ページID:77402更新日:2009年2月1日

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平成17年知事年頭あいさつ(要旨)

詳細内容

平成17年 知事年頭あいさつ(要旨)
 
日時 平成17年1月4日(火)午前10時~
場所 恩賜林記念館
 
 明けましておめでとうございます。
 皆様方におかれましては、ご家族おそろいで輝かしい新年をお迎えになられましたことを、先ずもって心からお喜び申し上げます。
 特に、今年の正月は雪景色であります。大晦日に降りました雪が正月にこれだけ積もったということは、本県においても珍しいことのようであります。
 この雪というのは、全ての不浄の物を覆い隠し、周囲を明るくするということを言われていますが、年の初めのスタートとしては絶好の景色でありますとともに、今年1年が明るい年であってくれればと願わざるを得ないところであります。
 特に今年の十二支が酉ということでありまして、ご案内のように、鶏が朝、鬨の声を上げ、そこから夜明けが始まり、そして一日がスタートしていくわけです。
 また、十二支の十番目に位置するということで、「酉」という文字は、もともとは作物を納め、酒を抽出する10月のことであり、また、五穀豊穣の時を祝うための酒を搾る口の細い酒壺を描いた象形文字でもあることから十番目が酉となったと、聞いております。
 そんな酉年にあやかって、今年が豊年の年であることを願うところであります。
 さて、昨年を振り返ってみますと、台風であるとか、新潟県中越地震、更に暮れにはスマトラ沖大地震によるあの大津波など、国、内外とも非常に災いの多い多難な年であったと思うわけであります。
 このことを考えますと、我々、人間社会というものは、常に自然との闘いというようなことをよく言われるわけですが、自然との闘いを乗り越えて、今、共生ということが言われています。
 それよりもむしろ、自然界から愛される人間社会を作っていくことが大事なことではないかなあと災害が起きるたびに考えさせられる問題でもあります。
 一方、行政を取り巻く環境につきましては、三位一体改革等によって、昨年来、好転の兆しも見えないまま年が明けたわけですが、元旦の新聞各紙の社説を見ますと、戦後60年が経過した中で、それぞれ各分野における制度疲労が起きているのではないか、新しい時代に向けての改革、あるいはまた、戦略というものを立て直す時がきていると書かれておりました。
 このことを考えてみますと、今、深刻化する少子化問題、そして国際的には、連携を深めていかなければならない東アジア地域との関係など、正に考えている時間的余裕など無い、大きな問題ばかりではないかと思っております。
 一方、自治体に求められているものは何かと考えますと、今日まではややもすると事業官庁であったと思います。
 この事業官庁から政策官庁へと、いわゆる下請けという機関ではなく、自己決定、自己負担、そして自己責任へと変わっていかなければならない時ではないかと思います。
 そのためには、職員の意識というものが大変大事でありますが、過日実施した本県の「職員意識調査」を拝見致しますと、意欲的に変えていこうという結果が表れています。
 中でも、年功序列型の組織を否定する人が非常に多いということであります。
 これについては、既に民間企業においては、実力主義になってきていることは、ご承知のとおりであります。
 長年続いてきましたプロ野球の組織も、かつては大企業、鉄道会社とういうものが中心になって運営がなされてきました。
 その中に新しい産業というものが参入して、これからのプロ野球界にどのような旋風を巻き起こしていくか、また、片方ではプロサッカーチームが誕生して、もう時間が経過してきておりますが、このプロサッカーは地域密着型組織でありまして、所によっては官も共同して運営に携わっている所もあるわけでありまして、このプロサッカーとプロ野球がどういう形で進められていくのか非常に興味深いものがあると同時に、国民の意識というものが、どういうふうに動いていくのかということが、この二つを見ていると、私は判断が出来るのではないかなということすら考えさせられるものであると思います。
 こうした動きに対しまして、官の年功序列型組織は、今までは出過ぎてはいけない、冒険してはいけない、前例踏襲が良い、というようなことなど、上からの決められた事を決められたように画一的に対応を図ってきたということでありまして、私は、これが、行政改革の一番大きな障害になっているのではないかと感じています。
