ページID:77418更新日:2009年2月1日

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平成19年2月定例県議会知事説明要旨

詳細内容

平成十九年二月定例県議会の開会に当たり、提出案件の説明に先立ち、県政担当に当たっての私の所信と施策の基本的な考え方につきまして申し上げ、議員各位並びに県民の皆様の深い御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 この度私は、県民の多数の皆様の御支持をいただき、第五十九代知事として、県政執行の大任を担うこととなりました。
 その責任の重大さに、改めて身の引き締まる思いがすると同時に、限りない使命感と情熱を感じております。
 さて、今回の知事選挙を顧みて、その意義を考えますと、この選挙は、閉塞感を打破するための改革競争であり、県政を刷新し、県政の流れを大胆に変えることが県民世論の大きな潮流となって現れたものと受け止めております。
 山梨を再生させるために山梨の現状を変える、これが、今回の知事選における私の政治公約であると同時に、県民の民意であります。
 従前の状況を変えていくことには抵抗もありましょうし、困難な事態に直面する場面も出てきますが、私は、「山梨を変える」・「山梨再生」という大きな目的に向かって、八十八万県民の英知とエネルギーを結集し、県民の皆様と一丸となって挑戦していく決意です。
 さて、この度の県政担当に当たっての私の基本姿勢について申し上げます。
 まず、県政に対する県民の信頼を確立するため、「秋霜を以って自ら慎む」ことを自らの座右の銘とし、常に高い倫理観と公正・公平に徹して参ります。
 また、県民ニーズを的確に把握し、スピーディーな施策展開を図るとともに、県民と直接、接触する現場を重視する現場第一主義を徹底して参ります。
 私の主張とは見解を異にする考え方や御批判に対しましては、謙虚に耳を傾け、民意を反映した県政の推進に取り組んで参ります。
 次に、施策の展開につきまして申し上げます。
 福祉と医療、教育問題、環境保全など、行政に対する県民のニーズは、ますます多様で切実なものとなっております。
 こうした行政に対する大きな期待をしっかり受け止め、施策の展開を図っていくためには、何よりも財政基盤の確立が必要であります。
 そこで、さらに徹底した財政改革を進めるとともに、その一方で、「成長なくして財政再建なし」をモットーに、地域経済を活性化することで税収の増加に努める所存です。
 こうした自助努力と合わせて、国からできるだけ有利な資金を引き出すことなどを通じて、歳入・歳出の両面から財政の再建を図って参ります。
 そして、財源の確保を図りつつ、「暮らしやすさ日本一」と言えるような豊かさを実感できる山梨県づくりを目指して、県民の皆様に公約した七つの宣言を着実に具体化していきたいと考えております。
 先ず、第一は、「変える・やまなし『大胆改革宣言』」であります。
 山梨を変えるためには、先ず県庁が変わる必要があります。
 県庁職員五千人が高い志とモラルを持ち、前例にとらわれることなく、どのような問題にも前向きに挑戦していく「創意工夫を凝らし挑戦する県政」を進めます。
 また、情報公開を積極的に行い、全国トップクラスの情報公開度を目指すとともに、県民と知事とが普段着の対話をする「県政ひざづめ談議」を開催するなど、県民に開かれ、県民とともに創る県政を推進して参ります。
 更に、女性の目からの県政の見直しも重要であり、女性の知恵や感覚を県政や社会の第一線に生かして参りたいと考えております。
 そして、頑張る市町村を応援し、特色あるまちづくりを支援するとともに、郡内・国中間の格差是正など地域バランスのとれた県政を推進して参ります。
 第二は、「力みなぎる・やまなし『トップセールス宣言』」であります。
 私、知事自身がトップセールスマンになり県庁職員とともに、山梨の良さを全国、全世界に情報発信し、企業誘致、観光客の呼び込み、県産品の販路拡大などに精力的に取り組んで参ります。
 また、大消費地に近い有利性を生かした「やまなし農業ルネッサンス大綱」を策定し、山梨農業の再生を図るとともに、ITなどハイテク産業の集積、産学官の連携による新産業の創出、ベンチャー企業の開業促進など、甲州財閥を生み出した本県の風土・気質が十分に発揮できるよう施策展開を図って参ります。
 更に、県都甲府市をはじめとして、商店街活性化を進めるとともに、アーバンデザインによる美しく洗練されたまちづくりといった中心市街地の再生を進めて参ります。
 第三は、「やすらぎ・やまなし『安心・安全県宣言』」であります。
言うまでもなく行政の最大の使命は、先ず何よりも県民の安全を守ることです。
 予測されている東海地震などの防災対策や、近年ますます凶悪化している犯罪はもとより、感染症、食の安全なども含め、危機に迅速に対応できる危機管理体制づくりに取り組んで参ります。
 また、将来の地域社会の活力の低下を招くことになる少子高齢化社会に対応していくため、乳幼児医療費の窓口無料化や地域ぐるみの子育て支援、小児救急医療体制の確立を進めます。
 また、これと合わせて、地域医療の確保と機能の高度化、高齢者、障害者のニーズに合った血の通った福祉の実現に取り組んで参りたいと考えております。 
 第四は、「はぐくむ・やまなし『教育力向上宣言』」であります。
 いじめや不登校をなくし、学力、モラル、豊かな人間性を備えた人材育成を進めるため、「山梨版教育改革」に取り組んで参ります。
