トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成22年7月21日水曜日)
ページID:32786更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質疑応答 |
知事
本県と四川省は、1985年以来友好県省として、幅広い分野で交流を重ねてきたわけであります。そして節目ごとに記念事業が実施されて参りました。
また、2008年5月に四川大地震があり、これに対して本県から義援金を送るなど、大地震の復興を支援する活動も行ってきたところであります。
他方、中国は高い経済成長を続け、特に訪日個人観光ビザの規制緩和などがありまして、訪日旅行者の大幅な伸びが期待できるわけであります。
特に上海市はアジアを代表する国際的都市であり、今、上海万博が開催されております。そういう意味で山梨県の観光資源のPR、あるいはワインや果実といった県産品の販路拡大を図るチャンスであると思われるわけであります。
そういうことで、(資料の)「目的」にありますように、ひとつは本県と四川省との友好交流関係をさらに深めるために、四川省において25周年記念事業を実施する。山梨県では11月に(記念事業を)実施する予定になっております。もう1つは、観光客の一層の誘致と県産品の販路拡大を図るために、上海市において、トップセールスを実施する。このふたつの目的を持って、中国に出張することになりました。
ご覧のような日程であります。参加者は(1)にありますように、四川省におきましては、私のほか県庁職員、県議会は議長ほか議員、事務局の職員ということであります。それ以外にも、民間レベルでの四川省友好県民会議の訪問団とか、あるいは財団法人山梨県国際交流協会が企画したツアーに参加する方々も一緒に訪問する予定であります。
それから上海におきましては、私のほか県庁職員、県議会は議長以下議員の皆様、そして笛吹市の荻野市長とか、富士河口湖町、観光・商工・農業団体、農協の中央会の広瀬会長も含みますけれども、そういう方々を含めて25名が上海へトップセールスに一緒に行っていただけるということであります。
次のページに日程が書いてございますが、8月3日に出発しまして、4日午前中には(四川省)都江堰(とこうえん)市で「山梨四川友好の森」植樹の式典を行います。午後に一連の記念式典、記念祝賀会等があります。8月5日木曜日には、午前中に「(友好の歴史・)山梨観光パネル展」を行うことにしておりまして、そのオープンがございます。それから上海に移動しまして、6日の午前中は上海万博を見まして、午後「富士の国やまなし」観光フェアというものを上海の中心のショッピングストリート、呉江路(ごえろ)というところでありますが、そこで観光フェアを実施する。それからメディアとの記者会見とか、「やまなしサポーターズ倶楽部in上海」というものを発足させることにしております。これは上海在住の旅行会社の皆さん、また上海のメディアの皆さん、流通業者とか上海市などの行政関係者、そういう皆さん約50名に集まっていただきまして、サポーターになっていただいて、山梨のPRに一役買っていただくことにしているわけであります。
そういう日程で、四川省での25周年記念事業と上海トップセールスを実施して参りたいと思っております。
記者
先週、和歌山で行われた全国知事会議で、知事会として税制改革に向けた議論を与野党に求めていく声明が出されて、その際に知事会として議論には参加するような形で大まかな方向性がまとまったかと思うのですが、横内知事として、知事会の方向性についてどのような見解を持たれているのかお願いします。
知事
これは、私もかねてから申し上げておりますように、特に社会保障関係の経費が、これから国の場合には、毎年約1兆円、地方の場合には、毎年約7千億円増えるなど、高齢化に伴って行政需要が増大していく。反面において、我が国の財政は800兆円を超える累積債務を抱えている状況でありますから、消費税を含む税制の抜本改革が必要だと思っております。ただ、消費税を引き上げることになりますと、必要であるとしても経済情勢がしっかりしていなければ、今のような非常にデフレ不況の状態で、直ちに上げることになりますと、これはますます消費を圧縮してデフレスパイラルにならんとも限りませんので、消費税を上げていく前提として、経済を正常な形、成長経済に持って行く経済戦略が必要だと思っております。
