ページID:53430更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成25年5月15日水曜日)

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

  • なし

発表事項以外の質疑応答

 

発表事項以外の質疑応答

 県職員の給与削減について

記者

5月9日に県職員の給与削減を組合に提案されたとのことですが、国に準じる形で提案したと聞いております。このような形に至った理由を伺いたいと思います。

知事

おっしゃるように、組合に対して国の減額措置に準じた(給与の)減額をすることを提案したところであります。1月に総務大臣から国に準じた措置を地方公共団体においても執ってもらいたいという強い要請があったと、担当大臣からの正式な要請でありますから、それを無視することができないというのが一点であります。それからもう1つは、国の方はそういう考え方に基づいて7.8パーセント相当分を各地方公共団体が給料を減額するということを前提として、それに相当する額をカットして、地方交付税、あるいは義務教育費国庫負担金を地方に渡すということにしているわけでありますから、仮に本県が国に準じた給料のカット措置を講じない場合には、職員の給料を払うために一般の県民へのサービスを削らなければいけないと、県民生活に影響が出てくるということがあります。そういうことから7.8パーセントという国に準じた減額措置を執ることを提案したものであります。

そもそも国のやり方については、全国知事会皆そう思っているわけでありますけれども、やり方としてやや強引過ぎるのではないかと。1つにはやはり地方公共団体の給与というのは地方公共団体が自主的に決めるべきものだということがあると思います。仮に国の方で考え方があるとしても、国と地方の協議の場というものが作られているわけでありますから、そういうところで十分協議して、地方公共団体の理解のもとに実施すべきものであるのではないか。そういう手順を踏まずに地方交付税とか義務教育費国庫負担金をカットしてくるというのはやや強引なやり方ではないかと思うわけであります。

しかしそれはそれとして、担当大臣からの正式な要請、同時にまた、今申し上げた、これをやらなければ一般県民のサービスにマイナスの影響が及ぶということを考えると、苦渋の決断ではありますけれどもやむを得ないと判断したところであります。

記者

組合への提案では特別職への給料には触れられないのですが、既に知事に関しては大幅に給料をカットされているのですが、ボーナスを含めて、知事、副知事も含め特別職の減額についてはどのような考え方でしょうか。

知事

おっしゃるように既に大幅なカットをしているわけでありますけれども、当然のことながら、今回の一般職の給与のカットに応じて、特別職もカットしなければならないと思っているところであります。具体的にどのくらいカットするかということについては、国とか他の県の状況等を見ながら現在検討しているところであります。

記者

どこまでをカットするか、範囲としてはボーナスもカットするという認識でよろしいのでしょうか。

知事

その辺りも含めて、国なり他の地方公共団体の対応なりを見極めながら検討していきたいと思っております。

 富士山入山料について

記者

入山料について、地元の合意を前提に今年の夏からの試行、来年の夏からの本格実施を目指しておられると思いますが、静岡県との調整の今の進捗状況と、来月にも静岡県と入山料に関する専門委員会を設置するようですが、その役割と協議の今後のタイムスケジュールを教えてください。

知事

静岡県との協議の進捗状況でありますけれども、静岡県とは意思疎通をしっかりと図りながら、入山料の問題の検討をしているところであります。

既にご承知だとは思いますが、3月の時点で富士山世界文化遺産協議会という山梨県・静岡県合同で作っている協議会の場で、その協議会の作業部会で検討するということを決めたわけであります。その作業部会を5月28日に実施することにしておりまして、今年は山梨県の番でありますから山梨県の担当の次長がその部会長を務めることになりますけれども、その作業部会の場で今後具体的な検討をしていくということなっております。そして5月28日の作業部会では、この問題というのはやはり理論的な検討が欠かせないということがありますので、環境保全協力金というとしてその法的な性格というのは何なのか。税なのか、協力金なのか、あるいはお布施みたいなものなのか、いろいろな意味の理論的な研究が欠かせませんので、やはり学識経験者も入れた専門委員会的なものを作りまして、そこで理論的な検討もしてもらうということにしているところであります。その辺のところは静岡県と一緒にやっているという状況であります。

