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知事記者会見(平成26年2月10日月曜日)

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

発表事項以外の質疑応答

 

 平成26年2月定例県議会提出予定案件について

知事

2月定例県議会は、2月17日に招集することいたしまして、本日、招集告示を行ったところであります。

提出案件は、平成26年度当初分、平成25年度2月補正分を合わせまして、条例案53件、予算案29件、その他議決案件10件、報告事項24件の予定でございます。

平成26年度当初予算につきましてご説明させていただきます。一般会計の予算の規模は、4,590億8,673万円でありまして、これを前年度の当初予算と比較いたしますと、40億円余、0.9パーセントの減であります。

次に、予算編成の基本的な考え方につきましてご説明いたします。

人件費につきましては、職員数の削減を進めると同時に、給料の特例減額措置を実施しておりまして、その結果、平成26年度は平成19年度、これは私が就任した年でありますけれども、と比べますと134億円の削減となっております。

人件費の減は毎年の固定経費の減でございますので、県財政の健全化に大きく寄与しておりまして、平成19年度からの累計では569億円の削減を実施しているところであります。

公共事業、県単独公共事業につきましては、第二期チャレンジ山梨行動計画に基づきまして県負担額を毎年5パーセント削減してきたところであります。

県債等残高は、公共事業等の抑制や、思い切った歳出削減努力の効果として大幅に減となりまして、現時点の見込みでは、通常の県債等残高は、平成25年度末には7,400億円程度となり、第二期チャレンジ山梨行動計画に掲げた目標である7,450億円を1年前倒して達成できる見込みであります。

また、平成26年度末残高は7,100億円程度の見込みとなりまして、平成18年度末残高、これは私が就任する前ということでありますが、と比べますと1,500億円程度の削減となる見込みであります。

以上の結果に基づきまして、平成26年度当初予算編成に当たりましては、引き続き、財政健全化に向けた改革の手綱を緩めることなく、徹底した歳出の見直しを行ったところでありまして、一方で、山梨の活性化のために必要な予算につきましては、財源を重点的かつ効率的に配分し、「富士山の保全・安全対策」、「リニア中央新幹線の開業に向けた取り組み」、「東京オリンピック・パラリンピックを契機とした地域振興」、「新産業の創出」、「定住人口の確保」など、「暮らしやすさ日本一の県づくり」に向けた施策につきましては、積極的に計上したところであります。

本県の財政状況についてでございますけれども、明年度の本県財政は、歳入面では、県税収入について、地方法人特別譲与税を加えた実質的な法人二税が9.1パーセント増加することなどにより、実質県税総額は、本年度に比べまして36億円余、4パーセント増加いたしまして964億円余となる見込みであります。

また、地方交付税と臨時財政対策債を合わせました実質的な地方交付税は、1,641億円余と本年度とほぼ同額の見込みであります。

このため、一般財源の総額としては、若干の改善が見込まれるものの、一方、歳出面では、介護保険・高齢者医療費などの社会保障関係費や公債費などの義務的経費の増加が避けられない見込みであります。

さらに明年度は、県庁舎耐震化等整備のほか、消防学校の整備、県立学校の改築整備など、必要不可欠な大規模事業も実施しなければならないことから、所要の財源を確保する必要があります。

こうしたことから、明年度も引き続き厳しい財政運営を強いられ、88億円の基金の取り崩しを行うことにより当初予算を編成したところであります。

また、国の経済対策、国の補正対策への対応についてでありますが、国の「好循環実現のための経済対策」による各種交付金等につきましては、明年度当初予算と本年度2月補正予算に可能な限り計上いたしまして、国に呼応した迅速な対応を行うとともに、追加の公共事業等につきましては、概要が判明次第、2月定例県議会に追加提案を行うこととしております。

次に、山梨を元気にする4つのアクションについてであります。

1つ目は、富士山の保全及び安全対策についてであります。

世界遺産となった富士山につきましては、適切な保存管理と来訪者に対する顕著な普遍的価値の啓発を行うとともに、ユネスコへの報告書に盛り込むべき富士山の保全及び活用に向けた各種の方針案を取りまとめてまいります。

