ページID:56599更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成25年10月23日水曜日)

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

 

発表事項以外の質疑応答
 

 東南アジアトップセールス実施状況について

知事

10月13日(日曜日)から19日(土曜日)にかけまして、タイ、インドネシアを訪問して、本県への観光客の誘致と、甲州ワインをはじめとする県産品の販路拡大を図るためのセールスを行ったところであります。

10月14日には、タイ政府工業省と、双方の中小企業の連携促進に向けた覚書を締結いたしました。締結式には、プラサート工業大臣が出席し、工業化が進行し、人手不足に陥っているタイでは、自動化・省力化に対する関心が高く、これらの分野で高い技術力を有する山梨県の企業との連携に大きな期待感が表明されました。

本県にとっても、タイは、トップセールスと並行して行われた経済ミッションへ県内中小企業20社が参加するなど、県内企業には大変関心の高い市場でありまして、今後、タイ政府と連携を深める中で、本県企業が、同国をはじめ成長著しい東南アジア市場でビジネスチャンスを獲得できるように、積極的な支援を進めていきたいと考えております。

また、インドネシアにおきましては、今回、ガルーダ・インドネシア航空及びインドネシアでローソンを展開しているミディ・ウタマ・インドネシア、インドネシアローソンといっていいと思いますが、本県との間で連携協定を締結を致しました。この度の連携協定を機に、観光だけにとどまらず、学術、文化、スポーツなど様々な交流を進め、日本とインドネシアの間の一層の友好促進に貢献していくつもりであります。

今回のガルーダ・インドネシア航空との連携協定は、インドネシアのマスコミにも大きく取り上げられ、インドネシア国内で「やまなし」が周知できたと思っております。

また、山梨県産ワインの販路開拓を目的といたしまして、鹿取克章(かとりよしのり)在インドネシア特命全権大使ご夫妻の全面的な協力を受けまして、大使公邸において、10月16日、17日の両日、合計3回、山梨のワインプロモーションを行ったところであります。インドネシア国内で酒類の輸入許可を持つ全ての輸入業者14社など関係者が多数参加し、出展したワイナリー4社の代表者と熱心な意見交換が行われました。甲州ワインにつきましては、ガルーダ・インドネシア航空がファーストクラスで最近提供を始めまして、さらに、甲州ブドウジュースも11月から提供するとのことであります。

今後も、山梨県産ワインやブドウジュースへのインドネシアの皆様の関心が一層高まることを、期待しているところであります。

10月17日には、インドネシアの最高学府であるインドネシア大学で、本県の現状と将来について、200名を超える学生と教職員を対象に講演を行いました。学生たちは発言に非常に積極的で、言葉の端々に親日性の高さや日本へのあこがれが感じられまして、今後の両国の交流促進に大きな希望が持てると感じたところであります。

以上であります。

 韓国観光トップセールス事業の実施について

知事

10月27日から29日にかけまして、訪日旅行最大の市場であり、個人旅行を中心に観光客の増加が期待される韓国ソウルにおいて、トップセールスを実施いたします。

県では、昨年10月、ソウルにおいてトップセールスを実施いたしました。メディアや旅行社、流通事業者などを対象に、富士山を始めとする本県観光資源の魅力や、県産ワインや日本酒の紹介を行い、山梨のイメージの浸透を図ったところであります。

今回は、世界遺産となった富士山やワインをテーマとした旅行を中心に本県の魅力を紹介いたします。旅行社とメディア関係者を対象とした広報説明会・商談会、及びワイン関係者を対象とした山梨ワインツーリズム説明会・交流会などを実施いたしまして、韓国からの更なる誘客や県産品の販路拡大につなげていきたいと考えております。

併せて、海外において本県単独では初めてとなる、「富士の国やまなし」広報展を開催いたしまして、広報展では、世界遺産となった富士山や、ワインをテーマとした旅行など、本県の魅力をソウル市民に紹介して参りたいと考えております。

以上であります。

 山梨県環境整備センターの漏水検知システム異常検知に関する施工業者との協議について

知事

北杜市明野町の環境整備センターにつきましては、漏水検知システムの異常検知に関する調査委員会の報告を踏まえまして、環境整備事業団において、施設を施工した共同企業体の構成各社及び保護土の施工業者2社に対しまして、同様の異常検知が発生しないよう、今後同じような異常検知が発生しないよう、必要な対策の検討と実施を求め、協議を行ってきたところであります。

その結果、今月22日までに全ての施工業者から最終的に回答が示されました。それによりますと、いずれの業者においても「施工や作業に問題はなく、事業団の要請には応じられない」ということでございました。各施工業者に対しまして求めた対策は、施設の施工等が適切になされていれば、本来、必要がなかったものでありまして、それにもかかわらず、要請を全面的に拒否する回答がなされたことは極めて遺憾であります。

県、事業団といたしましては、センターが廃棄物の受け入れを再開し、所期の目的を果たしていくためには、安定的な操業の継続が可能な施設とすることが必要であると考えておりまして、今後、各施工業者の回答を踏まえ、どのように対応すべきかを検討し、年内には明らかにしていきたいと考えております。

以上であります。

<質疑応答>

記者

今後の対応を検討して年内に明らかにしたいということですが、これは業者に対する対応ということでしょうか。それとも、明野処分場をどうしていくかということか、どちらでしょうか。

知事

 明野処分場、つまり環境整備センターのあり方も含め、そしてまた業者に対する損害賠償請求といった対応も含め、今後のあり方全般について弁護士とも相談をしながら検討していきたいということであります。

