ページID:66946更新日:2015年6月18日

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知事臨時記者会見(平成27年6月8日月曜日)

本館2階特別会議室

9時00分から

発表事項

  • 大月バイオマス発電事業について
    • 大月市、株式会社大林組との共同会見

配付資料

 

大月バイオマス発電事業について

知事

皆様、おはようございます。平素から県政面について今日お集まりの皆様をはじめ、ご協力いただいておりますことを御礼申し上げたいと思います。

今日は大月バイオマス発電事業の共同会見で大月市長、そして大林組の皆さんと三者でこの会見を持たせていただいております。

大月バイオマス発電事業は、14,000キロワットという形で、関東地域ではたぶんこの一、二年では最大の出力を持ち、なおかつ、安定的に原料となる木質バイオマスを集めながら、事業執行が明確になりました。

4月にもご案内したように、ようやく目途が付き、今年の夏から建築等の部分をスタートする準備が整い、今最終的に林野庁と調整中だと聞いています。わが県におきましても分散型・自立型のエネルギー、特に再生可能エネルギー、クリーンエネルギーの推進に努めているところでございます。

今まで10,000キロワットというものは、非常に大きな壁でありましたが、色々な工夫を凝らし、事業主体である大林組から積極的な提案を大月市にお寄せいただき、県でも環境アセスも含めて色々な調整をし、助言、アドバイス等も技術的に行い、今日に至った訳でございます。

いずれにしましても、材という利活用の部分以外に、原料、特にバイオマス再生エネルギーの原料として対応できることは、画期的なことであり、固定価格買取制度の中で大型の10,000キロワットを超えるというのは、今回初めての技術で、県としても地域の雇用、分散型再生可能エネルギー、クリーンエネルギーとして、是非、成功していただけるように期待をしながら、冒頭の皆様方へのご報告とさせていただきます。

大月市長

改めましておはようございます。

本日、大月バイオマス発電株式会社より、本市笹子町地内におけます大月バイオマス発電事業の事業開始の報告がなされるところであります。

この大月バイオマス発電の誘致につきましては、5年前から当市での事業が計画されておりまして、地域住民への説明、そして地権者のご理解を得た中で、ようやく事業化に漕ぎつけられたという運びとなりました。

本市は、面積の87パーセントを占める山林を有するにも係らず、林業或いは木材産業の衰退が著しい状況であります。直面いたします人口減少問題、これに対応するためにも、多方面から様々な経済活性化対策が大変必要な状況であるということでありまして、この発電の事業化につきましては、大きな期待をしております。

また、この発電事業によりまして、地元に働く場というものも創出されるということでありまして、流入人口の増加ということにもこの産業を通じ、大いに期待もしているところであります。

本市におきましては、環境対策の重要な施策であります地球温暖化の防止に対しまして、森林の整備や下水道の整備を中心といたしまして、環境の保全と創造に向けまして、特に「低炭素社会づくり」というものに意を注いでこれまで取り組んで参りました。今後、国の環境省等と協議を進めております「森・里・川・海流域連環による自然環境を活用した環境圈」の仕組み作りにも繋がっていくのではないかと考えています。

この発電事業は、環境にやさしい再生可能エネルギー施設でありまして、特に山梨県はこのエネルギーの地産地消ということも言われておりまして、そのことにも繋がっていくのではないかと考えております。この環境にやさしい再生可能エネルギー、この施設でありますが、燃料には間伐材の端材や未利用材など木質バイオマスを使用するものでありまして、地域の森林資源が、発電用燃料として利用されることにより、衰退しております林業の再活性化というものに大いに貢献されると思います。

結びとなりますが、この事業によりまして、地域に新たな木材供給事業が生まれ、地域経済の活性化に繋がっていくことを大いに期待をさせていただきます。

大林組常務執行役員

おはようございます。事業者を代表しまして一言ご挨拶を申し上げます。

大林組並びに大林組グループにおきましては、平成23年7月のFIT法の施行に伴いまして、ゼネコンとして初めて、本格的な再生可能エネルギー事業に参入しております。既に125メガワットの太陽光発電事業の事業化を決定しているところでございます。

太陽光に次ぎ、風力或いは本日の木質バイオマス発電事業など、再生可能エネルギー事業を推進しているところでございますが、木質バイオマス発電におきましては、5年後の2020年度までに50メガワットの発電規模とする目標を掲げているところでございます。

このたび、第1号といたしまして、山梨県大月市におきまして、木質バイオマス発電事業への参入を決定いたしました。山梨県様及び大月市様をはじめとした周辺の自治体の皆様と協力しながら、本事業を進めて参る所存でございます。

それでは、本事業の概要を担当者よりご説明いたします。

大林組副部長

それでは、本事業の概要につきまして、簡単にご説明させていただきます。

本事業は、平成22年度より大月市の環境企業誘致の一環として企画されました。

事業会社として、特別目的会社である「大月バイオマス発電株式会社」が設立されました。

これまでに、発電所候補地の選定、周辺住民へのご説明を進めると同時に、山梨県条例に基づく環境影響評価手続きを行ってきました。

本年4月、大林組グループは事業化の目途がたったと判断し、大月バイオマス発電株式会社の全株式を取得いたしました。ここに正式に本事業を承継し、事業者となりました。

本事業は、山梨県内では初のFIT制度に基づく大型のバイオマス発電所でございます。発電規模は、定格で14メガワット、また、事業の投資額は約100億円、年間売上高は約20億円を見込んでおります。

