ページID:72046更新日:2016年4月4日

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平成28年度年度はじめ知事訓示要旨

平成28年4月4日(月曜日)午前10時から

防災新館2階会議室

 

訓示内容

 

はじめに 

皆さんおはようございます。今日は新年度が始まって、ワーキングデーで2日目になります。本年度の年度初めに当たり、知事訓示という形でお話しさせていただきたいと思います。

昨年、慣れない中で初めて訓示をさせていただきましたけれども、自分で何を言ったか詳細には覚えておりませんが、「任怨分謗」という最後の言葉を贈ったことはしっかり覚えています。

そういう中で改めて私自身の考え方を幹部の皆様方にお伝えしたいと思いますし、そして、同じ想いでこの平成28年度、実行の年に当たって、皆さんと一緒に県庁から、そしてそれぞれの地域から山梨の大きな変化を創っていきたいと考えています。

さて、去る3月31日に109名の退職者を送り出しました。昭和の40年代から50年代に入庁され、それぞれの分野で専門性を生かしながら、ご努力をされた109名の先輩方には心から改めて敬意と感謝を申し上げたいと思います。

先輩達がつくったその礎を私たちがしっかり受け継ぎ、そしてこれから4月1日に入庁された98名の若い皆様方と一緒に、この県庁をしっかりと支えていきながら、山梨県を明るく元気にしていきたいと考えています。

98名の新採用職員の皆様には、これから勉強し仕事をする中で、5年、10年、20年先には、それぞれの分野の中できちっとした仕事をしてほしいと思いますし、特に20年後には、それぞれの分野で最高幹部になっていくことを期待しております。

時代のスピードが非常に早いです。特に退職者の皆様が、仕事をされてきたこの30年余りというのは、昭和から平成、安定成長からバブル崩壊、そして今のデフレ状況という形で、時代の変化が大きくなりながら、さらには、行政課題も非常に変化をした時代でありました。これからはその変化が非常に強くなっていくと思います。

そういう意味において、今日この場においでいただいている幹部の皆様方には、98名の新入職員の皆さん、フレッシュでいろいろな物事をまだ経験をしたことがなく、逆に言えば、それが強みでありますから、それを生かしていきながら、新鮮な感覚・視点、過去にとらわれない感性というものをぜひ、それぞれの職場の中で引き出してあげていただきたい。そして、そのはつらつとした若手職員の皆様方の思いを、昨年我々が苦労して取りまとめをした総合計画、部門計画それぞれに新しい風や意志を吹き込んでいただきたいと思います。

本年度の課題 

私も就任後1年余りが経過し、振り返って見れば、あっという間であり、慌ただしい1年であったと今でも思っています。この間、公約を掲げ、その公約の実現という形で、両副知事を始め幹部の皆様方にお力添えをいただき、総合計画と法定計画をあわせて、62というかつてない計画を昨年度1年間で取りまとめをさせていただきました。

日本で初めてといわれた「保育料の第二子以降無料化」や、企業局、エネルギー局に特にお世話になりました「やまなしパワーの創設」、さらには、知事部局にお世話になった「世界遺産富士山の保全状況報告書の提出」と、今までになかったものを皆様の力でまとめ、そして県内外に「山梨ここにあり」という第一歩が踏み出せたと思っています。そういう意味では、私も今年1年の抱負、カラーは何かと問われたら、これからは「明るく元気な山梨」を創るという視点で、「明るく元気な後藤」ということを特に心掛けて臨んでいきたいと考えています。

そして、昨年1年間いろいろな部局の仕事の関係も含めて、県内各地域を土日も含めてめぐらせていただきました。やはり、それぞれの地域の皆さん、そして産業界の皆さん方は、自分の地域、仕事が今よりも良くなってほしい、良くなるべく努力をしたいという方々ばかりです。

私はこの多くの想いを共有していけば、山梨が今なんとなく元気がないものが、もっと元気にしていけるということと併せて、いろいろな計画の中にも、魂を吹き込んでくれるのは、それぞれの地域の方、産業界の方だと今でも思っています。

 

山梨には優れた地域資源がたくさんあると言われ続けていました。地域資源に対しては、山梨を想い、山梨のこれからの発展を願っているたくさんの県民の皆様が熱い想いをもっており、その勇気と私どもの計画を組み合わせるともっともっと山梨が良くなっていくと、いうようなことに勇気づけられました。

 

