トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事臨時記者会見(令和2年4月20日月曜日)
ページID:94600更新日:2020年4月24日
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防災新館401,402会議室 11時30分から
発表事項 発表事項以外の質疑応答 なし |
知事
新型コロナウイルスがもたらす閉塞感を打破するためには、「ふんばろう!やまなし」を合言葉に、有効な施策や試みを県民の皆様と一緒になって創り上げていくことが大切であると考えております。
そのための取り組みと致しまして、本日2件のプロジェクトについてご報告を申し上げます。
まず第1に、マスクの製造から供給までを県内で一貫して行う「やまなし手作りマスクプロジェクト」についてであります。
プロジェクトの流れをご説明申し上げますと、まず、県から新型コロナウイルス感染症の影響で就労機会が特に減少している障害者施設に対しまして、布マスクの製作を依頼致します。
製作にあたって必要となるミシンの確保、及び製作の指導につきましては、県で支援策を講じます。
そしてこの製作されたマスクは、県が全量買い取り、感染防止のためにマスクを必要としている児童福祉施設等へ配布を致します。
なお、配布の際には、洗浄・消毒を徹底した上で、株式会社NBCメッシュテック様から無償でご提供をいただきましたウイルスを不活性化させるフィルターを、マスクとセットで子供たちにお届けし、感染防止効果の向上を図ること致します。
具体的な製作依頼先、開始時期、買取価格など、プロジェクトの詳細につきましては、決定次第、改めてお知らせ申し上げます。既に県内の多くの事業所からは、作業受け入れの意向をいただいており、心から歓迎を申し上げる次第であります。
このプロジェクトによりまして、特に厳しい状況に追い込まれている、障害者施設で働く障害のある方々への就労機会や労働対価の提供確保と、マスク不足で困っている保育所や、幼稚園、児童養護施設などを利用する方々へのマスクの利用提供を両立させる仕組みが構築されることとなります。
これによりまして、県民がお互いに助け合える、あるいは顔知らぬ県民同士が心の絆と励みを感じ、明日への希望に繋がればと願っております。
第2に、医療現場の感染防止と、県内産業の活性化に資する取り組み「やまなし感染防止フェイスシールドプロジェクト」についてであります。
新型コロナウイルス感染症への対応に当たる最前線の医療現場におきましては、スタッフの感染防止に細心の注意を払う必要がありますが、医療スタッフを感染から守る資材を入手することが、全国的に大変厳しい状況となっております。
こうした状況への対応の一環と致しまして、この度、山梨県産業技術センターにおきまして、感染防止用フェイスシールドを試作致しました。
この試作品は、フレーム、アクリルフィルム及び輪ゴムの3つの部品からなる簡易な構造となっており、説明書がなくても、簡単に着用が可能なものとなっております。
今後、この試作品を実際の医療現場で試用していただきまして、必要な改良を加えた上で、製造方法を速やかに公開し、意欲ある県内企業の皆様に製造していただくことを目指して参ります。
その際、県では、製造されましたフェイスシールドを企業から買い取り、病院をはじめとした感染防止が必要な現場へ供給をしていきたいと考えております。
現段階で、すでに製造に意欲のある企業から、来週には1日約2000個程度製造できる見込みのお話をいただいております。
なお、企業による製造がスタートするまでの間は、産業技術センターにおきましてこのフェイスシールドを可能な限り作成し、医療現場へ届けることとしております。
産業技術センターにおきましては、この土日も機械を動かし、この作成を続けておりまして、できる限り多くのフェイスシールドを速やかに医療現場に届けたいと考えております。
こうした取り組みによりまして、県民の皆様の生命・健康を守る最後の砦であります医療現場スタッフなどをサポートするとともに、県内企業の活性化にも貢献をしていきたいと考えております。
最後にご紹介をさせていただきたいことがございます。
先般、中学生の女の子から心温まるマスクをいただいたところでありますが、そしてこの度、日川高校の生徒会が近隣の高校に呼びかけてマスクを手づくりで製作するプロジェクトに取り組み、その成果として仕上がった1000枚ものマスクを県に寄贈したいというお申し出をいただきました。
本来であれば、メディアの皆様の前で受け取って、善意をお伝えしたかったところですが、時節柄、なるべく人の接触を避けるという観点から申し訳ありませんが、この場をお借りいたしまして、ご紹介をさせていただきます。
生徒の皆様、お一人お一人の温かい志に心から感謝申し上げますとともに、山梨県の高校生の皆さんと周囲の地域の皆さんが、県のために力を合わせていただいたということを、心から誇りに思う次第であります。本当にありがとうございました。