記者
富士山世界遺産登録の関係ですけれども、文化庁への推薦書の提出期限が、ちょうどあと1週間という状況になっている中で、現状を見ると権利者に対する同意書が取られていない状況であったり、地元を見ても一部の観光業者が、まだ反対している状況があるのですが、こうした状況をどのように見ているのかと、仮に間に合わなかった場合に、県の今後のスケジュールにどう影響してくるのかを教えてください。
知事
ご指摘のように7月末までに推薦書原案を静岡県と共に文化庁に提出するスケジュールで、現在努力しているところであります。そのためには、富士山及びその周辺の地域を世界遺産にすることについての、地域の住民の皆さんの合意(コンセンサス)を取ることが第一と、もうひとつは、湖などの水面の部分を文化財に指定するわけでありますが、それについて利害関係がある方々の同意を取る作業が必要になってくるわけでありまして、スケジュール的には、大変厳しいものがあると思っておりますけれども、地元の町もそうでありますし、我々としても最大限努力している最中であります。
記者
一部報道でもありましたけれども、24日には知事ご自身が行かれる予定なのでしょうか。
知事
そのように予定しております。今まで山中湖につきましては、地域全体としてのコンセンサス(合意)が得られて、あとは同意を取っていく作業を始めていくわけであります。河口湖をはじめ4湖につきましては、まだ地域住民の皆さんの全体のコンセンサスが得られていない状態であります。そのために富士河口湖町が非常に懸命に説明会を何回も開いて努力していただき、県としても、もちろんそれに出席して、理解を得るべく説明してきたわけであります。その集大成的な会合が24日に開かれるということであります。従って、そこに私も出席して、いろいろな住民の皆さんの不安があるわけでありますけれども、そのようなものに対して、懇切丁寧にご説明すると同時に、富士山を世界遺産にする、人類共有の宝にすることによって、長い目で見れば、この地域にそのことが非常に大きな恵みをもたらすものであるから、是非皆で一緒になって、世界遺産登録に向けて努力していきましょうと、地域の皆さんにご理解を得るために出席したいと思っております。
記者
世界遺産に関係して、先ほどの質問と多少重なるのですが、権利者から同意を得る作業が残されているかと思うのですけれども、見通しとして非常に厳しいと思われますが、知事ご自身、見通しについて、どのようなご所見をお持ちなのかということと、仮に文化財登録のための同意が得られない場合、推薦書原案が提出できない可能性があるのかということと、本登録の見込みとされる2012年が先送りされる可能性があるのかどうかの、ご所見を伺いたいと思います。
知事
確かに7月末まで、あまり時間がありませんから、コンセンサスを得ると同時に、個々の利害関係者の同意を得るという作業をしなければいけませんので、スケジュール的には大変厳しいものがあると思っておりますけれども、その目標に向けて、最大限努力を地元の町も村も行っていただいておりますし、県としても行っている最中でありますから、当面はそれに精力を集中していきたいと思っております。
記者
富士山世界遺産の関連で、もしも全精力を注いだ結果として100パーセントサインが取れない場合は、推薦書原案の提出を見送る可能性はありますか。それとも申請途中の段階でも文化庁の許諾を得た上で、7月末までに提出、登録する形をとるという、どちらの可能性が高いのでしょうか。
知事
いろいろな可能性はあるかも知れませんが、当面我々としては7月末までに、地域全体のコンセンサスを得、そして文化財指定のための利害関係者の皆さんの同意を得るという、ふたつの作業を行って、そして推薦書原案を7月末に文化庁に提出するというスケジュールのもとに最大限の努力をしているということでありまして、まさにそのことに精力を集中しているということです。
記者
もしもそれが間に合わなかった場合の対処は、今の時点で何か考えていられるのでしょうか。
知事
もちろんそういうことも可能性としてはあるのですけれども、我々としては当面は最大限地域住民の皆さんのご理解をいただいて、そして利害関係者の同意をいただくという努力に、最大限の精力を集中していく、そのことに全精力を傾けているとういうことであります。
