ページID:63199更新日:2014年11月17日
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9月4-7日に京都大学吉田キャンパスで開催された「日本哺乳類学会2014年度大会」に参加してきました。本学会大会では毎年基礎科学のみならず応用事例などが多く報告されており、近年は特に野生鳥獣の保護管理に関する発表が多数行われています。学会に参加することで、普段はなかなか得ることができない他県の情報を効率的に得ることができます。
本大会では、GIS(地理情報システム)を活用したニホンジカ個体数管理や、ニホンジカによる植生への影響を広域で比較する方法について話題提供を行いました。一方、改正が行われた鳥獣保護法の要点、ニホンジカの捕獲方法やニホンジカによる植生への影響把握方法についての最新の知見を得ることができました。
ニホンジカの捕獲方法は近年様々な手法が開発されつつあります。今大会でも、給餌を通した新たな捕獲手法に関する企画シンポジウムが行われました。また、今後は複数の手法を組み合わせて捕獲効率を低下させないこと、それらの捕獲を実施する体制の構築が重要になってくることが先進地から報告されました。今後、山梨県においても導入すべき点と思われます。
ニホンジカによる植生への影響把握方法は、研究者が行う詳細な調査に加えて、非専門家でも実施できる簡易な調査方法の開発がすすめられています。山梨県でも簡易な方法での調査を実施していますが(詳しくはこちら)、どのような項目を調査すべきかについて、他県の簡易調査方法も参考にしたいと思います。
(森林保護科 飯島)