私も山梨県庁が、これからどうあるべきか、山梨が今後どのような方向を向いていくべきなのか、そしてどうすれば山梨が明るく元気になっていくのかということで、62の計画についてそれぞれの部局と共に検討してまいりました。その中で総合計画、総合戦略を策定したわけですけれど、やはり、今後の目標、どこに行くかという方向性、さらには、何をなすべきかという、この3つを、それぞれの部門計画も含めて、明確にできたと思っています。例えて言えば、霧が掛かった状況の中で、方向性を、何となく見失っていたものもあったかもしれませんが、それを、本日は外も雨から曇りになって午後は晴れてくると思いますが、それと同様、視界が良好になって、明確な羅針盤ができたといっても過言ではないと思います。62の計画は、すべてが、それぞれの部門計画を含めて、山梨の進むべき道を明確にできたと思っています。その計画を今年度は具体化、実行する年であることを、改めてお話ししていきたいと思います。

いろいろな人とお話をすると、あまりにも高い目標なので、本当に実行できるのかという不安の念や、また、大都市の方では経済回復ができているけれども、自分たちには全然プラスがないと不安になっている県民もまだまだいらっしゃると思っています。

そういう意味では、我々県庁が一丸となって、どういう仕事を県民のみなさんに見せてくのかということが問われる1年である。言い換えれば、山梨県庁の真価が問われる平成28年度ということを肝に銘じてもらいたいと思います。山梨の一番大きな課題である人口減少というものにも歯止めが掛かっておりません。また、経済活動についても海外経済との関係も含めて、まだまだ中小小規模事業者の皆様に、その恩恵が全て行き渡っているわけでもございません。

我々は、現状を把握し過去に学び、そして先ほど申し上げたように将来に対する方向性を明確に示しました。数字は、財政も経済も、また、医療福祉の問題も教育も全てが改善状況に反転していると言えないものばかりであります。

しかし、「当然のことでしょうがないよな」と、もし私たちが思ってしまったら、地域の皆様や県民の皆様にとって、それが加速してしまう可能性がある。確かに人口は今厳しい状況です。好転し、すぐに増加に転じることは難しいかもしれません。

また、産業状況もすべてのみなさまが、売り上げが1割2割好転することも難しいかもしれません。でも、その現状を放置してしまって「しょうがないな」と思ったら、もっともっと悪くなってしまう。そういった県民の皆様の心理状況もよく理解してもらいたいと思います。

私は昔から、もし今厳しくても、今日頑張っていれば、今日より明日、もし今年が難しい状況でも、今年の成果がまた来年に生きていくと考えてきました。そういう意味では、今年より来年がもっと良くなるだろうと果敢に挑戦し続ける県庁の幹部の皆さんであってほしいと思います。

先ほどお話ししているように、たくさんの計画を昨年1年間でつくって参りました。退職された方からもお聞きしましたが、これは私が想像する以上に、夜を徹し、時間を費やし、必死でいろんなものを考えて、作った計画です。実行しないという選択肢はもうありません。我々は、実行できない計画を作っていないはずです。実行すれば、山梨が良い方向に進んでいくということは間違いありません。それを私は確信していますし、是非皆さん方も確信して計画を実行してもらいたいと考えています。

今日この場には幹部の皆さんだけですが、ネット中継で若い職員の皆さんもこの話を聞いているとお聞きしています。オール県庁、職員のすべて、一人一人の力を結集し、同じ方向性、同じ想いを持っていただくことが必要だと思います。

 

心構えに入る前に、1点だけ改めてお願いしたいと思います。

 

62の総合計画、総合戦略、部門計画は、県庁、山梨県のこれからの基本的な方向性であります。新年度でメンバーも大きく替わりました。新しい幹部になった皆さん方、職員になった皆さん方には、もう一度、総合計画、総合戦略を頭にたたき込んでいただいて、そして、部門計画についても、まず自分のエリアについては全てのことを自分の頭の中に入れて仕事をしていくということを、まず今日はお願いをしたいと思います。

私はこの一年間、県庁のいろいろな人と話をしてきて、県庁職員は強い意志、高い能力を持っていると思います。そういう意味では山梨の中の人材の宝庫だと今でも思っています。目標はもう決まっています、羅針盤も決めました。その羅針盤に沿った方向性で力を合わせて頑張っていければ達成できないことはないと確信をしています。

