ページID:94908更新日:2020年5月20日

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知事臨時記者会見(令和2年5月19日火曜日)

防災新館401,402会議室

14時00分から

 

発表事項

発表事項以外の質疑応答

  • なし
 知事会見0519

 やまなしグリーン・ゾーン構想について

知事

 

超感染症社会への移行、これは前回5月9日に「やまなしグリーン・ゾーン構想」のスタートを表明した時点で打ち出した考え方でありますが、今回の新型コロナウイルスは、とりあえず収まりつつありますが、当然のことながら、第2波、第3波に対する備えというものは常に念頭に置いておかなければいけません。また、これを乗り越えた後も、これだけ多くのグローバルな交流が盛んになっている世の中で、全く新しい感染症に対しても、今回の経験を踏まえて、しっかりとした準備、心構えで対応していかなければならないと思っております。

先般、この山梨県全体で感染症に強い、感染症があったとしても社会経済活動を止めることなく運営できる「超感染症社会」に、地域ごとに移行するためのものとして、まず、今般の緊急事態宣言下における休業要請の個別解除のスキームを打ち出し、それをもって「やまなしグリーン・ゾーン構想」のスタートとしたわけでありますが、本日はその方向性につきましてご説明したいと思います。

まず、我々のこれまでの取り組みとして最優先で行ってきたものは、感染拡大に備えた医療体制の確立であります。これは、今年の2月補正、4月補正でも、体制確立に注力をしたところであります。

おかげさまをもちまして、まず疫学的調査に関しましては、保健所の人的資源を拡充し、また特別調査チームを作る中で、しっかりと感染された方の行動確認をする体制を整えてきたところであります。

また、PCR検査につきましては、既に全国トップクラスの検査数を実施しているところでございます。

また、一番重要な病床の確保に関しましては、これまで80床の病床を確保し、加えて、21床の軽症者のための宿泊療養施設も確保しております。

また、これらの医療体制の整備を行う中で、当面は、国で言われております、重症者50人、ピーク時に入院患者が1500人発生したとしても、ある程度対応できるめどが立ったところでございます。

そして現在、検査体制のさらなる拡充を図っております。先般、山梨大学におきまして、ドライブスルー方式によるPCR検査がスタートしました。

このほかにも、各医療機関におきまして、新たにPCR検査能力の拡充に向けての対応を順次進めているところであります。

また、病床の確保に関しましても、先ほど80床と申し上げましたが、最大400床まで確保するべく、各地の医療関係者と精力的に調整を進めているところであります。

また、宿泊療養施設に関しましても、21床を北杜市の若神桜さんのご協力をいただいて、既に確保しているところでありますが、これに関しましても感染拡大、感染爆発に備えて、現在、同様に話し合いを進めているところであります。

こうしたことを踏まえまして、山梨県におきましては、感染拡大に備えた医療体制の確立のめどがつき、早期発見、早期治療による感染制御に向けて取り組みを鋭意進めているところでありますが、これらの医療関係の整備を土台と致しまして、次なる段階として、感染症に対して強靱な社会経済体制を作っていくこと、この取り組みを進める必要がございます。それが「やまなしグリーン・ゾーン構想」になります。

主立った柱は、まず、感染拡大に備えた医療体制の整備、そして早期発見、早期治療による感染制御です。

これを土台と致しまして、県民の皆様のいわゆる新しい生活様式への移行を下支えして参ります。具体的には、感染症の拡大を防止するための様々な社会環境の整備、例えば教育におきましては、遠隔授業の実施、あるいはICTを活用した遠隔診療、更には、テレワークを実現するインフラ整備、こういうものにはすでに着手をしております。また今後の取り組みとしても、ワーケーションなどの働き方の改革の促進などが課題になって参りますが、現在、喫緊の課題となっておりますのは何といっても経済活動に関する部分でございます。