記者

明野処分場をどうしていくかということに関して、現時点での知事の中でどういう選択肢がおありでしょうか。

知事

それは今、弁護士も含めてさまざま議論を行っているところでありまして、今の段階で、ここで、どうするという方向性は差し控えさせていただきますけれども、いずれにしろ、年内には方向性をだしていかなければならないと思っております。

記者

受け入れを再開し安定的な操業の継続が可能な施設、というくだりがありますが、つまり再開をまず前提にどういう形で再開をしていくかということで、確認ですが、よろしいでしょうか。

知事

いきさつをお話しさせていただいた方が良いと思うのですが、まず明野の処分場は、最初は平成22年10月に漏水検知システムの異常検知というものが発生をしたわけです。要するに漏水しているよ、というサインが出たわけです。その調査をした結果として、原因がわかったわけでありますので、再開したわけでありますけれども、再び同じような漏水検知システムの異常が平成24年12月に発生したということであります。そこで、環境整備事業団としては、学識経験者による調査委員会を作りまして、その原因を徹底的に究明したわけでありますが、その原因は2つの異常検知、いずれも同じでありまして、遮水シートという、水を遮るためのゴムでありますが、これの上と下に電気が通る銅線が、十字状に、格子状に張り巡らされているわけです。その、銅線と銅線の交点の部分に強い力が掛かったために、何らかの異常で強い力が掛かったためにこの遮水シート、つまりゴムが損傷をして、小さい傷ができて、それによって電気が流れた。そして、こちらのシステムの方では、異常検知があったということです。同時に、非常に小さい損傷であるものですから、水が実際に流れ出たか、汚水が流れ出たかというと、遮水シートの上と下の、水質を検査し、あるいは、下の方のモニターを検査してみると、汚水は、外には流れていないと。したがって、施設の安全性は保たれていると、安全性は保たれているけれども、水が漏れたという検知が行われたということなわけです。そこで、同じ原因で、2度、そういうことがあったわけで、それによって、処分場の稼働が1年近く止まったわけです。

2度あることは3度あるということがありますけれども、また同じことが起こらないとも限らない。これは学識経験者の調査委員会においても、また同じことが起こらないという保証は全くないのであって、したがって、再びこういうことが起こらないような、対策をきちんととらないと、再開をすることはできないということです。そこで、県としては、これは本来あってはならないことであって、水も漏れていないのに、漏水検知システムが検知するわけですから、あってはならないことであって、これはやはり、施設に瑕疵がある、ということであって、それは、その工事の施工過程、あるいは、その作業の過程で、問題があったのではないかと。したがって、施工業者に対して、再びそういうことが起こらないような、対策をとってくださいという要請をしたということです。それに対して、私どもは、責任はありませんから、そういうことはできません、という回答があったと、いうことであります。そこでこれからどうするかということでありまして、弁護士さんも含めてよくよく協議をして、施設の今後の在り方も含めて、検討していきたいということであります。

記者

学識経験者の調査委員会がまとめた最終報告によれば、提言として再開に当たって大まかに3パターンぐらい、コスト、期間などを提示してありますが、概ねその中でどれを採るかというご判断を年内ぐらいにされることでよろしいでしょうか。

知事

3パターンというのは対策のパターンです。そこに書いてあるのは、何もしないで再開をする。そうすると別にコストはかからない、しかし再び同じことが起こる。そうするとまた掘り返して原因を究明しなければならない。そんなことを何回も何回も、イタチごっこみたいなことをやっている。今度は搬入する業者にしてみればまことに不安定な施設であり、あの施設は使えないということになってしまうわけです。だから施設の信頼性に関わるわけです、そういうことがあります。

もう1つのやり方は、1回遮水シートの不織布を全部剥がして、遮水シートを表に出して、1つ1つの交点について何らかの補強をする。これを全部補強すれば安定性は確保できる。それはある程度、お金はかかるけれど、これは安定的になる。更に徹底させる意味では、漏水検知システムをもう一度全部新しいものに入れ替えるやり方があります。これは非常に高いお金がかかる。いずれか、どうしますかということですが県が事業者にお示ししたのは、何もやらないわけにはいかない。

また同じ事が起こるのでは困るので、そうすると残りの2つということになりますけれども、そういうことも含めて具体的に将来も大丈夫であるという対策を取ってください、ということを要請をした。それに対して我々は責任がありませんので、やりませんという返事がありました、ということです。

記者

業者の方が対応しない、応じられないというご返答があった中で、仮に2つの対応を今後再開に向けてというと、別の業者にお願いするとかいろいろと方法はあると思いますが、閉鎖期間が訴訟も含めて解決まで大分かかるかと思いますが、県として再開する場合の期間のメド、スケジュールを今の段階でどのように捉えられていらっしゃるかお伺いしたいのですが。

知事

申し上げた2つの対策をやるとなると、相当な期間と相当なお金、おそらく10億単位のお金がかかると思います。そういうようなことを県が直接やってお金を求償するということも、もちろんあるかもしれません。他の方法もあるかもしれません。

いずれにしても、処分場の将来の在り方といいましょうか今後の持っていき方をどうするのかは、これから検討していくことになります。もし仮に、あなた(質問した記者)がおっしゃるように業者がやらないから、県が他の施工業者にやらせるとなると相当巨額なお金と相当長い工事期間を必要とすることになるだろうと思います。