そして、これも部局長の皆さんにはいろんな場面で繰り返しお話させていただきましたけれども、部門間の連携が改めて必要だということを感じております。部局間の連携ができれば、もっと大きな成果や、とんでもない副産物、プラスの副産物が現れることが沢山あります。

私は1月の末に、大きな会社の経営者の方と新年会でご一緒する機会がありました。いわゆるイノベーションというのは、それぞれの持った力をうまく組み合わせると、大化けをすると、その方は仰ってました。その方は、これからいずれかの時期に我々県庁の方にも大きなお力を貸していただけるというふうに思っています。そういう意味では、政策の着実な実行と効果の最大化というものを部局間連携を通じて行ってほしいと思っています。

職員に向けて 

皆さん方に心構えとして5つお話しをさせていただきたいと思います。

いまお話をしたように、政策を着実に実行する山梨県庁は、戦う集団に今年度は変化をしてほしいと思っています。

 

1つ目は、チャレンジ精神を持っていただきたいということであります。

 

失敗を恐れずチャレンジしていくということは、言うは易く行うは難し、であります。しかし、リスクを取らないリスクというのが、ある意味ではいろんな分野で蔓延しています。特に幹部の職員の皆さんになると、どんなミスでも許されないと、もちろんそれは当然のことであります。ただし、斬新な挑戦的なことを考えていかなければ、新しい事業というものは達成ができないと思っています。当然、事業を最終的に決める際には、いろんな方々の顔が見えます。若い方は経験がない、そして、関係した方が少ないので、思い切った発想ができるかも知れませんが、幹部の皆さんになると、あの人がこの人が、あの地域はこの地域はと、いろんな顔が見えるかも知れません。もちろん、それを思い出していただくのは結構だと思いますが、やはり、新しいことにチャレンジする以上、昨年お話しした「任怨分謗」という言葉を贈った皆さん方が思っていただけるように、当然のことながらブレーキがかかります、そして批判もされます。しかし、その批判を恐れていたら新しい山梨の再生というものはないと私は思っています。リスクを取るという裏返しは、失敗はあり得るということであります。しかし、一方で行政が何もしないということが、私は県民の皆さんに対する一番の迷惑だというふうに思います。

「仕事をすることは文句を言われるということに他ならない。批判があって当然だと思って邁進すべきだ。」と、22年前に亡くなった田中角栄さんはお話をされています。

たくさんの地域、また業界から、いろんな批判を受けるかも知れません。

でも、今、山梨は指標が悪い方向にいっているもの、また持ち直しているものが混在している中で、やはりもっと新しいものに挑戦しようということはぜひ幹部の皆さん方中心に大きな羅針盤に基づいて対応していただきたいと思います。

そして、みんなで議論をして、リスクも含めて共有をしたことは、昨年もお話ししましたが、そのリスクは私が全て責任を持たせていただきます。これは敢えてもう一度お話しさせていただきたいと思います。

 

そして2つ目であります。

 

いわゆる、鳥の目と虫の目であります。

若い皆さんには4月1日にもお話させていただきましたが、やはり専門性を磨くということは現場を知るということであります。それぞれの地域や産業界の思いが今どうなっているのか。更には、どういう計画を持っているのか。それに県という行政組織はどういう形で応援や支援ができるのかということであります。そういう意味では、現場を見て、現場の皆さんと話や意見交換をして、自分で考えて、専門性を磨いていただきたいということであります。「田んぼに入ったこともない者が米の事は語れない。実体験こそが、相手を説得する一番の要素だ」というふうにも言われていますが、私もその通りだと思います。

地方創生というのは、今まで、私達の先人が作り上げてきた人的、地域資源も含めて、それに磨きをかけて、新しくその地域を良くしていくということに他ならないと、私は思っています。地域の独自性というものは、伝統、文化、教育、そして景観も含めて色々あるでしょう。それを大前提としながら、体験をしてみて、現場をしっかりと見ていただき、そして是非、虫の目で山梨らしさを、もっと引き出していただきたいと考えています。

