インタビュー

神子沢林業 峯島 綾子
Vol.59 【農業・林業】森林のために働きたい!
今回のゲスト
神子沢林業 峯島 綾子さん

なぜ、男ばかりの「林業」に?!

林業の会社に入って9年目の峯島さん。暑い夏も、寒い冬も現場に入り、男性とともに日々、作業している。主に担当するのは、重機を使って木を運んだり、加工する仕事。女性が働くには過酷な環境と思える、森での仕事について、峯島さんに、率直なお話を伺ってみました。

小学生の頃、好きだった森があり、いつもその森で癒やされていましたが、それらが切り倒されるのを見るうちに、森林の役に立てる仕事がしたい、森に恩返しがしたいと思い、大学で森林関係の勉強をしました。在学中、合同就職説明会に参加しましたが、求人内容に「男女募集」とあっても、実際は男性のみが対象で、履歴書すら見てもらえませんでした。その中で神子沢林業は、男女問わず受け入れてくれたので、ご縁があって入社しました。

「フォレストワーカー研修」で経験を積む

入社後、国や県が主催している研修制度「フォレストワーカー研修」に参加し、森林での作業に必要な重機について、知識を得、実地訓練をしてきました。年数を重ねていけば、フォレストワーカー、フォレストリーダー、フォレストマネージャーと段階を踏んで研修があり、安心して経験を積んでいくことができます。
現場は、ひとり作業ではないので、上司の指示に従って作業しながら、どうすれば効率よく作業をすすめていくことが出来るか、常に考えて仕事をしています。現場や天候などによって、様々な状況判断を求められるので、日々、勉強しながらやっています。

屋外作業で心掛けていることは

とにかく体力を維持するために、「休憩時間にしっかり休む」ことです。昼の休憩時間に5分でも10分でも寝るようにして、体力を回復させるよう努めています。機械の操作をすることが多く、集中力が途切れたり、眠くなると危険を伴う仕事なので、しっかり休むことを心掛けています。
以前、集材作業中に転がった木に足を挟まれて大ケガしそうになったことがあります。でも、骨折しなかっただけ良かったと考えて、この経験により「常日頃から安全を考えて作業する」ということを一番に考えるようになりました。これからも小さな経験をコツコツと積み上げていき、現場での安全を心掛けていきたいと思います。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

林業を志す女性の場合、男性より重いものを持てなかったり、仕事と家庭の両立が難しかったりなど、悩むこともあるかもしれません。でも、そんなとき、自分の原点に帰って、「どうしてこの仕事を選んだのか?」ということを思い出してもらえば、きっと続けていけるはずだと思います。
「苦労も仕事のうち。めげずに、いつかそれが自分の身になるんだ」と、自分に納得させ、日々、経験を積みながら上達していければ良いと思います。

バックナンバー

峯島さんのこれまで

茨城県出身の峯島さん。
大学で森林にかかわる学科を専攻。卒業後「神子沢林業」に入社。

国や県が実施している研修を受け、「フォレストワーカー」として経験を積む毎日。

作業中の峯島さん