記者

今のところの考えですと、何もしないで再開するという可能性は非常に低いということですか。

知事

何もしないで再開するという可能性ゼロとは、もちろん言えませんが現実問題として、それはできにくいのではないかと、安全ですから水は漏れていませんから再開してもいいのではないかということはあるかもしれませんが、再びまた、3度ですが同じようなことが起こる可能性はあります。起こったときに、今度は本当に破れていて検知するかもしれませんから、またやはり掘り返さなければなりません。掘り返してみたらやはり同じように水は漏れていなくて、同じ原因だったというようなことにならないとも限らないし、そんなことをいつまでもやらなければならないということになると施設の安定性という点から非常に問題だと、利用者の信頼も得られないということでありますので、2度あることは3度あるということであるとすれば、やはりここでそういうことが、水が漏れていて検知するならいいですが、漏れてもいなくて検知するというようなこういうトラブルは再び起こらないように、きっちりとした対策をとり、再開するなら再開するということにすべきだと思っております。

記者

そうしますと操業再開の時期は非常に後ろにいくのでしょうか。

知事

再開をするとすれば、先ほど言いましたように業者がやるにしても県がやるにしても、かなりの工事期間とお金を要することですから、おっしゃるとおりだと思います。

記者

使用期限との兼ね合いもあると思うのですが、この辺りの対応はどんな予定でしょうか。    

知事

使用期限がもうすぎるということがあるとすれば、それはその延長をお願いするということも、もちろんあるだろうと思います。

その他いろいろ、諸々含めて今後の環境整備センターの在り方を検討して、年内には方向をだしたいと思っているところです。  

記者

業者に対してですが、損害賠償請求と知事が先ほどおっしゃいましたが、こうした法的措置をとる方針で今対応して検討しているということいいのでしょうか。

知事

22年10月の漏水検知システム異常の時には、原因究明が全部終わった後で業者に対して、当然のことながらその間料金収入が入らない、原因究明のために相当なお金がかかっておりますから、そのお金は業者の責任であるということで4億円弱でありますが損害賠償請求をしております。既に提起をして、訴訟を実施中であります。

今回も当然のことながら、一定の営業損失と原因究明に要した費用がありますから、それは業者に求償するということになると思います。損害賠償はやることになります。

記者

損害賠償のことで関連して伺いたいのですが、今回料金収入損失分を訴訟を提起することは前回の状況と同じだと思いますが、今回瑕疵のある施設を施工して引き渡された部分で県に損害を与えていると考えていると思いますが、その部分で追加的に訴訟を行うという考え方でよろしいのでしょうか。それと営業利益の損失分が、あといくらなのか2回目のを教えていただきたいのですが、それに加えて瑕疵のある施設の損失分を追加的に提起するか、併せて提起するかもしれませんがそういう考え方で現実いらっしゃるのか教えてください。

知事

当然のことながら、営業損失については損害賠償請求をするということになるわけであります。今回、昨年の12月に起こった漏水検知システムの異常については、料金収入の減は合計で1億6981万3千円ということになります。これは当然です。それからいろいろな調査経費というのがありますから、それが約3600万円、したがいまして合計約2億500万円余の異常検知によって直接発生した損害になります。それは当然ある段階で請求をするということになります。施設の瑕疵があったということでありますから、その分は瑕疵を我々としては直してくださいと言っているわけですから、あなた方の責任であなた方のお金で直してくださいと言っているわけです。それに対して直しませんと言っているわけです。そうしますとこれからどうするかということです。そこのところを弁護士も含めて今鋭意検討して、年内に方向性をだしたいと考えているということであります。

記者

そうしますと料金収入の部分では訴訟を起すが、瑕疵のある施設の損害の部分については訴訟を起すかどうかは、現時点では検討はしているが確実なことはいえないという理解でよろしいのでしょうか。

知事

確実に訴訟を起さなければいけないのは、前回の22年10月の検知システム異常と同じように、止まった期間の減収と調査の経費、これについては請求しなければならない。今言った数字、それは当然いつかやらなければいけない。それ以外に、例えば業者にきちんと今後こういうことがないようにきちんとやってくれと、要請してそれがダメということになれば、1つは県が仮にやるかとこうなります。相当な時間とお金がかかります。それをやったとすればそのお金は、これは本来業者が払うべきものであると、我々は思いますからそれについての請求をするということは当然あります。ただ、今そこまでするかどうかです。それについては検討しているというところであります。

記者

仮に再開ができないと判断した場合は、そういう部分の求償は必要ないと思うのですが、そういった場合は訴訟のあり方というのは変わってくるのでしょうか。

知事

再開できないというのは。

記者

仮に閉鎖すると考えられた場合、その施設を直す必要がないわけですので、その場合に業者に対する損失を補填するという必要性が無くなると思うのですが、その場合は料金収入だけの訴訟だけに留まる可能性があるというお考えは。

知事

その時にはまた別の考え方で、今のような営業損失みたいなものも含めてですけれども、別の考え方で、要は瑕疵のある、問題のある施設を造った、それによって損失を受けたのだから損害賠償を請求します、ということになります。それはそれでまた別の考え方で損害賠償請求すると、いわゆる瑕疵担保責任というものです、その請求をするということになります。

記者

今回、業者側が全面的に拒否する回答をした。県としては有効な対策を考えてくれというのを求めていたと思うのですが、そういう有効な対策も示さなかったということでよろしいのでしょうか。

知事

そういうことです。

記者

そうすると、今回調査委員会が交点を補修したりシートを貼り替えるというような対策というのは、県としてはそれをやることによって3度目の異常検知はないと考えてらっしゃるのでしょうか。