当面、この夏に試行的にやるかどうかという話題があるわけであります。静岡県知事はできれば試行したいということを言っておられ、私も関係者のコンセンサスが得られるならば試行することもあり得るのではないかということを申し上げて参りました。したがって、今申し上げた検討組織、作業部会そして専門委員会、その場では当然この夏はどうするかという議論も出ますから、それでコンセンサスが得られれば良いわけですが、その状況をみて、この夏試行するかどうかについては、準備もありますから、適切な時期に判断したいと思っているところであります。専門委員会については学者を中心に構成することにしているところであります。行政学、環境政策、自然公園利用、観光関係といった各分野の専門家にお願いしたいと思っております。

今後のタイムスケジュールについては、具体的にまだいつまでにどうとか決っているわけではありませんけれども、先ほどこの夏の試行については申し上げましたけれども、本格的にということになりますと来年からということになりますから、具体的に来年に間に合うように結論を出していくということであります。作業スケジュールはまだそのくらいしか決っておりません。

記者

今年の夏に試行する場合には地元等の周知期間を考えると、少なくとも地元からは今月中に徴収場所、徴収額等を示されなければ不可能という声も出ているのですが、その点に関して間に合うのかどうかという見解と、知事個人のお考えとして入山料の徴収場所や徴収額、それから徴収方法等についてどういった形が適切だと思うかについて伺いたいのですが。

知事

今年試行するとすれば今月中でないと間に合わないというお話しがありましたが、必ずしもそんなこともないだろうと思います。ただ、7月1日から登山期間が始まりますから、そこからやるためには、やはり一定の準備期間が必要でありますから、その準備期間が取れるような時期にやるかやらないか、今申し上げました作業部会とか専門委員会等での意見、状況というものを見ながら、適切な時期に判断するということだと思います。それから私個人の場所だとか額だとか方法等についての考え方というのは、もちろん考え方というのは持っておりますけれども、その辺のところが白紙で今のような検討組織が検討してくれているわけでありますから、私がこの場でこうすべきだということを申し上げるのは適当ではないと思っております。

記者

地元の合意が入山料の導入には必要前提と再三お話しされていると思いますが、地元の合意というのは具体的にはどういうことを指すのかというところと、入山料導入への最大の課題というものはどのようなところにあるのかをお伺いしたいのですが。

また、入山料の主な目的について、環境保全と考えるのか、それとも登山者の抑制に効果があると考えるのか、その辺のお考えを伺えればと思うのですが。

知事

地元の合意というのは、地元といっても幅広いわけでありますけれども、地元の主な関係者の合意ということだと思います。それで、(地元の主な関係者は)だいたいこの作業部会に入っておりますから、作業部会の場で合意が得られれば概ね合意は得られたということになるのではないかと思っております。

それから、入山料問題の最大の課題というのは、額の問題とか、税なのか協力金なのかというものの考え方、あるいは使い道をどうするのか、その配分をどうするのか、どこで取るのか、強制的に取ることにするのかしないのか、いろいろな検討課題があります。特にその中での最大の課題は、やはり地元の合意ということが得られるかどうかだと思います。

それから目的ということですけれども、今おっしゃったのは富士山の環境保全ための財源としてそれを目的とするのか、あるいは登山者の抑制を目的とするのかというお話しですけれども、登山者の抑制ということになりますと、相当高額のものを取らないと抑制効果が無いわけであります。世論調査的なものによれば、金額的には500円から1,000円ぐらいが適当だというのが一番多いわけですけれども、その程度の額ではとても抑制効果が無いわけであります。

両様の意見があろうと思います。その辺のところはよくよくその2つの検討組織で検討してもらいたいと思っているところですけれども、なかなか抑制をするというよりは、やはり世界遺産になることによって、富士山の保全のために、今までも努力してきましたけれども、それ以上に保全を強化していかなければならない。それに要する財源の一部に充てるために登山している方々のご負担をお願いするというのが素直な考え方だろうと思っております。

記者

かねがね富士吉田市長が言っている富士スバルラインの夜間通行止めに関して、県が法的に難しいという見解を示されておりますが、入山金はもとより少なくとも7月1日の山開きまでに喫緊だと思われるのは、登山者の安全・安心をどのように守るのかというところだと思います。富士吉田市長がおっしゃっているように世界遺産に登録されれば、登山者数が増加すると見込まれるのはわかる話だと思います。仮に登山者数が大幅に増加してオーバーフローして何か大きな事故でも起これば取り返しがつかないことですから、富士スバルラインが夜間止められないとしても、富士吉田市長が言っているように抑制する妙手は無いのだけれども、何かしらの対策を取らなければならないのではないかと思うのですが、知事は何か富士吉田市長とは別個で提案なり見解はないのでしょうか。

