トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 平成27年度知事会見 > 知事記者会見(平成27年9月15日火曜日)
ページID:68519更新日:2015年9月16日
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本館2階特別会議室 11時45分から 発表事項
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知事
県総合計画につきましては、6月に公表致しました暫定計画をもとに、県議会をはじめ、総合計画審議会や、やまなし未来会議などから様々な御意見をお聞きする中で検討を進めて参りましたが、本日、開催致しました総合計画推進本部会議において素案を決定し、その概要を県議会に報告したところであります。
また、県民の皆様から幅広く御意見をいただくため、明日から1月間の予定でパブリックコメントを実施致します。
総合計画につきましては、本年度から平成31年度までの5年間を計画期間としておりますが、この5年間は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて拡大する様々な需要を積極的に取り込み、2027年のリニア中央新幹線の開業により格段に高まる本県の有利性を最大限に生かした新たな地域社会を創造していくための土台づくりの第一歩となるものであります。
本県が、人口減少とこれに伴う諸課題を克服し、明るい未来に向けて大きく飛躍していくことができるかどうかは、この最初の段階をしっかりとやり遂げ、着実に次の段階へとつなげていくことができるか否かにかかっていると言っても過言ではありません。
そのためには、県が目指すこれからの地域づくりの考え方や具体的な取り組みの方向などについて、県民の皆様に分かりやすくお示しし、御理解をいただきながら、産業間や地域間など、様々な形で連携を強化し、県民の総力を結集していくことが極めて重要であります。
こうしたことを踏まえ、今般、策定した素案におきましては、統計データなどを用いて本県の現状や発展のポテンシャルなどを明らかにするとともに、ダイナミックやまなしプロジェクトの各政策を展開することにより期待される政策効果や、リニア中央新幹線開業後の2030年頃に期待される本県の姿を具体的にお示しし、これからの地域づくりについて、県民の皆様ができるだけ具体的にイメージできるように努めたところであります。
また、私自身が先頭に立ち、総合計画に掲げる数々の施策の実現に向け積極果敢に取り組み、この山梨を大きく飛躍・発展させるとの決意を込め、計画の名称を「ダイナミックやまなし総合計画」としたところであります。
県民の皆様には、本計画をより実効性あるものとし、着実に実行していくため、産業や地域、性別、世代など、それぞれの立場から関心のある分野はもとより、山梨の今を生きる立場から、より良い未来の創造に向けた幅広い御意見、御提言をお寄せいただきたいと考えております。
今後は、県議会をはじめ、県民の皆様からいただいた御意見や御提言を踏まえる中で、更に検討を進め、12月県議会における御審議を経た上で、年内には最終的な計画を決定し、公表して参りたいと考えております。
記者
今回の計画自体は、土台づくりの第一段階という位置づけであり、2030年頃の本県の姿を具体的に示すとありますが、ゴールとしては、2030年頃を目指した土台づくりの第一段階という捉え方で良いのでしょうか。
知事
細かくは、総合計画の素案の概要に段階ごとの計画の内容をお示ししていますが、5年間は2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに、山梨の経済、暮らしの土台をつくっていかなければ、激烈な自治体間競争にも耐えられません。
2020年は、そのデッドラインであることは、従来から私が記者会見等を含めてご報告、ご説明しているとおりであります。
2027年がリニア中央新幹線の開業予定年度です。その前後、今から15年後、2030年を一つの目途として、具体的な数字はこれから議論をしていきますが、12月の最終計画の部分では、数字的な目標をお示しできるように最大限調整をする前の段階の概要ということでご理解をいただきたいと考えております。
知事