また、登山者の安全対策につきましては、五合目総合管理センターの機能強化のために移設を行った上で現地連絡本部を設置し、各種要員を配置するとともに、「インフォメーションセンターの新設」、「六合目安全指導センターの改修計画の立案」、「登山道の閉鎖日延長に合わせた安全誘導員の配置や五合目救護所の設置期間の延長」など、さらなる安全対策の充実に努めてまいります。

また、富士山を核とした周遊観光の推進を図るために、富士山の世界遺産登録を好機として、本県への誘客を促進し、増加した観光客の県内各地への周遊を図る「富士山を核とした周遊観光推進プロジェクト」を実施してまいります。

2つ目は、リニア中央新幹線の開業に向けた取り組みについてでございます。

リニア中央新幹線につきましては、「リニア駅周辺の土地利用や基盤整備等の基本となるリニア駅周辺整備基本方針の策定」、「リニューアルオープンするリニア見学センターの魅力発信」など、早期実現に向けた取り組みを推進するとともに、リニア実験線を最大限に活用した本県の活性化を図ってまいります。

3つ目は、高速道路の整備についてであります。

高速道路の整備につきましては、平成29年度までの全線供用に向けまして、中部横断自動車道の増穂以南の整備促進を図ると同時に、「中部横断自動車道の長坂・八千穂間の整備計画への格上げ」、「中央自動車道の小仏トンネル付近の渋滞対策」など、沿線自治体とともに国への働きかけを強化し、県外とのネットワークの確立と交通の円滑化を促進してまいります。

4つ目は、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした地域振興についてでございます。

東京オリンピック・パラリンピックの開催を本県経済の活性化やスポーツ振興につなげていくために、「外国人観光客の受入体制の整備に係る計画の策定」、「観光団体や市町村等を対象としたフォーラムの開催」、「事前合宿等に誘致可能な種目や施設の基礎調査」など、観光客の受け入れや事前合宿の誘致などに積極的に取り組んでまいります。

次に、特に力を入れて取り組むべき3つの課題というものをかねてから申しあげておりますが、これにつきましては、先ず、産業と雇用の対策についてでありますが、新産業の創出や中小企業の海外展開の支援につきましては、「燃料電池自動車の普及促進を図る水素ステーション設備の設置への支援」、「やまなしベンチャー支援ファンドの創設」など、本県の雇用と経済を支える産業施策を積極的に推進してまいります。

農業の振興につきましては、「担い手への農地集積と集約化を促進するための農地中間管理機構の設立」など、本県農業の競争力を強化する施策を積極的に推進してまいります。

観光の振興につきましては、「連続テレビ小説『花子とアン』の放映を契機とした観光キャンペーンの実施」、「全国的な会議や学会、展示会などのMICEを誘致するための受入体制の整備」など、観光の振興に向けた施策を積極的に推進してまいります。

雇用対策としては、緊急雇用創出事業に11億円余を計上いたしまして、地域に根ざした雇用創出により失業者の雇用の場を確保するとともに、賃金上昇などの処遇改善、新卒未就職者や離転職者の就業支援を実施してまいります。

次に、人口減少対策についてでありますが、少子化対策の推進につきましては、「産後間もない母親の支援を行う産後ケアセンターの設置準備」など、ライフステージに応じた施策を展開してまいります。

定住人口の確保につきましては、「県内に立地した企業への助成金の交付による産業集積の促進と雇用の創出」などの施策を推進してまいります。

さらに甲府市中心部の再整備についてでありますが、県都の玄関口である甲府駅南口周辺地域の再整備につきましては、「ロータリーや駐輪場の整備」、「平和通り沿いのアーケードの撤去や歩道の整備」など、着実に事業を推進してまいりたいと考えております。

このほか8ページ以降に第二期チャレンジ山梨行動計画の最後の年になりますので、その計画達成に必要な諸施策を推進することとし、その先に項目が書かれてございますけれども、省略させていただきます。

10ページにまいりまして、最後に平成25年度2月補正予算につきましてご説明申し上げます。

基金につきましては、緊急雇用創出事業臨時特例交付金など、国の補正により追加配分される各種交付金等を基金に積み立てまして、明年度以降の事業に充当することとしております。

