ページID:76936更新日:2016年4月1日

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知事臨時記者会見(平成28年3月15日火曜日)

本館2階特別会議室

13時40分から

発表事項

配付資料

 山梨県とカゴメ株式会社との農業の振興と発展に関する連携協定書について

知事

ただいま、山梨県とカゴメ株式会社の間で、本県農業の振興と発展に関する連携協定を締結いたしました。先程、寺田社長と短時間ではありますがお話をさせていただきました。寺田社長も山梨に何度もお出でになって、山梨の良さ、魅力をよく分かって頂いている方だと本当に確信をいたしました。

今回の協定は、私どもが昨年12月に新・やまなし農業大綱を取りまとめました。この一番のメインは、皆様方ご案内のとおり山梨の農業をいわゆる儲かる農業として、成長産業にするということであります。カゴメ株式会社におかれましても、農業を成長産業にするということが、大きな基本的なお考えだというお話もお聞きしています。

今回は、北杜の地におけるベビーリーフ生産という部分で、秋の生産に向けてのスタートということをお聞きしておりますし、また私どもとしては、カゴメ株式会社の地盤、得意なトマトの分野でも、出来るだけ早く山梨の地において生産、加工について色んなご尽力を賜りたいと思っています。

私どもも、先程お話ししたように、新・やまなし農業大綱がTPPの問題や、更には農業の高齢化の問題、そして所得減の問題、地域崩壊の問題、農業については県内も日本全体と同じように課題がありますが、やはり耕作放棄地を含めた土地利用の件、雇用の拡大も含めた担い手の問題、更には地域活性化の問題、これがカゴメさんのような、いわゆる企業参入を山梨で促進していく大きな意義だと考えております。

カゴメさんは日本でも有数の野菜ジュースを主にした食品メーカーでありますので、是非これからもWinWinの関係で、山梨の雇用、また地域経済の部分でもお力添えを賜ることをお願いし、更には山梨での農業生産、また耕作放棄地対策も含めて、沢山の農地利用という期待がございます。カゴメさんのような大きな規模の全国ネット、または世界ネットの会社と組めることは、「農業の企業参入をするには山梨だ」ということも、是非カゴメさんのネットワークの中で、「山梨ここにあり」ということを情報伝達して頂けるように心からお願いを申し上げます。

これからが本格的なスタートであり、地域の皆さん方の合意形成もほぼ整っているというお話もお聞きしていますので、それがまた地域の皆さん方との交流も含めて対応して頂くことをお願いし、末永くこの連携協定が更に山梨農業の成長産業化に資する協定になるよう、今日を契機に、山梨県とカゴメ株式会社の更なる連携強化のベースとなることをご期待しながら、私からカゴメ株式会への御礼と、そして県民の皆様への、締結をしたことが大きく山梨の農業の成長産業化に資するというご報告とさせて頂きます。ありがとうございました。

カゴメ株式会社代表取締役社長

カゴメの寺田でございます。
本日は、お忙しい中お越し頂きまして、誠にありがとうございます。

本日、弊社は山梨県と、農業の振興と発展に寄与する事を目的とした協定を締結させていただきました。まずは、その背景についてご説明致します。

弊社は昨年策定しました中期経営計画において、10年後のカゴメのあるべき姿を「食を通じて社会問題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」といたしました。

現在、特に地方においては、農地の荒廃や担い手不足による農業生産基盤の脆弱化が社会問題となっており、「地方創生」、「農業振興」が大きな課題というふうに思っております。

この課題に対しましては、国、地方自治体、農業生産者、私どものような民間企業、これらがより積極的に連携することによって、解決の糸口を図れると思っておりますし、また、農業は今後の日本の大きな成長産業としての魅力が十分にあると認識しております。そこには、逆に言いますと大きなビジネスチャンスがあるということであります。

山梨県はぶどう、桃、すももの生産額は日本で一番でありますし、日照量も日本でナンバーワンということであります。また、大消費地である首都圏にも隣接しており、水も綺麗ということで、非常に野菜の生産には最適な環境であり、これからの農業発展が大いに期待できる県だと認識しております。

弊社は生鮮トマトの生産、販売を1998年から開始いたしました。昨年はお陰様で売上高が100億円を突破することが出来ました。山梨県の北杜市においても、明野菜園という契約菜園において、私どもが技術指導をし、全量を買い取って販売をするというモデルを、昨年スタートいたしました。一年が経過し、大変順調な収量で、順調に推移しています。

