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ページID:71022更新日:2016年2月12日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質疑応答
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知事
平成28年2月定例県議会提出予定案件につきまして、発表いたします。
2月定例県議会は、2月17日に招集することといたしまして、本日、招集告示を行ったところであります。
提出案件は、平成28年度当初分、平成27年度2月補正分を合わせて条例案34件、予算案24件、その他の議決案件8件、報告事項11件の予定であります。
次に、条例案につきましてご説明いたします。
本県出身の大村智氏のノーベル生理学・医学賞受賞を契機として、青少年をはじめ県民の科学、芸術等に対する理解と関心を一層深め、その豊かな感性を養い、創造性を培うことにより、もって次代を担う人材の育成を図るための基金を設置する「山梨県大村智人材育成基金条例制定の件」や小規模企業をはじめとする中小企業の振興に関する基本理念等を定め、これらに基づく施策を総合的かつ計画的に推進する「山梨県中小企業・小規模企業振興条例制定の件」などを提出することといたしました。
次に、平成28年度当初予算につきましてご説明いたします。
一般会計の予算の規模は、4,662億7,870万8千円であり、本年度の6月現計予算と比較しますと0.8パーセントの増であります。
次に、本県の財政状況であります。
明年度の本県財政は、歳入面では、個人所得の増加により、個人県民税が増加するものの、地方法人特別譲与税を加えた実質的な法人二税が減少することなどにより、実質県税総額は本年度の6月現計予算とほぼ同程度の1,051億円となる見込みであります。
また、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税は、本年度の実質県税総額の収入見込みが大幅に伸びることによる基準財政収入額の増加などにより、本年度の6月現計予算と比べ113億円、7.1パーセント減少して1,472億円となる見込みであります。
このため、一般財源の総額としては、本年度と比べ69億円、2.3パーセントの減少となっております。
一方、歳出面では、介護保険・高齢者医療費などの社会保障関係費や公債費などの義務的経費の増加が避けられない状況にあります。
更に、明年度は、県立学校の改築整備など、先送りすることのできない大規模事業も実施しなければならないことから、所要の財源を確保する必要があります。
こうしたことから、明年度も引き続き厳しい財政運営を強いられ、財源対策として160億円の基金の取り崩しを行うことにより当初予算を編成したところであります。
次に、予算編成の基本的な考え方であります。
明年度は、「ダイナミックやまなし総合計画」や「まち・ひと・しごと創生総合戦略」をはじめ、国際総合戦略、エネルギービジョン、農業大綱など様々な計画を本格的に実行に移していく初年度であります。
このため、平成28年度の当初予算編成に当たっては、徹底した歳出の見直しによる財政の健全化を図り、将来にわたり安定した財政運営を推進するため、行財政改革を着実に実施し、財源の重点的、効率的配分を行った上で、すべての県民が明るく希望に満ち安心して暮らせる「輝きあんしんプラチナ社会」の実現に向けた施策については、厳しい財政状況にあっても積極的に計上いたしました。
特に、人口減少に歯止めをかけ、人口ビジョンにおける目指すべき将来展望を実現するための施策については、積極的に推進して参ります。
このため、国の地方創生加速化交付金を最大限活用することとし、8.9億円を2月補正予算に計上した上で当初予算と合わせて一体的に展開して参ります。
また、国の補正予算に伴う公共事業については、防災・減災対策をはじめ、住民生活を守るインフラ整備について96億円を確保いたしました。
また、当初予算の公共事業については、本年度6月現計比で0.8パーセント増となる519億円を、また、県単独公共事業については、本年度6月現計とほぼ同額となる108億円を計上することといたしました。
その結果、平成28年度当初予算と平成27年度2月補正予算を合わせた明年度の実質的な公共事業、県単独公共事業の予算計上額は、本年度の実質的な予算計上額と比較して76億円の増となる709億円を確保いたしました。