また、実質県税の増収や国からの要請に基づく給与削減措置に伴う職員給与費等の減額、その他事業費の確定などを踏まえまして、財源対策として予定しておりました139億円の基金の取り崩しを全額回避するとともに、中部横断自動車道の新直轄区間に係る普通交付税の特例措置や市町村振興資金特別会計に滞留する資金など43億円について、財政調整基金に積み立てを行うことといたしております。そのようなことに伴う基金の年度末残高が下に表としてございます。

以上が、2月定例県議会への主な提出予定案件でありますが、詳細につきましては、財政課長から説明いたします。

以上であります。

<質疑応答>

記者

特に力を入れて取り組むべき3つの課題として3点挙げられていますけれども、かねてから申し上げられておりましたが、改めて引き続きこの3つを予算編成の中でピックアップしているのはどんなところがあるのか聞かせてください。

知事

3つももちろん重要ですけれども、新年度におきましては今年の正月に、私が申し上げましたように、山梨を元気にする4つのプロジェクトが、私はこれを山梨元気4兄弟と呼んでいるわけですけれども、これが着実に前進してまいりました。明年度においては、これを確実なものにするために大変大事な時期でありますので、まずは4つのプロジェクトをしっかりしたものにする、アクションを起こすとことが第1の課題であります。それともう1つは、今あなたがおっしゃったようなかねてから申し上げている山梨活性化のためにも必要な、1つは新産業・新雇用の創出、2つ目は人口減少対策、3つ目は甲府市中心部の活性化を含む諸施策、特に先ほど申し上げましたとおり、明年度は第二期チャレンジ山梨行動計画の最終年度でありますので、今の3施策を含むチャレンジ山梨行動計画を達成していくための諸施策を重点的に推進していくことにしているということであります。

記者

(山梨元気4兄弟として)4つある内のさらに重要なものとして3つ挙げられておりますけれども、3つ挙げているのは、どのようなお考えからか聞かせてください。

知事

これは数年前から山梨の現状を考えたときに、こういうことを中期的に力を入れていかなければならないと申し上げてまいりました。

1つは、新産業・新雇用創出でありますけれども、山梨県は機械電子産業が主力産業として、これは昭和50年代後半に中央道ができたときに、いわゆる先端産業と言われる機械電子産業が一斉に立地して、それが山梨の主力産業として山梨の経済を支えてきたわけでありますけれども、これが昨今、サムソンを始めとする中国・台湾・韓国の新興企業にかなり押され気味の状態で、苦境に陥っている。その結果として、山梨の機械電子産業からも海外移転とか、あるいはリストラによって相当な離職者が出てきて、山梨の雇用は全国平均的に見ても低い水準になっている。したがって、機械電子産業は大事ですけれども、機械電子産業だけに依存するのではなくて、もっと多様な様々な産業が山梨の雇用を支えるような体制に持っていかなければならないと、いわゆる産業構造の多様化を行っていかなければいけないということを申し上げてきたわけであります。これは引き続き大きな課題であります。

もう1つは、人口が減少してきている。これは自然減もあり社会減もあるわけでありますけれども、人口減とは何といっても地域社会の活力を奪っているということがあります。ただ、人口減は日本全国が人口減少社会になり大部分の地方県も人口減になっている。また東京及びその周辺の県もここ5年、10年後には人口減になっていくという見通しの中で山梨だけ人口増にすることは、現実論とし難しいわけでありますけれども、人口減少をなるべく少なく抑える努力はしていかなければならないと思うわけであります。そのための施策、具体的には自然減をできるだけ少なくするための少子化対策、社会減をできるだけ少なくするためのUターン・Iターン施策などを強化しなければならないというのが2番目であります。

3番目は、甲府市中心部の再整備、活性化であります。やはり全体として活力が低下していく中で、山梨の玄関口であり顔である甲府市の中心部の活力を維持していかなければならないと思うわけであります。そのために、もちろん甲府市が主力になって考えることでありますけれども、県としてもやるべき施策は最大限取っていかなければならない。そのために甲府駅南口の駅前の再整備とか、あるいは平和通りを昭和61年の「かいじ国体」以来30年ぶりに模様替えしていくとか、あるいは県庁を耐震化しているわけでありますけれども、それと併せて県庁をオープンにして四六時中県民に開かれた公園的なものに整備していくことによって、そうすることによって中心街の活性化に貢献していきたい。

