ページID:77395更新日:2009年2月2日

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平成20年9月定例県議会知事説明要旨

詳細内容

平成二十年九月定例県議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 去る八月八日から二十四日にかけて、世界最大のスポーツの祭典である第二十九回オリンピック競技大会北京大会が開催されたところであり、本県からは五名の選手が選ばれ、大いに健闘されました。
 更に、九月六日から十七日まで開催された北京パラリンピック競技大会においても、本県の鈴木徹選手が日本選手団の旗手を務めるなど、見事な活躍をされました。
 勇気と感動を与えてくれた選手の方々に心から敬意を表するとともに、この大会を通じて、国際的な理解と協調が深まることを願っております。
 さて、県では、昨年十二月にチャレンジ山梨行動計画及び山梨県行政改革大綱を策定し、県民の皆様が真の豊かさを実感できる「暮らしやすさ日本一」の山梨づくりを目指し、計画推進に全力で取り組んでいるところであります。
 行動計画に掲げました「変える・やまなし」の実現など七つの基本目標を達成するための二十七の政策、三百七の施策・事業につきましては、これまで概ね工程表に沿って進められており、数値目標を掲げた項目の多くも計画で想定した進捗率を上回るなど、概ね順調に進行しております。
 特に、県債等残高の削減につきましては、実質的な交付税である臨時財政対策債等を除き、県がコントロールできる県債等残高を平成二十二年度末までに三百八十億円程度削減するとの目標に対し、現時点では計画を六十億円程度上回るペースで削減が進んでおります。
 また、職員数の削減についても、平成二十三年度当初までの四年間で六百三十三人、四・二パーセント純減するとの目標に対し、平成二十年度当初までに二百四十五人の純減を行ったところであり、計画のペースを上回っております。
 今後とも、八十八万県民の英知とエネルギーを結集しながら、県のトップである私が先頭に立って、チャレンジ山梨行動計画及び山梨県行政改革大綱の着実な推進を図って参ります。
 一方、我が国の経済は、サブプライム住宅ローン問題を背景とするアメリカの景気後退や原油・原材料価格の高騰などの影響により、景気が後退局面に入ったと言われており、本県経済につきましても、各種経済指標が悪化しております。
 このため、本年八月には、県内経済関係者で構成する地域経済対策協議会を設置し、実務者レベルの方々とともに県内経済の実情把握に努めてきたところでありますが、現状では、中小・零細企業が多い本県は全国より厳しい経済情勢にあり、また、商工業、農業等の各分野において、原油・原材料価格の高騰など環境変化に耐え得る経営体質への改善が急務となっております。
 こうした状況を踏まえ、県では、活力創出緊急対策を取りまとめ、チャレンジ山梨行動計画に沿って推進している施策のうち、特に県民の安全・安心に関わるものについて、前倒しできるものは前倒して実施し、安全・安心の早期確保と併せて、県内経済の活性化を図って参ることと致しました。
 そこで先ず、本年度耐震補強工事の設計を行っている県立学校のうち、北杜高校など六校の建物について、耐震補強工事を前倒して年度内に着手致します。
 また、生活道路等における交通渋滞や交通事故を防ぐため、新設の基幹道路や大規模複合施設を中心とするエリアにおいて、重点的に信号機や道路標識の改良等を実施し、交通の円滑化を推進します。
 更に、中小企業者の活力創出に向けては、年度当初から高い需要が続いている原油・原材料価格高騰対策融資の融資枠を拡大し、資金需要に的確に応えて参るほか、中小企業者の省エネルギー対策を推進し、競争力ある経営体質への転換を支援して参ります。
 次に、農業対策と致しまして、原油価格高騰に苦しむ施設園芸等の農家を支援するため、本年一月に引き続き、ハウスの保温性の強化等、省エネルギー化を推進するための設備整備に対して緊急補助を実施致します。
 また、配合飼料の価格高騰に対応し、購入飼料から自給飼料への転換を促進するため、飼料作物の生産作業を受託する組織を育成し、畜産農家を支援して参ります。
 更に、地域の活性化を図るため、地域自立・活性化交付金事業を県内全域に導入し、国の有利な資金を活用することで、県負担額を変えずに事業費を拡大し、社会基盤の整備を一層推進して参ります。
 今後とも引き続き、県内経済の状況を注視しつつ、国の経済対策の動きにも呼応しながら、機動的かつ効果的な施策の展開を図って参ります。
 次に、県政各般の課題への取り組みにつきまして申し上げます。
 先ず、企業誘致についてであります。
