トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 平成27年度知事会見 > 知事記者会見(平成28年2月2日火曜日)
ページID:70838更新日:2016年2月3日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質疑応答
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知事
10月7日から11月25日まで県庁敷地の愛称(ニックネーム)を募集し、選考の結果「オープンガーデンやまなし」に決定しました。
897点の応募があり、開かれた県庁、県民に寄り添う県庁という趣旨で、新しく公園化しながら、地域にとってどう活かすかという視点で検討をしてもらいました。年間を通して一般開放して周辺地域のにぎわいの創出を図るとともに、県庁は甲府城の敷地内にあったという歴史と文化を踏まえ、今年度末までには工事が完了するので、これからたくさんの方々に「オープンガーデンやまなし」をベースにしながら発信をしていきたいと考えています。
「オープンガーデンやまなし」を考えていただいた方は、都留市の太田佑(おおたゆう)さんです。この方を最優秀賞として決定させていただきました。
これから、県の広報やホームページ等を活用し広く周知をしていきたいと考えていますので、皆さま方におかれましてもご理解をいただきたいと思います。
記者
「オープンガーデンやまなし」ですが、県民に愛される名称としては略すということがありますが、これは略しにくい感じがしますが、知事としては何かあるのでしょうか。
知事
県庁は一般の県民の皆さん方から見れば、とっつきにくい、閉ざされているというイメージをお持ちの方もいらっしゃるので、広く開かれていることをできるだけ印象付けるのがオープンです。ガーデンは、リラックス感、やさしさ、田園都市的な部分も感じられますので、誰もが親しみやすく、警備の問題はありますが出入り自由で開放するということが、ひとつの目的です。私独断でなく、審査委員会でのご議論を踏まえた中で、「オープンガーデンやまなし」に決定しました。「やまなし」は山梨県、山梨県庁ですから「オープンガーデン」と言えば県庁の敷地構内と広まっていけばと思います。
記者
愛称よりも一般用語に近い気はしますが。
知事
そういうご指摘はあるかもしれませんが、審査委員会の中ではいろいろなご議論があり、「オープンガーデンやまなし」が5人の審査委員から一番よいということで選考されたと聞いておりますので、たくさんの人の意見ということも踏まえ、委員会での選考を尊重しながら「オープンガーデンやまなし」と決定しましたのでご理解をいただきたいと思います。
記者
新教育長の人事についてですが、今の教育長の任期が3月で終了します。来年度からは、新制度の下で教育長、教育委員長が一本化します。新しい権限、立場で教育行政を司ることになりますが、現行ではこれまで県の教育委員会は、県立高校の校長職を経験した人が就任することが慣習のようでしたが、新しい制度を念頭におきながら、現時点で知事としてどのような人選の考えがあるか伺います。
知事
教育行政には、いろいろな課題があると考えています。山梨県のこれからの教育行政全般を担っていただける方につきます。
3月31日までという期限があることもよく承知しておりますので、今は熟慮中ということでご理解をいただければと思います。
記者
答えにくいと思いますが、教育関係者以外、行政経験者も含めて外部、これまでの慣習とは少し違った形の可能性はありますか。
知事
熟慮中であります。
記者
先週末、北杜市の住民から訴訟がありました。自宅近くに太陽光発電のパネルができ、生活上の支障が起き、景観が損なわれ周辺の不動産価値が下がる経済的な打撃などいろいろなことがあるそうです。
私も現場を見ましたが、住民とのトラブルが起きているところはいくつかあります。市がやることかもしれませんが、県としても県民の財産である八ヶ岳の南麓でそういう事態が起きている。片や、エネルギー政策では再生可能エネルギーを増やしていかなければならないという、かなり難しい問題をはらんでいますが、この段階で自然環境の開発という負の側面とエネルギー政策をどう調和させていくか、その辺りの問題意識について、県としての規制的なこと、条例などで検討するか必要性があるかを含めて知事のお考えをお聞かせいただきたいのですが。
知事
個別の案件は訴訟中ですから、コメントは控えさせていただきます。後半の部分の問題意識は、我々も共有しており、市町村、住民との合意形成をとっていただくことについては、県、市町村総意の中で昨年ガイドラインを制定しましたのでご理解をいただければと思います。
ガイドラインに記載をさせていただいた部分については、今おっしゃられたとおりの問題意識は全て包含されていますので、ガイドラインを遵守しながら対応してもらうことを望んでいます。
