ページID:77419更新日:2009年2月1日

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平成19年度 年度はじめ訓示

詳細内容

平成19年度はじめ訓示の様子(JPG:96KB) 皆さん、おはようございます。
 去る2月17日知事に就任して以来、50日が過ぎたわけでありますが、この間、2月議会への対応をはじめ、公約実現に向けた施策の具体化などに、皆さんとともに取り組ませていただきました。
就任後の慌ただしい中ではありましたけれども、皆様方のご協力によりまして、概ねスムースな取り組みが出来ましたことに、まずお礼を申し上げたいと思います。
 さて、この時期、恒例のことではありますけれども、3月末には退職される方々をお送りし、この4月には新たな職員をお迎えしました。 
 今回の退職者、257名の皆様方には、いわゆる「団塊の世代」と言われる方々が含まれておりまして、いよいよこの世代の皆さんの退職の時期を迎えたわけでありますけれども、30年ないし40年の永きにわたって、県政の推進に大変ご尽力を頂いた方々でありまして、特にここ十数年は、バブル崩壊後の低迷する経済、その後の構造改革など、社会経済の変動の中で、懸命に県政を支えてこられた皆様方であります。そのご労苦に対しまして、心から敬意と感謝の意を表したいと思います。
 一方で、この4月にお迎えした新たな職員は、143名であります。
 全国的に市町村合併が進み、また、第二期地方分権改革や道州制の検討といったことが始まり、今、地方のあり方が大きく変わりつつある時であります。
 こうした中にあって、山梨の再生に向けた、大変重要な時期に職員となられた皆様方には、若い力を存分に発揮していただいて、山梨を変えていく大きな力として、活躍していただくようご期待申し上げたいと思います。
 さて、本年度は、本県の大いなる発展を目指し、山梨の再生に向けて、確かな1歩を踏み出す、重要な年であります。新年度のスタートに当たり、改めて、山梨再生に向けての私の思いと決意を申し上げ、皆様のご理解とご協力を得たいと思います。
 私は、本県の経済の現状に危機感を持っております。と言いますのは、いくつかの経済指標から見て、全国の中で本県の経済的地位が低下し、先進県との間に格差が拡大していると判断せざるを得ないからであります。
 まず、都道府県の経済力を最もよく示す指標として、「県民一人当たり所得」があります。本県の「県民一人当たり所得」は、かつて平成元年には、全国47都道府県のうち、11番目であり、先進県への仲間入りと言っていい段階にありました。
 それが最近の平成16年には、30位にまで落ちております。つまり、この間に20近くの他県に追い抜かれたことになるわけであります。
 また、「有効求人倍率」という数字があります。労働需給の逼迫の程度を示す指標でありますけれども、同時に、その県の景気の善し悪しというものを大まかに表しております。本県の「有効求人倍率」は、平成14年までは、全国でもトップクラスの高いものでありました。従って失われた10年と言われた厳しい不況下でも、本県は比較的景気の落ち込みは少なかったと見られるわけでありますが、最近の平成18年には、全国で17番目と落ちてきております。 
 こうした数字から、私は、本県の経済的地位が低下しつつある。都道府県間の経済競争に立ち後れつつあるという強い危惧を持つものであります。
 就任時の訓示におきまして、私は申し上げました。今県民の間には、閉塞感、先行き不安感が鬱積をし、多くの県民は山梨を変えてもらいたい。未来に期待できる山梨にしてほしい、そういう切実な思いを強く抱いているということを申し上げたわけでありますが、県民の皆さんは、日々の生活実感として、本県の経済力の低下を敏感に感じ取っているのであります。
 県民の民意は山梨を変えて欲しい、そしてもっと元気な活力のある山梨をつくって欲しいという一点に尽きるものであります。そして、この山梨を変えていくためには、私が様々な機会に申し上げておりますように、まず県庁が変わらなければなりません。県庁改革を着実に進めていく必要があります。その改革の柱として、3つの柱について、改めて申し上げたいと思います。
 まず、創意工夫を凝らし挑戦する県政、「攻めの県政」への転換を図らなければなりません。
