ページID:66125更新日:2015年5月18日

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知事臨時記者会見(平成27年4月24日金曜日)

本館2階特別会議室

16時00分から

発表事項

  • 登山届受理システム『コンパス』閲覧協定の締結について
    • 山梨県警察、日本山岳ガイド協会との共同会見

配付資料

登山届受理システム「コンパス」の活用に関する協定書(PDF:6KB)

 

登山届受理システム『コンパス』閲覧協定の締結について

知事

本日、公益社団法人日本山岳ガイド協会と、登山届受理システムコンパスの閲覧協定を、山梨県警察とともに締結できたことを嬉しく思います。締結に向けてご尽力いただいた磯野理事長をはじめ、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

先般、政府でも、活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案の内容を明らかにしたところでありますが、活火山に入る登山者に登山届を提出することを求めることとし、努力義務とするといった内容であると聞いています。それに先だって三者で協定を締結できることは、本当に嬉しく思います。

本県には、ご案内の通り、世界遺産富士山、ユネスコエコパーク南アルプスのほか、八ヶ岳、昇仙峡、金峰山など世界レベルの山々が沢山ございます。こういった地域資源を活用し、世界に誇れる滞在型の観光地づくりを推し進め、山梨県がよりグレードの高い国際観光地として発展していくことを目指しているところであります。そのためにはまず、安全安心な登山環境の整備が、まず、極めて重要であると考えております。

特に、夏山シーズンにおいては、本県では17万人を超える登山者が富士山を登ることになります。その富士山の火山防災については、現在、様々な角度から検討を進めており、富士山の噴火が発生した際には、速やかな救助活動などが最重要課題となっております。

万が一、富士山が噴火した際には、登山者がコンパスに登録した登山行程などの情報をもとに、県と県警が連携しながら、迅速かつ正確に登山者の安否確認や、救助活動が行えるものと考えております。

県としては、この協定を生かすためにも、県のホームページや富士の国やまなし観光ネットへの情報掲載をはじめ、山岳関係団体等に周知の協力依頼や、山岳雑誌などへの情報の掲載をお願いするなどして、コンパスへの登録を呼びかけて参ります。

さらには、コンパスに登録された登山日程や装備などの登山情報を、統計データとして閲覧させていただき、それを調査、分析することで、山岳遭難の防止対策にも役立てていけるものと考えております。

日本山岳ガイド協会と、県、県警が三者で協定を締結することは、全国で初めての事例だと聞いております。今後、三者で協力連携をより強化をしながら、登山の安全性をさらに高めるとともに、本県における安全安心な山岳観光の振興にも繋げていきたいと考えております。

こういったシステムの活用を実効性のあるものとしていくためには、一人でも多くの登山者がこのコンパスに登録していただくことが、必要不可欠であります。このため、県と県警は、それぞれのホームページや富士の国やまなし観光ネットへの情報掲載をはじめ、山岳関係団体の皆さんに周知の協力を依頼し、また、山岳雑誌などへの情報掲載をお願いするなどして、登山者への周知をこれから強力に行っていきたいと考えております。

結びに、公益社団法人日本山岳ガイド協会の皆様方におかれましては、今後とも、本県の安全安心な登山環境の整備をしていく上での、大きな力となっていただくことを心からご期待申し上げ、あいさつといたします。誠に本日はありがとうございました。

(公社)日本山岳ガイド協会理事長

ご紹介いただきました日本山岳ガイド協会の磯野でございます。私ども、このコンパスシステムにつきましては、当初は主に山岳遭難救助のツールとして非常に役に立つということで開発を進めて参りました。開発を進めるうちに、このシステム自体が、山という関係の中では、事前の準備、そして実際に山の中に入りまして、あるいは自然の中に入りましてからの行動中のツール、いわゆる状況を把握する、情報を共有するといった道具にもなる、そしてさらには、山から下りまして、都会へ戻るという確認、安否確認も含めまして、3つの機能をきちんと発揮できるということが分かって参りまして、それは、山岳遭難だけでなく、ひいては防災にもつながるということで、この3年間開発を進めて参りました。その中で、本日は県知事、また県警本部長にご理解をいただきまして、三者として初めての協定を締結することができましたこと、感謝申し上げる次第でございます。