知事

富士吉田市長が、富士スバルラインを夜間の交通をストップすれば頂上近くの渋滞の1番大きな原因になっている弾丸登山を抑制できるというお考えであります。これについての県の見解を事務方が示したわけでありますけれど、公共の道路ですから、道路法とか道路交通法に規制されるわけであります。道路法や道路交通法にいろいろ書いてありますが、要はその道路に交通の危険があるときに通行止めにすることができる。例えば落石が危険だとか、あるいは地滑りで穴が開いたとか、凍結が危険だとかの交通の危険があるときに通行をストップすることができることだろうと思います。

今回の場合には富士スバルラインに別に危険があるわけではないと、富士山に登る人を押さえるために行うのだということになると現行の法律の解釈としては難しいということになると、これは国に聞いてもそのようになると思います。

しかし、それで良いのかいうことであります。現在でも、既に20万人から25万人の人が登り、特に夏場のシーズンには非常に渋滞が起こっている。結局、皆さん頂上でご来光を見たいものですから、ご来光の前に皆が一斉に頂上目指して登り出すのです。そうしますと結局、8合目、9合目、頂上といったところで非常な渋滞が発生し、おっしゃるように事故が発生する危険がある状態であります。それに加えて今回、世界遺産になる可能性があることで、どの施設もゴールデンウィークなどには1割とか2割と(観光客が)増加しているわけですから、富士山に登ろうという人もそのくらい増加する可能性も十分あると、そうしますとそれだけ事故が発生する危険も大きくなるわけであります。これに対する対策も取っていかなければならないことは行政として当然のことだと思っております。

具体的にどうするのか、富士スバルラインを止めることは今言ったように法律上も難しく、仮にできたとしても昼間とか夕方止めるわけにはいかない。7時とか8時に止めるとなると、弾丸登山する人はそれより早く来て、5合目辺りでしばらく仮眠しているということに当然なってくるわけですから、果たしてそれが効果があるかどうかということも当然あるわけであります。そうすると直に登山道を止めるかどうか、登山道だって公共の道路ですから、そこを何らかの方法でコントロールするか、上の方で非常に混雑しているときには一時6合目辺りで待ってもらうと、そして上の方が空いたら動いてもらう。そのような一種の登山の交通整理みたいなこともあるかもしれません。そのようなことについて県として検討組織を設けて検討したいと思っております。

ただこれは警察との協議、国の機関との協議がありますし、場合によっては条例をつくならければならないこともありますので、この夏本格的なことが間に合うのかというと、これは少し難しかろうと思います。

先日申し上げたことでありますが、この夏の対策として、まずPRをしっかりすると、富士山に登る方は是非山小屋で一泊してください、山小屋にあらかじめ予約してください、山小屋に泊まらない、いわゆる弾丸登山は交通の危険になりますし、本人も高山病などの危険になりますから、それは止めてくださいというPRを徹底してもらいたいということが第1点であります。日本旅行業協会をはじめとする観光関係の団体あるいは日本山岳会をはじめとする山岳関係の団体、その他いろいろな団体に要請し、さらに山岳関係の雑誌とかに取り上げていただけるようにお願いするようなことによって、PR広報を徹底していきたい。

2点目としては、これもこの間申し上げましたけれど、現在でもピークの時期には8合目、9合目、頂上に誘導員を雇い、配置して交通誘導を行っているわけです。そちらには行かないでくださいとか、しばらく待ってくださいとか誘導員を4名から6名配置しているわけであります。これを大幅に増やして危険な個所等における交通の誘導をしっかり行っていくことは、今年の対策として行っていきたいと思っているところであります。

記者

条例の制定について触れられたのですけれども、これは少なくとも今回には間に合わないという認識で良いのかということと、もし条例を制定するとすれば何を対象として道路の制限することを特別に阻止するための条例が、どのような念頭で、もし条例を制定するとすればするのか、現時点で言えるところがあれば教えてください。

