トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成22年12月13日月曜日)
ページID:34656更新日:2023年1月20日
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本館3階第一応接室 11時30分から 発表事項
発表事項以外の質疑応答 |
知事
お手元に資料があると思いますけれども、本日「緊急経済・雇用対策本部」を開催いたしました。現下の経済・雇用情勢を踏まえ、県としての対応についての協議を行いまして、当面の対策を決定したところであります。
我が国の経済につきましては、景気はこのところ足踏み状態となっておりまして、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にあります。
本県の県内の経済・雇用情勢につきましても、円高の進行による影響とか、依然として低水準にある雇用状況など、まだまだ予断を許さない状況にあります。
こうした中で、さる12月6日に、県内の金融機関や商工団体などの機関で構成いたします「山梨県地域経済対策協議会」を開催いたしまして、景気の現状や今後の見通しなどについて情報や意見を交換したところであります。
各機関からは、県内景気は緩やかに回復傾向にあるが、円高の影響や海外経済の動向などを背景に一服感がみられ、今後の先行きは不透明であるとか、円高の影響により、親企業から受注はあるけれども、価格の引き下げ要求があって、採算面で非常に不安だとかあるいは、資金繰りの厳しい中小企業を中心に年末年始や年度末に向けて資金需要がピークを迎えることとか、いろいろな意見が報告されたところであります。
一方、国におきまして「3段構えの経済対策」のステップ1の決定以降も、景気を巡る環境の厳しさが増しているといたしまして、ステップ2の「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を5兆1千億円規模で実施することといたしまして、先般、国の補正予算が成立したところであります。
このような状況を踏まえまして、本日の緊急経済・雇用対策本部におきましては、国の補正予算に呼応して、迅速かつ適切な対応を行うことにいたしまして、今議会に追加補正を行うことなどが報告されたところであります。
更に、県独自の対策といたしまして、求職者を対象とした生活・就労相談を12月31日まで実施するとともに、資金繰りなどにお悩みの中小企業を対象といたしました金融相談を12月30日まで延長して実施することを決定いたしました。
また、山梨県商工会連合会をはじめとした商工団体などが、県の年末の相談体制に呼応して、中小企業の総合相談に応じる体制をとっていただけることも報告されたところであります。
今後も、これらの対策を通じまして、地域経済の活性化と雇用の改善に向けて、全力で取り組んで参りたいと考えております。同時に追加の経済・雇用対策につきましても、国の来年度予算等の動向も十分注視しながら、県内経済団体等の意見を踏まえて、適切かつスピーディーに対応していきたいと考えております。
知事
あわせまして2番目の発表でありますが、お手元にこれも資料があると思います。予算関係であります。平成22年11月定例県議会追加提出議案がございますけれども、それにつきましてご説明させていただきます。
11月定例県議会に追加提出する案件は条例案1件、予算案1件であります。政府におきましては、「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」のステップ2の「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を5.兆1千億円規模で実施することを決定されまして、さる11月26日に補正予算が成立したところであります。本県におきましては、国に呼応した迅速かつ適切な対応が必要と判断いたしまして、関係条例の制定及び追加補正を行うことといたしました。
まず、条例案についてでありますが、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの接種を促進するための基金を設置する条例でありまして、「山梨県子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金条例制定の件」を提出することといたしました。
次に、追加補正予算につきましてご説明いたします。一般会計の追加予算の規模は、43億6,864万8千円でありまして、これに追加前の補正予算、今議会に提出されているものでありますが、11億4,758万円を加えますと、55億1,622万8千円となります。これを既定予算、当初予算と合わせますと、4,794億3,919万9千円となります。
内容といたしましては、1点目として「国の補正予算に係る公共事業のうち、本年度中に執行が見込める事業」、2点目として「緊急雇用創出事業臨時特例基金への積み立てと同基金を活用した雇用機会を拡大する事業の追加計上」、それから3点目といたしまして「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金への積み立てと同基金を活用した市町村が行う子宮頸がん等の予防接種に対する助成」などを計上いたしております。