記者
参議院議員選挙の結果について、知事のご感想でも結構なのですけれども、3,745票と、かなりぎりぎりの差まできたのですけれども、この辺はどういう民意の反映だったのか、知事のお考えをお聞かせください。
知事
全体として民主党に逆風が吹いたということ、それにはいろいろな原因があるのでしょうけれども、私が見ておりまして一番大きいのは、消費税そのものは必要なこととしても、十分な議論のないままに、あまりにも速いスピードで実現してしまうのではないかという、不安のようなものが国民の皆さんにあって、そのことが大きな原因ではなかったかと思います。
そういう与党民主党の逆風の中だったわけでありますけれども、輿石(東)先生が接戦ではありましたけれども当選されたのは、やはり山梨県民の思いとして、輿石先生は与党の非常に重要な幹部であり、国政のために非常に活躍してもらいたいということ。同時にふるさと山梨のために働いていただきたいという県民の思いというものが、一方においてまた強くあった。そのふたつのことが、ああいう結果になったのではないかと思います。
記者
関連してなのですけれども、知事は不偏不党として、参議院議員選挙に関しては等距離を民主党にも自民党にもとられたのですけれども、それに対する、せめて顔を出してほしかったという、感情的なものも含めて、若干の不満が両方から出ていると仄聞(そくぶん)しているのですけれども、その辺について知事としてはどのようなご感想をお持ちでしょうか。
知事
わたしも経験していますけれども、非常に厳しい選挙の時には、いろいろな不満とかが出てくるのはやむを得ないことでして、これは甘受するしかないと思っております。両方からそれぞれ、そういう批判、不満が出ていることについては甘受するしかないと思っております。
ただ私は、ご承知のように知事に就任して最初1年は、自民党の党籍を持っていたのですけれども、1年経った時点で党籍を離脱して、これからは不偏不党で県政にあたりたいということを、県民の皆さんにお約束したわけですから、やはり不偏不党の姿勢というものは貫いていかなくてはならないと思いまして、そういう態度で臨んだわけであります。
私として、そういう約束をした以上は、それで行くべきものだと思っておりますから、自分の行動が間違っていたとは思っておりません。しかしいろいろな批判があることは、甘受したいと思います。
記者
概算要求基準の関係なのですけれども、71兆円というかたちで出てきておりまして、社会保障の自然増を認めるという中で、政策的経費を1兆円以上削られなければ71兆円以下にならないという計算になるかと思います。相当厳しい予算になるかと思うのですが、この概算要求基準について、知事のご感想をお聞かせください。
知事
非常に厳しいことになると思います。しかし今の財政事情からすれば、こういうことでいかなくてはならないということは、よく分かるわけでありまして、やむを得ないことだと思っております。知事会でも議論が出たところでありますが、日本経済がデフレ不況の状態のままでは、財政再建のためにもうまくないわけでありまして、是非、成長戦略というものをしっかりとやって、何とか経済を成長に持っていく必要があるのではないかということは、大事なことだと思い、そういうことを望みたいと思います。
もうひとつ、懸念があるのですけれども、地方交付税について、現内閣のもとで地域主権が一丁目一番地として、地方交付税の充実が図られた点については、我々としては非常に評価するわけですが、財政が厳しくなる中で、これが後戻りすることのないようにお願いしたいと思っております。
記者
先日、知事選の絡みで市長会において再選出馬要請することを決めましたけれども、併せて30日に町村会などが出馬要請することのようなのですが、その辺について知事のお考えを改めて伺いたいと思います。
知事
おっしゃるように市長会、町村会が、あるいは市議会議長会とか町村議会議長会を含めてでありますけれども、推薦をいただけることは、私として大変光栄なことであり、ありがたいことだと思っております。私としては、当面は、そのような励ましをいただきながら、いろいろな残された課題がありますから、その課題の解決に最大限努力していきたいと思っております。
私の県政についての一定の評価をいただいて推薦いただくことは、大変にありがたいことだと思っております。
(以上)