知事

交点の所が非常に弱いわけですから、そこの所に何らかの補強を、例えばゴムのシートを貼り付けるとかそういう補強をすれば今回のような水も流れていないのに水が流れたがごとき漏水検知システムのそういう結果が出てくるということはないわけです。それはそういうやり方は一つあるのではないか、しかしもっと上手い方法があるかもしれない、あなた方は専門家なのだからもっと上手い方法があるのなら考えてくださいという意味で、やり方についてまで具体的にこうしろとまでは言ってないわけです。よく考えてくださいとこう言っているわけです。

記者

今までの一連のご説明を聞いていると、相当この再開というのが難しい状況になってきているかと感じるのですが、知事ご自身、現時点で再開をそういう点でどうみているのか教えてください。

知事

今時点で私が一定の結論の方向性を持っているわけではなくて、これは法律問題でもありますから、顧問弁護士とよくよく相談をしながらどういう方法がベストなのか今後検討していきたいと思っておりまして、今時点でどうというものは持っておりません。

記者

先程も少しお話しに出た閉鎖という可能性もゼロではないということなのでしょうか。

知事

そういうことも検討の中には当然入るだろうと思います。

記者

この一連の事態というのはこういう銅線を格子状にして敷設するという方式を採用した事業団とか県の方の責任もあるかと思うのですが、いろいろな経緯で採用したと思うのですがそれについての責任についてはどのようにお感じになってらっしゃるのでしょうか。

知事

おっしゃるようにこういう銅線を使った検知システムというものは良かったか悪かったかという問題は確かにあると思います。ただこのシステムそのものは割と普及しているシステムであるということですから、そういうシステムを採用したことについて、そもそも一般的に知られてないような安全性が証明されていないような施設そのものを入れたということではない。割と広く全国60数カ所使われているといっておりますので、それを採用するということは別におかしなことではないと思います。あとはそうすると業者がどうなのかという議論もありますが、これを施工した専門メーカーはそれなりに工事の実績は持っているというわけです。したがって、そうするとあとは施工の方法はどうだったのかとか、そういうことになってきます。

記者

この格子の編み目の密度というのも大体全国同じような基準で、明野の方も造っているということになるのでしょうか。

知事

設計は同じような設計なのでしょう。

環境整備課長

格子のシステムは同じです。他に同じ電気システムでも格子でないものもありますけども、先程話しました60数カ所は格子です。

記者

そうすると平成22年10月の異常検知の時に起こした訴訟とか、今後もしかしたら昨年の12月に起きた異常検知についての訴訟についても、知事としては非常に自信を持っていらっしゃるということになるのでしょうか。

知事

それはおっしゃるとおりです。県に責任があるのではなくて施工業者、あれを造った業者、それから造った後に土を上に1メートルくらい置いていくのですけどその置いた業者、そういうところによって何らかの強い力がかかって、その銅線と銅線の交点、そもそも丸い銅線ですから銅線の交点部分というのは強い力がかかります。強い力がかかったことによって非常に小さい損傷が生じたということだから、そういう業者に責任があるということで損害賠償を請求するということであります。

記者

以前から反対している住民の方々が施工段階での雨水が溜まるのが原因の一因ではないかとずっと指摘し続けているのですが、それについてのお考えをもう一度お願いします。

知事

それについてはそれが原因ではないということが学識経験者による調査委員会において委員の先生方から結論として出されていると承知しております。具体的なことはどうでしょうか。

環境整備課長

今回調査委員会の先生方に滞水が遮水シートに及ぼす影響ということを検証してもらいまして、問題がないということで確認をいただいているところです。

記者

仮に再開をする場合、パッチ等で交点を補修したりという対策が必要不可欠だという認識だとすれば、そういう補修費とかどれくらい金額が必要なのかというのが現時点であるのでしょうか。

知事

工事のやり方によりますけども、補修費はどうですか。

環境整備課長

まだ、具体的にそこまで算出していません。計算を今後していかなければいけないということになります。

記者

念のための確認ですが、先程2億500万円という数字が出ていましたけど、年内までに結論を出すということは年内いっぱいは再開は当然無いわけで、この2億500万円というのはいつからいつまでの時点のものでしょうか。

知事

これは去年の平成24年の12月に2回目の漏水検知システム異常が発生し、直ちに営業を止めたのですが、それから25年7月末までの数字です。現在も止まっていますから、その分はおっしゃるように+αになっているということです。なぜ7月末かというと調査が大体その頃終ったものですから、調査経費は約3,600万円ということです。25年7月末までの料金収入と営業損失は1億6,981万3000円。現在はさらにそれが増えているということです。

記者

年内に弁護士と相談して決めたいということでしたが、弁護士と相談して決めるという部分は訴訟の部分、つまり今回のこの件に対する業者とのやり取りの部分だと思うのですけど、それと処分場のあり方とおっしゃっていて、今回それはリンクしているけれども別の問題なのではないかと思うのですが、その業者とのやり取り、訴訟の部分がどういう風になるとあり方に影響してたりという、見通しというか関係を教えていただきたいのですが。

知事

あり方というのは今後この処分場をどうするかということです。したがって、例えば再開するとすれば県が自ら造っていかなければならない、それは当然の事ながら損害賠償請求に加えて請求しなければならない。あるいは、どうやっても相当金額的に過額になりそこまでは難しいということがあればもちろん閉鎖ということも考えなければいけない。その時もまた当然の事ながら瑕疵担保責任という損害賠償請求はしなければならないということでありますから、常にそういう法律論の問題が付いてまいりますので、弁護士とよく相談しながら検討するということです。