なお、今回新たに子宮頸がんの予防接種の助成対象者となる高校1年生につきましては、この事業開始が年度末となることで、本年度中の接種機会を確保できない可能性がありますので、これに対する救済措置を明年度事業のなかで講ずることについて、市町村と協議していく考えであります。
詳細につきましては、このあと財政課長から説明いたさせます。
以上であります。
記者
追加補正に関連してなのですけれども、子宮頸がんのワクチンの接種について、国の方が助成する制度が始まるということで、県としても先行的に取り組んできた経緯があろうかと思うのですけれども、今後、こうした国の制度が始まることによって、県としてどのような支援措置を考えているのか、お聞かせください。
知事
今回、国の補正予算によりまして、子宮頸がん等について、国の助成制度が行われることになったわけであります。具体的には、中学校1年生から3年生と高校1年生の女子を対象といたしまして、国の補助が2分の1、そして残りの2分の1の市町村負担分については、100パーセント地方交付税措置が取られたということでありまして、財源措置としては100パーセント措置されているということであります。したがって、県として助成する余地は、100パーセント財源措置が取られているわけでありますから、ないわけでありますけれども、ご承知のように、本県の場合には、県と市町村が連携して全国に先駆けて子宮頸がんに対する予防ワクチンの接種の助成措置を講じたわけであります。
今回の国の制度で市町村が接種を行っていくわけでありますが、何かそこに足らざる部分があれば、県として県単独事業で支援していく必要があるのではないかと判断いたしました。そのような中において、今度は高校1年生が対象になっているわけであります。県と市町村で、今年行ったのは小学校6年生と中学3年生でありますから、高校1年生は対象になっておりません。高校1年生については、今回の制度で初めて対象になるわけでありますけれども、この国の助成制度が発足するのは、今回県が11月の補正予算に計上いたしまして市町村に交付していくわけですけれども、市町村の方は2月の補正予算になるわけです。早いところは11月(補正予算)ということになるかも知れませんが、大部分の市町村は、おそらく2月の補正予算で国の助成制度による子宮頸がん等のワクチン接種を予算措置していくだろうと思います。
そうしますと、それが各市町村において予算が成立して、それが実施されるのは3月に入ってからになりまして、年度内、極めて限られた時間になってくるとわけであります。その限られた時間においても、中学1年、2年、3年、高校1年について、できるだけ接種するようにと、おそらく市町村はPRしていくと思いますが、高校1年生の中には、例えば部活で忙しいとかあるいは、期末の試験があるとか、そのようなことで接種漏れになる人が出てくる可能性があるというわけであります。接種漏れになりますと1回でも年度内に接種しますと来年度2回、3回と接種しても、その分は国の補助の対象になるのです。ところが、その1回の接種を今年度中に行わないと、来年度は高校2年生になってしまいますから、国の制度の対象から外れるわけです。
このようなことがありまして、それは何らかの救済措置が必要ではないかと思いまして、ただこれは市町村が、それは救済措置を取ろうと判断されることが大事でありますから、市町村とこれから協議して、そのような救済措置を取るということであれば、県として、それに対する支援措置を行いたいということであります。市町村が、高校1年生は年度内にできるだけ受けさせると、国の制度によって受けさせるということで、したがって県の単独の支援措置は必要ないということであれば、それはそれでいいわけであります。そのようなことについて、市町村と協議したいということであります。
なお再来年度でありますが、私はまだ選挙がありますから、再来年度まで担当するか分かりませんけれども、仮に担当することになった時には、再来年度以降、がん対策については、市町村と一緒に強化・充実することを考えていきたいと思っております。
知事
これもお手元に資料があると思いますけれども、県の畜産試験場で、消費者ニーズが多様化していることに応えまして、新しい銘柄の鶏を開発したわけであります。従来、開発した「甲州地どり」がございます。これはわりと高級な鶏でありまして、値段もある程度ありますが、通常のブロイラーよりも質が高いわけであります。今回の新しい鶏は、「甲州地どり」と一般的なブロイラーの中間の品種で、比較的安く消費者が手に入れることができるものでございます。平成19年度から開発を進めてきて、今回、その「新銘柄鶏」が完成いたしましたので、名前を決めまして、消費者に提供することといたしました。新しい銘柄鶏の名称は「甲州からかいどり」といたしました。この「新銘柄鶏」は、ブロイラーより飼育期間が長いということで、甲州弁の「からかう」は「手間をかける」という意味でありますので、そのような名称にしたということであります。
