ページID:64763更新日:2015年2月16日
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南アルプス山域に属する甘利山は、群生するレンゲツツジで有名な山です。近年、甘利山では増加したニホンジカの影響による植生の衰退や、南アルプスのエコパークへの登録など、自然環境とそれを取り巻く社会的な状況に変化が起きています。当所では、試験研究課題「レンゲツツジなどにより構成される半自然草原群落の保全管理手法の検討―甘利山における事例研究―」で、植生の現状把握と保全対策に関する研究に取り組んでいます。NPO法人甘利山倶楽部は、甘利山の動植物の保護・保全活動や環境教育活動を行うボランティア団体で、試験研究を行う上で、ご協力いただいています。平成27年2月14日に倶楽部の総会が開催され、当所から長池と大津が参加しました。
総会では、このような変化に応じて倶楽部の今後の活動の方向性をどのようにしていくかについて情報交換が行われました。大津は甘利山の草原群落に設置した植生保護柵内外での植生調査の経過について報告しました。長池は甘利山がエコパークの中で「緩衝地帯」に位置づけられていることを意識した上での、今後の倶楽部の環境教育活動について提案などを行いました。
ニホンジカへの対策という難しい課題に対しては、このように様々な関係者が連携をとりながら取り組んでいくことが重要になると感じています。
(環境保全科 大津)