 これからは、皆さん方におかれましては、政策のプロ集団として、政策官庁となって市町村、あるいはまた、時には国際連携という発想の中で仕事を進めていくことが最も重要な事であると思っているところであります。こうした連携につきましては、全国各地の市町村間では進められてきているところであります。それは、合併という問題であります。
 現在、この合併につきましては、昨年10月12日に笛吹市が、11月1日に北杜市が合併して市になりまして、現在で41市町村ということになっています。
 これから上野原市、山梨市が誕生することになりますと38の市町村で来年度がスタートします。
 4月以降につきましては、合併できない町村等については的確な指導をしていかなければならないと思っています。
 こうした市町村合併が進むということにつきまして、これからの県の組織の在り方も見直していかなければならないということで、地域振興局の見直しが進められています。
 これにつきましては、平成18年4月を目途にしていくということで計画しています。
 これから県民に対するパブリックコメント等、また議会への説明もありますが、何と言っても職員の皆さんに理解をもらわないと出来ないということです。
 この点については、大変積極的に取り組んでもらっており、敬意を表するものです。
 それに加えまして、その後に訪れてくる道州制をどういうふうにしていくのかということを国を挙げて、また知事会等でも研究委員会を作って検討を進めているところでありますが、そのためには山梨の立場というものを考えた時に、山梨の魅力づくりというものを忘れてはならないと思っています。
 現在、その魅力づくりのために各部におきまして、それぞれご努力を頂いているわけですが、今日まで、福祉保健関係、農林土木関係、さらには商工、そして森林の環境保全の問題等々、積極的に取り組んで頂いてきておりますが、今年度から観光部も設置を致しまして、「富士の国やまなし」として観光宣伝等にも努めて頂いているところでもあります。
 こうしたことを中心にそれに付随致しまして、特選農産物の認証制度にも取り組んで頂き、農畜産物のブランド化、あるいは果物、花き等の新製品の開発等にも取り組んできて頂いております。
 また、新産業の創出ということの中で、産学官の連携の中における山梨総合理工学研究機構も、来年、いくつかあるこれまでの試験研究機関が連携しまして、一つの枠の中で新しい産業創出に向けて、研究を続けていくということで、その統括として、北里研究所理事・所長の大村智先生をお迎えすることが出来るということで、これから山梨大学等の大学、試験研究機関とも連携を取ってすばらしい成果を収めてくれることを期待しております。
 そして、山梨から発信出来る新製品を開発していこうということで、今、懸命にその準備をしているところであります。
 一方、冒頭申し上げました少子化対策ですが、非常に厳しい環境下におかれているわけですが、過日、私がお話し申し上げたこともありますが、企業誘致のために県内出身の財界の方とお話しさせて頂いた時、「山梨は古里だから、何とか自分の会社の施設を山梨へ移していきたいということで、若い社員に『山梨はどうだ』という話をしたら」、「山梨は、自然の環境はとても良いので、行ってみたいなとは思います。でも、住んで仕事をしていくということには、抵抗があります」という話をされたということでした。
 これは、何故なのかということですが、その若い社員は、子育ての最中であるということで、「子供を育てる環境、保育環境、あるいは小児医療関係を充実させて頂かないと、なかなか今、東京を離れて山梨へ住むことは無理じゃあないかなあ」と言われました。
 そういうことを考えます時に、少子化問題を解決していくためには、保育関係、また小児医療関係などを一層充実していくことが必要ではないかと思っています。
 そのことにつきましては、新しい県立中央病院も完成間近になってきました。
 更には、医師会の協力を頂く中で小児救急医療センターもスタートすることになりました。
 こういうことを着々と進めていくことによって、少子化に歯止めがかかる、少しでも役立つことが出来ればと願いながら、進めているところでありますので、この問題につきましては、福祉保健部のみならず、全庁的な対応として少子化問題というものに積極的に関与して頂いて、何らかの方策を皆さん方で考えて頂いて、正に政策集団として知恵を絞って頂きたいと考えているところです。
 また、同じ子供の問題としては、高校の問題もあります。
 高等学校の問題については、今、教育委員会を中心にいろいろ検討を頂いているところですが、やはり子供たちが自分たちが進む進路というものをしっかりと定めた中で、自分がどこの高等学校へ進むべきかということを判断出来るような材料を与えてあげる、これが私は、高校の果たす役割ではないかと思います時に、是非、積極的な対応を教育委員会にお願いをして参りたいと思っております。