この「甲州からかいどり」は、「甲州地どり」の血も引いておりますので、ブロイラーよりも質が高い、ちょうどブロイラーと甲州地どりの中間的な肉質を持っているということであります。
山梨県産ブランド食肉のひとつとして、幅広く提供していきたいと考えております。なお、会見終了後に記者クラブへ、「甲州からかいどり」の試食をしていただくために、ソテーを提供いたしますので、味見をお願いしたいと思います。
以上であります。
記者
「甲州からかいどり」の飼育期間は何日ぐらいでしょうか。
知事
だいたい80日ぐらいです。正確に言いますと12週間、84日間です。
記者
知事は、この鶏は食べられましたか、その感想をお聞かせください。
知事
食べました。非常に肉質が柔らかく、コクがあって良いなと思いました。しかも、値段的にも「甲州地どり」よりは、かなり安いということであります。「甲州地どり」は高品質なものですから、飲食店等で出されていて、なかなか一般の家庭の主婦の皆さんが、通常にお食べになるということはないわけでありますから、これならば値段的にも手頃で家庭に普及するのではないかと期待しているところです。
記者
富士山世界遺産登録の関係なのですけれども、地元の同意取得の件で、富士河口湖町長から年内取得に悲観的な声も聞こえたようですが、こういった声について、知事の見解とお考えをあらためてお聞かせください。
知事
富士五湖を文化財に指定していくための同意取得については、今時点で63パーセント取得されているという報告を受けております。12月3日に(県議会の)代表質問に対してお答えした時には、50パーセントを超えるという状況だったわけですから、その後13パーセント増えたということです。
これ以外にも世界遺産については、ご理解をいただいている方が多いわけですから、これからも着実に同意は増えてくるものと思っております。
そういいましても、やはり一部に規制が強化されるのではないかという不安を感ずる方もおられるわけです。それから町長が指摘していたように、実際に実務として、賛成なのだけれども、しかし占用許可を取っている名義人が亡くなって、その子供が相続するのだけれども、その相続の手続きがまだできていないとか、亡くなった方の後として、誰が占用許可を得ることにするかとか、そういうことが決まっていないとか、そういう手続き的な時間のかかるものもありまして、町長は年内100パーセントは難しいのではないかという懸念は示されたのだろうと思います。
しかし、聞くところによりますと、そういった手続き的に問題があるものについても、ほとんどの関係者は賛成されていると聞いておりますから、手続きをできるだけ急がせる必要があるのではないかと思っております。
いずれにしても年内に100パーセント取得するという目標のもとに、これからも県、市町村一体となって最大限頑張っていきたい。関係者の皆さん、権利者の皆さんにお願いしていきたいと思っております。
記者
知事選の告示までちょうど1ヶ月になったのですけれども、あらためてこの節目で抱負をお聞かせいただけますでしょうか。
知事
おっしゃるように知事選の告示まで1ヶ月ということになったわけですが、日常の業務が非常に忙しい中で、それをこなしながら選挙の準備をやっているものですから、本当に毎日やらなくてはならないことがたくさんあって、そんな中で選挙の準備もしているということです。
相手として共産党の推薦した候補者が名乗りを上げておりますけれども、それ以外にももちろん出てくる可能性は大いにあるわけですし、どういうかたちになっても勝利できるように、できるだけ投票率も高く、また大きな票をいただいて勝利できるように、この1ヶ月の期間、最大限頑張っていきたいと思っております。
記者
15日に発表予定のマニフェストなのですけれども、細かくは15日として、今重視されている点とか、どのあたりに力をいれていらっしゃるかというところだけでもお聞かせいただけますか。
知事
県政の課題というのはたくさんあるものですから、産業政策を重視するとか、環境政策を重視するとかということは、具体的にはございません。
日本が大きな転換期にあって、例えば中国をはじめとする新興国が台頭して日本の地位が低下しているとか、そういう中で国民の間に不安もありますので、そういった不安を県政としても払拭して、未来に明るい展望を開いていただけるような、そういう施策を進めていかなくてはならないと思っておりまして、具体的にはもちろん産業政策だとか、環境政策だとか、あるいは観光政策とか、従来からやってきている施策を引き続き力強く進めていきたいということであります。
記者
今のところ立候補を表明されている共産党の候補者の方は、暮らしとか雇用とかいう面で、訴えていかれるとおっしゃっていますけれども、今後争点となってくるのはどういうところだと見ていらっしゃいますでしょうか。
知事
まだ候補者の具体的な主張というものを承知しておりませんので、どういう点が争点になるか、今の時点ではわかりません。
記者