この3つは今山梨県を考えたときの重要な課題として推進してきているということであります。

記者

知事の任期を見ますと、ちょうど2期目の最終年にあたる年の予算になると思います。知事にとっての2期目の最終年度の予算は、どのような位置づけの予算になっているのでしょうか。知事の思いがあると思うのですけれども、それを聞かせてください。

知事

2期目、その先はどうなるか兎も角としまして、やはり1つの節目の年でありますから、第一期そして第二期チャレンジ山梨行動計画を作って、県民の皆さんに公約した項目について実現していく努力をしてきたわけであります。第二期チャレンジ山梨行動計画の最終年でありますので、それを達成させるための施策を、先ほど申し上げた3施策は当然でありますけれども、それ以外にも重点的に進めていかなければいけない年だと思っております。

例えば今言った3つの施策以外にも財政改革といたしまして、一般県債残高を削減していくことを行ってきたわけでありますから、それは着実に達成させなければならない。これは現実的に達成できるわけです。

あるいは定数削減を進めて、人件費の削減を図らなければならない。これも約束したことでありますから、これも着実に行わなければなりません。

こういった行財政改革も計画最終年として、約束したことは達成できるようにして、けじめを付けていく年だと思っております。

記者

知事にとって、今回の明年度の予算はどういう予算になるのか簡潔に教えてください。

知事

それは今申し上げたように、チャレンジ山梨行動計画を達成するための集大成の年であるということだと思います。

記者

4月から消費税が8パーセントに上がりますけれども、それによって増収になる部分も、使途は社会保障の関連になりますけれども、また、増税による県内経済、消費者への影響もあると思うのですけれども、そのようなことに関した予算的な部分はありますか。

知事

現在、本県の景気は着実に改善の傾向をたどってきておりまして、そのような意味では、今年は経済的にはアベノミクスの効果があり期待される年であります。同時に観光の面でも、富士山世界遺産だとか「花子とアン」だとかで、観光客の増加も期待されることもございます。経済的には明るい年になると期待されるわけであります。

しかし一方において消費税の増税が不安材料ということであります。そのために国は5兆円余の経済対策を実施しているわけであります。本県としては、それを最大限取り込んで、本県としての消費税による落ち込みを防止するための経済対策をしっかりと取っていきたいと思っているところであります。

記者

歳出で義務的経費の増加が避けられないとのことで、一方において歳入面が増えないという苦しい状況の中で、どうした点が苦労したのでしょうか。

知事

苦労した点というのは、財政健全化に向けて規定の歳出の見直しを徹底的に行っていくことと同時に必要な施策は重点的に実施していかなければならない。そういうメリハリを付けた予算編成をしたことだと思います。そのようなことで具体的な苦労と言いますと、それぞれの施策毎にいろいろな悩ましい問題がありましたけれども、できるだけ予算は有効に使いながら、しかし一方においてやらなければならない必要な施策は着実に、先ほど申し上げましたように節目のけじめの年でありますから、やるべきことはきちんと積極的にやっていくスタンスと言いましょうか思いで編成したところであります。

記者

中期見通しの中で経常収支比率が94.7ということで2006年と比べて上がっていて財政が膠着化しているかのように見えるのですが、その点についての知事のご所見をお伺いしたい。

知事

おっしゃるように経常収支比率は上がっているわけであります。これは言うまでもなく社会保障をはじめとする義務的経費が増加しているがために経常収支比率が上がっている。これは山梨県だけではなく全国的な現象であるわけであります。