そして鳥の目であります。全体を俯瞰する能力を養ってほしいということを昨年もお話しました。先程お話ししたように幹部の皆さん方は、当然、自分の部、局、課、室のことをまずやっていただかなければいけないことは言うまでもありません。部局間連携ということを敢えてまた今年もお話をさせていただいているのは、やはり、他の部がどういう施策、仕事をしているのか、そして自分達の部や課はそれとどういう連携が出来て、その連携を通じて地域の皆さん、山梨県の皆さん方にとってどうプラスになっていくのかという視点を持ってほしいということであります。山梨県全体の事は当たり前のことですが、やはり、日本、それぞれの都道府県がどういう立ち位置で仕事を実行しようとしているのか。どういう工夫をしているのか。そしてもっと言えば世界、特にアジアの地域ではどういう事であれば、山梨をもっと理解をして、山梨の製品を受け入れてくれるのかということを把握してほしいと思います。そういう意味では、日本だけではなく、世界の社会や経済の状況、宗教も含めてどのような状況になっているのかということを、是非、報道も含めてきちっとフォローをしていただくと、その中で必ず山梨県の、我々の立ち位置が明確になってくると思います。そして、どのような事をしていけばいいのかという事が明確になるのかと思います。それを是非、日頃から強く意識して仕事をしていただきたいというふうに思います。他県も含めて、山梨県の立ち位置を意識してほしいという話をさせていただきましたけれども、先程、3つの政策を昨年実行したことについて、お話をさせてもらいましたが、それらもその全てが他の都道府県よりも一歩先んじて対応することの必要性、そして企業、民間の方から見れば、コストが安く経営ができればいいという当然の事を山梨に置き換えて、実行したものであります。よく、山梨の魅力、強みというのは豊かな自然とか、首都圏から近いという事だという方がいらっしゃいます。確かにそれも一部だと思いますが、この2つについては、私は山梨だけの強みではないというふうに思います。それに、景観や医療や教育や人間性、色々なものが組み合わさって山梨の強み、魅力というものをさらに強化をしていかなければいけないと思っています。磨きをかけること、強みを深掘りすること、そしてこれは幹部の皆さん方には、昨年、何度もお話させていただきましたけれども、山梨の中で20を超える日本一と言える分野を更に増やしていきたいというふうに思っていますし、もし、日本一にすぐならないものは、今、眞田丸もやっていますけど、関東一くらいになっていくようなことをしていって、オール山梨で、山梨県の魅力というものを磨きをかけていきたいと思っています。

 

3つめは、服務規律であります。

 

これも平成27年度を振り返ると服務規律で問題がなかったと言えば、嘘になります。そういう意味では、県民の皆さんが公の仕事に対して、特に県庁の皆さんをどういうふうに見ているのかということを改めて意識しなければなりません。やはり、県民の皆さん方の信頼がなければ、県政運営はスムーズに順調に運営することはできないと、この1年間で改めて実感しました。

法令に従って仕事をするということは当然のことでありますが、やはり誤解がなくきちっと県民の皆さんに事業や施策が説明できるかどうか、さらには、それを通じて、多くの県民の皆さん方がご理解をいただけるかという点を意識していただきたいと思います。

この3つの点については、昨年も少し言葉を変えてはおりますけれども、同じ趣旨の話をさせていただきました。仕事に対する心構えでありますので、ぜひ職場の皆さまにもきちっとお伝えしていただきたいというふうに思っております。

そして4つ目であります。これは情報発信力の強化についてであります。1月4日にメディアの皆様方にもお話しさせていただきましたが、やはり、1年間、県外又は海外も行かせていただきましたが、痛切に感じたことは、これは大村先生もお話しをされていましたが、山梨に住んでいると当たり前のことであることが、県外、海外に出ると、山梨はまだまだ知られていないということであります。今までは県民の皆様方に対して事業を決め、予算を決めた中で、ホームページに掲載したことで情報発信したということだったかも知れません。それでは県政に近い業界の方でさえ、なかなか私たちが決めた計画が十分に伝わらないと思います。

そして山梨の四季の魅力、そして地域資源、人の魅力というものも、海外でも県外でもお話しすると、本当に理解してくださいます。「あ、そんなに山梨は良いところがあったのか」と逆に興味を持っていただけます。ですから、私はぜひ皆さんに改めて知られていないという前提でどうやって情報発信したらいいのかということを考えていただきたいと思います。やまなし大使と言われる方が今900人を超えると聞いておりますが、そういう意味では、幹部の皆様方はもちろんでありますが、県庁マン、県庁ウーマン一人一人がやはり山梨のPRパーソンになる、そして広報官になるということを心掛けていただきたいと思います。

