トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 平成27年度知事会見 > 知事記者会見(平成28年1月4日月曜日)
ページID:70331更新日:2016年1月5日
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本館2階特別会議室 11時30分から コメント 発表事項
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知事
明けましておめでとうございます。今年の三が日は、大変暖かな日でありました。
県民の皆さま方も、ご家族おそろいで素晴らしい新春を向かえたと思います。心から、この1年間のご多幸をまずお祈り申し上げたいと思います。
先ほど庁議の中でも、お話をさせていただきましたが、今年は丙申(ひのえさる)という年回りであります。丙は、「樹木やいろいろな計画が明らかになる」という意味があるそうです。更に、申は「うごめく」という意味があり、成熟していく意味合いがあるといわれています。
12年ぶりの申年ですが、この1年が昨年1年間かけて作った総合計画、総合戦略、いろいろな部門計画がこれからの山梨県の指針となって、方向性が出て具体的になるそんな年にしていきたいと思っております。
そのために何よりも必要なことは、県庁がその指針を動かすことです。すなわち28年度当初予算、27年度補正予算が今日の国会から審議が行われますが、果敢に、山梨県のためになっていく予算は、積極的に獲得していく方向性は崩さず、あらゆるものを具体的に事業化していく1年にしたいと思っています。
この1月には、「富士山保全状況報告書」をユネスコへ提出することになっています。これが皮切りになりますが、いろいろな事業に対応していくには多くの県民の皆さん方の理解と支えが必要であります。特に、それぞれをまとめている市町村長の皆さん、産業界の皆さん、多くの皆さんが山梨をもっともっと昨年以上によくしていきたいという想いを共有していくことが必要だと思っています。
大村先生が、昨年10月にノーベル生理学・医学賞を受賞されました。これも大きな山梨の誇りであります。20を超える日本一の山梨の地域資源の中に、大村先生のノーベル賞受賞も新たに加わり、昨年12月末には新たに「健康寿命日本一」も山梨の魅力に加わりました。この魅力をどのようにネットワーク化し、県外、国外の皆さん方に情報発信していくかということも、大変大きな今年1年の課題だと思っています。
昨年末の記者会見でもお話ししたように、トップセールスで中国、シンガポール、インドネシアを訪問しました。その際に痛切に感じたのは、山梨はそれぞれの国にない、大きな魅力を持っていることです。ただし、それぞれの国、県外でその魅力が十分に理解されていないものもたくさんありました。それをできるだけ束ねて、市町村、産業間の垣根を越えてできるだけ多くの情報手段を通じて、国内外に伝えていきたいと思いますので、メディアの皆さまにも是非とも、お力添えをお願いいたします。
今年は計画を具体化することが、一番大きな課題であります。今日の庁議で、部局間の壁、枠を越え多角的に物事を分析し実行することが必要であることを改めて指示をしました。社会インフラの整備、2年後には中部横断自動車の南部区間が開通し、中央自動車道と東名高速自動車道の日本の大きな幹線道路が繋がり、その中心に山梨があります。
11年後にはリニア中央新幹線も開通します。昨年の12月18日には、南アルプストンネルの起工式を行いました。これにより、11年後には山梨と品川が約25分、山梨と名古屋が約40分と時間距離が短くなります。昨年末のアンケートでは、首都圏住民の約2割が定住、二地域居住先として山梨県に魅力を感じており、中京圏においても、それぞれ1割以上の方々が魅力的だと思っているという結果が出ています。移動距離の短縮は、山梨に住んでいる私たちが考える以上に外から見た山梨の魅力、アドバンテージが更に高まっていくことを私自身も理解していますので、リニア駅周辺の整備方針、中部横断自動車道の活性化に向けたものをできるだけ早く、地域の市町村長の皆さま方と協議をさせていただき、できるだけ県民の皆さま方にわかりやすい形で伝えていきたいと思います。県庁一丸となり市町村、産業界の皆さんと協力をしながら、県民の皆さま方が自分たちの暮らしや地域をよりよくしていくためには、「オール山梨」で対応して行かなければならないという気持ちを伝えながら、この1年を過ごしていきたいと思っています。
未来に向けて、この1年が明るい展望が開ける年にしていきたい、と考えております。
先ほど申し上げたことは私のこの1年間の思いの一端であります。県民の皆さま方におかれましては、この1年間の県政運営に、ご理解とご指導を賜るとともに、この1年間が県民の皆さま方にとって、ご健康でプラチナのように輝く1年でありますように心から念じ、新年の私からのご挨拶にしたいと思います。
この1年間お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
記者