今回、トマトに次ぐ次の野菜として、ベビーリーフの菜園を私どもにとっては全国で初めて、この山梨県の同じ北杜市に開設することとなりました。ベビーリーフの詳細については、私どもの農事業本部長の藤井の方から、後ほどご説明をさせて頂きます。

また、山梨県特産の日川白鳳という白桃を使った野菜生活を、お土産のご当地限定ギフトとして、この3月から販売を開始することになりました。今後はこの協定を機に、山梨県の優れた農産資源を私どもでも活用させて頂き、また山梨県民の皆様には、私どもの資源やノウハウをフルにご活用いただいて、協働を推進して参りたいと思っております。

今後ともどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

カゴメ株式会社執行役員

農事業本部の藤井でございます。

本日の日経新聞朝刊や、今お手元にございます弊社からのニュースリリースの方にも概要を書かせていただいておりますが、補足する形で改めて今回のベビーリーフの事業概要について、ご説明をさせて頂きます。

菜園の名称は「農業生産法人高根ベビーリーフ菜園株式会社」ということで、私どもと意欲ある農家、担い手の方々、それから地権者の方々という形での共同出資の菜園ということになります。

開設、ほぼ完成する時期は11月頃を見込んでおりまして、初回の出荷開始は12月中旬頃を考えております。敷地の面積は5.2ヘクタールで、その中でハウスが2.5ヘクタール程になります。年間平均として1日辺り300kg程のベビーリーフの供給を始めます。

今回、北杜市高根町を選ばせて頂いた理由ですが、先程寺田からもございましたように、日本で最も日照時間が長いということに加え、今回の場所が標高650m~700mに位置し、夏でも冷涼な気候です。真夏の夜温が20℃未満ということで、夏越しの栽培が出来るというところに、豊富な日照時間もあり、年間の栽培の回転数が非常に高いものが期待できるということで選ばせていただいております。

また近隣に、先程もお話に出ました明野菜園、アグリマインドという契約菜園があり、今後はトマト並びにベビーリーフの一大供給拠点として、供給基地として、北杜市並びに山梨県の方で、ほ場拡大を進めさせていただきたいと考えております。

その中でも今回ベビーリーフに着目した理由ですが、2013年にベビーリーフの大規模な有機栽培を手掛ける、株式会社果実堂という熊本県の会社と商業提携を交わしております。それ以降2014年の3月から、カゴメブランドでのベビーリーフも、既に首都圏で販売を開始しております。

ベビーリーフは親葉に対しての幼葉ですので、幼葉ならではの栄養価値に優れるという特徴と共に、包丁が不要で水洗いするだけで食べられるという簡便性に優れるという辺りで、今後の市場の拡大が見込まれております。今後の市場規模と成長性を私どもの方で調査した結果、カゴメ調べで、昨年のベビーリーフの市場規模は、業務用を含めて約100億円、国内にございます。更には量販店に限定したもので約80億の規模があり、量販店における前年対比の成長率は117%と、非常に高い伸びをしております。

そういった注目をされつつある野菜ではありますが、現在日本人の年間1人当たりの消費量は、まだ18g程度です。これに対して、アメリカでは既に169g、EU諸国では53g程度の消費が既に始まっています。少なくともこの3年~5年の間にEU並の1人当たり50g程度には、消費が拡大出来るのではないかと見込んでおり、2020年頃には国内でも現在の100億から3倍の300億程度になると考えております。

今回開かせて頂く当該地域近隣にまだまだ耕作放棄地が点在しておりますので、有効活用させて頂いてほ場の拡大を図り、関東だけではなく、東海地方への供給拠点としても拡大を進め、3年以内にはベビーリーフだけで7億~8億ぐらい、将来的には農事業本部の現在の売り上げの10%を超える程度の位置づけに育てていきたいと考えております。

以上でございます。

質疑応答

記者

先程知事もWinWinの関係とおっしゃった訳ですが、今回の連携事項5項目ですが、県側としてはカゴメさんにどういったことを提供するのか、カゴメさんは県側に対してどういったことをしていくのかということを具体的に教えて頂きたい。

知事

一般の企業参入と同じですが、まずは先程お話しがあったように、5ヘクタールほどの農地を確保して頂いたことになります。当然それを整備して、ハウスを作ったりその周りの…ということになりますから、いわゆる土地、土台の整備というのは当然のことながら県が協力をさせて頂きます。併せて消費、需要の部分ではお話を頂いたように、特にベビーリーフについては独自のルートをお持ちですから、そういう部分のアドバイスや、更に土地を取得するというお話もこれから具体化をしてくれば、市町村や農業委員会の連携も含めて対応させて頂くことになると思います。