本日、お話しますやまなしグリーン・ゾーン認証制度は、まさにこの経済活動を支える取り組みの一つでありますが、これは県内外の消費者の安心、信頼をいかに確保するかということで、県として、新たな認証制度を作り、従来の休業要請という規制的な手法ではなく、各事業者の皆様が、感染症拡大を防止するために必要な様々な取り組みを支援していくという方針に転換していきたいと思っております。

このグリーン・ゾーン認証制度でありますが、感染症の拡大が収まりつつあるとは言っても、多くの消費者の皆様、あるいは生活者の皆様にとりましては、大変な不安が実際に存在し続けるわけであります。本当にここを訪れて感染しないのだろうか、こんな感じのお店だけども大丈夫だろうかという不安が、まだまだ払拭し切れない状況にあろうかと思います。

他方で、消費者の皆様に向き合う事業者の皆様にとりましても、果たして自分たちが行っているお店のあり方が本当に大丈夫なのか、万が一、自分の店で感染者が出てしまったら大変なことになる、こういう不安と常に向き合わざるをえないわけであります。

こうした不安が、消費の落ち込みという形で深刻な状況になって現れてきている、これが現在の山梨県の状況であろうかと思います。

おそらくこの不安という点に関しましては、今後も、コロナウイルスのワクチンあるいは究極的な治療法が開発されるまでの間は続くわけでありますし、今後新たな感染症が出現した時にはまた同じことが繰り返される。この不安をいかに除去することができるかが重要なポイントになろうかと思います。

山梨県が、国内外の多くの人から選ばれる地域になっていくためには、まずはしっかりとした感染症の予防対策が社会全体で実施されていること。そして、それがわかりやすい形で、県内の生活者の皆様、事業者、あるいは生活者、更には国内外の山梨県を訪れていただこうとされている方々に示されることが重要であると考えております。

このため県と致しまして、山梨全体で安心、信頼を提供するための仕組みとして、このやまなしグリーン・ゾーン認証制度をスタートさせるべく、取り組んで参りたいと思います。

このやまなしグリーン・ゾーン認証制度は、休業協力要請の個別解除のスキームをさらに発展させたものであります。休業要請を解除するという規制的な手法ではなく、各事業者の皆さんが作った感染症予防のためのガイドラインに基づく事業環境に県としてお墨付きを出すことで、各利用者、消費者の皆さんに、分かりやすい形で感染症対策が行われているかどうかを判別していただきたいと思います。いわば、この感染症リスクと共存せざるを得ない社会において、利用者の皆様の安心信頼を確保するということを、新たな付加価値に直結させる、こういう仕組みとして創設をしたいと思います。

認証制度の具体的なあり方ですが、まず、県は制度設計や運用に当たりまして、専門的な見地から助言・審査をいただくための専門家委員会を設置致します。この専門家委員会では、まずグリーン・ゾーン構想のコンセプトや事業スキームをご審議いただきます。また、専門家委員会の参画と、各事業者との連携のもとで、グリーン・ゾーン構想に基づくガイドラインづくり、あるいは支援策についても検討を進めて参ります。

事業者サイドにおきましては、事業者が取り組むべき感染症予防対策を体系的に定めた上で、県に確認を申請し、専門家委員会がこれを審査します。

県は、対策を遵守する事業者を確認の上、当該事業者を個別に認証し、認証マークを交付するとともに、県ホームページにおいて公表致します。併せて、認証を受けた店舗、事業者が、どのような感染症予防対策を行っているのか、一般の消費者が容易に知ることができるようにするために、認証マークにQRコードを付与して、スマートフォンから判別し、また、それを評価していただけるような形にして参りたいと考えております。

加えまして、県におきましては今後、事業者の積極的な認証取得を促して、認証に沿った事業環境の維持に必要な設備の更新、あるいは改修等を進めてもらうために、新たに助成制度を検討して参ります。