リニアの関係でお聞きしたいのですが、来年度中には計画を作るという方向になっていますが、年末にも計画の中身について、もう少し夢が欲しいダイナミックにという話がありました。
リニアを機に起爆剤として活性化したいという思いの部分、現実の計画としての部分でなかなか難しいと思うのですが、どのような計画づくりを進めたいか所見をお願いします。
知事
リニアの駅周辺の基本方針は、昨年2回検討委員会でご議論いただいています。当然そこが主体的な議論をする場になります。情報発信する力をつけるためにも、メディアの皆さんにもぜひお願いしたいのは、メディアというものが巡っていないものも地域資源です。昨年、いろいろな県外、海外の方々とお話しをした際にも、「後藤さんいいね、山梨は。いろいろな資源があって」と言われました。大村先生の話も出ましたし、またリニアの話も出ました。リニアの計画が、今、どこまで官の部分、県庁の部分だけで描けるかということも、その中には、市町村長や有識者の皆さん方にもお入りになっていただいていますから、そういう議論をさらに活発にしていただくということと、昨年は12年後だったものが、今年はもう11年後になるわけですから、昨年南アルプストンネルの起工式を終え、今年の夏以降工事が本格化をすることに連動して、いろいろな物事を検討整理、そして、計画をして、実行するには、これもまた時間軸がかかるものです。
記者
庁内の連携を深めていく話に関連してですが、12月議会の時には、来年度に向けて庁内の部局に関し、見直しというお話しだったと思いますが、その方向性は頭の中にありますでしょうか。
知事
頭の中にはあります。基本的には組織の大きな改正は、年度をまたいでいく形にならざるを得ないと思っています。
ダイナミックやまなし総合計画並びに部門計画をどうスピーディになおかつ具体的に、たくさんの主体の皆さん方を巻き込んで実施ができるか推進体制の整備だと思っています。今、頭の中を整理していますので、できるだけ、来年度に間に合うように、お示しさせていただきたいと考えています。
記者
補足的に、総合計画、総合戦略でもそうですけど、人口の減少ペースをどうやって緩めていくかということが一番大事かと思いますが、そのあたりを念頭に置いた部局の再編なりを考えているということでしょうか。
知事
人口対策は、以前から何度もお話しさせていただいていますように、ひとつの課題を解決すれば、良くなっていくというものではありません。総合戦略で大きく、部局横断でまとめさせていただきました。そしてまだ不十分だという話をいただいた部分もありますから、平成27年補正予算、平成28年度当初予算へ向けて、今、その予算編成の作業をしていますので、その中で具体的な事業をどのように課題解決をするために、実施していくか形作っているところでありますから、しかるべきタイミングで皆様へもご説明と報告申し上げたいと考えています。
記者
昨年は、熟議断行という言葉があったと思いますが、今年は何かキャッチフレーズのようなものがありましたらお願いします。
知事
計画から実行です。「未来に向けて明るい展望が開ける」よう断固やり抜く。計画実行を念頭に置いて、自分の頭で整理しながら、具体化する際、もう少し進歩した言葉で示していきたいと思います。
「計画断行」で今日は、思いを吐露させていただきたいと考えています。
記者
少し重複してしまうかも知れませんが、昨年は人口ビジョンや総合計画で山梨の方向性を示されました。就任二年目の今年というのは、実行力が問われる年になると思いますが、どんな後藤カラーを打ち出して行きたいと思っていらっしゃいますか。
知事
今、地域それぞれ市町村にある資源、産業界にある資源、これはたくさん魅力的なものがあります。
特に日本一も20にプラスして昨年は二つ追加されていながら、それが充分に、なかなか国民の皆さん、また海外の皆さん方にわかっていただけない部分がありますので、そのネットワーク力を強くする。私が言うプラチナ社会のプラチナには純粋、稀少、永遠の3つの他に触媒という機能があります。化学反応を上手にしながら、ものとものを繋げ、地域と地域を繋げる。それが、私自身がやらなければいけないことです。
平成28年度の当初予算が、私の想いが反映される予算になっていますので、それを見て、そのカラーが何色か、できたら、七色の虹のように、それぞれたくさんの人が評価をしていただけるようなものにしていきたいと思っています。今、事業の肉づけをさせてもらっていますので、昨年の総合計画、総合戦略の具体化の中身でご理解いただければと考えています。
知事
「やまなしパワー」による供給先について、本日募集を開始します。
既存企業では本日から1月29日まで、県内への新規立地企業では2月15日から平成30年12月末までです。
電力の供給期間は、既存企業では4月から3年間とし、新規立地企業では供給開始から3年間です。
「やまなしパワー」については、産業振興、県外からの企業誘致をしやすくするか、既存企業についても事業拡大をできるだけしていただきたい、いろいろな思いの中でつくりあげた制度であります。
この「やまなしパワー」を通じて、山梨に今ある企業の皆さん、これから山梨に来られる企業の皆さん方にとって、他の地域よりも山梨がパワーアップし魅力ある地域になっていく、そのような事業ですので是非とも奮ってご参加をお願いします。