また、山梨県は日本の山岳地域の中では最も特異な魅力のある場所でもございます。山岳観光の発展、地域創生も含めまして、私どもが、ガイドという立場から安全管理をするのみならず、広く全国の皆様を山梨県にご案内するという役割を持って山梨県の皆様に貢献する、そしてまた、将来の活性化に繋げるということを念じて、ご挨拶とさせていただきたいと存じます。本日は誠にありがとうございました。

<質疑応答>

記者

富士山の開山に先立って、もうじき大型連休が迫っていますが、4月下旬から5月上旬にかけての大型連休中の山岳遭難に対し、このシステムをどのように役立てていきますか。

知事

この三者協定の運用開始は5月1日、来週の金曜日となっています。ご指摘のありましたように、ゴールデンウィーク、夏山シーズンが本格的にスタートする訳ですが、安全安心な登山を行っていただけるよう、来週からの運用を考えています。

記者

今回のように三者で協定を締結したのは初めてということですが、これまで第三者と閲覧協定を締結したのは今回の山梨県を除き全国で何件ありますか。

日本山岳ガイド理事長

県、県警本部に関わりなく、今まででは、長野県、岐阜県、静岡県、神奈川県という順番で締結して参りました。今回は山梨県ということで、5件目ということになります。更に来月は、新潟県とも締結を結ぶことになっております。協定締結主体が県と県警とに分かれているのは、山岳救助という場面におきましては、警察及び防災の役割、防止という役割になると、一般的に、例えば長野県などでは教育委員会で行っており、中央官庁でいうと文部科学省の役目でございます。そういう意味で、分担する役割がありますが、山梨県の今回の形というのは、総合して全て、場合によっては観光分野での周知啓発まで含めるという、初めてのケースでございます。

記者

今回の協定では、県が入ることによって、防止という観点において、観光も含めて入るという形で全国初めてのケースとなり、いままでとちょっと違うということですか。

日本山岳ガイド理事長

遭難防止、安全に対する啓発、これも大きい役割でございます。県そのものが、入っていることが、大きい部分だと思います。

記者

今の質問と重なりますが、この協定の場合は、他県でも県警さんとの繋がりが多いと承知していますが、今回、県が入っている理由を改めて後藤知事から伺いたいと思います。

知事

私は2月17日の知事就任後から、色んな部局の連携強化ということを、様々な場面でお伝えして参りました。今回も、先ほど磯野理事長がお答えしましたように、救助とか捜索という部分では、県警が主体になる可能性が大だと今でも思っています。ただし、防止とか、沢山の方に関わっていただく周知等については、常に三者が連携しないといけないし、県という中央政府が前面に立って、沢山の方に、このコンパスに登録していただく、そして、防止という観点で調査分析をどのように行うかというのは、県の知事部局の役割でもございますし、また、教育という観点でも、特に子供達という部分では、教育委員会とも連携しなければいけない。そういう意味での総合調整ということで、他の自治体に無い形で私自身が協定に加わることで、バックアップしていきたいと思っています。

記者

県警本部長に伺いたいのですが、県警では、登山計画書というのを提出することを求めていると思うのですが、冬期の富士山であっても、出してくれる方が少なかったり、実際に遭難しても結果的に出てなかったりということが多くあったと思うのですが、県警本部として、コンパスを閲覧できることに対する期待と、それと併せて、登山計画書というのが、実態として数字を把握するのは難しいと思うのですが、今までどの程度提出されてきたものなのか、分かれば伺いたいと思います。

県警本部長

実際のところ、遭難事案については、県内の登山者もいますが、かなりの数、大半と言っても良いかも知れませんが、東京、神奈川をはじめとした県外の方が遭難されている事例が多くございます。そういう中で、例えば、県外の方が何処へ行くと告げずに入山し、下山しなかった場合は、家族等から居住地の警察署に相談がされ、先ずはそこの県で対応が始まる訳です。何らかの形で山梨の山に登ったことが分かった時点で初めて山梨に連絡が来て、そこで様々な対応が始まる訳でして、そうなると、既に数日経過してしまっているということもあるわけです。そうなると、もしかしたら救えたものも救えないことになってしまいます。そういった意味では、この仕組みによって、警察としてもできるだけ速やかに何処に遭難者の方がいるのかとか、様々なことを早く知ることができ、適切、迅速な対応ができると期待しているところであります。