知事

条例の制定については、いろいろな可能性があるということを申し上げているわけで、警察が交通整理することもあるかもしれないし、国に話をして了解が得られれば、例えばあそこは県有林ですから、そこに入れることについて県が規制することもできるかもしれない。しかし、そのようなことは難しいという話が法律的にあれば、条例をつくることもあるかもしれないという程度の話ですから、今の時点で中身がどうとか考えているわけではありません。いずれにしても世界遺産に伴って頂上付近での交通の渋滞が非常に著しくなり危険が増大してくる可能性があるので、それに対するしっかりとした対策を取っていかなければならない。そのための検討を始めなければならないということであります。

記者

道路の規制は、例えば二輪車だったりすると通行禁止にしているところがあったりするので、もっと融通が利くのではないかという疑問があるのではないのかというが1点、あと条例に関していえば、単純に弾丸登山を禁止するという条例がつくれないのか、その可能性も含めて、ご見解をお聞かせください。

知事

おっしゃるようなことは検討の対象になりあり得るだろうと思います。それ以上のことについて、いろいろな個人的な意見はありますけれども、これから検討する話でありますので、おっしゃるようなことも含めて検討してかなければならないと思っているところであります。

記者

先ほど検討組織の話に触れられましたけれども、新しく組織を庁内につくって入山規制につながるような検討をする組織でよろしいでしょうか。

知事

そういうことです。とりあえず庁内の関係部局での検討組織をつくって、地元の市町村の意見とかあるいは山小屋組合とか5合目の組合とか関係者の皆さんの意見とかをよくよく聞き、実態を十分認識して、まずどうするかということを実務的に検討していきたい。したがって庁内の検討組織をつくって検討したいと思っているところです。

記者

富士スバルラインの夜間規制の関係です。富士吉田市長が、早々に法的に困難と見解を示した県の姿勢について、本当に富士登山の安全を確保する気があるのかどうかという疑問さえ抱いているような声も聞かれるのですが、それについて県としてどのように思われますかというのが1点と、富士登山を抑制する必要性は、富士山登録とは別にここ数年ずっと言われ続けていることだと思うのです。今年は特に遺産登録元年になる可能性が高く、とりわけ弾丸登山が増えるという危機感を地元は特に募らせていると思うのです。マイカー規制の日数等は増やすわけですが、登山者の抑制への対策は今のままでは知事としては十分だと思われるのか、それとも不足していると思わるのか。夏山シーズンに突入しますが、安全対策は十分だという認識で今いるのかどうなのか聞きたいのです。

知事

今2つのご質問については、すでにお答をしたつもりでいるわけですけれども、地元の富士吉田市長としてそのような気持ちを持つのはよく分かるわけであります。ただ、公共道路は法律に基づいて規制があるわけでありますから、法律でできないものは、やはりできないということです。そのことを申し上げたわけで、しかし再々申し上げておりますように、世界遺産になることによって登山客がさらに増加して交通の混雑、危険が増大することは放置することができないのであって、当面のこの夏の対策は先ほど申し上げたとおりであり、さらに本格的な対策を来年の夏を目指して庁内で検討したいということであります。

登山客の抑制は、現在25万人とか最大来ているわけでありますけれども、本当に満杯の状態だと思っております。常識的には山小屋の宿泊容量がありますから、だいたい吉田口で1日3,400人分宿泊できるわけであります。それが60日間となると、約20万人であります。いずれにしても頂上まで目指す方は山小屋に一泊してもらいたい。弾丸登山は本人にも交通にも危険であるから好ましくないという考え方であって、我々としてはそのような考え方を持っているわけであります。

記者

(イコモスで)登録が勧告されて以降の反応もしくは影響について、プラス面、マイナス面含めて耳にされているような変化はありますでしょうか。

知事

賛成も反対もいろいろある。賛成が圧倒的に多いのですが、中には反対の方もおられる。例えばアルピニストの野口健氏は登山客が激増すると、そのことに伴う交通の問題あるいはゴミの問題を心配しておられて、まだ世界遺産になるには相応しくないということを言っておられたり、中にそもそも富士山は日本のシンボルであって今さらユネスコに(世界遺産に)してもらわなくてもいいと言っておられる方もいるし、いろいろな反対する方の意見もありますけれども、ほとんどの国民からは大変に喜ばれ、好意を持って迎えられていると思っております。