更に、この認証の取得事業者につきましては、感染症対策が行き届いた事業者として、例えば、先般、観光振興策として復興割プラスというものの予算を認めていただきましたが、それと連動させるとか、あるいは、先般発表しました、無尽会振興の100億円プロジェクトにおいても優遇策を検討するなど、様々な施策の横串を刺して、有機的に連携させていきたいと思います。

この認証を取得することが、それぞれの事業者にとりまして大きなメリットを感じていただけるような活用の仕方を実行して参りたいと思います。

この実施につきましては、今後、詳細の詰めを急ぎまして、速やかに開始できるようにして参りたいと思います。

既定予算を活用して、6月議会の前にも行いたいと思いますし、また6月の補正予算におきましても、必要な予算を計上して実行をして参りたいと考えております。

最後に、今回、県と事業者、そして県民の皆さんの3者で、山梨全体で安心安全に対する信頼を提供していきたい。この信頼を提供する先には、県外からの来訪者、更には、海外から山梨を訪れていただくことを考えてくださる方々に対しまして、しっかりとわかりやすい形で、我が県が、あるいはこの山梨という地域が、感染症対策がしっかりできている、安全な、訪れて安心できる地域であることをお伝えすることを通じまして、経済再生、経済復興の大きなエンジンにしていきたいと考えております。 

記者

認証制度の早期確立と普及を目指すとのことですが、具体的な導入時期を教えてください。

知事

準備ができ次第やりたいと思いますが、今月、来月中には、ある程度形が見えるようにしたいと思います。まず専門家委員会を立ち上げることからスタートし、ガイドラインに対する基本的な考え方をまとめて、その考えを、まずは旅館、宿泊業あるいは飲食店が先になろうかと思いますが、ここに対するガイドラインのための基準をお示しするというステップを踏んでいきたいと思います。

記者

現在、個別解除に向けてそれぞれガイドラインを提出している団体や施設があると思うのですが、そういうところも改めて提出の必要性は出てくるのでしょうか。

知事

認証はまた別のものですので、改めてやりたいと思います。

記者

現在行っている休業要請から移行していくことになると思うのですが、休業要請はどこかのタイミングで終わって、新たな認証制度に申請してもらうという感じになるのでしょうか。

知事

そのようなイメージです。

記者

終わる時期は、グリーン・ゾーン構想がスタートしたタイミングなのでしょうか。

知事

コロナウイルス感染症拡大の状況を見ながら、専門家の先生と十分意見交換をして、休業要請を解除しても差し支えないとなったところで解除したいと思います。

記者

専門委員会のメンバーはどういう方を想定されていますか。

知事

まずは医療関係者、更には医療と建築の両方にまたがる分野を専門とされていらっしゃる先生方にお願いしたいと思います。

記者

現在行っている休業協力要請の個別解除ですが、このガイドラインと似てくることになるのでしょうか。

知事

その通りです。

記者

例えばその認証マークが発行される時期は、概ねどのくらいを想定していますか。

知事

6月前後に認証マークを発行したいと思っています。ただ、一般のユーザーの皆さんに認証マークにスマートフォンをかざしてもらって、そこに載っているQRコードを見ることで、その事業者さんがどういうポリシーを掲げているかを判別し、それを評価できるようなシステムづくりには若干時間がかかろうかと思いますが、同時並行で進めていきたいと思います。

記者

他のプロジェクトと有機的に連携させたいというお話なのですが、例えば、補助事業などの給付を受けるためには、認証マークを受けることが要件になるというようなイメージなのでしょうか。

知事

メリットの上積みをしたいと思っています。例えば無尽の100億円キャンペーンに関しては、5%を上乗せすることになっています。これからしっかり議論しますが、例えばこの認証を取っていただいているところに対しては更に10%上積みをするとか、あるいは観光面では復興割プラスの実施にあたって、認証を持った宿泊施設、観光施設を利用される場合には、この復興割プラスが当てはまるような形でプラスアルファーにしていきたいと思います。