記者

弁護士と話し合いをしているということだったですけど、処分場の在り方の検討の中で、地元北杜市だとか反対している方を含めた地域住民の方、そういった方の意見を聞くような機会を設けるというような考えはおありでしょうか。

知事

勿論、地元の北杜市とは相談をして進めていかなければならないと思っております。周辺の住民の皆さんの意見というのはどういう意味なのか、安全管理委員会とかそういう場で意見は聞いてきているものですから、何かこのために特別説明会をするとかそういうことは、今の段階では考えておりませんが、北杜市にはよく相談をしていかなければならないと思っております。

記者

処分場の今後の在り方ですが、知事が決める上で、どんな点が重視されて決定されるのか、何がポイントになって運営を継続するのか、閉鎖せざるを得なくなるのか、どのような観点から運営の在り方を決めるのかということを教えていただきたいのですが、重視される点、資金面であるのか、補修するので高額の費用がかかるので断念せざるを得ないとか、いろいろな考え方があると思うのですが、現時点でどういう心境で今後の運営を決めるのでしょうか。

知事

コストです。それは県民の損失としてのってくる訳です。損害賠償請求をするにしても、それが勝てるかどうかということも当然あります、そういうこともある。そういったことを含めて、いろいろな要素があると思います。そういうものを総合的に判断するということでございます。

発表事項以外の質疑応答

 全国学力テスト結果公表について

記者

先日、文部科学省が全国統一学力テストの結果公表の取扱に関するアンケートを行って、各都道府県知事と各教育長に内容を公表したのですけど、質問自体は文部科学省のホームページで公表されているのですけど、それに対する知事の回答の中身を教えていただきたいのですが。

知事

まず、1点目として、学力調査の結果、学校の結果、現在は学校の結果というのは、校長先生が判断して公表するかどうかということになっています。学校だけではなくてその学校を設置している教育委員会、したがって小中学校でいえば市町村教育委員会で公表できるようにするべきかどうか、それには私は公表できるようにすべき、お手元にあれば1になります。

それから、その場合に、何故そのように考えるのかということについては、教育委員会には設置する学校の状況や自らの教育施策についての説明責任があるに○をしているということです。それからその次は、教育委員会が学校の結果を公表する際に、気を付けた方がいいという点があれば、○を付けてくださいというもの、これは3点目の、児童生徒が少人数の学校については個人が特定される恐れがあるため配慮が必要であると。丹波山村とか小菅村とか、6年生が数人しかいないという学校がありますから、まあそういうところは気を付けなければいけないと思います。それから次に、全国学力調査の市町村の結果で、市町村の学校の平均について誰が公表することが適当と考えるかに対して、市町村教育委員会だけでなく都道府県教育委員会も公表できるようにするべき、1ということですね。それからその理由について、都道府県教育委員会は都道府県内の教育について一定の役割と責任を有している、2に○を付けました。それから、気を付ける点は、学校が一校のみの市町村については配慮が必要であるという3に○を付けているということです。

記者

関連してですが、今の回答からすると、学校だけでなく当該学校を設置している教育委員会も公表できるに○をしている。知事のお考えというのは、教育行政に言いたいことを伝えるという形で反映させていくという考え方になるのでしょうか。

知事

勿論、私がこういう考え方を持っているのは、よく伝えてあります。教育委員会は教育委員会で別の判断がある。現在の制度においては、教育行政についての最終責任は教育委員会にありますから、私の意見は意見として、教育委員会の意見があるということだと思います。教育委員会においても学力テストについては重要なものと判断して、学力テストの結果が上がるよう、今後相当な努力をしたいということは言っておられるということであります。

 リニア中央新幹線について

記者

リニアについて1点伺います。先日JR東海からアセスの準備書が出されて、県内の沿線住民向け説明会は一通り終わりました。その住民説明会で、地元の方々からは用地買収とか学校移転とか総合対策とか、大分不安があるというか懸念の声が出る一方で、なかなか具体的に回答できないJRにおいても環境保全事務所においてもというものを感じたのですが、そういう所において県はもしくは知事はどういうふうに具体的に対応されていくのか伺えますか。

知事

ご指摘のように、住民の皆さん、とりわけ自分の住宅のある近くにリニアが通る、場合によってはかかるかも知れない、まあそういう住民の皆さんにとっては、これはもう大変な問題でありまして、不安と困惑があるだろうと思っております。そういうことについては、できるだけよく説明して、誤解その他があれば、ご本人に説明できることがあれば最大限説明してやる必要があるだろうと、こういうふうに思っている次第であります。具体的に例えば、用地がかかる、土地がかかるかどうかということは、これはある段階で用地測量というのをやらないと、なかなか決まってこないというのがあるのですけど、しかしJR東海においても環境保全事務所というのを作って、そこで、そういった個別のご相談とか質問に対するお答えをするということをいたしますと、こう言っていますから、その環境保全事務所に電話をしたり、あるいは出向いたりしていただければ、できるだけ懇切丁寧な説明をするように、現在時点でできる、可能な懇切丁寧な説明をするように、私の方からのJR東海の方によく要請をしておきたいと思っています。

記者

あと、甲府と中央市の2つの小学校の移転が迫られていますが、県としてJR東海側との話し合いに加わるということですが、そのスケジュール的な目途というものがありますでしょうか。

知事

スケジュール的な目途は、これから工事をしていく過程のどの時点で、その小学校のその場所で工事する必要になるかどうか、まあそのへんのところによって決まってくるのですが、しかし学校は学校で、当然学校のスケジュールその他ありますから、児童の教育にできるだけ支障が生じないように、早め早めに移転すべき場所の検討ですとか、そういうものは住民の皆さんと相談しながらやっていくと、そういうことをして児童の皆さん、それから、学校の教職員の皆さん、地域の皆さんに不安をおかけしないようにやっていきたいと思っております。