県は、新しい色々なことを計画や予算で本年度から実行いたします。県の情報が県庁から外に先ず出ないとなると、誰も知られないということになります。私たちだけが知っていればいいということではもちろんありません。一つ一つの事業を作るのにどれだけのコストを使っているかというのは、幹部の皆様も当然ご理解をいただいていると思います。金銭的、時間的なコストだけではありません。やはりその事業が県民の皆様方に理解をされて伝わって初めて活用をされていくことが山梨県全体のプラスになると私は思っております。そう意味におきましては、先ず皆様方の業務に一番近い業界、産業界の皆様方、そして欲を言えば、皆さんそれぞれ自治会にお入りになっていると思いますので、ぜひ地域という部分でもメッセージを強く出していただきたいというふうに考えております。

その際に工夫をすることは、2月議会でも若干その第一歩を踏み出しましたけれども、やはり県民の皆様方に対して、分かりやすい、見やすい資料を作ってその事業をどう理解していただけるかという工夫を幹部の皆様や職員の皆様それぞれにしていただきたい。その分かりやすさを通じて積極的に情報発信ができると思っております。

日本語ができない海外の方に日本語だけでPRをしたり、情報発信にしても、それは相手の心に伝わるものはゼロだと言いませんが、映像以外は少ないというように思っております。ですから、昨年度、今年に入って1月から3月にかけて色々な形で海外の皆様方にも情報提供、情報発信をすべく、多言語化ということに留意をしながら、今、施策を進めております。本年度は昨年度のベースを生かしながら、ぜひこの情報発信については対応を進めていただいたいと思います。

やはり、県の取り組みを分かりやすく、地域産業界の方にお示しをすることによって、「県がこれだけ頑張っているんだったら、俺たちも一緒にやろうぜ」、「一緒にやろうじゃん」ということになる。やはり私たち県庁の行政は、市町村や産業界を後押しする部分だと思っております。県が自ら何かを作ってということは当然のことでありますけれども、やはり、民間の皆様方が県の施策、国の施策、市町村の施策を通じて、やはり一歩先に出た研究開発や技術開発、そしてマーケットを獲得し、経済的にプラスになっていくということを後押しすることだというふうに思っております。

そういう意味で、県民の皆様方を巻き込んだオール山梨の取り組みを進めていかなければいけないというふうに思っております。

「知っているだけでは十分ではない。活用せよ。意見だけでは十分ではない。実行せよ」ということは誰の言葉であるか知っていますか。私も実は1カ月前まで知りませんでした。実は、かの文豪ゲーテであります。要するに意見だけ言っていては駄目で、やはりやり切ることが大切なんだ。知っているだけでは駄目で、その活用をすることが大切なんだということを端的に示した言葉であります。

ですから、繰り返します。県庁の皆さんは幹部の皆さんを中心にぜひ山梨のPRパーソン、広報官になったつもりで今年度はぜひ仕事に邁進していただきたいと思います。

5つ目は、是非、アンテナを高く持ってほしいということであります。先ほど国、海外の社会・経済情勢を是非、仕事の中で生かしてほしいとお話しさせて頂きましたが、やはり国や民間でも、どんどん提案をしていこうじゃありませんか。私たちが作った羅針盤というものは、私も色んな経験をさせてもらっていますが、他の都道府県に負けているものはありませんし、それを実現すれば、必ずこの山梨が良くなっていけると私は確信をしているものばかりであります。そういう意味では、国が決めたからしょうがないというふうに、施策や予算協議をする場合にも話をされる幹部の皆さんもいらっしゃいます。民間が動いてくれないからしょうがないと言われる方もおります。そうではなく、やはり自分たちが巻き込んで頑張っていけば、産業界、民間の方々や国もそれに応じて変わっていくということであります。国の制度は、例えばこの辺は変えた方がいいのではというものがあったら、是非どんどん話しをしてください。そしてきちっと提案し理解をいただければ、国の制度も変わると思います。ですから私は山梨からいろんな情報発信を通じて、やまなし観光推進機構も含めて、日本版DMOを作ったりといういろんな新しい国の動きも、多分いろんなことを山梨が発信し続けて、それを国が取り入れたということもたくさんあると思っています。ただし理屈がなければいけません。理屈をきちっと作るということは、先ほどの現場に行き、現場で自分の目で見て聞き、それをまとめる。やはり現場主義というものは、非常に強い要素であります。そういう意味で、産業界、地域に対しましても、一生懸命、おせっかいなほど関与して行かなければいけないということです。これは自虐ではございませんが、山梨の83万人という人口、そして面積の規模も含めて、非常にある意味ではこれからまとめやすく、伸びていく地域ではないか、私はこの1年間で感じています。産業界や地域に対して、それぞれアプローチしたり、連携したりしやすく、その成果が具体的に見えやすい距離感にあると思います。地方創生という自治体間競争は昨年以上に激しくなってくると思います。いろんな優遇税制や、企業誘致の支援、これはどの県でも考えています。そして子育てや環境などプラスの施策を考えています。そしてアジアのマーケットに、どのような形でそれぞれの地域のものを売っていかなければならないかという販路拡大という点も同じであります。ですからそれにいち早く、オール山梨で、「山梨県、県庁は本気だ。」「山梨県はすごいな」と思われるように、今年度はまず対応していかなければいけないと思いますので、昨年以上に汗をかいていただきたいと思います。