本県への企業誘致を図るため、五月から三箇月間、東京都多摩地域の企業をターゲットに「チャレンジ山梨!企業誘致キャンペーン」を実施し、七月には私自ら企業立地セミナーで呼びかけを行ったほか、八月には、関西・中京地区の本県出身の企業経営者等との意見交換会も開催致しました。
 また、県内企業に対しましても、積極的に企業訪問を行い、事業拡大等への支援を行っており、今後も、工場等用地の確保に市町村と連携して取り組み、県内への企業立地を推進して参ります。
 次に、燃料電池技術の実用化に向けた取り組みについてであります。
 山梨大学を中心とした世界最高水準の研究開発は、新分野の産業の創出等につながるものと期待されることから、旧知事公舎敷地等を研究センター用地として、また、旧知事公舎等を改修し研究施設として、山梨大学に無償貸与するなど、必要な支援を積極的に行って参ります。
 また、研究センター内に県内企業と共同で実用化研究を行うスペースを確保し、県内における技術者の養成、燃料電池関連産業の育成を図って参ります。
 次に、やまなしブランド戦略の推進についてであります。
 本県産業の活性化に向けて、果物やワイン、ジュエリーなど、多くの「すぐれもの」を全国、世界に情報発信し、本県物産のブランド化を図ることが肝要であり、過日は、三百四十六人のやまなし大使の方々による、やまなしサポーターズ倶楽部交流会を六本木ヒルズにおいて開催し、本県の魅力を各方面にPRしていただくよう要請致しました。
 ワインにつきましては、北海道洞爺湖サミットにおいて五銘柄が会食メニューに採用されたほか、
七月に開催された第六回国産ワインコンクールにおいて、県産ワイン六点が金賞を受賞するなど、本県の高い醸造技術に裏打ちされた質の高いワインが各方面で評価されております。
 県では、県産ワインのブランド化・高品質化を更に推進するため、職員一名を八月から四箇月間フランスのブルゴーニュ地方のワイナリーに派遣したところであり、海外の最先端の技術を持ち帰り、本県ワインの醸造に生かして参りたいと考えております。
また、「山梨ヌーボー」の解禁日と定めた十一月三日の日比谷公園を皮切りに、十一月の週末には甲府市中心街や小瀬スポーツ公園において「山梨ヌーボーまつり」の開催が予定されており、これを主催する県ワイン酒造組合を支援して参ります。
 また、ジュエリーにつきましては、八月に東京で開催された国内最大規模の「ジャパンジュエリーフェア」に出展し、明年三月には「香港国際宝飾展」への出展を予定するなど、山梨発の産地ブランドKoo-fuコレクションを中心に、販路拡大に取り組む県内宝飾業者を支援して参ります。
次に、農業の振興についてであります。
 果樹王国やまなしとしての地位を更に高めていくためには、産地イメージの確立を図ることが何よりも重要と考えております。
 このため、県産ももの最盛期を迎える七月十九日から八月三日までの間、全国約千箇所の店舗で「やまなし・桃の日フェア」を開催し、私も、初日の東京や最終日の青森市内の会場においてトップセールスを展開するとともに、県産特選農産物の取扱認定店第一号として東京の高級果物専門店に認定証を交付するなど、販路拡大とブランド化の推進に全力で取り組んで参りました。
 更に、海外に向けましては、「フードタイペイ」に続き、中国本土への足がかりともなる香港において、今月十日から開催されたアジア国際果実・野菜マーケティング展「アジア・フルーツロジスティカ二〇〇八」に出展するなど、アジアを中心に新たな販路開拓に向けた取り組みを進めております。
 次に、観光の振興についてであります。
 本年四月から六月までの間、JRグループ六社と協働して実施した「山梨デスティネーションキャンペーン」は、地域の観光事業者や交通事業者、NPOや市町村などとの連携により、昨年のNHK大河ドラマ「風林火山」の放送により大幅に増加した観光客をしっかりと定着させ、大きな成果を挙げることができました。
この成果を更に発展させることが重要であり、本年十月から明年三月まで、中日本高速道路株式会社と協働して「めぐる!山梨『速旅』キャンペーン」を実施し、高速道路の乗り降りが定額で自由に行える通行料金割引プランの提供などにより、自動車での来県者の誘客を強力に進めて参ります。
また、明年四月からは、JR東日本の重点販売地域に本県が指定されたことから、これに合わせて、JR東日本管内で重点的に観光キャンペーンを実施することとし、宿泊滞在型の観光地として定着を図って参ります。
次に、富士山世界文化遺産登録についてであります。
 現在、学術委員会や文化庁の意見等を踏まえ、構成資産の選定及び緩衝地帯の範囲の検討を行っており、今後、構成資産などをできる限り早期に確定した上で、静岡県並びに関係市町村等と連携して、推薦書原案の作成や保存管理計画の策定など、登録に向けて必要な作業を進めて参ります。