なお、明年度の公共事業、県単独公共事業については、限られた財源の中で、選択と集中により、東京オリンピック・パラリンピックの開催やリニア中央新幹線開通を見据えた基盤整備、地方創生・地域活性化に資する基盤整備、災害に強く安全安心な県土・地域づくりに対して重点投資枠を設定し、財源を重点配分いたしました。
次に、平成27年度2月補正予算を含む主な施策についてご説明いたします。
まず、人材の育成については、「大村智人材育成基金」を創設し、高校生等の海外留学や、若手研究者が行う研究を支援して参ります。
また、「ものづくり人材就業支援基金」を創設し、大学生等の県内企業への就職を促進して参ります。
更に、産業界のニーズ等を踏まえ、早期の人材育成を図るため、工業系高校への専攻科設置を推進して参ります。
次に、産業の振興については、本社機能移転等を行う企業に対する全国トップクラスの県税の優遇制度の創設、やまなしパワーによる安価な電力供給、産業集積促進助成金の拡充等による企業誘致を進めて参ります。
また、起業、創業を促進するため、支援策の情報提供から事業の遂行段階まで総合的に支援して参ります。
次に、中小企業・小規模企業振興条例の制定による中小企業等の振興については、やまなし産業支援機構に新たに山梨県中小企業・小規模企業振興基金を設置し、新商品や市場開拓を支援して参ります。
また、国内最大級の公的研究機関である国立研究開発法人産業技術総合研究所がもつ技術シーズを活用して、県内企業が行う先端技術の研究開発、製品化を支援して参ります。
更に、商工業振興資金の制度融資において、事業承継支援融資や小規模企業強化融資の新メニューを創設して参ります。
次に、観光振興については、観光産業活性化計画に基づき、観光産業の稼ぐ力と働く魅力を高めることを基本方針とし、周遊観光とインバウンド観光を推進して参ります。
次に、新・やまなし農業大綱の推進については、新規就農者を確保するため、親元就農した農家子弟に対する支援制度を新設いたしました。
また、県産ワインの高品質化、消費拡大のほか、原料ぶどうの安定供給や生産農家の経営安定までを視野に入れて策定いたします新たなワイン産地確立推進計画を推進して参ります。
次に、ひとり親家庭・生活困窮世帯への支援については、ひとり親家庭に対し、従来の給付や貸付に加え、就職に有利な資格取得から就業までをきめ細かく支援して参ります。
また、生活困窮世帯に対し、新たに子どもの学習支援や、家計相談支援を実施して参ります。
次に、結婚・出産・子育てへの支援については、県レベルで全国初となる第2子以降の3歳未満児の保育料を無料化いたします。
また、県民、企業、団体等のネットワークで若者の結婚を応援するとともに、産前産後ケアセンターの運営等により、結婚・出産・子育ての切れ目ない支援を行って参ります。
次に、学力向上への取り組みについては、全国学力・学習調査結果を踏まえ、本県独自で実施している学力調査を早期に分析し、授業にフィードバックするとともに、家庭学習用のリーフレットを全ての保護者に配布するなど、学校、家庭、地域が連携した取り組みを強力に推進して参ります。
次に、総合球技場の整備については、県民のスポーツ振興と交流人口の拡大による地域振興を図るため、総合球技場を整備するための基本構想を策定して参ります。
次に、自殺予防に向けた取り組みについては、県議会で制定予定の「自殺対策に関する条例」に合わせた普及啓発や、条例案の考え方に沿って、国、市町村、県民などと連携し、関係団体の活動支援や、人材の確保などの体制整備等を行い、自殺対策を強力に推進して参ります。
次に、疾病対策の推進については、胃がんの罹患者の減少を図るため、県レベルでは全国初となるピロリ菌感染者の除菌治療費助成を実施して参ります。
また、肝炎対策については、肝がんによる死亡率が東日本第2位であることから引き続き強力に実施して参ります。
また、生活習慣病対策として、新たに糖尿病の重症化を予防する医科歯科連携を推進して参ります。
次に、医療提供体制の充実については、医師の地域偏在解消に向け、山梨大学からの医師派遣を促進する事業を新たに実施して参ります。
また、看護職員修学資金の貸付枠を拡充し、県内への就業を促進して参ります。
更に、分娩取扱医療機関のない地域における「分娩再開」や「セミ・オープンシステムの導入」を支援して参ります。加えて、こころの発達総合支援センターの機能強化等を図るとともに、発達障害等の子どもに対する治療・支援を
行う施設を新たに併設し、全国に先んじた高度な医療センターを整備するための基本構想を策定して参ります。
最後に、平成27年度2月補正予算の主な内容についてご説明いたします。
実質県税等の大幅な増収と事業費の確定等を踏まえ、財源対策で予定していた88億円の基金の取り崩しを全額回避するとともに、今後見込まれる新たな大規模プロジェクトの実施に備え、64億円を公共施設整備等事業基金に積み立てることとしております。