 困難な状況に直面した時に「予算がない」「前例がない」「制度がない」という3つの言い訳をしないこと、県民の生活に必要なことであれば、創意工夫を凝らし、新しい解決法を生み出すよう、チャレンジすることを、皆さんに求めて参りました。
 知事と県庁5千人の職員が総力を挙げて県民のために挑戦していく、その前向きの姿勢を見てもらうことが、県民を勇気づけ、やる気を呼び起こし、山梨を変えるものであると確信しております。
 こうした歩みを着実に進めて行くためにも、人材の登用にあたっては、職員の「積極的な姿勢」と「ひたむきな努力」を評価基準としております。また、県政の第一線である「現場部門」を重視し、現場において営々と努力している職員に光をあて、積極的に登用するということを申し上げて参りました。
 今回の人事に当たっては、こうした考え方のもとに、「出先部門の職員」を「人事、財政、企画など中枢、管理的な部門」に積極的に配置いたしました。
 一方で、管理部門の職員には、できるだけ現場をしっかり経験してもらうために、出先部門へ配置を行ったところであります。
 出先部門は、県民の生の声を直接お聞きをするという、重要な役割を担っております。
 県民の方々から直接話しを聞き、そしてその思いや考えをしっかりと受け止めて、誠実にお応えしていく、そういう現場部門での行政に取り組んで、そしてその経験を積んで、しかる後に本庁に戻ってまた活躍してもらう、こうしたことを目的とした人事を行ったものであります
 組織改革については、政策秘書室の機能の強化や産業立地室の新設などを行いました。
 政策秘書室につきましては、知事の意を受けた、文字どおり司令塔としての機能を十分に発揮させるため、企画、戦略部門としての体制を整え、その充実・強化を図ることに致しました。 
本年度は、県政の行動指針となる「行動計画」の策定や、「山梨ブランド戦略」の企画・立案など、全庁一丸となっての取り組みに向けて、しっかりと機能させて参ります。
 また、産業立地室については、部内室体制とし、組織強化を図りました。待ちの姿勢ではなく、戦略的に取り組み、積極的に県外に向けて打って出る。そして、企業を呼び込むという、企業立地への取り組みを一層推進して参ります。
 さて、ここで創意工夫を凝らし、挑戦する県政を実現するために、三つのことを皆さんにお願いしたいと思います。
 第一に若い職員の意見やアイデアを積極的に施策に反映させていくことが大切であります。
 このため、現在ある職員提案制度を改善し、更に活用していきたいと考えておりますので、是非提案を積極的に行っていただくように、皆さんからも進めていただきたいと思います。とりわけ管理職の皆さん方には、若い職員が職員提案をはじめとして、新しいアイデアを出そうという意欲を積極的にかき立てるように育てていただきたいと思います。
 第二に私の部屋である知事室のドアは、いつでも皆さんに開かれております。知事に意見具申をしたい人は誰にでも会いますから、僅かな時間でも入ってきていただきたいと思います。
とりわけスタッフである、理事とか、主幹というような皆さん方には、意見、要望など、機会があるごとに伺いたいと思いますので是非入ってきていただきたいと思います。
 第三に国の各省庁、全国の経済界や様々な分野の有識者と接触を深め、県政の役に立つホットな情報に努めていただきたいと思います。
 今日本は、失われた10年といわれる厳しい時代を克服し、ダイナミックな変化を遂げつつあります。山梨の中だけで得られる情報に頼っていたのでは、時代の大きな流れに取り残されてしまいます。広い視野に立ち、幅広い情報の収集と情報発信が必要であります。元外務大臣の柿澤弘治氏を特別顧問に招き、国の職員を数名採用したのも、幅広い情報のネットワークが県政の活性化に役立つものと判断したからであります。
次に、簡素でスピーディな県政の実現です。
 県民の多様化する、切実な要望に的確に、スピーディに応えていかなければなりません。
 県民の皆さんの諸々の要望に速やかに対応する、すばやい反応とすばやい行動が必要でありまして、これが県民の求めるところであり、県庁職員の県民に対する姿勢としての基本中の基本であります。
 こうしたことへの対応として、県民の要望や意見に一週間以内に回答する「県政クイックアンサー制度」をスタートさせます。職員の皆さんには、是非、この制度への対応を徹底するとともに、日常の業務についても、ムダを省き、スピーディであることを念頭において、取り組んでいただきたいとお願いをしたいと思います。