 リニア中央新幹線の中間駅について

記者

リニアについて伺いたいのです。先日、JR東海が簡素な駅の骨格みたいな図等で示しました。それについて、今後さらに地元からの要望について、メインは期成同盟会だと思うのですが、現段階知事として、どういうものが欲しいとか、要望していくべきこと、何を入れるか外装とかも含めお聞かせください。

知事

少し駅の問題について、経緯も含めて申し上げたいと思います。当初、JR東海は、駅は全部地元が負担してくれと言っていた。それは筋がとおらないのではないか、こういうことを言って、おととしですけれども、それではということで合意したのは、鉄道施設として必要な駅の部分については、これは鉄道事業者であるJR東海が負担をしましょう。そうではない地域振興のために必要な施設については、これは地元が負担しましょう。そして、その間の線引き、どこが鉄道施設でどこが地域振興施設か、線引きについては、これは今後協議をしていきましょう。こういうことで、おととし合意しているわけです。

今回、JR東海が示してきましたのは、鉄道施設としての駅の最小限必要だと思う部分です。あれでいいのかどうか、私どもとしては、別にあれで賛成と言ったわけではありません。JR東海として、鉄道施設としての駅はできるだけコンパクトに、最小限にしていくとこういうことになりますと言っているわけです。これからあれでいいのか、もっと鉄道施設としての駅はいろいろあるのではないか、それからさらに県として地域振興のためにこういうものをやってもらいたい。そういう議論がこれから行われることになります。

鉄道施設の駅ということで言えば、例えばあのままでいくと、20分、30分待つ人がいますけれど、待つ場所もないわけです。どうもイスがあるのかどうかわからない。やはり、それは待合所みたいな鉄道施設としての駅にあって、しかるべきではないかと個人的には思いますし、それから切符売り場がないということです。これはJR東海の考え方は、それはもうインターネットやそういうもので、予約になるのです。今ですら、ネットでの予約がすごく増えている。スマートフォンを始めとするインターネットは、これからあと14年後だから、これは相当飛躍的なさらに進歩を遂げるのに違いない。そうなった時にはもう、きっぷ売り場なんて個々人のポケットになるのであって、あそこ(駅)につくらなくても、すべてそれは必要なくなることだと言う彼らの考え方だと思うのです。

しかしそうはいっても、やはりお年寄りやあるいは目の不自由な方そのような方もおられて、いわゆるデジタルデバイド(情報格差)があるわけですから、やはり数は少ないかもしれないけれども、切符売り場は無ければいけないのではないでしょうかということは、議論としてあるわけです。そのような議論、鉄道施設としての駅の部分は、あれでいいのかということについても、もちろんそういうことで議論があると、これはこれから協議していくことになると思います。

加えて、地域の振興のために必要な施設ということでありますけれども、具体的には、観光案内施設あるいは地域の物産の販売施設とか、地域の食材を提供するレストランとか、そういうものは当然あり得ますけれども、具体的にどういうものを造っていくのか、これについては今度、リニアの駅及びその周辺整備検討委員会という委員会をつくることになっています。

その駅及び駅周辺整備検討委員会の場で、具体的に山梨県として、地域振興的な施設としてこういうものを必要だから入れようではないかと、これは地元が負担して入れようではないかと、そういう議論をしていくということになるだろうと思います。したがって、今の段階では、具体的にはどういうものかは、決まってはいないということです。

記者

知事としては、どうお考えですか。

知事

今言ったような、観光案内施設、物産販売施設、それから県の地元の食材を使ったレストラン的なもの、それから今年の3月まとめた「山梨県リニア活用基本構想」で言っている展望施設のようなものはあったほうがいいな、と思います。ただ、もちろんお金との相談ですから、あまりにも巨額だということになれば、それはちょっと諦めなければいけないものもでてくるかもしれません。

まだ、これはしばらく時間がかかりますから、駅の形がでてくるのが、あと数年時間があるわけですから、その間にJRと我々のほうで詰めていくということになります。

記者

知事が冒頭でおっしゃった待合室ですとか、そういうJR東海と観光系の施設とか、明確に地元負担という感じになっています。多分待合室とかについては、JRでやってほしい部分だと知事として受け取ったのですが、今回JRが造るという部分で、JRにやってほしいという、要望をしていきたいですか。