本日、2060年を見据えた本県が目指すべき将来の方向と人口の将来展望を示す「山梨県まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」を策定しました。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、山梨県の人口は、現状のまま推移した場合、2060年に約50万人まで落ち込むと推計されています。こうした人口減少を食い止め、未来に向けて大きく夢と希望が持てる山梨の実現を目指して参りたいと考えております。
このため、人口ビジョンにおいては、まず2060年の定住人口について、県民のアンケート調査で明らかとなった県民の希望出生率をできるだけ早期に実現するとともに、本県の特性を活かした施策を展開することによって、国の目標水準をさらに上回る約75万人まで引き上げることを目標として掲げました。
一方、本県は、豊かな自然環境に恵まれており、加えて東京圏に隣接し、時間・費用面ともに容易に交流ができるというポテンシャルを持っています。
また、今後、リニア中央新幹線の開業や中部横断自動車道の開通等の高速交通体系の整備などにより、本県のポテンシャルは一層拡大致します。
やまなしを元気にしていくためには、こうした機会を積極的に捉え、本県を訪れる人々を増やし、その活動や交流を活発化することが重要であることから、交流人口にも着目し、拡大させていかなければなりません。
こうした想いから、今回の人口ビジョンでは、単なる交流人口ではなく、交流人口のうちでも山梨を支え、豊かにする、経済的な貢献度や愛着・帰属度の高い、将来的には定住につながる人々を「リンケージ人口」とするという考え方を示し、リンケージ人口と定住人口を合わせた、「やまなし共生・連携人口」として、100万人を目指して参りたいと考えています。
今後は、人口ビジョンに描いた将来の姿の実現に向けて、県議会をはじめ、県民の皆様から幅広く御意見・御提言をお聞きしながら、向こう5年間の目標や具体的な施策を示す「総合戦略」を本年中に策定して参ります。
詳細については、後ほど担当の方からご説明申し上げます。
記者
リンケージ人口の内訳が初めて出ましたが、2015年で4万4千人、2060年に25万人強となりますと、6倍近くになるわけで、かなり強気な計算かという気がしますが、そのあたり知事は何か展望はあるのでしょうか。
知事
外国人、県外からの観光客は、昨年度3千万人を越えましたが、ほとんどが日帰りでした。従来から観光の部分、山梨の活性化の部分でお話をさせていただいているように、日帰りの方をできるだけ1泊、1泊の方は県内を周遊することで2泊、3泊にしていく。経済的に山梨に落ちるお金として増やしていくことが必要です。9月補正に、観光での総合計画的なものの必要な予算を今日、議会にお願いすることにしています。
議会の全員協議会の中でも、観光というメリットをもっと総合計画の中にも示すべきだという趣旨の意見がありました。リンケージ人口の山梨県を訪れる旅行者の部分を、いろいろな工夫を山梨全体でしていくことで、今まで山梨に来たことのない海外、県外の観光客をできるだけ1泊は2泊、3泊、日帰りは1泊していただけるような観光客の受入体制を整備することをやっています。リンケージ人口の一つの大きな柱として、観光政策をより取り込んだ形で県全体の地域経済を発展させることも一つの方向性だとご理解いただけたらと思います。
6倍は大きな数字かもしれませんが、具体的な統計を全て取っているわけではありません。本県を訪れる観光客の7割、8割は日帰りですが、海外からの観光客の伸び率は伸びておりますので、そういうものを施策としてより経済政策と連携しながら対応を進めていく趣旨で、これから総合戦略・人口ビジョンと県全体の総合計画は対になって、施策、課題に県として、どう応えるかは、12月までに数値目標も含めて精査し、それぞれの政策の効果をつくっていきます。そういう趣旨で対応を進めていくビジョンのベースです。対策はこれから具体化することで、ご理解をいただきたいと考えています。
記者
観光をひとつの柱にしてリンケージ人口を増やしていくというお話しだったと思うのですが、先ほどの全員協議会の中でも総合計画の中で観光についての部分があまり前面に出てきていないというご指摘があったと思います。知事がかなり観光に力を入れてこられた割には、総合計画に中にはあまり前面には出ていないなという印象を受けたのですが、そのあたりのご指摘について知事の見解をお聞かせください。
知事