記者
ガイドラインは作られており、釈迦に説法ですが、(ガイドラインは)指針ですから拘束力もなく、守る義務もありません。
北杜市の太陽光の状況ですが、申請件数が約4,500件、稼働件数が約1,100件で膨大な数です。東京電力の系統線への接続は今ストップしています。来年再開され、一気に稼働が増えることになると今のままのガイドラインでは対応しきれるのか、という問題意識はでてくると思います。
現状よりも、太陽光が増えていく流れの中で追加的な対策の必要性はいかがですか。
知事
ガイドラインを作って、まだ3カ月程度です。まずは、ガイドラインをきっちりと守っていただくことが一番大切なことだと思っています。
問題意識としては、あらゆる角度からガイドラインを作るにあたり県議会、市町村と協議し、国のエネルギーを所管する関係機関とも相談させていただき、ガイドラインというものを1つの統一的な指針として作っていこうということになりました。現状では、ガイドラインはまだできたてですから、周知をきっちりと実施し、事業者の方にもご理解をいただくことに現時点では尽きると思います。
記者
今日、県の産業人材育成検討委員会から報告があったと思いますが、知事の公約の中で「県立高等専門学校の設置」を明記されていると思いますが、報告書の中身は工業系高校専攻科設置ですが、今後はどのように検討していきたいかお伺いします。
知事
検討委員会での4回の議論終了後に部長等から報告は受けています。今日、清水委員長から委員13人の総意として報告書の提出をいただきました。
検討委員会としての結論は、今お話をされたとおりであります。併せて、産業技術短期大学校、大学生の県内就職の問題も含めて3つの大きな柱があると理解をしました。検討委員会だけでなく、産業界の皆さん方からもスピード感を持って結論、方向性を出すようにとのお話はいただいております。
できるだけ早く、私なりの判断をさせていただきたいと考えています。
記者
まだ判断をされていないと思いますが、公約にもあるとおり、今後、高専の設置も検討される余地はあるのでしょうか。
知事
高専の位置づけも、今回の報告書の中にはあります。高専のメリット、デメリット、専攻科のメリット、デメリット、工業系の高校だけでなく大学生の定着率の悪さ、産業技術短期大学校の定員充足への工夫、3つの大きな提言(柱)をまとめてもらったと理解しています。
それをベースにしながら、産業界、検討委員会の皆さま方の総意としてできるだけ早く、スピード感を持って方向性を決めるようにいわれています。熟慮しますが、できるだけ早く方向性を決めさせていただきたいと考えています。
記者
報告書という形ではまだでできていませんが、今日予定されている高度医療の在り方検討委員会では、途中経過の中で知事の公約にある「重粒子線」につてはコストがかかる。代わりに県に不足している子どもの精神疾患はどうかという声が出ています。途中経過の報告を受けていると思いますが、どのようにお考えですか。
知事
今日、夕方検委員会の3回目が開かれます。専門家の先生ばかりですので、そこで報告書的なものがまとまると聞いています。それを熟読して、いろいろな予算も含め、できるだけ早く判断をしなければいけない課題だと認識しています。
記者
公約段階であえて「高専」「重粒子線」といった単語を記載する必要性というのがどこまであったのかをお聞かせ願いたいのですが。
知事
検討会では、産業人材についても高度医療の問題についても、多くの専門家の皆様方にご議論をいただいています。
産業人材については人材の受け手である産業界だけではなく、送り手である教育界や保護者の皆様も含めて多様な方々からご意見をいただいています。公約で考えた中では、やはり象徴的な部分として自分の頭に当時あったということでぜひご理解いただきたいと思います。
記者
議論の促進の材料の1つとして、象徴としてそういうものを挙げたという感覚でしょうか。
知事
感覚といいますか、いろいろな先進事例もあります。そういうものが山梨県に導入できれば、より山梨県の将来にとってプラスとなるであろうということを考えたことは事実です。
記者
マスコミも含め一般県民の方も高専と重粒子線という単語が頭に残っていると思うのですが、その辺りが今回後退するような形になったということについて、改めてお聞かせください。
知事
先ほどもお話ししたように、できるだけ早く2つの案件については、特に高度医療の部分については今日3回目の検討委員会がありますから、そこでの取りまとめのあり方というものを見させていただき、また、座長からもお話しをしていただく時間がありますので、そういうものを見極めた上で、熟慮してできるだけ早く判断したいと考えます。
記者
今検討されている発達障害は高度医療ではないような気がしますが、いかがでしょうか。
知事