知事選の公約に関連してなのですけれども、先般県議会の委員会などでも、北口県有地の利活用に関して、白紙撤回を促すような意見が出たのですけれども、現時点で公約に何らかの記述を盛り込むご予定があるかどうかということと、あと明野ですとか県立射撃場の移転整備に関して、何かしらの計画というか道筋的なものを盛り込むお考えをお持ちかどうかについて伺いたいと思います。
知事
産廃の問題とか、あるいは射撃場の問題とかについては、マニフェストにおいて触れるつもりではありますけれども、しかし北口の問題も含めて、従来議会、県民の皆様に私の考え方を申し上げてきたこと以上に、より何か具体的なことをマニフェストで申し上げるということは考えておりません。
記者
北口に関してはどうですか。
知事
同じです。
記者
先程の知事選の際のお話しで、多くの票をもらってというご発言がありましたけれども、一部では信任投票という見方もあるのですが、その辺について知事はどうお考えですか。
知事
そういう見方も、もちろんあると思いますけれども、私としてはできるだけ投票率も高く、得票もできるだけたくさんの得票をいただいて、勝利させていただきたい。そのために全力で県民の皆さんに訴える努力をしていく、ということ以上に申し上げることはないわけであります。
記者
具体的にこれくらいの得票をというものは何かありますか。
知事
これから選対本部の方で、具体的な目安みたいなものをつくるかも知れませんけれども、私自身がこれくらいという目標は持っているわけではありません。
記者
マニフェストの関係で、それぞれ県政課題について、これまで以上に具体的に触れるは考えていないとおっしゃいましたけれども、一部には具体的な考えを示して県民の信を問うべきという意見もありますけれども、あえて具体的に触れることはないというのは何故でしょうか。
知事
それは既に議会でいろいろな議論をし、議会で今自分の考えを申し上げられることは既に申し上げているわけであります。その直近の議会で申し上げていること以上に、今の段階で申し上げる段階ではないということであります。その今の直近の議会で言っていること以上のことを言うためには、それなりの情報等が集まり、そしてそういうものを踏まえた上で判断していかなければならないわけですが、そのためのいろいろな情報収集、あるいは分析をやろうとしている段階でありますから、その前に一定のこういう方法だということを申し上げるということは適当ではないと思っているわけです。
例えば、境川ということで言えば、来年の6月の議会で方向性をお示しする。そのために採算計算とか収支とかの検討をこれからやっていくのだということを言っているわけでありますから、そういう検討をこれからすると言っているのにその検討も無しに一定の方向をこうだと言うのは、これは適当ではないと思いますから、直近の議会で申し上げていること以上のことを申し上げるのは難しいということを言っているわけです。
記者
国土交通省のリニアの交通政策審議会で、先週リニア駅負担の関係でJRも一定の負担をすべきという意見を付帯意見として盛り込むという見解を示されましたが、それについて知事の受け止めをお聞かせください。
知事
交通政策審議会の小委員会がそういう判断をしたのは当然ではないかなと私は思っております。いずれにしても、中間駅についてもこれはやはり鉄道施設としてJRが自分の所有とする鉄道施設になる部分については、JR東海が鉄道事業者として負担すべきではないかというのは、正しいと思っておりますし、これからもそういう主張をしていきたいと思っておりますから、小委員会がそういう通過県の考え方を受け止めて、鉄道事業者も負担をするという前提でよく議論をしなさいと言っているのは当然のことではないかと思っております。
記者
県内では4つの圏域で駅の誘致に手を挙げていますけれども、今後何か県として対応はございますか。
知事
これからの国の方のスケジュールとしては、その小委員会の中間報告というものが近々、中間取りまとめというものが出されます。それをパブリックコメントというものに国がかけて、来年に入って早いうちに報告書の形にまとめていくということになると思います。報告書が出ると、これは国土交通大臣が整備計画というものを決め、そして建設主体を指示するということになるわけであります。そして建設主体がそこで決まって参りますから、JR東海になると思いますけれども、今度はその建設主体が環境アセスメントという手続きに入っていく。
従来、整備新幹線等の例を見ると、環境アセスメントに入る前に、大まかなルートと駅の位置が建設主体・JR東海によって決められるということにあるわけでありますけれども、その駅の位置を決めるについては、これはJR東海で本県の4つの圏域から出ている要望というものを十分踏まえて、それを検討するようにと県としては再三言っておりますので、JR東海で十分検討した上でJR東海としての考え方というものが県に示されてくると思います。それを踏まえて、県としてはこの4つの圏域をはじめとする関係市町村等と十分協議をしながら、山梨県として最適な駅の位置というものを決めていくということになると思っております。
(以上)