私の117の公約実現について、何が優先順位が高いですか、といつも問われますが、公約は調査や事業化についてもすべてスタートさせたいということは6月議会までにすべて考えていました。総合計画も、産業間、地域間がベースとなるものですから、どれを特出しするのかは、この時点では少し控えた方が良いのかなという想いです。一方で、観光に関する総合計画的なもの、これからの計画づくり、活性化計画については、今回の9月補正に予算を盛り、有識者やいろいろな方と、観光業、山梨の観光が抱える課題、足りない部分、それを解決することによって、観光産業が裾野が広がり、できるだけ長く持続可能な形で成長することを目的とした良さを、今回補正予算に計上させていただいております。スピード感が加速し、12月までには合致し、総合計画はパブリックコメントを出させていただきます。総合戦略と総合計画がごちゃごちゃになっているところが結構あると思うのですが、いわゆる人口ビジョンに繋がるものは総合戦略です。それも含めた総合計画が今日、推進本部で決めさせていただき、人口だけに特化をせずに、他のいろいろな産業の形もどうするのかを示しているのが総合計画と、ぜひご理解を賜りたいと思います。
記者
全般的なことを2点、お伺いします。いったんは定住人口100万人とおっしゃった訳ですが、この資料を見ると42ページに75万人という数字が出ていて、一般的に県民がこれを普通に受け止めると下方修正と感じると思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
知事
何度かお話しをしたように、パターンに国が示した施策を対応していくと、2060年、45年後に64万人程度になります。希望出生率が、5月、6月のアンケート調査で、変数が1.87でした。この変数自体大きく動かしたりすることはできません。国の人口ビジョンとの整合性がひとつ、大きな枠としてこれはあります。したがって、75万という部分がいわゆる定住ということに当然なるのですが、これも繰り返しお話しさせていただいているように、そうではなくて、観光の問題、山梨の地域経済、地域の活性化をこれから図ることが、いわゆる定住という人口だけではなくて、いわゆるリンケージというものを、今回加えさせていただいたものが、既に、今の経済活動の一部に有益な形になっています。
これからは、さらにそこに焦点を当てていけばさらに広がる可能性もあるし、リンケージ人口と、いわゆる定住人口を合わせたやまなし共生・連携人口が、リンケージ人口が定住化することによって、100万人に達することについての想いは変わってはいません。ぜひ、皆さん方にも改めて私の想いが変わっていないということと、合わせてやっていくことが、いわゆる山梨らしさという部分を強調できることだということだと考えています。今日推進本部、人口本部でこのビジョンを庁内全体として合意形成させていただきましたので、皆さん方にもぜひ、そのプロセスやまた内容についてもご理解を賜ればと思います。
記者
もう一点ですが、リンケージ人口の内訳が43ページのもので、2015年の後が、2030年に飛んでいるのですが、県民にとっては、知事の県政運営の物差しというのはやはり、まずは任期4年ですから、4年後の知事の任期の間の具体的な数字目標というのは何か考えていらっしゃるのでしょうか。
知事
それは、担当の方から聞いてください。
記者
示されるということですか。
知事
どういう計算でということを今は承知していませんので、直接担当から聞いてください。
記者
今回の人口ビジョンの中で、2060年に100万人ということ、その後のこと、例えばリンケージ人口が将来的に定住に繋がるというお話しもありますが、そのリンケージ人口が全て定住になって100万人を目指したりとか、その後のビジョンについて何かお考えがあればお伺いしたいのですが。
知事
リンケージ人口と定義をさせていただいた今回の3つのカテゴリは、既に山梨に何度も来たり、これから来るであろうというのを計画的に増加させるということです。将来的にはリンケージ人口が定住化に繋がって欲しい。その施策も、リンケージ人口が定住人口化する施策も併せてこれからの総合戦略の中で書かせていただきたいと考えています。
記者
リンケージ人口は本県への経済的な貢献度と愛着帰属意識の2点から定義付けられ、定住人口と合わせて100万人ですが、先ほどの議会の中でも指摘があったのですが、逆に本県への経済的な貢献度が低くて、愛着帰属意識の低い人数は引くべきではないかというご意見があったのですが、それについての知事のご意見をお伺いしたい。
知事
