インタビュー

甲府地区消防本部 中央消防署 湯田坂遥夏
Vol.58 【働く】地域住民の大切な物を守りたい!
今回のゲスト
甲府地区消防本部 中央消防署 湯田坂遥夏さん

火災現場での活動、消防署職員のやりがい

採用されたときから現在まで警防係に所属しており、火災現場や救急現場、
救助現場など、主に現場で活動しています。救急車に乗ることもあります。基本的には今は機関員といって、救急車の運転をして現場に向かう役割をしています。火災の現場に行った回数は少なく、採用されて4年間で10回くらいです。私が勤務の時は火災の回数が少ないため、水の妖精って呼ばれてます(笑)。
私たちの仕事は、地域住民の方の大切なものを守ることです。それは命であったり、家族、お金、思い出であったりしますが、火災などはそれを一瞬で奪ってしまうため、火災現場での私たちの行動ひとつひとつに常に重い責任がのしかかっていると感じています。だから、火災現場での行動は細心の注意を払わなくてはなりません。その重い責任を背負って火災現場で火災を食い止められたときは、地域住民の方もすごく感謝してくれますし、私もやりがいを感じます。

女性消防士だからこそできることがある

男性の消防士には筋力面や体力面では敵わないことが多く、身長も低いので、男性の消防士と比べると出来ないことは出てきます。
ただ、男性が多いからこそフォローしてくれることもよくあります。インターンシップのとき女性の職員の方が言っていた言葉が、「消防署は女性だから区別はするけれど、差別はしない職場環境」ということでした。実際働くなかで、本当にそのとおりだと、区別と差別ってこんなに違うのだと実感しています。
女性職員だからこそできることもあります。女性傷病者に対しての対応が必要とされていたら、「湯田坂、行け」と声かけられますし、「おまえだからできることがある」と言われたこともあります。救急現場だとすごくそれを実感することが多く、例えば、男性だとちょっと聞きづらいことも女性ならすぐに聞けます。体を触らなくてはいけない場合にも、「女性の隊員が触りますからね」と言うと安心してくれますし、私の顔を見ただけで「あっ女性の方、よかった安心した」と言ってもらえたこともあって、女性が現場にいることで安心させられるということがあると感じます。

これからのチャレンジ ~救急救命士になりたい~

私は救急の仕事が好きで、今は救急救命士(※国家資格)を目指しています。将来的には救急隊になりたいと思っています。
結婚や出産で現場から一度離れてしまったとしても、私は現場で働きたいという思いが強いので、現場に戻ってきたいと思っています。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

何かを始める時には、誰しも、「もしかしたらこうなってしまうかもしれない」といった嫌なイメージや、また「体力が心配だから」などと不安になってしまうことがあると思います。ですが、今、消防署でも、女性の力を取り入れて、強く優しくなっていこうという方針をとっていて、どんどん女性が入りやすい職場になってきています。だから、そういった自分が作り上げた勝手な悪いイメージに囚われることなく、都合のいい言い訳には逃げずに、どんどんチャレンジして欲しいと思っています。

バックナンバー

湯田坂さんのこれまで

甲府市出身。中学2年生のときに、職場体験で消防署を訪れ、消防士になると決意する。

甲府商業高校に進学し、毎年インターンシップで消防署を訪問。高校を卒業してすぐに甲府地区消防本部中央消防署に就職。

採用4年目。現在火災現場等で活動している。

H30チャレンジインタビュー湯田坂さん放水写真