以上が、主な提出予定案件でございます。
なお、詳細につきましては、後ほど財政課長から説明いたします。
記者
今回の予算の目玉、最大の特色を総括でお話ししていただきたいことと、いろいろな施策が網羅的に並んでいますが、その中での優先度の高いもの、重点施策をお聞かせください。
知事
今回一番留意した点は、昨年総合計画、総合戦略などのいろいろな計画を策定しました。その中で課題として大きく挙がった、子育て環境の整備、医療体制の整備などが、部局間、産業間連携ができていませんでした。
子育てについて、どの様な事業がどういう形で県民生活を応援するのか。産業振興についても創業・起業の点、企業誘致では全国トップクラスの県税の優遇制度などを連携強化することが見えにくかった部分がありました。
一つのテーマに、いろいろな事業が組み合わさり支え合っています。県民の皆さん方にできるだけわかりやすい予算、事業にまとめ、それを通じてそれぞれ分野が違う産業、地域をどう支えていくか、まとまった形で総合計画、総合戦略の一番大きな目的である、県民の皆さん方が夢と希望をもてる、「輝きあんしんプラチナ社会」の実現に資することであります。
県民の皆さん、産業界の皆さんを応援するために、約50の事業を横串でさして対応していますので、ご理解いただきたいと思います。それぞれの部局が抱える業界の皆さんに積極的に情報発信しながら、暮らしが向上することに心を砕いて今回の予算編成をさせていただきました。
記者
優先度の高い重要施策についていくつか挙げていただけますか。
知事
全国トップレベルでいえば、子育て環境の充実の大きな目玉である第2子以降の3才未満児の保育料無料化、医療体制に地域偏在があり産婦人科を中心とした子育て環境が充実していない地域があることについては、「セミ・オープンシステムの導入」も含めた環境整備、産前産後ケアセンターの充実強化、産業面では全国トップクラスの県税の優遇制度、従来の産業政策を支援する仕組みを山梨パワーで大きく後押しをすることであります。
総合計画では6つのプロジェクトで対応しています。プロジェクトごとに、子育て支援、医療体制の整備、学習支援を部局間の連携をしながら対応しているということであります。
記者
知事にとって、初めての本格的な予算ですが、キャッチフレーズをつけるとしたら、何とつけますか。
知事
明るく元気な山梨をつくる実行予算です。
記者
社会保障関係費が増え、今後も増加が見込まれます。厳しい財政状況の中で、今後どのように税収確保、税収増するお考えですか。
知事
国でも、地方交付税の在り方が議論されていると承知しております。山梨県に存在するそれぞれの企業の皆さん方が、より元気に販路拡大、需要拡大して売り上げを伸ばし、それを通じ雇用を増やす、その後押しをするのが産業政策だと思っています。
それに、外から来ていただく企業の誘致、これを2本の柱として、稼ぐ力、経済の力を前に進め、税収を増やしていく。所得の部分は、若いお父さん、お母さんの働く環境の整備、経済を後押しすることです。
昨年の総合計画、総合戦略をまとめるにあたって、県民、県外の方からも行政として重点を置くべきとのご提言をいただいています。やまなし未来会議などの有識者の皆さま方からも、経済活動基盤強化、暮らしの向上、子育て環境が重要だと聞いています。
県全体で予算編成をした結果をご報告させていただいているとご理解いただければと思います。
記者
社会保障費の高止まりが予想されています。今回、基金の160億円を取り崩すことについてはいかがお考えですか。
知事
当初の部分では、財源を歳入に入れています。今年予定していた基金88億円は、使わずにすみました。議会のいろいろなご議論があり、承認後は来年度から執行になりますから、効率的、効果的な予算執行をそれぞれの事業でやることです。
生活習慣病が山梨県では昔から課題であり、今回初めて、医科の先生、歯科の先生の連携事業を議会承認後スタートしたい。それぞれの専門性を繋げることによって、重症化をしない、将来的に医療費が軽減される。ピロリ菌の医療費の助成についても、重症にならない対策をどう講じていくか、という点で予算編成しています。
そういう趣旨も考えながら、社会保障費ができるだけ抑制できるようしています。2年前の数字ですが、昨年健康寿命が、男女で日本一です。健康で長生きしていただく社会全体の構造をつくりながら、シニアの就業促進も事業に入れてあります。情報発信が、この一年間で一番大切な課題ですので、ご理解をいただけたらと思います。
記者