 次に、保健医療の充実についてであります。
 先ず、産科医療体制の確保についてであります。
産科医師の不足等により、本県においても近年分娩の取り扱いを中止する病院が相次ぐ中、産科医療体制の確保は喫緊の課題であります。
 二年間の臨床研修修了後、医師は、専門とする診療科を選択し、後期研修と呼ばれる診療科ごとの研修を受けながら専門性を高めていきますが、近年、本県において産科を選択する医師の人数が極めて少ないことから、後期研修奨励金交付制度を創設して、産科の選択を促し、産科医師の確保、定着を図って参ります。
 また、来月には、助産師外来運用マニュアルの策定や助産師の資質向上を図るための研修の実施等を内容とした寄附講座を山梨大学に設置し、産科医師の負担軽減にも資する助産師外来の普及を促進して参ります。
 次に、小児救急医療体制の確保についてであります。
富士・東部地域における小児救急医療体制の確保につきましては、関係者との協議や必要な施設整備等も概ね整ったため、十月三十日から、小児初期救急医療センターと二次救急医療を担当する三つの病院による新たな小児救急医療体制をスタート致します。
 今後、住民や関係機関に対し、県や市町村の広報等を通じてきめ細かな周知を行い、円滑かつ適切な利用がなされるよう努めて参ります。
 次に、県立病院の経営形態の見直しについてであります。
 県立病院は、本県の中核的な病院として、救命救急医療や総合周産期母子医療などの政策医療を確実に実施していくことが最大の使命であります。
 この役割をしっかりと果たしていくためには、医療費抑制による医業収益の減少や、県民ニーズの多様化等に対応できる病院体制の確立が必要であります。
 しかし、現在の地方公営企業法の一部適用では、人事や予算など経営に関する権限が分散され、経営責任が不明確であるなど、経営体として機能を十分に発揮できない状況にあります。
 これらの課題を解決し、職員の意識改革を促して、病院が一体となって経営改善を進めるためには、抜本的に業務運営方法を改善することができる経営形態への見直しが避けられません。
 今後、県議会の「県立病院あり方検討特別委員会」における御論議も踏まえつつ、早期に見直しの方向性を決定して参りたいと考えております。
 次に、高度情報エリアの整備についてであります。
 甲府駅北口県有地については、新県立図書館と併せ、情報通信産業を核とした高度情報化拠点を配置し、全体を高度情報エリアとして整備することにより、地域の活性化と本県産業の振興に資するよう活用していくという考えを申し上げて参りました。
 そこで、学識経験者等で構成する「高度情報エリア整備懇話会」の御意見を伺いながら、新県立図書館と連携した高度情報化拠点の在り方、施設の配置、民間活力の導入方法などについて検討を進め、過日、その整備方針を策定致しました。
 このうち、高度情報化拠点については、県内外の情報通信産業を集積させるとともに、生涯学習推進施設などの公共施設を整備していく考えであります。
 また、県財政が厳しい折、民間の資金・ノウハウを活用することとし、土地所有権は維持したままこれを貸し付ける、定期借地権を活用した公民連携事業として整備する考えであり、公正・公平性や透明性の確保に十分留意しながら、明年には整備事業者を決定して参ります。
 次に、新県立図書館につきましては、すべての県民に親しまれ、県民とともに成長・発展していく図書館「山梨県民図書館の構築」を目指し、これを実現するためのサービスや管理運営の在り方などを示した整備計画を、パブリックコメントを実施した上で、策定したところであります。
 施設については、延べ床面積を一万平方メートル程度とするとともに、収蔵能力を百十万冊とするなど、県民の多様なニーズに十分応じられる規模としております。
 また、山梨を学び理解することができる「地域学の殿堂」を目指すとともに、県内外に本県の文化や情報を発信する拠点として位置付けるなど、山梨らしさを持たせ、更に、子どもの活字離れが懸念される中で子どもの読書活動の推進を図る「子ども読書支援センター」を設置するなど、サービス、運営に優れた図書館として整備して参ります。
 今後、整備計画を基に、平成二十四年秋の開館を目指して、設計、建設等の開設準備を進めて参ります。
 次に、スポーツの振興についてであります。
 ヴァンフォーレ甲府の活躍などにより、昨年度の小瀬スポーツ公園陸上競技場の観客数は約二十六万人に上り、大変多くの県民の皆様に御利用いただいているところです。
 そこで、本県のスポーツの更なる振興に向けて、中核施設である小瀬スポーツ公園陸上競技場に大型映像装置を設置することとし、明年八月の供用開始を目指して整備を進めて参ります。
