ページID:64762更新日:2015年2月16日
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近年、増加しているニホンジカによる被害が報告されていますが、そのような場所の一つとしてゴルフ場があります。ゴルフ場の芝はニホンジカにとっては餌となり得る物ですが、芝はゴルフをする上で必要不可欠な物であるため、その対策は非常に重要です。そのような状況の中で当研究所に依頼があり、ゴルフ場で芝の管理を行っている方を対象にニホンジカ対策に関する講演を行いました。
当日は、ニホンジカの基本的な生態と、生態をふまえての対策のあり方について説明しました。対策としては、ニホンジカが増えているということからすると捕獲のみが求められがちですが、それだけでは不十分です。捕獲による個体数管理に加え、被害を出させない被害対策(柵や忌避剤による防御など)、シカにとって過ごしやすい条件を取り除く生息地管理(耕作放棄地の整備、放棄果樹の整理など)が必要であることを説明しました。説明後の質疑応答では、わなによる捕獲や、柵による進入防止対策などに質問が集まりました。
このゴルフ場では柵がすでに設置されており、わなによる捕獲の準備も進めるなど、対策に非常に意欲的な印象を受けました。今後も、必要な技術などを提供していきたいと思います。
(森林保護科 飯島)