今のご質問がすぐには整理できないのですが、このリンケージ人口もいろいろな捉え方があると思います。もっと幅広に捉えるべきだという方も多分いらっしゃるでしょうし、先ほどの全員協議会の中でお話しがあったように、ふるさと納税という、この何年かでできた税の納付の仕方で、通常は住民票が存在するところないし法人が存在するところに納付する仕組みから、自分が出身地や好きな市町村、県に納税する仕組みができました。報道によると法人にもふるさと納税的な制度を作っていった方が良いというご議論もあるとお聞きしています。私たちが共生・連携人口と定義し決定させていただいたように、この数年間、国のいろいろな動向でも、今までの価値観や思いと違った形の税の納付の仕方もあります。
今回、リンケージ人口と定住人口を合わせた共生・連携人口が、これからの山梨モデルの形になって施策が具体的に展開し、それぞれの企業や暮らしが良くなる方向にもっていけることが、私が一番望む部分であります。その100が良いのか、今のようにいくつかの要素を引いた方が良いのかといういろいろなご議論は当然あるにしても、今回一旦、こういう形で定義を決めさせていただいて、それを計画的にどのように増加させていく施策の展開にするのかは12月までの総合戦略の策定の中に、その旨の想いや施策展開の方向が入ってきますので、いろいろなご提言が個人的に皆様方もあると思いますから、パブリックコメントをする際にご意見をいただければ大変ありがたいと考えております。
記者
差しあたり2020年の段階で、国の目標値を仮置きしたということもあるかもしれませんが、出生率が1.6と、移動に関して均衡というところなのですが、現状と比べて2020年の段階がどれだけハードルとして高いのかと、もう一つは、総合戦略の中にそうなるための具体的な説得力がある施策というのが盛り込まれてくるのかどうかというところをお聞きします。
知事
これは最後の質問にお答えすれば良いのかと思いますが、まず人口減少、自然減と社会減をストップさせる施策というのは、1つだけやればいいということではないと繰り返しお話しをさせていただいています。あらゆる施策を総動員していかなければいけないのが今の私の強い想いです。
今回の人口ビジョンの課題解決の方向性という5つの項目についても、これをベースに具体化を総合戦略の中身として記述しています。それが総合計画のアクションプランとの連動性もあるでしょうし、基本的には県が施策をどうこうするというのは当然大きな後押しであるし方向性は出していく必要はあります。今回のアンケートでよく分かったように、最終的には希望出生の部分をどう行政が、課題として県民の皆様方からお示ししていただくものに、課題の解決できるかという方向性を出すことがまずメインであって、全てすぐできるかどうかというのは、今この場でお答えするのは、熟慮がまだ十分ではありませんので、それはいずれかの段階でご対応させていただくということで今日はご理解をいただければと思います。
記者
かねがね言われていることではありますが、2060年で100万人から125万人という共生・連携人口の部分ですが、知事の公約との辻褄合わせという指摘もあったりしました。そういう指摘に関して知事が思うところをお聞かせください。
知事
やはり人口減少を放置すれば必ず暮らしや経済活動の縮小再生産、要するに負の連鎖に陥ります。もちろん私が先頭に立って努力することはいうまでもありませんが、全ての方が同じ方向に行かなければその問題解決はできません。したがって、高い目標感ということでは、5年後10年後に向けても色々なハードルはまだまだ当然あります。県民の皆様方から、もっと具体的に、こういう施策をすれば人口増に繋がっていくということが具体的に仮にあるのであれば、それは財源との相談になるかもしれませんが、できるだけ積極果敢にいろいろな事業化、施策の展開をやっていきたいと考えています。
縮小再生産ではなく、県民の皆様方が夢と希望を持てる。老齢人口の65歳以上の人口が、日本全体も山梨もこれからますます増えていくので、60歳や65歳で一旦全てのお仕事からリタイアするのではなく、できるだけ健康で、地域で今できるお仕事をできるだけ生涯現役で、ということは今回の施策の中でも健康長寿という視点に連なるかもしれません。
やっていかない限り人口減は、負のスパイラル、特に社会保障に大きな影響が出ることは皆さんご案内のとおりであります。その2つのターゲットを一緒に解決することなので、若干分かりにくい部分があるかもしれません。100万人という共生・連携人口という部分でまず目標にしながら、リンケージといわれる人たちもいずれ定住化を目指していただく、その施策の連携をしながら100万人という将来に向けての数字はこれからも私の大きな目標として、また県政の大きな目標として掲げ続けさせていただきたいと考えています。
(以上)