 三つ目は、県民に開かれ、県民とともに創る県政で あります。
 先般、全国市民オンブズマン連絡会議による情報公開度調査の結果が発表されましたが、山梨県は全国37位と、なお、最低クラスにあります。情報の公開なくして県政に対する県民の理解や協力を得ることはできません。情報の公表・提供の一層の充実を図り、トップクラスの「情報公開先進県」を目指して参ります。
 また、知事記者会見も、従来の原則月2回から、毎週行うことといたしまして、県政に関する情報をできるだけ多く、分かりやすく県民にお知らせして参ります。
 更に、持っている情報を公開するだけではなく、常に、現場、県民サイドからの情報を吸い上げることが重要です。
 このため、県民とシナリオのない普段着の対話ができる「県政ひざづめ談議」を、年20回以上開催をいたします。職員の皆さんも、是非、積極的に現場に出て行って、県民の皆さんとの対話に努めていただきたいと考えています。
 県庁改革とともに、最優先で取り組むべき課題は、財政基盤の確立であります。
 行政に対する県民ニーズは、ますます多様化し、しかも切実なものとなっており、こうした行政に対する大きな期待をしっかり受け止め、施策の展開を図っていくためには、何よりも財政基盤の確立を図らなければなりません。
 このために、さらに徹底した財政改革を進めると同時に、その一方で「成長なくして財政再建なし」と言われるように、地域経済を活性化することで税収の増加に努め、こうした自助努力と合わせて、国からできるだけ有利な資金を引き出すことを通じて、歳入・歳出の両面から財政再建に取り組んで参りたいと思います。
 また、私は公約として、7つの宣言、127項目にわたる政策提言を県民の皆様にお示をし、お約束をしております。
 公約である政策提言を一日も早く具体化し、山梨を変え、「暮らしやすさ日本一」の県づくりに向けた施策を積極的に展開していくことが私の責務であり、本年度は、そのスタートとなる年であります。
 当面、政策予算を提案する6月県議会を目途に暫定的な行動計画(アクションプラン)を作成し、その後、県民の皆様などの意見を伺いながら、具体的な施策として構築し、本年中に、現在の長期総合計画に代わる新たな県政運営の指針として、数値目標や工程表などを織り込んだ最終的な行動計画を策定することにしています。
 また、県政の運営に当たっては、県民との信頼関係が重要であることは言うまでもありません。
 職員の皆さんには、県民の信頼こそ県政の運営の基盤であることを、改めて肝に銘じ、高い倫理観と使命感を常に持ち続けながら、職務に邁進していただきたいと思います。
 江戸時代の儒者である佐藤一斎という人の「言志四録」という書物がありますが、その中に「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛(つつし)む」という言葉があります。人に接するときは春風のように暖かく接する、同時に秋霜、秋の霜ということでありまして、秋の霜は夏の暑さに慣れた体に大変厳しく感ずるものでありますが、自ら律するときには秋の霜のように厳しく粛むべきだという言葉であります。
 皆さんも私も共に公務員として、県民に接するときには、春風のように暖かく、自らを律するときには秋霜のように厳しくありたいと思います。
 終わりに、この1年は、大変忙しい年となります。
現在、編成されている予算は骨格予算であります。6月議会に向け、政策予算を編成しなければなりません。
  また、この政策予算の編成作業と合わせ、先ほど申し上げた行動計画の暫定版も策定しなければなりません。6月議会が終わりますと、すぐにこの行動計画の最終版を策定する作業に入らなければなりません。これと併行して、平成20年度当初予算の編成作業にも取り組んでいかなければなりません。
 職員の皆さんには、大変にご苦労をおかけするわけでありますが、創意工夫を凝らし、知恵を出し、汗をかき、私と共に一丸となって、頑張っていこうではありませんか。
  県庁を変え、山梨を変える、そして「暮らしやすさ日本一」の山梨づくりを目指す決意を、改めて、職員の皆さんにお伝えをし、年度始めの訓示といたします。

リリース日:2007年4月10日

平成19年度はじめ訓示を行う横内知事(JPG:50KB)
平成19年度はじめ訓示を行う横内知事

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