 先ず、心の成長に最も大事な時期の小学校に三十人学級制を拡充するとともに、小学校における読み・書き・計算の基礎学力の向上を図ります。
 また、経験豊富な退職教員に学校カウンセラーとして再び活躍してもらい、いじめや不登校児童ゼロを目指します。
 更に、スポーツの普及を図るとともに、文化・伝統を伝えていくことや文化施設の活用による文化力の向上を促進します。
 第五は、「さわやか・やまなし『美の郷宣言』」であります。
 山梨ならではの景観・美観づくりを進めるため、「美の郷やまなし」運動を推進します。
 太陽光発電、小水力発電といったクリーンエネルギーの活用に取り組むとともに、ゴミに対する社会の認識を高め、ゴミのリデュース、リユース、リサイクルの「3R」活動の実践を通じて、ゴミゼロ社会の実現を目指して参ります。
 第六は、「つどう・やまなし『いやし日本一宣言』」であります。
 山梨県は水と緑の宝庫であり、温泉、果物、ワインなど山梨のブランドを活用して、県内外の人々が集うことができる「癒し先進県」を実現します。
 また、東京の奥座敷としての地理的優位性を生かしながら、「山と森と湖の観光」を呼びかけるとともに、グリーンツーリズムの普及、既存観光資源のリニューアル、温泉療養都市づくりなど観光県としての振興を図って参ります。
 更に、大都市に住んでいる団塊の世代などをターゲットに山梨への移住を誘う政策の展開を強化します。
 最後に、「むすぶ・やまなし『交流支援宣言』」であります。
 周囲を山に囲まれた本県に極めて重要な施策は、地域と地域、人と人とを結ぶことであり、国際化にも対応できる交流ネットワーク網の拡大を図ります。
そのために、中部横断道を十年以内に完成させるとともに交通ネットワークの整備を促進します。
 一方、JR中央線はさらにスピードアップを図るとともに、新宿行き早朝特急の実現を目指します。
 また、東京都と協力して米軍横田基地の軍民共用化を促進し、山梨県民のための「空の便」を大幅に改善します。
 また、こうした交通ネットワークの整備とともに、高度に情報化した現代社会に欠くことのできない情報ネットワークを構築し、観光、医療、教育などの様々な分野で活用できる体制の整備を進めて参ります。
 更に、国内の交流だけにとらわれず、文化、産業など幅広い分野における国際交流を促進し、世界との交流を通じて、地場産業の技術力やデザイン力を飛躍的に向上させ、付加価値を高める施策を展開して参ります。
 以上、施策の概要を申し上げました。
 これら施策の具体的内容と進め方については、十分な検討を行った上で、着実に実現していく所存であります。
 いずれも山梨再生に向けて重要かつ迅速な対応が急がれる施策でありますので、具体化を急ぎ、六月議会に政策予算として、お示ししていきたいと考えております。
 今後、政策を具体化し、充実を図っていくためには、県民の皆様の県政に対する積極的な参画と建設的な発言をお願いするとともに、施策を展開するに当たっては、常に県民とともに考え、県民とともに歩む知事であることを改めて表明致します。
 以上、県政執行の重責を担うに当たり、私の基本的な考えを申し上げました。
 誠心誠意努力する所存でありますので、議員各位をはじめ、県民の皆様におかれましては、なにとぞ、力強い御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 次に、本日提案致しました平成十九年度当初予算につきまして申し上げます。
 今回の予算につきましては、諸般の事情から骨格予算として編成致しております。
 従いまして、新規施策的事業につきましては、今後、検討を加え、六月以降における補正予算に計上することと致しておりますので、御了承願いたいと存じます。
 このような方針に基づきまして、具体的には、
 一 人件費、扶助費並びに県債償還のための公債費
 二 継続的な公共事業費並びに災害復旧費
 三 平常規模による一般行政費
 以上の三項目により編成致しております。
 その結果、一般会計予算の総額は、四千百七十四億円余となっております。
 特別会計は、恩賜県有財産ほか十二会計を合わせまして、二千四百二十八億円余、企業会計は、電気事業ほか三会計で二百六十二億円余となっております。
 なお、そのほか当面必要な条例案並びに平成十八年度補正予算案を提出致しております。
 その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。
 なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。
 最後に、山本前知事におかれましては、四年間にわたり県政を担当され、県政発展のために、ひとかたならぬ御努力を重ねてこられました。
 ここに、その御労苦に対しまして深甚なる敬意と感謝の意を表し、今後の御健康と御活躍をお祈りする次第であります。
 また、議員各位には、今議会が任期最終の議会となります。
 過去、四年間にわたり、県政発展のため、格別の御努力を傾注されましたことに対しまして、改めて深甚なる敬意を表する次第であります。
 今後、ますます御健勝にて御活躍、御発展されますことを衷心より御祈念申し上げ、私の所信表明と提案理由の説明を終わります。 

 平成十九年二月二十七日

                    山梨県知事  横 内 正 明

リリース日:2007年2月27日

総務部財政課

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