今回、厳しい財政状況の中で公共事業費にメリハリをつけてきています。昨年、知事にとって初めての政策予算の6月の時にも、公共事業費に対する意気込みがありました。
今回の予算編成にあたっての公共事業費について、知事のお考えをお聞かせください。
知事
3つの視点で、重点枠を使っています。2020年東京オリンピック・パラリンピックまでの基盤整備。2027年のリニア開業。その2つの大きな課題の土台づ
くり。
併せて地方創生、地域活性化という山梨県全体の大きな課題でありますのでそれに資する部分。県土強靱化にどう資するかということで、50億円で重点枠とし整理しました。
伸びているのは、2月補正の部分の96億円です。当初予算ベースでは、大きな変更はありません。どう対応するのか、経済活動、暮らしの応援、基盤をつくることにもプラスになっていくような部分で3つの視点で対応させていただきました。
記者
一般的に考えると厳しい財政状況の中での公共事業はなかなか苦しいというところもあると思います。公共事業を削っていくことで全体的な財政の支出を抑えていくという考え方もあると思いますが、やはり東京オリンピックですとかリニアですとかに向けて、この辺りからスピードアップしていかないと間に合わないという意識があるからなのでしょうか。
知事
公共事業というのは、見方は人それぞれ違った部分があるかもしれませんが、やはり市町村からの御要望、特に市長会、町村会の皆様方とも色々なお話しをさせていただいたり、また、昨年の秋には要望事項もいただいております。
そういう意見交換をする中でも、これからの自らの地域、観光産業の育成のあり方、また、農業でも流通をどうするかということで販路が当然拡大するわけです。また中部横断自動車道も2年後の開通を目指して、中部横断道沿線地域活性化ビジョンを明日からパブリックコメントにかけさせていただきますが、社会基盤の整備がなければそれが進んでいかない。それがある一定の年限の中で対応していくことが、むしろそれぞれの地域の魅力を引き出すことになるし、これからの交流人口を増やすことにもなるし、交流人口はニアイコールで観光という部分にもなるかもしれませんが、観光活性化計画についても年度内にはまとめることになっていますから、そこでも新たに、観光産業とはなんぞやという定義をしますけれども、4千人ほど雇用も増えていくであろうと。ただし、その時には地域間の連携やネットワークをきちっと整備をすること、また、過度な渋滞をする地域をできるだけ早く解消する、等々。そういうものも含める中では確かに公共事業という部分になるかもしれませんが、それはやはり社会インフラを作っていくベースだとも捉えなければなりません。
例えば富士山噴火の対応をどうするか、地震があったときにどのように避難するのか、豪雪があったときにどの様な形で物流や人的な部分を維持していくのか。様々な課題がありますから、それらにおいて、私どもだけではなく多様な皆様方が御努力をした結果で2月補正があのような結果になっておりますので、それを十分活用させていただきながら、28年度当初予算と一体として執行していくことになりますから、効率的な事業執行を当然最大限心掛け、また留意しながら対応していきたいと考えています。
記者
今年は計画から実行の年ということだったと思うのですが、主要公約だったリニア環境未来都市、専攻課、高度医療、それに総合球技場もですが、また今年も計画の年ということになると思うのですが、それについてはどうお考えでしょうか。
知事
地域が非常に重なったり、多様な方々が関係者として存在する折りには、検討するときに一定の時間がかかるということはこの1年間非常に感じた部分であります。
その中で、リニアの開通についても、総合球技場についても、いつまでにという目標感を当然持ちながら対応していますので、引き続き計画にあたって、具体化をするときの苦労はありますけれども、やはり丁寧な議論というものも大切でありますので、そのバランスをとりながら対応し、できるだけ早く色々なものがお示しできるようにしたいと考えています。
ただし、ぜひご理解をいただきたいのですが、全て今回の予算は県だけの事業ではありませんから、市町村と連携する事業、修学支援金等を活用していただく県民の皆様、経済活動の中で創業や起業や、また事業拡大をするときの後押しという面で経済界の皆様、その多様な部分を後押しするのがやはり行政の大きな役割ですから、その皆様方と産業間、地域間で連携をすること、ネットワークすることが、中部横断道沿線地域活性化ビジョンも全ての沿線の市町村長や、また都市計画の有識者の皆様方、産業界の皆様方も入って、大筋を素案としてまとめさせていただきました。