カゴメ株式会社代表取締役社長

私どもの農事業は現在100億を超える規模となりましたが、モデルは「カゴメブランド」というものを生鮮の商品に付けて販売をする。今のトマトがそうですが、全量買い取りをして、私どものブランドで、山梨県の場合は主に首都圏の地域に販売をするということになりますので、志のある農業生産者の方がいらっしゃれば、なかなか販売先を探すというのが、農業というのは入り口と出口の両方が揃わないと産業にはなりませんので、そういう点でのお手伝いは、山梨県の農家の方に対してはもっともっと出来るのではないかと。それもトマトだけでは無く、ベビーリーフ、こういった付加価値の高い野菜、あるいは今後私どもが新しく品種開発していくようなトマトや野菜、こういったものを作っていただく農家の方も増やしていきたいと思います。それからもう一つ、私どものNB(ナショナルブランド)商品で、山梨県の特産品を使った商品を開発して、今回は山梨県限定のお土産セットという形ですが、ゆくゆくは全国で発売をするという、いわゆる地産全消というふうに私どもは呼んでおりますが、そういったことで山梨県の農産物のPRをしていきたい。あるいは、地元のスーパーさん始め小売業さん、あるいは外食とタイアップして、私どもが持っています、食育と言いますか、具体的には塩分を出来るだけ摂らないような、減塩メニューのような提案を、地元の小売業さんと一緒になってやったり、そういう点で、山梨県民の方の健康増進と言いますか、そういったことの一助になればという活動を、より積極的に続けて参りたいと思っております。

記者

カゴメさんがこういった都道府県と連携協定を結ぶのは初めてなんでしょうか。それとも何件かあるのでしょうか。

カゴメ株式会社代表取締役社長

既に、県あるいは特定の、例えば地元愛知県の発祥の地である東海市であるとか、野菜生活という商品を通じて、原料を先程言った地産全消という形であったり。件数で言うと11事例目になります。必ずしも県だけという訳では無くて、市とやっている場合もあります。

記者

都道府県で言えば何県目でしょうか。

カゴメ株式会社執行役員

都道府県で言いますと、9県目です。京都府がありますので9府県目となります。

記者

2点お願いします。今回のベビーリーフに関してですが、ベビーリーフの菜園を北杜市で造るということがあって今回の協定があったのか、それとも協定の中でベビーリーフを作るのか、どっちが先にあるのでしょうか。

知事

私の理解に間違いが無ければ、ベビーリーフの話しで、土地取得の問題、また土地整備の問題含めて、アグリマインドさんが先行して企業的な対応をしていましたから、そういったものが積み重なって、今日の協定が具体化をしたということで、ベビーリーフの方が今日よりも前に決まっていたということです。

記者

今回の協定の中で、ベビーリーフを作ることになった訳ではない?

カゴメ株式会社執行役員

厳密に言いますと、昨年の3月から、明野菜園で新しい生産技術の開発が進んで収穫をしています。それに先立つこと12年ぐらい前から明野町の方に新しいトマト菜園を作りたいということで、色々と取り組んできておりました。今回のベビーリーフですとか、トマトの更なる次の菜園ですとか、色んな農業の関係でという部分もありますし、県産農産物を使わせていただいて、先程の地産全消のような商品開発に取り組んでいるということもあり、県の皆さん方と弊社との関わりと言いますか、絆が随分高まってきたため、一度これを明文化することが出来ればという形で、今回約1年ぐらい前から、協定については動き始めたということです。その前に、トマトですとかベビーリーフの構想、色んなものが動き始めていたということです。

記者

知事に改めてお伺いしたいのですが、今回の協定が地域の振興に与える期待のようなところを一言お願い出来ますでしょうか。

知事

先程もお話ししましたように、企業、特にカゴメさんというナショナルブランド、アジアも含めて非常に安全・安心なトマトだけでは無く、野菜全体のブランド力のある会社と連携が出来たことは、当然これから地域で具体的な雇用というものに繋がっていきますし、またカゴメさんが山梨に農業参入をしたというブランドを、先程もお話ししたように、山梨は農業参入をするには非常に適した地域であるということを、より全国の食品加工をする予定のある企業の皆さん方に、その情報発信をする、そういう情報伝達の力と、地域雇用の増加ということが、まず頭に浮かぶ2つの大きな要素だと思います。

記者

今少しお話にも出たと思いますが、地域の方と協力をしていらっしゃる部分があるということで、今回のベビーリーフの農場の方では地元の方というのは何人ぐらい関わっていらっしゃるのでしょうか。またその内訳も分かればお願いします。

カゴメ株式会社執行役員

菜園の開園自体はこれからですが、第1期の2.5ヘクタールの施設では社員、パート含め10名の雇用を考えております。

記者

施設管理をしていただくような形になるのでしょうか。中で作業をされる方が10名?

