Vol.25 【働く】自然の中で感覚が開いていく。清里で見つけた新たな私 |
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今回のゲスト
《インタープリター:環境教育指導者》 永井麗佳さん(北杜市)(財)キープ協会環境教育事業部所属 インタープリター(環境教育指導者) |
都会から自然に囲まれた清里へ
Qキープフォレスターズスクールのスタッフになるまでの経緯を教えてください。
ウェイトレスとして働くかたわら、自然に対する思いはずっとあったので、自然学校のプログラムや屋久島の屋久猿の調査に参加するなどあれこれやってきましたが、「これだ!」というものはなく、どうしていいかわからないまま過ごしていました。そして、3年が経とうとした時に「何も変わっていないこの3年間」にショックを受け、「このまま老いて死んでいくのかな」とまで思いました。それで「これは自分で何かを変えなきゃ」と真剣に考え、全国の自然学校を調べて、キープ協会のキープフォレスターズスクールの実習生制度を知ることになりました。たまに田舎に行くのはいいけど、生活すべてを田舎にうつす勇気はそれまでありませんでしたが、「やってだめなら帰ればいい」という気持ちでインタープリターの世界へ飛び込むことにしました。都会生活から離れた10か月の実習は、「お金がない、隔離されているみたい」という辛さはありましたが、「やりたかった仕事をしている」という喜びがあり、帰りたいと思ったことはなかったです。
そして、当初はできなかったことが10ヶ月経ってみていろいろできるようになっていたので、もっとここで成長したいと思うようになり、上司に「このままここで仕事がしたい」と思いを伝えました。その後、偶然スタッフの1人がやめたこともあり、運良くスタッフになることができました。特技もなかったので 「一生懸命やる。常に全力でやる。」ことを自分の取り柄としてやってきました。
繰り返しの経験により“あがり性”を克服
Q仕事内容を教えてください。
環境教育プログラムの企画から運営、実施まで行い、幼児からシニアまで幅広い対象者に自然を案内しています。キープフォレスターズスクールでは、プログラム実施に対し必ずフィードバック いわゆる振り返り(評価会)を行っています。実習生であれ誰であれ、担当者のプログラム実施についていろいろと評価しあって次の実施の糧とします。私は人前ではつい早口になってしまったり、無駄な動きが多くなったり、本題にいきなり入ってしまうところがありましたのでそういうところを指摘されて改善してきました。
Q清里での生活で変わったことは何ですか。
価値観が変わったことが一大変化です。私は便利な都会でしか生きられないと思っていた人間でしたが、今では街の中では傷つくことが多く、音や言葉がうるさかったり町が汚いと感じたりして、田舎でしか住めないと思うほどになりました。田舎は、自然体で受け入れられるものが多いと思います。私はもともと人見知りで、あがり性だったのですが、それを克服できたのも大きく変わったことのひとつです。あがり性が原因のひとつでなかなかインタープリターの世界に踏み入ることができなかったのですが、ここで指導を受けながら何回も人前で解説することによって克服しました。
環境教育をずっと続けていきたい
Q今後の夢と抱負は何ですか。
どんな人にでも 自然を好きになってほしいと思います。そういう人が増えれば増えるほど、自然を守りたいと思う人が増えていくと思っています。ひいては、日常生活の中での環境意識を高めていってもらえることになると思いますから。自分自身は環境教育をずっと続けて行きたいと思っていますし、一生ものだと考えています。ただそれが「仕事」だけだとは思いません。子どもが大好きなので、自分が母親になって子どもに伝えられることもたくさんあると思っています。
☆メッセージ☆
やってみなくちゃわからない。飛び込んでみて駄目だったらやり直せばいいし、やる前から考えすぎなくていいと思います。
取材日:平成17年10月28日
(財)キープ協会環境教育事業部 http://www.keep.or.jp/FORESTERS/
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永井さんのこれまで
千葉県市川市で高校時代までを過ごす。小さい頃から動物好きで、小学生の頃は「ペットショップの店員」、中学生の頃は「動物園の飼育係」、その後は「野生の動物を守りたい」と、夢がふくらんでいった。
高校卒業後「日本動物植物専門学院」へ入学。「インタープリター」という職業があることを初めて知るが、学校が半年後に倒産。自然や動物に対する思いを持ちつつ、お台場でウェイトレスとして3年間働く。
2002年に(財)キープ協会の「キープフォレスターズスクール」の実習生制度を知り清里へ。10ヶ月間の実習を経て、スタッフとして採用される。現在は環境教育プログラムの実施、広報を担当。