インタビュー

《NPO法人代表》 五十嵐有子
Vol.33 【NPOで地域づくり】みんなが幸せだとやさしくなれるから
今回のゲスト
《NPO法人代表》 五十嵐有子さん
(南アルプス市)
NPO法人「ワーカーズおへそ」代表

リサイクルショップは宝箱

 「ワーカーズおへそ」は、五十嵐さんが環境NPO活動や生協活動の場で知り合った女性たちと「みんなでできることを何かやってみたい」と話し合う中で生まれました。誰の家にもいらないものがたくさんあるからそれを持ち寄れば商品になる、と20代から40代の主婦7人のメンバーで、平成12年にリサイクルショップを開店しました。
 周囲の人の紹介で借りた場所を大掃除して、喫茶コーナーの設備のため一人5万円を持ち寄って、あとはすべて工夫で乗り切ったと言います。「お金なんてないですから。ドアをはずしてきてミカン箱の上に置けばテーブルになる。商品を飾るのには、そこにシーツを1枚掛ければ素敵なショールームになるんです。素敵にするにはいっぱい方法がありますから。」
 入口には個人貸しの棚があり、会員が展示販売している小物が並んでいます。その隣には天然素材のお菓子、その奥には、気軽に立ち寄れる喫茶コーナーがあります。階段下にはボランティア・NPOボードが設置され、2階リサイクルショップには、衣類が綺麗に整頓され展示されています。
 「宝箱のような、いつでもきれいに飾って夢のある部屋にしたいんです。だから絶対に汚しちゃいけないと心がけています。あそこに行くといいものがあるよ、素敵だよって思われたい。」と五十嵐さんは言います。現在、リサイクルの会員は700人を超えました。

NPO法人へ

 「自分たちのやりたいことは地域づくり。だからNPO法人の形態がいい」と話し合って、平成15年にNPO法人を設立しました。「『おへそ』の活動は『みんな』にとっての利益追求で、NPO法人という形式が大事なんです。」
 現在、スタッフは常時12人。様々な個性を持った仲間がいて、会員も大勢いて、地域の人たちにも大事にされています。五十嵐さんは「皆の『おへそ』への思いが財産です。」と言います。
 また、五十嵐さんは、やまなしコミュニティビジネス推進協議会にも参加しています。「自分たちの他にも頑張っている人がいっぱいいることを知って、元気をもらえます。」

こだわりのお弁当

 「ワーカーズおへそ」では、冷凍材料は一切使わず、塩なども天然物、肉は国産に限るという徹底した素材へのこだわりで、平成16年から弁当の宅配をはじめました。食の安全の視点から作っている弁当はとても好評で、ちょっとした集会や近所のお母さんクリスマス会にも頼まれるなど親しまれています。南アルプス市社会福祉協議会からは独居高齢者への配食サービス事業を委託されています。
 「みんな、幸せだとまわりの人にもやさしくなれるんです。お弁当に心を込めて、地域の人を幸せにする発信の場にしたい。みんながやさしくなって、障害のある人も幸せに暮らせる地域をつくるのが夢です。」

「ワーカーズおへそ」
南アルプス市飯野3456-1  tel 055-283-0688
11:00〜18:00 (土・日・毎月30日31日は定休) http://sky.geocities.jp/ohesolife/

☆五十嵐さんからのメッセージ☆

「願えば叶う」
夢を持つと自分が動き出すし、思いがあれば人はついてきます。

バックナンバー

五十嵐さんとワーカーズおへそのこれまで

環境活動などで知り合った主婦たちが「できることを何かやろう」と話し合い、平成12年に、喫茶・軽食とリサイクル販売の「ワーカーズおへそ」を開店する。ワーカーズコレクティブの形態で運営した。

平成15年に「ワーカーズおへそ」はNPO法人となる。

平成16年から食の安全にこだわった配達弁当をはじめる。

五十嵐さん2
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