したがってこれを改善していくためには消費税等もありますけども、国から地方に対して財源手当、地方交付税の充実とかそういう財源手当をしてもらわなければならない。しかし国の方もなかなか財政が厳しいものだからそこができないということなわけです。これは全国知事会等を通じて地方交付税の一層の充実、特に交付税として現金で来るべきところを臨財債(臨時財政対策債)という、言ってみれば手形でくるわけです。県が借金をしておいてください、国が払いますから。これは形としては返済が公債費として計上していかなければなりませんから経常収支比率を上げるわけです。そういうものがあるものですからやはり地方交付税というものは充実する、同時に臨財債というものはできるだけ減らしていくようなことが必要であります。同時にまた消費税の増税がありましたけれども、社会保障の義務的経費の地方負担分については国の方においてしっかりした財源手当をとってもらいたいということです。そういうことを要請しているところでありますが、そういう措置が執られないと山梨県だけではなく地方の経常収支比率というのは確実に上がっていかざるを得ないと思います。

財政課長

経常収支比率は全国的に三位一体で非常に伸びております。それはたぶん、どこの都道府県でも同じです。地方財政制度による部分が多いですので、しっかり国に要望していくということだと思います。

知事

伸びているというのは良い意味で延びているのではなく、悪化しているということですね。

記者

今年度明野とか住宅供給公社とかに無利子での短期貸し付けを行っておりますけれども、一年間で返ってくるとはいえ、このお金が一年間結局固定されてしまうというか他の事業に使えなくなってしまうという部分に関して、去年と比べても40億円程度そういった短期貸し付けが増えているのですが、その点について知事のご所見をお伺いしたい。

知事

おっしゃった点は確かにかねてから指摘されている。これは山梨県だけではなくどこの県もそういうやり方をするわけですけれども、単コロと言いまして、短期貸し付けなのですけれども、年度当初に貸し付けて、年度末に一旦返させてまた年度当初に貸し付けるというやり方です。そういうやり方が良いかという議論はあります。ただこれについては総務省も、それは良いけれども短期貸し付けであることははっきりさせなければ困る、一旦はやはり会計年度できちっと締めて返させて、また新年度に貸すというけじめはつけなければいけないということを言っているわけですから、特に違法とかそういう問題は無いわけですけど、それが良いのかという議論はあります。

しかし、いわゆる歳計現金といって、本県には500億円くらいあるのですが、税収と地方交付税が入ってきます。そして一方において歳出で出て行く。そういうものは金融機関に預けてあるわけです。金融機関の口座に出たり入ったりしているわけです。だいたいそれが最大500億円くらいあるわけです。その金融機関に預けている中から単コロとしてこういう土地開発公社、あるいは住宅供給公社、そういうものに対して貸し付けるということであります。これは歳計現金で常に回っている金ですから、何かに充てるというものを引っぺがしてやるというわけではない。要するに一時のお金を金融機関の口座に預けておいて、それが出たり入ったり出たり入ったりしている。出たり入ったりするけれどもだいたいそれが500億円くらいある。その500億円の中から今言ったように公社とかそういうところに無利子で貸し付けるということでありますので、単にそのお金をよそのものに使うべきところを止めて貸し付けているというものではない。それが良いかどうかという議論はもちろんありますが、われわれとしては公社の健全化、再建のためにそれが支援措置として有効である、公社の金利負担を下げるために有効な措置であると判断して今回住宅供給公社の短期無利子貸し付けを増加させたいという予算を計上しているところであります。

記者

県全体の歳入残高、臨財債と県債を含め1兆円程度あって減少傾向にあると思うのですが、引き続き減少に向けての取り組みについてお考えがあればお聞かせ願いたいのですが。

知事

県債等残高には一般の県債等残高と臨財債というものがあって、これの県債残高と大まかにいいまして両方あるわけです。大幅に先ほど減っていると、平成18年度末から平成26年度末の8年間の間に1500億円減っているというのは一般の県債等残高、公共事業なんかでやっているのですが、これが減っているのです。一方で臨財債はこの8年間の間に毎年毎年増えておりますから、結果として臨財債の残高は毎年増えているということであります。したがって一般の県債残高プラス臨財債の県債残高合わせた総県債残高というのはずっと増えてきたわけであります。ただ平成26年度はそれがようやく減額の方向になってまいりまして、われわれの見通しとしては今後は減っていくだろうと思っております。

