な動きになってくるのではないかという感じはあります。首長の中にも、例えば新潟県をはじめとしていくつか動きがこれからも出てくるだろうと思います。

私自身は、4年前のことでありますけれども、政党には所属しない、政党とは中立的な立場をとりますということを言っているものですから、仮にそういう政党ができても、それに参加するということは考えておりません。

 

(以上)

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
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