困った時こそ、お互いを思いやり、心が通い合う温かさを持った山梨県。
県民の皆様が続々と「ふんばろう!やまなし」にご参加くださり、ふるさとに誇りと希望が持てるような、山梨を創り上げていく動きが広がるように、私をはじめ、すべての県庁職員は、県民の皆様との協業と協働の精神で、希望と豊かさを築くための努力をたゆまず続けて参りたい、この度そのような決意を新たにしたところであります。
記者
マスクの件ですが、現在、何カ所の障害者施設から作成しますという話があるのでしょうか。
課長
調査をしましたところ、28の事業所からマスクを作成したいという話があります。
記者
すべて障害者施設からということでしょうか。
課長
その通りです。
記者
ミシンはどのように用意するのでしょうか。
課長
ミシンがない場合は、買って供給したり、それができない場合は、他からお借りする予定です。
知事
県立学校から、稼働していないミシンを提供しようと思います。
記者
稼働していないというのは、臨時休校で稼動してないのか、普段から使ってないものなのか、どちらでしょうか。
課長
休校中のものを借りることになります。
記者
障害者施設にお願いするということですが、将来的に一般家庭などにということもあるのでしょうか。
知事
拡大したいと思っています。まずは障害者施設でやらせていただいて、若干のノウハウの蓄積もそこでできるでしょうから、例えばひとり親家庭でそのようなことを希望される方がいれば作っていただいて、それを買い上げたいと思います。
記者
感染防止対策と経済対策の両立や、臨時休校で使っていないミシンの活用、色々な取り組みを組み合わせた施策ということでよろしいでしょうか。
知事
その通りです。
記者
マスクですが、障害者施設に委託をして、買い上げるという仕組みになるのでしょうか。
課長
その通りです。
記者
例えば、1枚いくらで買い上げるのか決まっているでしょうか。
課長
そこは検討中で、詳細は決まり次第お知らせしたいと思います。
記者
子供のところには無償で配布するのでしょうか。
知事
その通りです。この際ですので、ご紹介させていただきますが、本日時点で、マスクは400万枚すでに発注済みで、うち200万枚が今週中に納入されることになっております。その他にも寄付をいただいたマスクがございますが、ほとんどが大人向けで、お子さん向けのマスクはなかなか流通には出回っていません。そういうことでお子さん用を作っていただいて、それぞれの足りないところに提供していきたいと思います。
記者
400万枚はどのようなマスクですか。
知事
サージカルマスクです。本日現在で、県の予算を使って購入する目安がついたものが400万枚です。うち200万枚が、今週中にも納入されることになっておりまして、おそらく、例えば医療現場やある程度逼迫感があるところは、大分解消されると考えています。
併せて、フェイスガードにつきましても、今回1日当たり1社だけで2000作れると聞いておりますので、フェースカードに関しましても、大分逼迫感は解消されるのではないかと思っています。
また、ガウンに関しましては、NBCメッシュテックから特殊なものを購入させていただきます。これは数日間ウイルスを不活性化する作用がある特殊な布ですが、これを毎月購入致しまして、県内で縫製をしていただき、1000から1200ぐらいは何とかならないかと、現在取り組んでいます。だいたい3日、4日もてば、実質的にはその3000とか4000ぐらいの使い捨てと同じ効果が得られます。現在、全国的に不足をしている医療資機材は相当程度、不足感というのが改善されると考えております。
記者
マスクは、県内の医療現場だけでなく、必要としているところがあれば配布するとか、どのような取り扱いになっているでしょうか。
知事
医療現場は最優先ですけれども、その他に例えば高齢者施設など、ドクターの医学的見地で見て優先度の高いところから、配布をしていきたいと思います。
記者
マスクやフェイスシールドなどの医療現場への支援はありますが、医療従事者に対して考えている支援策とかありますか。
知事
その他の支援策につきましては、現在、予算編成過程で議論をしておりますので、その段階で公表したいと思います。
記者
知事から全国にという言葉もありましたが、例えば、この手づくりマスクを、県内のみならず全国に届けようというお考えなのでしょうか。
知事
県内で十分充足できればやりたいと思います。困っているところが多いと思いますので。
記者
県内の人に作ってもらって、できたものはいろんなところに届けようということになるのですか。
知事
はい。
記者
まずは県内ですか。
知事
県内が最優先です。
記者
県内も、まだ足りていないなという感じですか。
知事
そうですね。これは子供用ですので、例えば小学生、幼稚園、保育園でも相当数になりますので、まずは当面そちらの皆さんにお届けできるようにすることが最優先です。