1つの市町村だけではできないものを広域として、山梨県全体としてどのような事業を県民の皆様方と実施していくのかということですから、前の知事からも贈られた言葉で、熟慮をしながらも断行する。この兼ね合いというものを常に考えながら対応していきたいと考えています。
記者
保育料の無料化なのですが、県民から期待する声が出ている一方で、市町村からは4月1日に間に合わないのではないかという声も出ていますが、県、知事としてどのように指導力を発揮していこうとお考えでしょうか。
知事
特に若いお父さんお母さんからは非常に高い期待があります。特に、今お子様を保育所に預けず御自身で家庭の中で対応している若いお母さんからは、保育所に預けながら仕事ができるということや、保育園の先生方からも非常に良い形だと御評価をいただいています。
当然市町村と連携する事業ですから、私が公表した時点が早かったか遅かったかといえば、事務的にはやはり大変な部分があると思います。ただし、それが子どもを持つお父さんお母さん、そしてこれから子どもを産もうとする若い夫婦にとってポジティブに、それをきっかけにより子どもを産み育てやすい環境を作ろうという点では、私自身だけではなく市町村長の皆様方や、多くの県民の皆様方にイエスと言っていただけると感じています。
ですから丁寧にやりながらも、どのように年度をまたがないようにするかというのは、私どもも専門性のある部課がありますから、必要に応じてきちっと相談をしながら、遅れがないように対応していきたいと考えています。
記者
今回の予算で、積極型とか緊縮型とかいう、いわゆる2つのセット分けがあるんですけれど、知事の認識としては、どちらに当たると考えますでしょうか。
知事
どちらか選べというと、なかなか難しいかもしれませんが、実行型というふうに捉えていただきたいと考えています。
記者
実行型というところで予算のメニューを見ると、15年度にいろいろ芽出しをしてきて、計画を作ってきたものの具体化というところにあるのかなと思うんですが、2年目に向けてそういう部分の抱負、何か実行に向けた抱負があればお願いします。
知事
いろんな意味で私自身苦慮をし、そして関係部局長またそれぞれ検討委員会や様々な県民の皆さま方からもご意見を賜った総合計画、総合戦略、いろんな部門計画も含めて、それをまず実行していくことが山梨県全体のこれからの発展につながるし、また県民生活の向上に資するという点については、これからもそのようにしていきたいと考えています。その上で、やはり皆さん方から見てですね、至らざる部分が私自身あるかも知れません。
今回新しい施策というものをかなり盛り込んだつもりであります。県がどういうふうにしていくのかというよりも、山梨県全体でより良い地域づくりや、より良い暮らしづくりというものを求めるというのは、どの県民の皆さま方も同じ共通の目標だと私は思っています。
ですから、そこに応えるベースを今回の補正予算また28年度の当初予算で作ったということで、これを是非県民の皆さん方に活用していただく、そして知っていただく、そういう部分を通じて施策が前に向いて前進をしていくというふうに考えていますので、今日TPP対策本部でお話をさせていただきましたけれど、やはり今回は今の予算を前提にしたもののメニュー化をして、まず動き始める土台を作ったつもりです。まだまだこれからのいろんな経済環境、また社会環境の変化の中で、追加をして対応しなければいけない事業や対策も当然出てくると思います。
それと同じように、予算というものも当然、経済活動も暮らしも、日々変化をしながら対応しているわけですから、また新たな施策・事業というものが必要になれば、それは臨機応変に対応していかなければいけない課題だと思っていますけれど、まず今回、現状において補整予算と28年度当初予算というものは、計画を昨年までに作ったものをですね、前に向いて進めてそれを通じて県民生活の経済活動や県民の暮らしがより前に向いていけるというふうに自信を持ちながらまとめさせていただいたものなので、是非新しい事業もたくさんありますんで、少し時間がかかるかも知れませんが、財政課長と担当課長からも、詳細についてはこういう部分に工夫をしたという点については、それぞれ担当課長の責任においてもまとめさせた部分もありますんで、是非いろんな情報を確認をしながら、お互い私も切磋琢磨をいろんな方々としながら、また今山梨が置かれている現状を考えれば、税の優遇措置もしかりですし、保育料の3歳未満児の無料化もそうですけれども、当然財源という大前提を確保しなければ進まないということについては、行政の一番重い役割だと思っていますから、それをいろんな産業分野や地域性、そして山梨の持つ魅力というものを人材も含めて、より良くするということについては、それぞれの部局長も含めて全ての皆さん方がご理解いただいた上で、今回の予算編成に至ったことであります。