 次に、県庁舎の耐震化等整備についてであります。
 本年度、県庁舎の耐震化等整備に向けて具体的な検討に着手したところであり、防災機能を集約した新庁舎につきましては、災害発生時に中心的な役割を果たす消防、警察などの防災関連部局、子どもの安全を担う教育委員会を配置するとともに、一階部分には中心市街地の活性化等に配慮し、商業施設などを配置したいと考えており、現在基本計画を策定中であります。
 この新庁舎の整備手法につきましては、民間の専門調査機関による調査結果も踏まえ、PFI方式の方が直営方式よりも総事業費を一定程度削減できる見込みであり、財政負担の平準化も図られること、また、一階部分への賑わいの創出などで民間ノウハウの活用が期待できることから、PFI事業として実施することが適当であると考えております。
 今後、県議会の御論議もいただいた上で、事業方式を正式に決定し、耐震化等整備を着実に進めて参ります。
 また、県議会議事堂につきましては、増築部分の委員会室棟の耐震化が必要であり、これと併せて、エレベーターの設置等バリアフリー化や傍聴席の改修等も検討していく必要があることから、県議会の御意見を十分お聞きしながら、早期の整備を図って参ります。
 次に、交通基盤の整備についてであります。
 先ず、中部横断自動車道の増穂インターチェンジ以南の整備につきましては、用地買収が着実に進んでいることから、年内にも南部町内において工事に着手できる見通しが立ったところであります。
また、「中部横断道沿線地域活性化構想策定協議会」におきまして、沿線地域の将来推計を基に意見交換を行っているところであり、沿線地域の活性化方策について更に検討を進めて参ります。
 新山梨環状道路南部区間につきましては、中央市内約三キロメートルの工事を進めて参りましたが、明年三月には開通できる見通しであり、これにより南アルプスインターチェンジから甲府市の国道三百五十八号までの南部区間全線が供用できることとなります。
また、長年の懸案でありました国道百三十八号の富士吉田市内の整備につきましては、早期の都市計画決定を目指し、年内にも沿線住民の皆様に具体的な道路計画をお示しできるよう、国土交通省や関係機関との調整を進めて参ります。
 リニア中央新幹線につきましては、JR東海が、二〇二五年の首都圏から中京圏での営業運転開始を目指し、地形・地質調査の結果を本年中にも国土交通大臣に報告できるよう作業を進めており、県としても、引き続き、整備計画路線への格上げを国に対し強く働きかけるとともに、リニア中央新幹線の建設促進に向けて、今後とも最大限の協力をして参ります。
 次に、事務処理ミス再発防止に向けた対応についてであります。
 度重なる県職員の事務処理ミスの発生を受け、六月に外部の有識者を交えた再発防止のための検討委員会を設置し、原因究明と再発防止策の検討を行って参りましたが、過日、「事務処理ミス再発防止対応方針」を取りまとめ、県民の皆様に公表致しました。
 ミスの発生の原因としては、チェック体制の機能低下、制度・手続についての理解不足、職場内のコミュニケーションの不足などが挙げられることから、対応策として、業務ごとのチェックリストの作成や各部局における事業の執行管理の徹底、責任の明確化や研修の充実などを通じた職員の意識・資質の向上、情報の共有化に向けた職場環境の改善などに取り組むこととしたところであります。
 今後は、全庁的な推進体制を整備して再発防止策を着実に実行し、県民の県政への信頼回復に向けて全庁・全職員が一丸となって取り組んで参りたいと考えております。
 次に、新たな給料の特例減額措置についてであります。
 職員の給料につきましては、昨年十一月、経済財政会議から全国的な給与の特例減額措置の状況に触れつつ、「職員自身も改革に伴う痛みを共に担うなど、県民の理解と協力を得るための取り組みを検討する必要がある。」との御提言をいただいたところであります。
 この御提言を踏まえ、既に特別職及び一般職の管理職については、平成二十年一月以降も引き続き、給料の特例減額措置を実施することと致しましたが、その後、全国においては、新たに非管理職も対象として給与の特例減額措置を実施する県が七県増加し、二十三道府県となっております。
 また、本県の財政状況が他の都道府県と同様に厳しさを増す一方で、県庁舎耐震化等整備、県立学校の耐震化など、今後数年間で行わなければならない大規模事業も予定されているところであります。
 このため、徹底した行財政改革を進め、所要の財源確保に努めていく必要がありますが、これにより、県民の皆様にも様々な負担をお願いすることになるため、県行政に対する御理解と御協力を得ることが不可欠であります。