捉え方は、1つのハード的な装置であるとか、機能をより充実する形で高度化するもであるかのなど、いろいろな部分が私はあると思っています。専門家の皆様方が今、山梨のおかれた医療の現状、これからのあり方、そういったものの全体から、どのように高度医療を捉えるのか。高度か高度ではないかは、受け手の患者や利用者の思いもあり、新しくてすごい何か技術を使ったものを高度化というものではないということは、この2回のいろいろなご議論を聞いている中で出てきたのかなということを率直に思います。
医務課長
今までのご議論では、様々な医療関係者の方々、小児医療の専門家の方も入った上でご議論いただいているところです。今までのご議論の中では、発達障害というと一見、医療・福祉という観点に見えるところもありますけれども、様々な原因を鑑別診断などするようなところで、かなり高度な心理検査や画像診断といったものが必要なことがあったり、また、福祉、例えば児童相談所などや、山梨に今までになかったような情緒障害に対する入所施設など総合的な支援施設等をきっちりと連携していくということが医療の高度化に繋がっていく。そういうことをしていくと、本県の発達障害に対する医療提供体制というのは他と比べてかなり誇るべきものにできるのではないか、というご議論がなされているところでございます。
知事
いずれにしても、報告書がそれぞれ、今日提出をいただいた産業人材と、高度医療についても今日まとまるということで、もちろん私からもご報告をいたしますし、また、今のような特に専門性に関わる部分は、課長、部長等からきちっと報告や説明をさせる機会も持たせていただきたいと考えています。
記者
公約の後退ではないという認識でよろしいでしょうか。
知事
自分自身の今の考え方では、いろいろな多様な手段というものがあるということに尽きると思います。
記者
日銀のマイナス金利の関係ですが、普通に考えると、県として資金調達はしやすいが、独自で起債する場合にとってはマイナスが大きいのかと思うのですが、何らかの影響は考えられるのでしょうか。
知事
正に同じ問題意識を私も持っています。お金を借りるときには安く借りられるということがある一方で、経済活動や資金調達にどのような影響があるのかというのは、今日担当部局に指示をして精査させています。
一般論で今のような話をしても、個別具体的に全体の県の財政運営や事業執行にどのような影響があるのかというのは非常に難しい課題だと思うので、これは時間がかかるものもあるでしょうし、短期的に見通しができるものもあるでしょうから、これは担当部局への指示の中で、どの様なことが考えられるのかという影響を報告するようにしてあります。
記者
県に対する影響は除いて、今回の日銀の判断についてのご所見はいかがでしょうか。
知事
これも大変難しい課題です。特に資産をお預けしている方々や、これからお預けする方にとってみれば金利が下がりますから当然利子所得が減ります。資金調達をして新たな事業展開、運転資金や設備投資をする方にとっては安い金利で、個人でいえば住宅ローンなどお金を借りるときに安い金利で、一般論で言えば安く資金調達できる。
このようなことでしょうけれども、それが全体の総和としてどのようなことになるのか。この数日間の株価等を見ているとそれが良い方向に行ったという判断をなさっている方もいらっしゃるでしょうし、しかしそれが中長期ではどうなのかというのは、私自身の今の知見の中では見通すことが難しいので、担当部局でどの様なことが考えられるのかを精査させています。
記者
完熟農園が営業停止になったことについて、観光誘致という意味では大きな施設だったと思うのですが、県として、こういう形になってしまったことに関して感想をお伺いしたい。
知事
これも難しい課題ですが、そもそも完熟農園のスタートは農業の6次産業化、農産物を直接農家の皆様方が売っていく拠点として、農業振興といういくつかのベースで対応が進められたと思っています。
できるだけ早く初期の目的に戻ってもらうように関係者の皆様にはご努力をしていただく、ということに尽きると考えています。
記者
富士山保全状況報告書の提出がされましたが、今後の世界遺産富士山に関する次の大きな課題はどういったところにあるとお考えですか。
知事
保全状況報告書を出すことが目的ではありませんから、それに基づいて計画的に保全をし続ける、これは後世に今の富士山をどう継承できるかということです。ただし、イコモスから指摘を受けた事項のうちの3つについては具体的な検討が必要です。
これは、山小屋の修景の問題、5合目のこれからの整備の問題、登山客数の管理をどうするのか。登山客数の管理については3年間きちっと研究調査をして平成30年7月にまとめるということで保全状況報告書に書いてございます。そういう方向性を出した部分もございますけれども、基本的にはその事前の段階で学術委員会等の専門家の皆様方ともご議論をして提出をしておりますので、きちっとユネスコにもご理解をいただける内容だと思っております。
<以上>