Vol.51 【働く】「食」で心も体も社会も元気にしたい! |
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今回のゲスト
≪kanaeフードビジネス研究所 代表、食農連携コーディネーター (市川三郷町)≫芦澤 香苗さん |
活動のきっかけとなった親子クッキングコンテストでの入賞
小さい頃から料理を作ることが好きで「食」に対する関心はありましたが、それがいっそう強くなったのは夫の交通事故がきっかけでした。長期間の療養を要するものでしたが、自分の作った料理について、夫や子どもが、「元気で笑顔になれる」「明日への希望がわいてくる」と言ってくれて嬉しかったのを覚えています。「食」によって、体だけでなく心も元気にすることができるのではないかと感じたんです。
「食」に関する活動を始めるきっかけとなったのは、親子で参加したクッキングコンテストでの入賞でした。関東大会では、山梨の伝統野菜を使用した料理を作りましたが、その際、審査員の方が伝統食を現代風にアレンジした点を評価してくれました。もともと、「大塚にんじん」をはじめとした山梨県産の食材が大好きなこともあり、この魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。
山梨県産の食材の魅力や「食」の大切さを伝えたい!
親子で参加したクッキングコンテストでの入賞をきっかけとして、地元の伝統野菜の規格外品で地域を活性化させる市川三郷町の商工会のプロジェクトに参加することになりました。そこでは、「大塚にんじん」を生かした商品の開発協力を行いました。その後も、山梨県産の食材の魅力を多くの人に伝えるため、それらの良さを生かしたダイレクトなプロモーションやレシピ作成・メニューの開発協力をいろいろなところで行っています。
また、生産者が「生産」だけにとどまらず「加工・流通・販売」にまで関わるという「6次産業化」や農山漁村活性化を支援する活動も行っています。生産者の方々に商品の特性に見合ったプランを提案すると、「今まで気がつかなかったことを気づかせてくれた」と言われることがあります。新たな視点を提供し、生産者と共に創造し発信することができたときはとても充実感がありますし、このような活動を通じて、生産者が潤い元気になることができたらいいなと思っています。
それ以外にも、アスリートのための食事メニューのアドバイスを行っています。スポーツをしている家族を「食」でサポートするため、ジュニアアスリートフードマイスターという資格を取得したことがきっかけでした。その後、「食」によってアスリートのパフォーマンスは大きく変わるということを感じ、講演等を通じて、家族だけでなく一般の方にも、アスリートにとっての「食」の大切さをお伝えするようになりました。
このように「食」に関する分野でいろいろな活動をしていますが、すばらしい山梨県産の食材の魅力を伝えたいということと、「食」が体だけでなく心にとっても大切であるということは多くの活動を行う時に意識しています。
これからのチャレンジ 〜感謝と目標〜
私は今まで人と人との御縁というものを大切にしてきました。その御縁がなかったらできなかったこともたくさんあり、そういう意味で、いろいろな人に感謝しています。研究機関や製造、加工、販売事業者、そして飲食店オーナーやシェフ、御縁はどんどん広がっていますが、これからもそういったところは大切にしていきたいと思っています。
仕事については、「食」そのものだけではなく、「食」を提供する「場」(環境)にも、これまで以上にこだわっていきたいと思っています。集まった人たちが、心の満足感を得ることができるような「場」を提供することができれば理想です。
最後に、私は商品の開発協力はいろいろなところで行ってきましたが、自分のブランドというものをまだもっていません。「食」に携わる仕事をしている者として、自分のブランドと呼ぶことができる商品を作ることも、これからの目標です。
これからチャレンジする女性へのメッセージ
私自身が実感していることですが、「これをやり遂げたい」という意志が固まったら、時間がかかってもあきらめないで、それに向かって一歩一歩、丁寧に進んでいくことが大切だと思います。その過程では、周囲から認められないことや「無駄だったのかな」と思うこともあるでしょう。また、子育てをされている方は、仕事との両立に苦労することもあると思います。でも、そういうことも含めて無駄なことは何一つなく、プラス思考で覚悟をもって進んでいくと、賛同してくれたり、力になってくれたりする人が必ず現れるものです。そういう信頼関係を大事に0から1、1から100の素敵なドラマを作り上げてほしいと思います。
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芦澤さんのこれまで
親子で参加したクッキングコンテストで入賞したことをきっかけに、様々な料理コンテストに参加。
伝統野菜で地域を活性化させる地元市川三郷町の商工会のプロジェクトに参加。商品の開発協力を行う。
現在、山梨県産の食材を生かしたメニューの開発協力等を行う一方で、アスリート向けの食事メニューや「食」に関する講演等も行う。
また、生産者が「生産」だけでなく「加工・流通・販売」にまで関わる「6次産業化」をサポートする活動も行っており、活動範囲は幅広い。