本バイオマス発電事業では、剪定枝や未利用木材等、地元の材を優先的に使用することは勿論、発電事業や関連事業に必要な人材を可能な限り地元で採用する予定でございます。

今後は、山梨県及び大月市をはじめとする周辺自治体と協力しながら、地域の発展に貢献できるよう努力していきます。

なお、発電施設は本年8月、建設工事に着工し、約2年後の2017年度中に商業運転を開始する予定となっております。

以上、ご説明いたしました。

<質疑応答>

記者

今いただいたお話で、いくつか教えていただきたいと思います。まず1点目ですが、市長は、雇用の効果が認められるとおっしゃいましたが、どれくらいとみているのでしょうか。

大月市長

会社からの説明によりますと、20名内外ということでございます。

記者

大林組さんからの説明で、最初の投資規模で100億ということでありましたが、比率としては、どういった負担で出しておられるのでしょうか。市としては、いくらというものがあればお教え願いたい。

大月市長

全てこの株式会社が負担をするということであります。

記者

市の負担としては、どういったものになるのですか。

大月市長

市の負担はございません。

記者

14,000キロワットという規模ですが、全国的に見てどのような規模感なのか、わかるような他の発電所との対比のようなものがあれば、教えていただきたい。

大林組副部長

現在稼働中のもの或いは計画中のもの等々ございまして、非常に複雑になっておりますが、このような純木質専焼のバイオマスで稼働しているものについて統計を取りますと、1発電所当たり約6メガワットというのが平均になります。そういった意味では、木質専焼バイオマスの中では、平均の約2倍の規模と考えていただければと思います。

記者

既存の木質バイオマス発電所でこれより大きいものはあるのでしょうか。

大林組副部長

ございます。木質バイオマスで、先ほど申し上げましたように専焼という意味では、約20メガワットクラスのものがございます。専焼という括りを外して、例えば石炭を混焼とかですと、30メガワットを超えている発電所もございます。

記者

最後に、大月バイオマス発電の全株式を取得ということでしたが、元々の株主とはどういう所になるのでしょうか。

大林組副部長

配布資料に記載がございますが、元々の出資者は新エネルギー開発という会社がメインでございました。この会社は、バイオマス発電の計画の企画を行うコンサル会社と考えていただければ結構でございます。

記者

今日は共同記者会見ということで、県はどのような形でこれに関連してきたのでしょうか。

知事

先ほどもお話をしたように、環境アセスというものが1つの手続きの中に入りますから、そこに対して意見交換や協議し、その中で技術的な助言・指導等を行いました。あくまでも、先ほど市長がお話になったとおり、今回の事業は民間事業者が主体であり、それを取り巻く制度等については、当然行政が国も含めて司っていますから、その点についての助言・アドバイスということです。

記者

知事に伺いたいのですが、エネルギーの地産地消という文脈の中で今回、太陽光に偏っている部分があると思うのですが、今回の大規模なバイオマス発電所の位置付けを県としてどのように捉えているのか、伺えますでしょうか。

知事

先ほどもお話ししたように、地産地消、自立型・分散型というのは、私のいちばん大きな目標でもあります。県内にとってもまず東部にバイオマスの10,000キロワットを超える全国でもたぶん5本の指に入るくらいだと思っていますが、これが出来上がることは、地産地消を、ソーラーに偏った部分を改善しながら、原料の多様化が図られる大きな第1歩となるというように認識しています。

記者

原料となる燃やすチップですが、どれほど県内で賄って、どれほど県外から持ち込むのかという点をお伺いします。

大林組副部長

燃料につきましては、配布資料の最終ページ写真入りのものをご覧ください。種類に関しましては、未利用材、剪定枝、その他バーク等に分かれております。それぞれ、山梨県或いは他県のものが混合した形となっておりますけれども、未利用材につきましては、約12,000トン、剪定枝に関しましては、約70,000トン、これを山梨県から調達したいと考えています。バークにつきましては、現在、協議中であり、確定的な数字は今のところ、申し上げる段階になっておりません。全量で、1年間に使う燃料が約150,000トンございますので、今の計画では6割から7割を県内で集めたいと考えておりますが、運開しましてから20年間の事業となりますので、その間でたくさん集められるものでありましたら、県内のものを中心に増やしていきたいと考えております。

記者

石井市長にお伺いしたいのですが、時期的には市長選も近いということもあると思いますが、先ほども人口減少に対する対策ということでお話しされましたけれども、どういったことを市民の方に、このようなものができることによって、こういった利点として訴えたいところなど、何か市長選を踏まえてのお考えなどありましたら、お伺いできますでしょうか。

大月市長

これまで私どもは自然環境ということを訴えてきたのですが、その反面、林業というものは衰退しております。それはやはり木材というものの価格の問題でしょうし、色々な問題もございます。しかし、山梨県は森林県ということ、首都圏に対しますと上流県ということになります。その上流県に住む人たちの重要な役割というものは、このバイオマス発電事業を含めまして、林業の活性化というところに繋がっていく部分が大きいと思われ、これに対する地域に住む方々が色々な工夫をして林業を活性化することに繋がっていく事業の一環の1つとしてこのバイオマス発電は非常に重要な位置付けになっていると考えておりまして、環境を整備する或いは地球の温暖化を防止するという効果等を含めまして、様々な対策事業が起こしていけるのではないかと考えています。

記者

これをきっかけに、次の任期の時も今おっしゃったような林業の衰退に歯止めをかけるような事業に繋げていきたいというお考えでよろしいでしょうか。

大月市長

そういう要素がこれに含まれておりますので、当然そこは重要な部分であろうと皆さんにお話ししていきたいと思います。

(以上)

 

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
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