記者

その中でも減少に努めていかれるのかどうか、そういった取り組みの抱負をお聞かせいただきたい。

知事

まず一般の県債残高については引き続き、これは公共事業の内の県負担分を抑制することを通じて、言ってみれば公共事業の中で借金を使う部分を減らしていくということです。できるだけ国から有利な補助金とかそういうものを活用して、公共事業はしっかりやるけれども県負担分は減らす、そうすることによって借金になる部分はできるだけ減らしていく。そういうやり方をすることによって一般の県債残高はこれからも減らしていくことを進めていかなければならないと思っております。臨財債についてはこれは国がそういう制度として出してきているものですから、これは山梨県はもちろん全国知事会としてはこういうものはやらないでくれ、地方交付税というものは法律に則って現金でくれることになっているわけだから現金でくれなければ困る、将来は負担するから借金しておいてくれと言われたって困る、ということを言ってきたわけですけれども、国の方も財政上厳しい中でなかなかそれができないということであります。臨財債はできるだけなくすようにという要請はしていくつもりでいますが、臨財債の中でも山梨県のような財政が弱いところは臨財債の割合を少なくして、これは神奈川県知事なんかは非常に怒っているわけですが、そういう財政が豊かなところは臨財債の比率を増やしていく。これは本県をはじめとして財政の厳しい県が臨財債というものは困るということを主張したために総務省がそういう運営をしているのだろうと思います。いずれにしても臨財債はこれからも減らすべく国に要請していかなければならない。その2つの努力によって総県債残高の削減を図るように努めていきたいと思っております。

記者

歳入をみたときに今年度を見てみると地方法人特別譲与税が増えたところというのが大きいのかと受け止めるのですが、これはどちらかというと大企業の業績が回復したということに伴う国からの配分だと思うのですが、山梨県独自の歳入というものを今後確保して財政を切り盛りしていくという観点から見たとき知事は何が必要だとお考えでしょうか。

知事

やはり先ほどから申し上げているように産業の活性化ということです。もうそれにつきるだろうと思います。機械電子産業が本県の法人税の主力、ファナックとか東京エレクトロンとかそういうところでありますけれども、しかしそれがファナックは良いのですけれども全体として非常に厳しい中で法人二税の税収が一時に比べれば厳しい状況ということなわけです。やはりより元気な、機械電子産業以外にも元気な産業を育てていくということが大変大事だと思っているところです。

記者

今の債権、借金の話ですが、どんどん減らしていっている。ただ臨財債とかも含めるとそれほど減っておりません。将来世代が払っていくわけですけれども、将来のまだ若い世代に向けて、これから県の借金を返していく世代に向けて借金をしてもこういういろいろな施策をする必要があるということをわかりやすくおっしゃっていただけませんでしょうか。

知事

将来世代に対する負担というのはできるだけ減らす努力はしていかなければならない。しかしながら社会基盤整備のように、学校とかそういうものを含めてですけれども社会基盤整備はやはり必要なものであり、また将来の世代もそれは使うものですから、何十年も残るものですから、それを今作ってそれを将来の世代にも負担していただくというのが地方債制(国債もそうですけれど)なのです。一定の地方債、借金というものがあるというのは健全なことであるわけです。ただやはりそれが非常に大きいというのは将来世代に対して多大な負担を残すことになるわけですからできるだけ減らさなければならない。私としてはそれは減らす努力をしていくということを約束して、最初の4年間では380億円程度減らすといって581億円減らし、次の4年間では600億円減らすといって900億円くらい減らすというように削減の努力をしてきているわけです。結果として臨財債を除いて一般の県債の残高については7,000億円くらいになってきたわけでありますけれども、まだ金額的に大きいのではないかと思っておりますので、さらに削減の努力はしていかなければならないと思っております。臨財債残高を減らすのは県にやれといってもできないので、国の制度そのものを変えてもらわなければできない話ですから、引き続きそれは知事会等を通じて要望していかなければならないと思っております。

記者

今回の予算ですが、点数をつけると何点ぐらいで、その根拠を伺いたいことと、今後まだ残る課題、宿題として補正なり次年度に取り組んでいかなければならない点がありましたらお聞かせください。