記者

まず先に飲食や宿泊施設に対して取り組んでいくという話ですが、その理由を教えてください。

知事

ダイレクトにここが一番落ち込みが厳しい産業分野でありまして、ここをお支えすることが喫緊の課題であると認識しております。

記者

新型コロナウイルス感染症終息後の対策に関して、知事をはじめとする首長の皆さんが、それぞれ対策を出している状況です。その状況について、もっと国が先導するべきだとお考えか、あるいは、地域ごとに独自の政策が出てくることはチャンスとお考えか、どのようにとらえていらっしゃいますか。

知事

私としては、お示ししたような形で、感染症に強い社会に移行していくことこそが王道だと思っています。

今、各地で話題にのぼっているいわゆる出口戦略というものは、大概の場合は、感染症患者の状況や病床の確保など、外的要因によって感染症対策を緩めたり、強めたりするような対応を想定しているようですけれども、そのような対策ですと、一旦収まってまた第2波がきた時に、同じことの繰り返しになってしまいます。それでは意味がなく、今回の経験を踏まえて次に生かしていかなければいけないということです。

生かし方として、今回の新型コロナウイルス感染症と同じもの、或いは似たような感染症に対して、既に備えは全部できていている状況にするということです。多少流行したとしても事業を一生懸命続けられるという環境を作るために、社会構造自体を変化させることが必要だと思っています。

これは山梨県だけの話ではなく、本来、オールジャパンでやるべき話だろうと思います。そういう意味では、国が先導するべきということもあると思います。ただ、国を待っていても対応がいつになるかわかりません。今現場では、多くの飲食店の皆様、あるいは宿泊関係者の皆様は、大変苦しい思いをしているわけで、少なくともその皆さんに対する灯りを、我々はとにかく一刻も早くお届けしないといけないので、我々は我々のやるべきことを速やかにやっていくということだと思います。

記者

観光事業などの話も先ほどありましたが、その点では、八ヶ岳なら長野県、或いは中部横断自動車道経由や富士山麓なら静岡県など、他県との連携も今後考えていかなければならないかと思うのですが、グリーン・ゾーン構想に関しても、他県と連携してやっていきたいという思いはありますか。

知事

ご指摘のとおり、観光は一地域で完結することもあれば、観光ルートとして複数県跨って観光旅行される方もいらっしゃいますので、今のご指摘を踏まえ、今後静岡県、或いは長野県とも相談をしていきたいと思います。

記者

認証制度となると、実際に感染症対策が行われているのかをしっかり確かめることが必要だと思います。他の認証制度では認証機関があり、認証の手続きも厳密に定められたうえで認証していますが、この制度を作るにあたってはどのように構想していますか。

知事

感染症対策が行われているかを確認する仕組みを作る必要があると思っています。現在、部署を新設するのか、外部委託するのかを含め議論をしているところで、いずれにせよ、チェックする機関が必要なのは間違いないと思います。

また、最も強力にチェックをしていただけるのは、利用者そのものではないかと思っています。先ほどQRコードを付すという話をしましたが、そのQRコードにより、自分が利用する施設がどういうポリシーを掲げているのか、分かりやすく確認できるようにしていきたいと思います。また、実際しっかりできているかを評価するシステムづくりも進めていきたいと思います。

記者

第2波、第3波が来た時に再度緊急事態宣言が出される恐れがある中で、この認証マークを持っていることで、休業要請の対象にならない等のメリットはありますか。

知事

どのような協力要請を出すかは、その時々の感染状況に応じ、専門家の先生方と相談しながら検討しますが、感染症対策が準備できているところと、そうでないところの扱いが違ってくることは十分あり得ると思います。

記者

感染状況によっては認証マークを持っていても、休業しなければならない可能性もありますか。

知事

非常にシビアな状況になった場合、今この場でないとは言えませんが、ある程度の状況であれば、認証マークを持っていないところには、休業要請を出すということは十分あり得る話だと思います。

記者

県内全ての事業者が、今回の認証制度の対象になりますか。

知事

すべての業種に拡大していきたいと思います。

 

 

以上

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