結び 

以上5点が今年度一年間、業務を遂行する際の心構えとしてお話しをさせてもらいました。是非、頭の中に入れていただきたいと思っております。そして、やはりスピード感を持って、いっしょに仕事をしてほしいということを、最後に付け加えさせていただきます。2020年、2027年という大きな節目に向けて、時間は待ってはくれません。昨年からもう1年が経過をしてしまいました。今、東京の色々な建築需要も含めて、オリンピック、パラリンピックに備える社会資本の整備も急速に進んでいます。山梨県も、色んなものを、まだ大丈夫だ、明日やればいいやということであったら、どんどん遅れていくということであります。

今年は新年度から組織再編をさせていただきました。また、それぞれの県民センターを含めた地域とのつながり、地域事務所の役割というものも見直しをさせていただきました。

何故ならば、市町村と産業界との連携というものを、昨年度以上に強化をしなければ、乗り遅れてしまうかもしれないということを危惧したからであります。総合計画を含めたあらゆる政策を推進する体制整備という形で、昨年度の幹部の皆さんとお話しをさせていただきながら、新年度からの組織体制にしました。そういう意味では、この1年が、山梨県にとって、大変重要な1年になると思います。昨年にも増して、難しい1年になるかもしれません。そして昨年以上に忙しい年になるというふうに思います。幹部の皆さん方、職員の皆さん方にはご苦労をおかけしますが、やはりここで頑張れなければ、どうなるのでしょうか。この1年間に何の成果も残さなければ、やっぱり山梨はどんどん悪い方向にいってしまうことをブロックできない、防ぎ止めることができないことになると私は思っています。ですから県民の皆さんや、そのお子さん、お孫さん世代に今のいろんな負の部分を私達の世代でクリアにして伝える、やはり、そういう責任が私にはあるというふうに考えております。いろんな部分でご面倒、ご苦労をおかけしますが、是非、昨年以上のお力添えをお願いしたいと思います。

昨年は「任怨分謗」という言葉を贈りましたが、今年は「剛毅果断」という言葉を、贈りたいと思います。実はこれ、考えるのも結構大変なんですよ。先ほどお話ししたように、いろんな計画を、昨年つくった62の計画は、それが必ず山梨の将来にとってプラスになるという思いで、寝ずにというと大げさでけれども、本当に神経を削って作った計画です。そういう意味では、意思をしっかり固めたということであります。そしてそれを羅針盤にすれば、必ず山梨が良くなるということを皆さんと一緒に理解をし合った結果、意思がしっかりして何事にも屈しないという「剛毅」という言葉と、「果断」というのは言うまでもなく決断力があって、物事を大胆に行うこと、実行することということであります。是非、この「剛毅果断」という言葉を胸に、実行の年を迎える皆さんに、私自身も「剛毅果断」で仕事をさせてもらうことをお誓いしながら、一緒にがんばっていきたいと思います。「明るく元気な山梨」にできるのは、皆さん方が昨年以上の力を出していただけるかどうかにかかっております。そして地域の市町村長さん方をはじめ、産業界の皆さん、また県民の皆さん方と、この「剛毅果断」の思いを共有しながら、是非とも「山梨ここにあり」、「県庁よくやってるぞ」、「じゃあ一緒にやろうぜ」というふうなことを、この1年間県民の皆さんからご理解いただけるようにお仕事をしていただくことを是非お願いします。

最後になりますけれども、メンタルな面でも皆さん気をつけてください。私も、実はメンタル面で、いやだなーという様な時には、リフレッシュする方法はありますので、個人的に後で教えます。

皆さんこの一年間頑張ってください。私も頑張ります。

 

(以上)

H28知事訓示

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