登山計画書の提出率につきましては、平成24年から平成26年までの遭難事例の資料によりますと、遭難件数の中で登山計画書が提出された件数は、例えば平成26年ですと、110件遭難件数がございまして、そのうち登山計画書が提出されていたのは28件、25パーセント強ということになります。24年から26年までの3年間ですと、平均で22パーセントということになります。コンパスの活用を通じてより多くの登山計画書が提出されるようになることを期待しています。

記者

県警としては、従来の紙ベース、あるいはFAX、メールなどによる登山計画書の提出と、コンパスへの加入、登録を並行して啓発していくということですか。

県警本部長

その通りです。現在、いわゆる登山計画書回収箱が県下の9警察署の管内に60箇所、登山案内所の2箇所を含め62箇所に設置されています。こちらの方でかなりの数を回収しているわけですが、パソコンや携帯端末をお使いにならない登山者もおられるでしょうから、回収箱や郵送、FAX等による提出という現在の方法も維持していきたいと考えております。ただ、コンパスには長所が多々ございますので、できるだけ多くの方に登録していただけるよう広報して参りたいと考えております。

記者

現在のコンパスの利用状況はどのようになっているでしょうか。山梨県での利用状況を把握されていれば教えていただきたい。

日本山岳ガイド理事長

一昨年から運用を始めたシステムですので、登録者数の合計とすれば1万2千5百から1万3千を超えている状況かと思います。1回登録された方は、登山する度に登山計画書を登録されますので、その登録数につきましては、今回の協定締結も含め、ピーアールをさせていただき、近未来的には100万件を目指しております。山梨県におきましては、登山者の5割以上の方に登録していただけることが、当初の目標と考えていただいてよろしいかと存じます。

このシステムのポイントとしましては、まず、登山計画書の登録が容易ということがあります。主要な山の登山口には登山届の回収箱が設置されていますが、全ての山に登山届回収箱が設置されているわけではございません。また、日本の山はほぼ全て県境で繋がっておりまして、山梨県から静岡県へ、あるいは長野県へというように、登山者の皆さんは別の地域から入ってきて山梨県に来られる、あるいは山梨県から別の地域へ出られるということもあるわけでして、そういう意味では全方位的にカバーできるという意味での機能を持っていますので、報道の皆様にもピーアールをお願い致します。

記者

コンパスの閲覧協定による運用は一昨年の何月からですか。

日本山岳ガイド協会理事長

一昨年の8月から長野県と協定を締結して運用しています。

記者

先ほど、登山者の5割の方に登録してもらうことを目標にするというお話がありましたが、そのためには富士山の夏山シーズンの登山者に登録してもらう必要があると思います。今後どのように周知していくのかお伺いします。

知事

登山においては自分で身を守るということも必要でありまして、仮に最悪の事態が生じた場合であっても、捜索や救助などのフォローアップが、自らコンパスに登録することによって受けることができますので、先ず登山者の方にこのメリットを理解していただき、登録していただきたいと思います。また、先ほど磯野理事長から皆様報道の方にもピーアールをお願いしたところでありますが、県と県警が連携して、ホームページなどによる周知や関係機関への周知の協力依頼など、様々なツールを使って周知をしていきたいと考えております。

県警本部長

県警におきましても、ホームページでの周知のほか、各山系の主要な登山口におきまして、分かり易いチラシを作成しましたので、これを配布してコンパスを認知していただきます。その時点でまだ登山計画書を作成していない方には、登山直前とはなってしまいますが、登山計画を作成していただき、コンパスに登録してもらうなどして、着実にコンパスの周知と利用促進を図って参りたい。登山計画書を作成することによって、ここは危ないとか、こういった装備も持って行った方が良いなど、自分で事前にしっかりと準備をすることが重要であることを啓発して参りたい。

 

(以上)

 

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
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