知事

点数をつけるとすれば何点というのはなかなか難しいですが、少なくとも知恵を絞りに絞って、去年の秋以来再三再四、担当部局と協議をしながら知恵を絞ってやってきましたので、そういう意味で県民負担をできるだけ少なくしながら、やるべき仕事は最大限努力をしてきましたので、点数は何点と申し上げられませんけれども合格点であることは間違いない、と思っているところです。

残された課題はたくさんあるわけですが、これは来年度の施策として実施をし、実施していく中でまだ足らざる点があるとか、そういうことがあってそれをまた再来年度にやっていくことになるわけでありまして、今の段階でこれが足りないとか、そういうものはなかなか申し上げられないわけです。例えば、いろいろありますが、オリンピック・パラリンピックで、各国の選手団の事前合宿を誘致すると、そのためには県のスポーツ施設を再整備しなければならない、それももちろんやらなければいけないわけですが、今の段階でどれほどやるとか、そういうことは言えないわけで、明年度予算でその辺の検討をした中で、その次の年に、これとこれをやろうとか、新しい課題がでてきてそれを進めて行くということになるわけです。

記者

富士山の関係ですが、今回予算が2.9倍増えることなのですが、知事は以前から世界遺産協議会ですとか、あらゆる場でイコモス勧告の対応を(示した)報告書を2016年2月までに(ユネスコ世界遺産センターへ)ださなければならないということで、今年中にやれることはすべてやる、という心構えをおっしゃっていましたが、今回の予算でどこまでイコモスの対応ができているのか、お考えを教えてください。

知事

正確に言いますと、今年中にすべてやる。やれるものもありますけれども、例えば、工事を必要としたりするものについては、富士山という高い山でやるものですから、例えば、仮設トイレを恒久トイレにするとか、そういうものも簡単に今年中に全部できるわけではないのです。やはり工事期間が限られていますし、また工事期間そのものが年度内でできる期間が限られていますし、それで上まで資材を搬出したりすることですから、そういうものをつくるとなると、実際完成するのは数年かかります。

しかし方針、28年2月に保全状況報告書としてユネスコに提出するそれの中身に盛り込むべき、富士山の保全対策についての方針は今年12月までに、静岡県も含めて1つ決めましょうと、言っている訳です。その方針に基づいて、すぐできるものも、もちろんありますけれども、やはり投資、事業的なものは数年かかるものもでてくる、ということです。いずれにしましても、方針は今年中に決めましょうということを言っているわけです。

記者

事業的にできるもの、これから方針をつくって事業化していく見通しを立てるもの、両方の話からすると、実際この方針ですべてができるというわけではなく、大体方向性は見えてきているということになるのでしょうか。

知事

そうです。それはだしていかなければならない、ということです。

記者

今のところ、心構えという言葉自体は、これからもお話をされていくのでしょうか、今年中にやれるものはやっていく心構えでやっていくということで差し支えないでしょうか。

知事

もうすぐにやるというつもりで私はいるのですが、やはり市町村と一緒にやっていかなければならないことがありまして、そういうものについては今度は市町村の判断ももちろんありますから、それを強制することもできないわけですから、正確なところはそういう心構えで、少なくとも12月までには市町村も含めてこれだけのことを、これだけの期間でやりましょう、ということは決めていくつもりで進めていきたい。したがって、県だけでは決められない、市町村の決めるべきこともありますから、今の段階で県が全部やりますとは言えないのですが、心構えで方針を決めていくということになると思います。

発表事項以外の質疑応答

 旧韮崎射撃場について

記者

韮崎射撃場の汚染土壌の撤去に係る費用の件で、先週末地元には、どういう工法でやってどれだけの費用がかかるか、4パターン示されていますが、今後実施、撤去をしていくわけですが、4工法によって金額、法律の部分で違いがありますが、4工法の中から決めていくかを知事にお聞きしたいのですが。

知事

やることは決まっているわけで、かなり広範に鉛が残存しておりますので、それをできるだけ撤去しなければならない。

しかし、非常に広範に分布をしていることと、土壌汚染対策法という法律に基づいて、いくつかの制約があります。例えば、50センチ以上深く掘って、土を動かしてはいけませんとか、或いは地下水が近いところを掘って土を動かしてはいけませんとか、土壌汚染対策法上のいろいろな規制がありますので、それは守らなければいけませんから、その範囲内でやるとなると、100パーセントは取れない、しかしそれはできるだけ取るよう努力をしていく、その際に取り方としていくつかパターンがあって、4つくらいあると。そのうちどれをやろうかということを県の中で議論をしていくわけですが、地元の皆さんにも韮崎市を始めご意見を聞きたいということであります。

