トップ > 組織案内 > 林政部 > 山梨県森林総合研究所 > 研究所の業務の紹介 > シンポジウム「南アルプス高山帯のニホンジカをどう管理するか」を開催しました
ページID:71033更新日:2016年2月12日
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これまで低地にしかいなかったニホンジカが、南アルプスの高山帯にまで登るようになり、高山植物が食べられる、踏みつけが顕著になるなどの影響が出ています。当所では、三井物産環境基金より研究助成を頂戴して、その現状把握や対策の提言などを行う研究課題に取り組んでいます。9月2日には、静岡県や長野県での取り組みを学ぶシンポジウムを開催し、対策の進め方、協働体制の構築、ユネスコエコパークとしてのニホンジカ管理などについて議論されました。この議論を踏まえて、2月11日にシンポジウムを開催しました。
環境省南アルプス自然保護官事務所の仁田晃司氏、南アルプス市ユネスコエコパーク推進室の廣瀬和弘氏、山梨県みどり自然課の長島隆康課長補佐より、それぞれの取り組みとこれからのニホンジカ対策の展望についてお話し頂きました。その後、神奈川県自然環境保全センターの田村 淳氏から、神奈川県丹沢での総合的なニホンジカ管理についてご紹介頂きました。約70名の参加者とともに、丹沢で導入されているワイルドライフレンジャー(猟友会の方に管理捕獲をお願いするのは困難な場所[高標高地など]において、県の非常勤職員として専門的に捕獲する方)の適用可能性、戦略的・総合的対策の必要性、そのための体制やシステムなどについて議論しました。「地域の共有財産」としての南アルプスをどのように保全・管理していくか。ニホンジカ問題を早く解決するために、当所では今後も取り組みを進めていきます。
(環境保全科 長池)