 こうしたことを総合的に勘案し、非管理職を含めた給料の特例減額措置を実施せざるを得ないものと判断し、過日、職員組合に新たな給料の特例減額措置について提案したところであります。
 新たな給料の特例減額措置案では、全国の都道府県の状況等を踏まえ、非管理職の削減率を二パーセントに設定するとともに、特別職及び部長級職員の削減率については、現行よりも更に二パーセント上乗せした上で、実施期間を平成二十一年一月一日からの三年間としております。
 県職員の給料は、人事委員会勧告制度を尊重して取り扱うことが基本であり、今回の措置は、私としても苦渋の決断でありますが、今後、職員組合との協議・交渉を行う中で、職員の理解と協力を求めて参りたいと考えております。
 次に、提出案件の内容につきまして御説明申し上げます。
今回提出致しました案件は、条例案八件、予算案三件、その他の案件九件となっております。
 条例案のうち、主なるものにつきまして申し上げます。
 山梨県食品衛生法施行条例の改正案についてであります。
 食品による薬物中毒事案の発生を踏まえ、国が定める「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針」が改正されたことから、食中毒事案等の被害拡大防止対策を速やかに講じるため、食品等事業者に対し、健康被害等に関する情報の報告義務を課すものであります。
 次に、動産購入案件につきまして申し上げます。
 県立美術館の開館三十周年を記念して、美術資料の一層の充実を図るため、ミレーの初期作品である「眠れるお針子」ほか二点を美術資料取得基金を活用して購入しようとするものであり、バルビゾン派の作品を集めて展示する「ミレー館」の開館に合わせ、明年一月六日から一般公開して参ります。
 次に、予算案のうち主なるものにつきまして申し上げます。
 先ず、活力創出緊急対策についてであります。
 県民の安全・安心確保対策として、県立高校六校の建物の耐震補強工事を前倒して実施するとともに、生活道路等において重点的に交通安全施設を整備することとし、所要の経費を計上致しております。
 また、地域経済活性化対策として、中小企業者を金融面から支援するため、商工業振興資金の融資枠を三十一億円増額して百七十一億円とすることとし、所要の経費を計上致しております。
 農業につきましては、施設園芸等における省エネルギー化を推進するための設備整備に対し助成するとともに、飼料の自給生産体制を確立するための組織育成に対し助成することとしております。
更に、国の地域自立・活性化交付金事業を拡大し、地域の活性化に資する道路、河川等の整備を積極的に進めて参ります。
 以上、活力創出緊急対策につきましては、一般会計で九億五千万円余、商工業振興資金特別会計で二十二億六千万円余の総額三十二億一千万円余を計上致しております。
 次に、山梨大学が中心となって取り組む燃料電池技術の実用化研究開発事業を支援するため、旧知事公舎等を研究施設に改修して無償貸与することとし、所要の経費を計上致しております。
 次に、高度情報エリアの整備についてであります。
 高度情報化拠点の整備につきましては、定期借地権を活用した公民連携事業とする考えであり、明年の整備事業者選定に向けて所要の経費を計上致しております。
 また、新県立図書館の整備につきましては、過日策定した新県立図書館整備計画に基づき、基本・実施設計に着手することとし、所要の経費を計上致しております。
次に、県庁舎の耐震化等整備に伴い、三井ビルの土地及び建物を取得し、これを改修して課室等の仮移転先として活用を図ることとし、所要の経費を計上致しております。
 次に、小瀬スポーツ公園陸上競技場に大型映像装置を設置するため、電光掲示板の改修に要する経費を計上致しております。
 以上の内容をもって編成しました結果、一般会計の補正額は、二十六億円余、既定予算と合わせますと四千三百八十二億円余となり、前年度同期予算と比較して、一・五パーセントの減となっております。
 この財源と致しましては、地方交付税七億円余、国庫支出金十一億円余、県債五億円余などとなっております。
 また、特別会計の補正額は、商工業振興資金特別会計ほか一会計で十三億円余となっております。
 その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。
 なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。


平成二十年九月二十五日

山梨県知事  横 内 正 明

リリース日:2008年9月25日

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