記者
NBCメッシュテックさんの商品である特殊な布と組み合わせて、感染防止効果が十分高まるという使い方ですということでよろしいですね。
知事
はい。
記者
フェイスシールドの方ですが、産業技術センターで試作されたとのことです。これは医療現場で使うことを当然想定されているわけですよね。
知事
はい。
記者
感染防止の効果というのは、十分確かめられていますでしょうか。
課長
今はとにかく医療スタッフを感染から守る資材が不足する中で、医療対策本部に医師が来ておりますけれども、その医師に確認を取って、これは、緊急性もある中で、効果があるものだというご意見をいただいております。
記者
これもまずは県内に供給でしょうか。
知事
はい。
記者
将来的には県外にもということになっているのでしょうか。
知事
まず県が買う物につきましては、県内の医療機関ですとか、必要とされるところに提供したいと思います。その他、これを使って各企業さんが作って、ご自身で販売されるということも十分あろうかと思います。
記者
いずれもスピード感が重要と思いますが、スピード感についてのご説明をお願いします。
知事
こちらはですね、来週から日産2000個がもうすでにできる目処が立っております。他にも参加していただける企業さんがいれば、この数はさらに増えていきます。それから、マスクに関しましては、これから発注するものですから、若干時間がかかろうかと思いますが、今週中ぐらいに詳細を公表して実際に委託を始めたいと思います。
記者
マスクの製造を障害者に委託するときに、布ではなくて、例えばサージカルマスクですとか、医療用のガウンの縫製を依頼することもできたと思いますが、最初はこの布のマスクで、それから先に何かを展開していこうという考えとかはあるのでしょうか。
知事
まずは、製造しやすいものを委託したいと思っております。ガウンに関しては、本職の縫製業者さんがやっていらっしゃるので、県内の専門業者に布を提供して作っていただこうと思っています。
記者
ガウンについても、プロジェクトとして進めようということでしょうか。
知事
はい。布をいかに確保できるかというところにすべてかかっていて、今、材料自体も逼迫していますので、提供していただけるのが1ヶ月当たり1000着から1200着分ぐらいです。ただこれが普通の使い捨てよりも長くもつ、ウイルスの不活性化作用があるので、脱ぎ方とかの検証は必要なのですが、それさえできれば、マスクとして普通の不織布よりも、3日から4日長く持つと言われておりますので、1000着から1200着といっても、毎日使い捨てることを前提とすれば、3000とか4000弱ぐらいになるのではないかと思っています。ただ、その運用について医療関係者の使い方というのをしっかり聞いてみないといけないので、これからドクターと調整というか、意見交換をしていかなければいけないと思っています。
記者
布マスクですが、これは繰り返し使えるということですか。
知事
はい、おっしゃる通りです。
記者
フィルターを取りかえるという方式でしょうか。
知事
布を挟むわけです。期間がきたら、この布を取り替えて、もちろんマスクも洗ってもらうのですけれど、また新しくこの布を入れます。
記者
マスクは、実際に作り始めてから、日産どれぐらい作るのが目標ですか。
課長
障害者の施設ですので、作り始めてみないとどのくらい量産できるか不確かです。作るマスク自体工夫をして、なるべく作りやすいものということも考えていきたいと考えています。なるべく早く、ある程度供給ができるようにということで急ぎます。
記者
事業所への呼びかけというのはどういうふうにやっているのですか。
課長
各事業所にはメールでやりとりをできるような仕組みができ上がっておりますので、そのメールを使って要請をしていくということです。
記者
フェイスシールドは、これは販売ということでいいですか。
知事
買い取って、医療現場には無償で提供したいと思っています。
記者
この2つのプロジェクトについて、県がうまく回していくという枠組みですが、こういった取り組みは、他県でやられているかというのをわかれば教えていただけないでしょうか。
知事
そこはむしろ教えていただきたいと思います。自分の県内でいろいろ工夫をするのも精一杯でして、あればぜひ教えていただきたいし、それによってもっと我々のこのシステムが改善できれば、よりよいものにしていきたいと思います。そういう情報があったらぜひ教えていただきたいと思います。
記者
布マスクについては、不織布がそのフィルターの役割ですよね。それを覆う布の準備はどのように進めているのでしょうか。
知事
医療関係者の専門的なご意見をいただきながら、使える布をリストアップしてやっていきたいと思います。
記者
この2つのプロジェクトですが、先ほど予算を編成しているとおっしゃいましたが、6月補正で組み込むというような予定なのでしょうか。
知事