知事

先ほど申し上げましたように、鉄道施設として必要な部分はJR東海が造り、地域振興施設として必要なものについては地元が造ると。その間の線引きというものがあるから、その線引きについては当然グレーゾーンがありますから、どちらになるかわからないとかありますから、それはよくお互いに協議をしていく、と言ってますから、これから協議をして決めていく。まだ、時間も多少ありますから、協議をして決めていくということになると思います。

記者

正直JRの、あの駅の構想はとまどう部分があるという様な印象を受けたのですが、率直な感想とこの前の準備説明会の中でも、透明化ですか、全部コンクリートで覆われてしまうことに対する不満というか、不平のようなものが聞かれましたけれども、知事自身はどういうお考えでしょうか。

知事

確かに、あれ以外で変更しないとなればどうかなという感じはします。例えば、あれはハサードもなにもなく、吹きさらしになるわけでしょう。極端に言うと、台風のような横なぐりの風雨がくれば、水が入ってくるわけで、そういうことはあり得ない。それは、JR東海に話をしたら、中がみえるように表面のハサードや、そういうものは書いていないのですと、こう言ってるわけであり、あのままあれで決まりますよということになれば、これはいろいろな意見があるわけで、しかし、申し上げたように、まだ中身の問題についても、これからの議論だということであります。

それから、おっしゃったフードですが、これはもうご存じだと思いますが、JR東海の立場というのは、要は新幹線の騒音環境基準が非常に厳しいと。これを満たそうとすれば、リニアの場合には、主として風切り音になりますけれども、高速ですから風切り音がどうしても出てくる。それを、環境基準を満たそうとすると、ああいう形にどうしてもなるんですと、こういうことを言っているわけです。当然のことながら、環境基準も住宅地である場合、そうでない場合では基準が違いますから、住宅地でないような所については、それは外から見えるような形になるかも知れないが、住宅地については、環境基準を満たそうとするとどうしても、あのような形になるんですと言っている。それで、なかなか、それは技術的に難しいと言っているわけですけれども、我々としては、やはりああいう形では、地域の住民の理解が得にくい。本県の観光とかを考えると、また本県のリニアに対してやってきた貢献ということも考えれば、環境基準を満たさなければいけないことは、よくわかるけれども、さらに技術革新をして、両方満足するような新しい手法というものを研究してもらいたいと言ってまして、彼らの方も、それは研究はします、検討しますと言っているわけですが、なかなか厳しいとこう言っているわけです。そういう今の状態です。

記者

今の質問の補足で伺いたいのですが、やはり住宅地でない、避けられるようなところについては、フードをはずして走行する風景が見えるようにしたいという知事のお考えということでよろしいのでしょうか。見学センターも造っていますし、観光の目玉といいますか、鉄道が走る姿を見るために、目当てに集まる人もいらっしゃるわけで、その辺りはどうお考えですか。

知事

それは、間違っております。住宅地も含めて、できるだけリニアが見えるように、そしてそれで環境基準を満たすように、そういう技術開発をしてもらいたいと言っているわけです。ただ、トンネルの近くとか、そういうところは、どうしてもフードを付けなければいけないところがあります。それは、空気の圧縮音みたいなものがあるのですが、どうしてもフードを付けなければいけないところがあると思います。しかし、それ以外のところについては、住宅的な地域であろうがそうでなかろうが、外からリニアが見えるように、またリニアに乗っている人が甲府盆地を見えるように、環境基準を満たしながら、そうなるように技術開発を進めてもらいたいということを要請しているところであります。

記者

知事が、最初フードをご覧になった時の率直なご感想はどうでしたか。

知事

まあ、下水道管だという感じです。これでは、ちょっと困るのではないかということです。 

 風しんの流行について

記者

風しんの流行が続いていて、富士吉田市ではワクチンの費用の一部助成を始めたりとかしているのですが、これからまだ流行が続くことが懸念される中で、県としての対策はどのようにお考えになっているのかお伺いできますか。