具体的なことは、本日、事務方(企業局電気課)で記者レクをすることになっています。積極的なPRもお願いします。
記者
やまなしパワーによる安価な電力供給で、そのインパクトがどれだけ大きなものになるか、企業にとってどこまで利があるのか、というところのお考えをお聞かせください。
知事
通常は東京電力、他の新電力会社からお買いになる。県として、こういう制度がある中で、通常の事業経営をされる方と、事業拡大をされる方に、3.5パーセント低減は既存の皆さん、6パーセント低減は新規立地を県外からしようとする皆さん、事業拡大を県内の事業者でする皆さんとしております。2倍近く差を設けたということと、他の自治体には当然ない事業であります。
経営をされていく中で電力料金が下がっていけば、それを設備投資や運転資金に回すこともできるでしょうし、また違ったものに企業経営の中でいろいろなお考えがあって対応ができることになりますから、大きな将来に向けての方向性がまず出せたということです。このパーセンテージに安住することなく、またいろいろな工夫をしながら、できるだけこれがもっと魅力的なものになるようなことも考えていかなければならない、と思っております。
記者
さらにこの制度の運用の中で、より改善していく部分もあり得るということでしょうか。
知事
3年間で、既存の企業、特にこれは県内の中小製造業者の皆さんですし、新しい事業拡大また県内に入ってくる皆さんの6パーセントという部分も、3年間ですから、3年経ったら検証してまた改善をしていくということは、どのような制度でも必要だと考えております。
その改善の中でどの様なことができるのか。それには、まず募集の中でたくさんの皆さん方に参加をしていただいて、そのメリット、産業振興の1つのパーツかもしれませんが、それをきっちりとそれぞれの経営の中に組み込んでいただいて、他の地域よりも山梨がよりアドバンテージがあるということを、きっちりと企業の経営者の皆さん方にまず理解していただくことが大切だと考えています。3つの力というのが山梨に必要であって、エネルギー供給力の1つの力、まず第1段階でありますので、対象の企業経営の皆さん方には、この制度に参画していただきたいと考えております。
記者
新規立地企業の募集開始は2月15日からとなっていますが、周知期間から1ヶ月半くらいずらしているのはなぜでしょうか。
知事
新規立地は、県外からの部分と事業拡大という部分ですから、ボリューム感が新規と既存でいえば、既存の方が中小の製造業でお示しをしていますので、そこの部分をまず対応して、それが4月から3年間という供給期間となります。
新規の部分、要するに6パーセント通常の電気代よりも値引きのあるものについては供給開始から3年間ですから、タイムラグがあった方が事務的な対応も、さらには年度をまたいでの部分に既存の部分がなってきます。そのようなことで、この部分は分けていると理解しています。
記者
先頭に立って誘致を進めていきたいというところがあるのですが、具体的にどういった地域から、どういった業種であるとか、いつぐらいから始めていきたいかというところの考えがあればお聞かせください。
知事
事業拡大をしたり、県外の企業で山梨県に工場機能や本社機能の移転をしてもいいという業者数がアンケート調査では87ありました。
昨年末までに、第1段階の部分は課長、部長等それぞれ手分けをして、いろいろな角度からご説明や山梨の魅力というものをPRしつつありますけれども、やはりそれを絞り込んだ形で、最終盤では、私がそれぞれの社長の皆さん方にもお願いをしなければならないこともあるでしょう。
昨年1年間、山梨でそれぞれたくさん工場機能がある会社の社長の皆さん、中小企業でいろいろなことを地元でやられている皆さん方のところを訪問させていただきました。
そこで山梨はいろいろな社会、交通インフラの整備も含めて魅力度が高まっているという話が一様にありました。また、年末年始の新聞で、山梨に魅力があって、独身寮を拡大するという大手企業がいらっしゃるということがあって、実はそこも私は何度か社長とお話しさせてもらっていて、本社機能や工場機能さらには実験・研究という、会社で一番大切な部分かもしれませんが、そういう部分について山梨にきっちりとベースを置きながら対応していく、というお話しもいただいております。
私が先頭に立って、全部の調整をできるわけではありませんが、10カ月以上かけて総合計画や総合戦略、業務計画を作ったのも、繰り返しになりますが、県庁一丸となってそれぞれ多様な主体の皆さん方にご理解をいただいて計画を作らないと、実行する段になってスピーディに進まないということではいけませんから、今年は計画を断行していく、実行していく1年にしたいと思います。補正、当初を含めた予算の中で、それぞれの事業をどう具体化をするかの検討をやっております。そういうものを皆さん方にもぜひ確認していただいて、良い形のものであれば、ぜひ県民の皆さん方に積極的に発信していただきたいと思います。
また不十分な部分があれば叱咤も含めてお願いできればと思っておりますので、その点についてはぜひ緊張感のある関係の中で、この1年間ご指導賜りたいと考えております。
(以上)