 TPP交渉について

記者

TPP交渉において、日本が輸入する場合ワインの関税を撤廃するという交渉について、知事としてはどう受け止めていらっしゃいますか。

知事

これは私としては、まだ自分自身の判断が固まっていないという状況であります。新聞報道がなされたという程度であって、政府から何もそういうことを言ってきているわけではありませんので、自民党での党内議論についても、具体的にでてきているわけではありませんから、今の時点で県庁としてどうするか、また仮にやるとしたらどこかにアクションを起こすかということまでは今の段階では考えていないわけですけれども、このワイン、日本酒も含めて関税を外すということになった場合は、当然のことながら輸入ワインは安くなり増加してきますから、国産へのマイナスの影響は当然あるわけです。

しかし一方で、ワイナリーの皆さんが最近一生懸命進めておられるワインの輸出は、やりやすくなる。それから、かなりの程度使っております、例えばチリあたりからワインを仕入れてきて、それをブレンドする場合があります。そのブレンド用のワイン、これは輸入ですから、これは非常に安くなる。輸出輸入それぞれにメリットデメリットはある。これは業界の皆さんとよくよく相談しながら、その辺の見極めをしっかりやっていかなければならないなと思っているところです。

記者

関連してなんですけれども、どちらにしてもいずれ利益があって、どっちがプラスに働くのかは実際にやってみないと分からないところはあると思うのですけれども、少なくとも完全に撤廃すると少なからず影響を受けるということを考えられると思うのですけれども、完全交渉が本格化した際に政府には具体的に何か知事として要望していくといったことは考えられますか。

知事

それは確かにこれから業者の皆さんとよく相談していく中で、そういったことも考えられないわけではないと思っております。ただ今回のトップセールスに行った時に、業者の皆さんに聞いてみますと、やっぱりかなり前向きな感じで、それは確かにマイナスはあるけれども、しかし我々は特に甲州ワインとかマスカット・ベーリーAの赤ワインとか、この山梨県、日本にしかないワインについて、自信を持ち、質も決して他の国と負けない。したがってこれから積極的に輸出をしていくのだと。

仮に外国の輸入ワインが入ってきても、我々のもののブランド性を高めることによって、十分競争することができるのだという前向きの意見を言っている人が何人かいました。しかし全部に聞いているわけではなく数人の人に聞いているわけですから、それでは困るよという人がいるかもしれませんね。その辺はよくワイン関係の皆さんに、このお話を聞いていきたいと思っております。

 女性セブン掲載誤報記事について

記者

女性セブン、週刊誌の話なのですけれども、明日謝罪文という話もあるのですが、放射性物質がという話が、先方の対応も含めまして知事の見解をお伺いしたいです。

知事

私も聞きましたけれども、本当にケアレスミスというか、報道機関としてあるまじきことだと思います。要はセシウム検出せずという結果であるのです。書き方として要するに検出限界以下だから検出しないわけで、検出限界よりも以下である、しかも検出せずだという意味ですが、検出限界が検出されたという誤解をしたということです。誠にあってはならないことです。厳重に抗議を既にしておりまして、女性セブンはいくつかの新聞紙に謝罪広告をしているということでありますので、これに何かアクションをおこすというつもりはありませんけれども、こういうことはあってはならないことで気をつけてもらいたいと思います。

 富士山保全協力金について

記者

入山料の話なのですけれども、先日地元協議会の方で徴収方法について強制徴収が望ましいという集約があったと聞いておるのですが、これに対する知事のご所見をお伺いしたいのですが。

知事

(富士山世界文化遺産)保存活用協議会で、地元の皆さん等で構成されているものですけれども、その場で、任意徴収ということではなくて、強制的に徴収すると、それが望ましいとのご意見が多かったと聞いております。地元のご意見でありますので、今この問題は学識経験者の専門委員会というところで議論をしてもらっています。11月7日にこの専門委員会が開かれますので、山梨県の保存活用協議会では地元からこういう意見がありましたということをその場で報告をしまして、そのことを含めて学識経験者で議論をしてもらいたいと思っております。

ただ、確かに筋論としては、山の上まで登る人は全員から事務的にとったら良いではないか、それは確かに筋論かもしれませんけれども、実際上出来るかどうかという議論はありまして、ディズニーランドみたいに入口がいくつかあってそこでやれば100パーセント捕捉できるというものであればいいのですけれども、富士山という非常に広大なところで強制的にやるとなると、徴収逃れの人を出すとこれこそ不公平になるのです。強制的にやるということは原則徴収逃れは許さないということでやるわけでしょう。そうしないと不公平でしょう。そうすると富士山のあの広い所で、山の中腹2,500メートルという所で、果たして強制徴収で不公平にならないように、100パーセント近い捕捉率を出せるのかということについては、実際静岡県も山梨県も徴収する立場に立った時に、なかなか難しいものがあるのではないかなという感じがします。

例えば、これは夜間の登山者も当然いますから、24時間職員を配置する。当然、雨風があって風雨の強い荒天でも登る人はいますから、そういうときも職員を配置しておかなければならない。それから登山道の本道の他に脇道があるのです。脇道を通って徴収逃れをする人がいますから、脇道にも職員を置いておかなければならない。それからもし徴収逃れをして逃げていく人がいたら、追いかけて行って捕えなければいけない。それから外国人の登山者が非常に多い。日本語が話せればいいけれども話せない方がいる場合に、それをきちっと説明しなければならない。そうすると英語、中国語、韓国語とかの通訳をつけなければならない、というようなことがたくさんあるのです。