カゴメ株式会社執行役員

管理と作業併せて10名です。

記者

今回2.5ヘクタールということですが、これは規模としてベビーリーフの菜園としては大きい規模なのでしょうか。

カゴメ株式会社執行役員

一箇所に集中しての規模としては、日本では比較的大きい規模だと思います。私どもが提携をしています果実堂さんでは、阿蘇の麓に40~50ヘクタール展開されていますが、落ち穂拾い的な形で小さいものを拾い集めてトータルそれぐらいの規模ということですので、一箇所に2.5ヘクタールというのは、中規模から大規模と言って良いと思います。

記者

「全国でも有数」というのは言い過ぎ?

カゴメ株式会社執行役員

どうでしょう。ちょっと微妙というところでしょうか。

記者

今回使われる土地というのは耕作放棄地という認識でよろしいでしょうか?

カゴメ株式会社執行役員

はい。

記者

今後もトマトですとかベビーリーフを拡大していきたいというお話がありましたが、具体的な土地利用や開発計画がどれくらい決まっているのか教えていただけますでしょうか。

カゴメ株式会社執行役員

まだ地権者の方々のご意向の確認などもございますので、まだ明確にはお応えは出来ませんが、トマトの方で現状の明野菜園の2.7ヘクタールの倍以上の規模のものをという構想は動いております。ベビーリーフの方も、今の2.5ヘクタールを近い将来10ヘクタールぐらいまで拡大という構想は進めております。

記者

北杜の中で?

カゴメ株式会社執行役員

そうです。

記者

社長が先程お答えになられた、いわゆる協力の仕方ですが、雇用創出と担い手の育成という部分でのお答えだったかと思いますが、カゴメブランドを付けて販売していくということで、トマトをお作りになる農家さんやその農業環境のようなものを、より後押しするという理解で良いのでしょうか。

カゴメ株式会社代表取締役社長

今の農家の方というよりは、耕作放棄地があって、そこに農業参入をされる方ということで、これは必ずしも農家の方とは限らない訳で、いわゆる農業生産法人という形です。その人達の出口と言いますか、販売を一手に私たちが引き受ける。あるいは、技術指導の方を大型ガラス温室でさせていただくというノウハウは持っております。
それと先程の雇用(ベビーリーフ菜園の管理、作業)の件ですが、(将来的には)25名ということになります。

記者

ベビーリーフというのはそもそもハウスで栽培するものなのでしょか?

カゴメ株式会社執行役員

そうです。トマトの大型菜園というのは、1ヘクタール辺り4億近い設備投資が必要になりますが、ベビーリーフは非常に簡易な自動化と、手作業で済むところは手作業でという形になりますので、1ヘクタール辺りで8000万程度と、トマトと比べると4分の1から5分の1という投資で済みます。

記者

最後にもう一回で恐縮ですが、今回の協定の意義、期待についてそれぞれお願いします。

知事

先程もお話ししたように、カゴメさんが山梨に自社ブランドとしては初めて、ベビーリーフという新しい野菜ですが、現行100億の市場を300億にするという形で、やはりカゴメさんが参入した北杜、山梨でという情報伝達の力と、そして先程から寺田社長も何度かお話しいただいているように、カゴメさんが雇用する地元の就業だけでは無く、関係する新たな農家の方を含めて、その販路、消費拡大というものに、やはりニーズが無ければ物は売れませんので、そのマーケティングの力を山梨県全体にお貸し頂けるということは、本当に心強いと思いますし、山梨の農業の成長産業化の一つ大きなベースになってくると思っていますので、これからも強い絆で結ばれますように、心からお願いを申し上げたいと思います。

カゴメ株式会社代表取締役社長

先程中期のあるべき姿で申し上げましたとおり、これから日本の大きな社会問題であり、成長産業の一つに農業というものを非常に着目しております。私ども創業者が農家の出身だったということから、農事業本部というユニークな組織を設けて、実際に農家の皆さんと一緒になって、産業の成長化に今後も努力していきたい。そのためには私どもだけでは不可能ですので、強いバックアップを頂いている自治体と一緒に手を携えて、長い時間を掛けて、農業を活性化して参りたいと思っております。

 

(以上)

 

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