記者

議論の中で重視されるのは、いろいろ要素があると思いますが、地元住民の声、後は法律、かかるお金ですが、特にその中で優先順位をつけることがあるのかどうか、お聞きしたいのですが。

知事

それはお金ももちろんありますし、取れる量、何パーセント取れるのかというところもありますし、それからもちろん仕事、工事、河川という公共物の中をいじるわけですから、仕事の難しさ、河川管理の影響をできるだけ少なくしなければならないとか、いろいろな配慮があります。そういうものを総合的に勘案して、一番いいやり方で決めていくと、いうことになると思っております。

記者

改めてですが、最大22億、少なくても14億の費用が必要になるということで、開設当初からずっと鉛の定期的な除去をしてこなかったところに、今回の支出が生じてしまうという原因があると思うのですが、それに関して知事は今どのように思っていますか。

知事

韮崎射撃場は、今にして思えば不適切な施設だと。鉛玉が民家に当たったとか、そういう問題がありますけれども、そうではなくて施設そのものとして不適切な施設だったと思います。

現在、今、造るとなれば、あんな所には造るわけはないし許されないことです。河川の中に鉛をどんどん打ち込むこと、これは施設としては、不適切な施設と言わざるを得ないわけです。

しかし、当時としてはそれが許されたからそういうことになったわけですけれども、これを閉鎖した以上、残されている鉛をそのまま放置するわけにはいかないわけですから、きっちりと取れる範囲のものはきっちりと取り、同時にこれは将来的に地下水と表流水について、モニタリング調査、水質の調査をしっかりやっていき、県民の皆さんに安心をしていただくことをやらなければならないと思っております。

記者

今のところ土壌汚染はあるけれども、水質汚染はないというところですが、今回の工事をしたところですべての鉛を撤去できるわけではないのですが、それに関して地元の方々に不安は残るということですが、これについての知事のお考えを聞きたいのですが。

知事

それは100パーセント取れれば一番いいわけですが、非常に広範な範囲に分散しており、表だけでなくかなり下に沈んでいるものもあったりすると、もちろん取ろうと思えば、非常に広大な面積で土を全部取れば、取れるのではないかという議論もあるかもしれませんが、貴重な県民の税金を使うわけですから、そこで何百億の金をかけるわけにはいかないだろう、自ずから財政的な制約があることを考えなければいけない、同時に土壌汚染対策法にいろいろな規制があり、そういう土壌を動かしてはいけませんという規制があります。それはそれで法律がありますから、従わざるを得ないと、そうすると自ずから取れる範囲というものは、ある一定の限界があって、そうすると100パーセントではなく、できるだけ高くしたいと思いますが、100パーセントではないというこになるわけです。したがって、ある程度残る、残るから不安があるということは、おっしゃるとおり、不安は感じられるかもしれませんが、そこのところは先ほど申し上げた、表流水、地下水のモニタリングをしっかりとやり、それをもちろん公表して、県民の皆さんに安心をしていただくということをやっていきたいと思っているところです。

 東京都知事選挙について

記者

昨日、東京都知事選で舛添氏が当選されましたが、舛添氏に期待することなどあれば教えてください。

知事

都民の皆さんは、冷静な判断をされたのではないかと思います。舛添さんは、私も知っていますが、都知事として適任の方だと思います。

特に、東京都は非常に福祉関係でいろいろな課題をたくさん抱えていて、特に高齢化に伴ってこれから非常に大変な時期に入っていくわけでありますが、そういう中で、厚生労働大臣を長くやられた舛添さんは、そういった問題には精通しておられる方ですから適任だろうと思います。また、オリンピック・パラリンピックのための準備をしていかなければいけないわけですが、そのためには国際感覚というものが必要とされるわけですが、国際政治学者で国際感覚は十分お持ちですから、そういう意味でも適任ではないかと思っております。

 

以上

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