それが山梨県の場合は登山道が一本だからいいのですが、静岡県は3本登山道があって、地図を見ていただければ分かるのですが、登山道には脇道が何本もあります。これは桁外れのしかも税と同じとなると民間に委託で任せるというわけにはいかない部分があるので、やはり税務職員というそれなりの権限を持った職員が対応しなければならないということがありますから。そうすると相当な職員の配置をしなければならないということがあり、それでもなお徴収率がかなり高いものになるかどうかということについては、これは分からないということであります。筋論は分かりますが、現実に徴収する立場に立ってみたときに、果たして本当に公平な徴収ができるのであろうかという疑念があるということであります。しかし地元の貴重なご意見がありましたから、11月7日の専門委員会に、そのことを報告して、そしてそういうことも含めて、学識経験者の先生方に議論をしていただくということにしたいと思っております。

記者

静岡県に近藤前文化庁長官のアドバイザー起用ということですが、静岡県側のアドバイザーということですけれども、何かしら連携といったことがあり得るのでしょうか。

知事

近藤前長官は富士山世界遺産登録の最大の功績者の一人でありますし、文化というものに対して大変高い見識を持っておられる。富士山の保全問題等についても、ひとつの考え方をしっかり持っておられる方でありますから、そういう観点でおやりになったのだろうと思います。山梨県も当然親しい関係にありますので、時々いろいろな所に来てもらって講演をしてもらったり、指導してもらったりしてということであります。これからもそういう関係は続けていくことになるであろうと思います。アドバイザーという形でのお願いはしませんけれども、これからも緊密な関係を続けて指導をいただきたいというふうに思っております。

 全国学力テスト結果公表について(追加質問)

記者

先程の学力テストの(結果を)公表すべきという回答なのですけれども、理由として教員にも説明責任があるというような、設問の中にあるなしではなくて、公表とすべきとする話の考えの中に、やはり学力を向上させる1つの手段として公表した方がいいのではないかというお考えがあるという理解でよろしいでしょうか。

知事

1つにはやはり70億円という相当なお金を使ってやっているものでありますから、出来るだけその結果というものは公表していくべきものである。

2つ目には世論調査などによると父兄、保護者ですね、保護者の皆さんの7割の方が、公表すべきだと言っておられるということがあると。確かに教育上のマイナス面もありますから、そういう点には十分配慮しなければいけませんけれども、基本的にはできるだけ公表すべきものではないかと思っております。

公表することによって、競争が激化するというそれによるマイナスもありますけれども、しかし、これによって学力が向上していくというプラスも当然あるわけです。もちろん言うまでもないことですけれども、前回も申し上げましたけれども、教育の目的というのは決して学力テストによって表される学力を高めるということだけではないのであって、もちろんそれ以外の人間力とか、想像力とかコミュニケーション能力とかそういう総合的な人間として生きていく力を養うものでありますから、学力テストの結果が全てではありませんけれども、父兄の皆さんが非常に関心を持つのです。私などにもちょっと(結果が)悪くて困るとか。それから山梨に工場があって派遣されてきている方もどうも学力が悪いようだから、子どもは置いてきましたということを言ったりとか、そのようなこともあるので、やはり学力テストの結果が良くなるように教育委員会には努力してもらいたいと思っております。

 市川三郷町長選挙について

記者

今、市川三郷町長選で、県議補選もありまして、県議会の活動の話になるのですが、会派がそれぞれ応援に入るような異例のような選挙戦だと、町民から冷めた意見もあるのですが、このような県議会会派の活動について、いかが感じられる部分がありますでしょうか。

知事

例えば国会でも自民党の国会議員は自民党の候補者を応援するし、会派がまとまって応援することはあるだろうと思います。政治の世界ですから、政治家が親しい当選してもらいたいと思う人を応援することは当然のことで、要は有権者が候補者の施策、人となり、能力、人格を総合的に見て、自分の判断をされることが大事だと思っています。

 県内企業の海外進出について

記者

県内企業の海外進出についてお伺いしたい。この間、タイを訪問されて、プラサート工業大臣と締結式に臨まれたと伺っておりますけれども、こちらの締結式で工業大臣から知事に対して具体的にどのようなことを期待していますという話があって、それに対して知事としてはどのようなことを受け答えされたのかお伺いしたい。

知事

タイの工業省とは、一昨年、私が工業省に行きまして、いろいろな意見交換をしたわけですけれども、その後、タイで大洪水が発生して大変な苦労をしたわけです。タイ政府が考えたのは、言ってみれば中小企業はサプライチェーン、部品を供給しているわけです、それが止まってしまって、それがためにタイに進出した大手企業の工場が動かなくなってしまったことが多いわけです。だからタイ政府が考えたのは、仮にまた災害が起こったときには、日本の中小企業に(タイの中小企業と)同じことが出来る企業がたくさんあるのだから協力して欲しいと言っているのです。これは「お互いプロジェクト」と言います。そうやって日本の中小企業はタイを助けてくださいと、場合によってはタイも日本の企業が進出するときには中小企業が協力したりとかをおこないますという「お互いプロジェクト」みたいなことを行いましょうと言っていたのです。それをタイの工業省は引き続き行っているわけです。この間、埼玉県と行ったのもそういうことであり、山梨県と行ったのもそういうことです。これからも中小企業同士の交流することを促進していくことですから、山梨県の中小企業も大いに販路の拡大をしていくチャンスはあると思います。これははっきりと言っておりませんが、タイの企業と日本の企業との間で、こっちの企業はこういうものが必要だ、それはここにあるというようなマッチングをしていく組織を造ろうというような話もタイ政府の中では出ておりまして、そのように日本の企業は非常に期待を持っているわけです。中小企業を育成したいという気持ちが非常に強いわけです。