知事

風しんが大流行しているわけでありますけれども、20代から40代の男性が非常に多いのです。女性の場合にはかなり前から風しんのワクチンを投与してきた方が圧倒的に多いわけでありますから、男性の患者が非常に多いということでありまして、(全国の患者数も、今年3月末で昨年1年間の報告数の)2,391名を上回っているということでありますが、本県の場合には昨年11名ということに対して今年は10名ということでありますから、爆発的に増えているという状況ではないということでありますけれども、しかしやはり心配なことでありますので、妊婦さんのいる家庭の成人の男性の方もできるだけ予防接種を受けてもらいたいということをお願いしている状況であります。

さらに申し上げると、ご存じのことですけれども東京とか大阪とか神奈川とか千葉では予防接種についての助成措置が行われております。東京の場合には1,983人と非常に多いのですが、本県の場合にはまだ10人という状況でありますので、今後の流行の状況とかを見ていきたいと思っております。

 リニア中央新幹線の中間駅について(追加質問)

記者

先ほどリニアの新駅の件で、駅とその周辺整備の検討委員会をつくるとおっしゃったのですが、これはどういうような構成メンバーになるのでしょうか。

知事

現在、検討中でありますけれども、当然のことながら地元の甲府市とか中央市とか行政関係者、それから経済業界関係者、要するに検討課題としては3つありまして、先ほど言った地域振興施設というような駅の中の施設をどうするか、それから駅前広場をはじめとする交通結節点機能をどうするか、それからさらに外側に考えている、研究団地などと言っておりますけれども、そういうリニアを生かした新しい土地利用をどうするかという3つがあるわけです。

だからそれぞれに相応しいメンバーを、学者も選び、県内の関係者としても、例えばバスとかタクシーの関係者とかそういう人達を選んで検討する。いずれにしてもこれはコンサルタントに発注して詳細な検討をさせるわけです。そのコンサルタントが検討してきた内容について、適時適切に委員会に諮って議論していくということになると思います。それは検討委員会ですから最終的に県としてコンセンサスを得るのは、現在もありますリニア建設促進期成同盟会の中にリニア活用策検討部会というところで最終的なコンセンサスは得ていくということになると思います。

 富士山入山料について(追加質問)

記者

入山料の一番の課題は、地元の合意を得ることだというお話だったのですが、これは地元の合意を得るということ自体がかなり難しいというお考えなのか、あるいは総論賛成、各論反対とか、この夏まで、あるいは来年の本格導入に向けてスケジュール的に厳しいという意味で、地元の合意を得ることが難しいとおっしゃったのか、その真意をお聞かせください。

知事

地元の合意を得ることが難しいとまでは私は言っていない。合意を得られれば実施すると言っているわけなのですが。

記者

得ることが難しいということが中味なのですが。

知事

それは確かに汗をかかなければなりませんけれども、乗り越えがたいような障害があるというような感じはいたしません。地元の方々にいろいろ話をしておりましても、もちろん賛成の方もいれば、どうかなという方もいますけれども、とても箸にも棒にもかからないというような感じはしないわけです。消極的な方であっても、しかし世界遺産というものはしっかりと守っていかなければならないという想いはみんな強く持っていただいておりますから、大きな課題ではありますけれども乗り越えられないような障害ではないと思っております。

 橋下徹大阪市長の従軍慰安婦制度等に係る発言について

記者

先日、大阪市の橋下(徹)市長が慰安婦問題に絡んで発言をされました。それに伴いインバウンド観光で来られる観光客、また中国ですとか韓国の方の感情を逆撫でするような発言であったりとかいろいろな反応がありますし、事実としてあったのだからというようなことを言ったりするということがあります。今回のそういった発言はいろいろな影響、ハレーションが大きいものだったのですけれども、山梨県を預かる立場としてどんな感想をお持ちかということをお聞かせいただけますでしょうか。

知事

多くの方が言っていることとまったく同じでありますけれども、やはり公人としては不適切な発言であると思います。個人としてのいろいろな意見とか本音とかは当然もちろんあるわけでありますけれども、しかし、公人、党の党首という立場であれば、これは今おっしゃった外交的な配慮とか、女性に対する細かい配慮とか、そういう配慮またその発言にも一定の節度を持っていかなければならないものであって、そういうものに欠けていると言わざるを得ないと思います。

 

(以上)

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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