インタビュー

《米粉パン製造販売会社経営》 天野洋子
Vol.20 【起業】米粉パンに魅せられて・・・このおいしさを広めたい
今回のゲスト
《米粉パン製造販売会社経営》 天野洋子さん
(都留市)
米粉パン製造販売「㈲エルフィン・インターナショナル」代表

求めていた米粉パンとの出合い

Q米粉パンを製造しようと思ったきっかけは何ですか?
レストランをしながらパン教室もしていましたが、安心安全な食材にこだわった食品を扱う仕事がしたいと考え、市と商工会が起業家を支援するSOHOに入居しました。でも、当初は具体的に何をするか決まらず、焦っていました。そんな状況の中、SOHOの開所式で当時の市長から「米粉パンやったらおもしろいよ」と言われ、米粉パンに興味を持ちました。米粉パンの研究開発をしていた山形大学工学部からパンフレットを取り寄せ、半ば強引に会う約束をして、5日後には山形へ行きました。初めて見た米粉パンはイメージと違っていましたが、食べてみると出会ったことのない新しいパンで、体でうれしいと感じました。その驚きと感動、欲しかった物に出会えた嬉しさは、まるで初恋の人に出会った様な気分でした。この感動を多くの人に伝えたい思いで熱心に交渉し、製造、販売契約に至りました。

自分がやるしかないと試行錯誤

Q製造・販売の中でどんな苦労がありましたか?
当初、富士山に売店を出すなど話題性はあったものの、味がいまひとつで商品が売れずに悩みました。しかし、TLOの製造法通りにしか作れず、添加物も入っている粉と技術でおいしい米粉パンを作るには限りがありました。アレルギーを持つ子どものお母さん達からも無添加の安全なパンが欲しいと言われ、安全なパンが求められていることも身にしみて感じていました。それで、自分やるしかないと試行錯誤を繰り返し、無添加の米粉パンを開発しました。その時は、パンのよさを出すことへの希望を持ち続けていたし、そうしなければ先へ進めないという思いが強かったです。到達点があると信じ、その信念がエネルギーとなって乗り越えられたと思います。

Qご家族の理解はどうでしたか?
家庭生活を崩さないことをベースにしていたので、家族には必ず理解してもらうよう努力しました。夫も理解してくれ、今はレストランを受け持ってくれていますし、長男、長女は会社の社員として一緒に米粉パンを作っています。

Q今後の抱負を聞かせてください。
まず、会社の土台づくりをもっとしなければなりません。そして、米粉パンにはまだまだ可能性があるので、人のためになって喜んでもらえる商品づくりをしていき米粉パンを広げていきたいです。

☆メッセージ☆

夢をあきらめてほしくない。信じること、やり続けることが大事!!
自分にあった形で輝いていられることが一番です。


取材日:平成17年11月14日

㈲エルフィン・インターナショナル http://www.elfin-komepan.jp/

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天野さんのこれまで

栄養士・調理師の資格をもっていたが専業主婦として数年過ごす。自分で何かできないかと考え、1999年に都留市内に安全な食材を使った食事を提供するレストランを始める。

「他に自分を活かせることをしたい」と2002年、都留市の起業家育成事業に応募し採用され、「SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)支援センター」に入居。それを機に米粉パンと出会う。

米粉パンの研究開発をしている「山形TLOパウダーテクノ」と技術提携し、
2003年「(有)エルフィンインターナショナル」を設立し、米粉パンの製造販売をはじめる。

2004年 無添加の米粉パンの商品開発に成功。特許を取得。以降、全農、農協、通販会社など流通・販売ルートが拡大。常に、より良い商品づくりをめざしながら、米粉パンの普及に力をそそぐ。

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