記者
基金の積み増しで、大型プロジェクトへの備えという部分があるのですが、この大型プロジェクトというのはどの辺りを想定されていますか。
知事
大型というのはいろいろな定義がありますけれども、例えば高等学校の色々な再編の部分も、例えば大規模改築の部分も、その財源を一定程度確保しながら、1年間に前年度よりもどかんと増えるということは、税が増えれば交付税が減る、歳入の全体とすればなかなかその背丈が変わらないというのが今の山梨県のおかれた前提であります。
それにも留意をしながら、ただし計画的に、大規模改築や、新しい施設等を作る際に必要な部分に備えるということは基金として大切な視点だと思いますから、そういうものに充当していきたいと考えています。
記者
そういった中で基金自体の160億円の取り崩しというお話しもあったわけですが、ここ3年間くらいは最終取り崩しが0という状態が続いているわけですけれども、全体的にみたところ経済が非常に好調だったというところもあるので、来年度以降もこのような形が続くのかどうかは難しいという感覚も持ちます。今ちょうど経済が不透明な情勢になってきているということもあるのですが、そこでの基金の取り崩しを避け、積み増しを増やしていくかというところについてお聞かせください。
知事
これは大変難しい部分だと思います。今年度の部分では、取り崩しをせずに88億円の財源対策に対応したということですから、できるだけ山梨県経済全体が、個人も、企業も良くなってくれることが、私が一番望むことであります。
ただし、今の国際情勢等々、原油価格の問題も含めて、色々な所得移転が国から国へ、また企業から個人へ、個人から企業へと、色々な物事が絡んだものが経済活動ということに集約されると考えておりますので、申し訳ありませんが見通すことは難しいですけれども、やはり不要不急な部分は抑制しながら、事業執行の上では効率的な事業執行に努めるということをまず徹底して対応していきたいと考えています。
記者
昨年、富士スバルラインと雁坂トンネルについて無料化を実施されたわけですけれど、観光面については車両が増加して一定の効果があったかと思いますが、環境面で懸念する声もありました。こうしたことを踏まえて来年度の方向性について今のお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
知事
プラスマイナス、事業を執行する際にはあると思います。減収をした事業についてどのように予算を補填するかという課題も当然あります。そういう部分については今、関係する皆さん方と合意形成を取っている最中なので、もうしばらく最終的な結論についてはお時間をいただきたいと考えています。
記者
昨日、山中湖村で米軍ヘリの部品とみられるものが落ちたとの話がありましたが、それに関する知事の現時点でのお考えと今後の対応をお願いします。
知事
報告は現在分かる範囲で受けています。実際、詳細がどういうふうなものなのかということを、今朝、担当部局に指示をして、窓口は南関東防衛局になりますけれど、そこに詳細を確認中であります。結果が出た時点で、北富士演習場対策協議会等とも連携をしながら再発防止や丁寧な説明ということは勿論でありますから、そういう部分を今日あわせてご要請をさせていただいております。まだ詳細について聞いておりませんので、まず国においても丁寧な説明と再発防止について徹底してほしいという要請は今朝させていただいております。
記者
空中から落ちてきたという部分に関して、山中湖の村長も遺憾だとおっしゃっている部分もあるのですが、事案自体に対するお考えはいかがでしょうか。
知事
遺憾というよりも、普通だったらあり得ないことです。ですから何で起こったかという原因については、きっちりと丁寧に説明していただいた上で、再発防止をどうするかということを要請して、国とも連携し、また演対協の皆さん方とも連携をしながら、二度とそういうことが起こらないよう対応していきたいと考えています。
記者
そもそも昨日、米軍ヘリが飛んでいることが、演習通報上は連絡がなかったという話もあるわけですけれども、北富士の協定のことはよく分からない立場ではあるんですけれど、そのこと自体の是非に関してはいかがでしょうか。
知事
昨日がその日ではなかったということは私も報告を受けていますが、なぜそういうふうな事案が起こったのかということは今、丁寧なご説明をいただくことをご要請しているところでありますから、それも含めてどういった事案であったかということについて確認し、そして再発防止というものを徹底していただくという二頭立てで対応していきたいと考えています。
<以上>