 また、県立図書館等複合施設につきましては、企画部を中心に検討を加えて頂いているところです。
 これらの問題につきましても皆さんの積極的な参画を得る中で、すばらしい県民の文化・教養のために役立つ施設として建設を進めていくことが出来ればと願っています。
 後、もう一つは、この冬の国体が今月の30日から富士吉田市を中心に甲府市のアイスアリーナ等で開催をされ皇太子殿下が行啓なされます。
 この第60回という記念すべき冬季国体の成功を県民挙げて図っていかなければならないと考えています。
 是非また、皆様方のご協力を心から願って止まないところです。
 結びになりますが、ちょうど100年少し前、20世紀初年の明治34年、1901年の正月、福沢諭吉は「独立自尊ニテ新世紀ヲ迎フ」という書をしたためました。
 今、地方の自治体にこの「独立自尊」が求められている時代ではないかと思います。
 三位一体の改革による自治体への影響は、大変厳しいものがあります。
 しかし、厳しい時代であればこそ、地方自治体は「独立自尊」の気概を持って、後世に誇りを持てる山梨を築き上げていかなければならないと思っております。
 ところで、昨年秋口に実施致しました、先ほど申し上げた「職員意識調査」の結果について、年末に報告を受けましたが、それによりますと、
 ・「仕事で困難なことがあっても失敗をおそれず果敢に挑戦し続けているか?」
 ・「仕事に意欲を持って積極的に取り組み、常に改善しようとしているか?」
 という問に対しまして、約8割の職員が「イエス」と答えました。
 高い意欲を持って仕事に従事している結果が出たのではないかなと、大変心強く思っています。
 この意欲に溢れる職員と一緒に仕事ができるということは、私にとりましても何よりの誇りに思うことであります。
 ちょうど、知事になってそろそろ2年というところになるわけですが、県職員に対しまして感じていることは、とにかく「持っている能力は非常に高い」ということであります。
 しかし、旧いものからの切り替えという点では、私は「弱いなあ」と感じています。
 どうしても、組織あるいは自分の範疇の仕事を守ろうとする。それでは、真の改革にはつながらない。
 先ほど申し上げたとおりであります。
 改革をおそれることはない。むしろ逆に、思い切って垣根をとっぱらい、そしてオープンにすれば、全体が前へ押し上げられるということではないでしょうか。
 そういう点では、今回の地域振興局の見直しに当たり、最初は、内部からの反発が相当あるのではないかと予測していましたが、結果的には庁内からの抵抗はほとんどなく、杞憂に終わったところでもあります。
 しかし、まだこれからがその正念場というところでもあるわけでありますので、是非一つ皆さん方には、こういうことは「やらなければならない」という固い意識の中から生まれてくるわけでありますから、一層強固な意識を持って取り組んで頂きたいと思います。
 その点につきましては、最近、職員の方から逆に積極的な話が出てきています。その元気が、改革の意欲、意識改革につながるのではないかと思っています。
 「玉磨かざれば、光なし」であります。
 職員一人一人が、自らに「意識改革」という研磨をかけ、その持てる能力を県民のために存分に発揮して欲しいと思います。
 そうすれば、県民に信頼されるすばらしい県庁になるのではないでしょうか。
 昨年は、「誇れる郷土活力ある山梨」の実現に向けた「創成」の「創」、「創・甲斐プラン21」の「創」、すなわち、新たな山梨を創造するスタートの「創」の年であったと思います。
 今年は、県民が快適な山梨、快いふるさとを実感する「快」の年にしたいと思います。
 県民はもちろん、他県の人からも「ほっとする山梨、あたたかい山梨」と言われる快適な年でありたいと思います。
 そのためには、皆様方の一丸となった取り組みを心から期待致すとともに、私とともに後世に残る山梨県の発展のためにその礎となって頑張って頂けますことを願いながら、年頭のあいさつに代えさせて頂きます。
 どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

関連サイト

リリース日:2005年1月6日

知事政策局広聴広報課

甲府市丸の内1-6-1 本館2F
TEL:055(223)1336
FAX:055(223)1525

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