緊急にやる臨時議会で、この部分を予算計上させていただきたいと思います。
記者
買取価格がそれぞれについて決まっていれば教えてください。
知事
近日中に発表いたします。
記者
フェイスシールドについて、今、知事が身に着けて見せていただいたのですが、使い心地はいかがですか。
知事
着けてみて、予想以上に安定してる感じがします。
記者
視界はどうでしょうか。
知事
守られている感というのは十分にあると思います。後で使ってみてください。
記者
県としては結構自信作ですか。
知事
自信作です。
記者
今、買取価格については近日中ということですが、このフェイスシールドを作った段階での総製作費用はどのくらいですか。一つ当たりおいくらで、市販のものに比べて、安いのか高いのかを教えてください。
課長
産業技術センターにおいて、3Dプリンターを活用して作っておりますので、ちょっと費用の方が現実的に市場に出す製品よりは、当然高くなっておりますが、今後見込まれる企業の製造においては、簡単で安価な部品でできておりますので、現状、販売されているものよりも、相当安価で購入できるのではないかというのが今の見解でございます。
記者
政府が臨時交付金を休業協力金に活用することを認めましたが、知事のお考えはいかがでしょうか。
知事
山梨県に臨時交付金が配分されるのは30億円前後です。特定警戒地域に傾斜配分されることが想定されますので、それよりも下回るのではないかと思っています。そのような中で、県民の皆様の命を守ることを最優先に致します。従いまして、病床の確保や軽症者の宿泊施設での受け入れなどをやっていきますが、一棟まるごと借りるのにかなりの経費がかかります。医療に関するものだけでも莫大な費用がかかってくるので、これを最優先に考えています。
多くの皆様から現金が必要だという痛切な声が届いています。困っている県内事業者になるべく大きな額を迅速にお届けするにはどうすればいいのか、ここが一番の基本だと思います。この命題を解く手段として、持続化給付金をなるべく早く活用していただけるように算段を講じる方法がいいのか、県として休業補償を出すのがいいのか、ここを見極めていく必要があると思います。なるべく大きな額をなるべく早く必要とするところにお届けするという目標を実現するうえで、どういう手段がいいのかということを考える必要があると思います。ちなみに、国の補正予算は遅くとも来月1日には成立するであろうと言われております。県の予算は臨時議会を開いてお認めをいただきます。国の予算の成立日と県の予算の成立日は数日の差だろうと思っています。その差をどう考えるのかということだと思います。また、持続化給付金は国の資料によると、予算成立後1週間で受付を開始し、申請後2週間で給付をするとなっています。最短3週間で現金がお手元に届く仕組みになっています。聞くところによると更に前倒ししようという話もあります。他方で、県が出す場合に早く給付できるシステムについて頭の体操をしておりますが、国を上回ることはかなり難しいと思います。国では相当準備をして、最先端の技術を使っているようですので、これから県でどういうシステムをつくるかということを突貫工事でやったとしても、給付作業にどれだけ時間がかかるのかということを念頭に置かなければなりません。山梨県には約4万件の業者がありますが、仮に国と同様に200万円を給付するとしたら、800億円かかります。今、県の財政調整基金が170億円しかありませんので、交付金を30億円いただいて全額を使ってもまだ足りません。170億円を使ってしまうと、流行の第二波、第三波があった場合に、臨機応変な対応をとる術が全く無くなってしまいます。これで県民の皆様の命を新型コロナウイルスから守ることができるのかということが最重点ですので、そのようなことを考えながら事に臨む必要があると思っておりますので、一緒になって知恵を出していただけるとありがたいと思います。
記者
現段階で、臨時交付金については協力金という形よりは、命を守る施策に使いたいという意向でよろしいでしょうか。
知事
はい。現時点ではそうです。
記者
今日から特別措置が始まりましたが、改めて県民への呼びかけはありますでしょうか。また、NTTの調査では、駅前の減少率が8割に到底いかなかったことについて、受け止めと対策をお聞かせ下さい。
知事
甲府駅前の人出の削減具合は、全国的に見ても極めて低い状況だということは、しっかり正面から向き合っていくべきことであろうと思います。多くの皆様に対して伝え方を改善して、人がすれ違わないことの必要性を伝える努力をしたいと思います。受け止めについては、多くの皆様から様々なご意見をいただいており、更に改善するところがあると思っています。特に、観光地では引き続き多くの観光客の皆様が来られていることに対する不安感がありますので、しっかり県外の皆様に、今山梨はやっていないということを名実共にお伝えをして、そうではない状況一つ一つに対応していきたいと思います。
以上