もう1つ、これは工業省が言っているわけではありませんが、タイ政府の顧問をしている日本の経済産業省から行った人が言っておりましたけれども、山梨県の笛吹市にある松下製作所という会社があって、20数年前にタイのコラートという田舎に進出して、非常に成功して、地域に受け入れられて立派な会社になっている。社長の息子が20数年間そこで社長としてやってきているわけです。これが日本の中小企業のタイ進出のモデルだと言っておりました。山梨県の企業にはこのような企業もあるわけです。そのようなことを一緒に行った約20社の皆さんが見たり聞いたりしておりますので、これからタイに向けていろいろな販路の拡大だとか、場合によっては工場を出すということがあるかもしれませんが、考えていくことになるだろうと思います。

記者

工業大臣とはその辺については締結式で話されたりしたのですか。

知事

大臣とは具体的な話はしておりません。

海外展開・成長分野推進室長

やまなし産業支援機構とタイ下請協会と覚書をすることを考えております。

知事

大臣ですから、そのような具体的な話をするわけでありません。ただ、今度の協定を具体化する方法として、やまなし産業支援機構とタイ下請協会という中小企業の団体と具体的な協定を結ぶことを、これから協議することになるかと思います。

記者

今回は実り多い訪問だったと思いますが、逆に海外進出という点において浮かび上がった課題はあるのでしょうか。

海外展開・成長分野推進室長

中小企業が個別に進出することは難しいので、向こうの団体とやまなし産業支援機構がグループ同士で交流して、その中に中小企業が入って進めていくことが良いのではないかと、中小企業単体で難しいのではないかと思います。

記者

ジェトロ山梨が山梨に開設されて半年が経ちますけれども、半年経ったということで変化といいましょうか、海外進出という点で変わってきた点は、知事から見て何かありますか。

知事

明らかに中小製造業の皆さんが海外に強い関心を持ち出したことははっきり言えると思います。山梨の中小企業は端的に言いますと設計図は自分が書かないのです。設計図は親会社から下りてきて、その設計図に基づいて、物を作る技術は高いものがある。しかしながら、親会社がグローバル化の中で海外に出て行ったり、リストラしたりあるいは海外の部品工場から調達したりということになってきて、中小企業が親会社に頼っていればすむ時代ではなくなった。自分で自ら持っている技術や部品を送り込んでいく、場合によっては自分の部品を使って他の企業が必要とされる製品を自ら作って売り込んでいく、いわゆるBtoCです。そのようなことが必要となってきているわけです。そのためには日本国内もありますけれども、日本国内は飽和しておりますから、やはりこれから発展していく海外に当然目を向けることが、ジェトロ山梨が出来て、高野所長が非常に熱心に県内中小企業を回ってくれて、グローバル化の中に対応して生きていかなければいけない思いが強くなってきていると言えると思います。

 市町村への災害情報の提供について

記者

先日、台風が来て大島町で避難勧告が出なかったことが問題になっていますけれども、そこら辺の判断は非常に難しいところがあると思います。県内の市町村でも判断に困っているところがあると思います。早速、週末にも台風が2つ日本列島に最接近するとのことで、知事として現時点でどうお考えであるのか、県内の市町村に何らかの働きかけをすることはあるのか、そこら辺をお伺いしたい。

知事

防災危機管理監と防災危機管理課長に私がインドネシアから帰ってきてすぐに言ったことは、1つは、当然のことですが市町村との情報の連絡、情報をしっかり提供する、その情報が届いたかどうか確認する、それから市町村の今の状況がどうかを県として確認する、その情報の提供と交換を綿密にしっかりとやってもらいたいことが1つ。

それから避難勧告等については市町村長の判断でありますけれども、できるだけ早め早めに行うように、市町村の判断で難しいところで、県の指示することは出来ませんけれども、勧めることはした方が良いと言ってあります。

ただ、避難勧告の難しいところは避難勧告したけれども、空振りに終わって、それが何回も続くと、大島町にもそのようなところがあったようですけれども、住民の皆さんに迷惑かける話ですから、市町村長もその辺の判断に非常に苦労するところであります。最終的には市町村長の判断ですが、我々としては、いろいろな情報をしっかりと提供して市町村長が適切な判断を出来るようにバックアップしていきたいと思っております。

記者

大島のケースでも、ファックスが放置されたという問題がありましたので、県が発信した情報が向こうに届いたかどうかを確認することは、重要だと思います。その点は、何か具体的に指示されたり、徹底されたり、改められたことはありませんか。

知事

当然のことながら、直ちに電話なり何なりで届いておりますかと確認していかなければいけないと思います。それも1度ではなくて2度3度、例えば1時間なら1時間経ったらもう1度確認するとかを行っていく必要があると思います。

東京都も電話で確認したのですけれども、最初は人がいなかったと、そして2回目確認したら土砂警戒警報が出ていることを知っているかのような返事だったものですから、判っているのだろうと思ったというようなことをテレビの報道で言っていましたけれども、そこで食い違いがあったのでしょう。いずれにしても何回も情報が届いているかどうかの確認は必要と思います。

 

 

(以上)

 

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
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