トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 施政方針 > 令和7年9月県議会知事発言概要(シャインマスカットの海外ライセンス付与に関する要請活動について)

ページID:122805更新日:2025年9月29日

ここから本文です。

令和7年9月県議会知事発言概要

シャインマスカットの海外ライセンス付与に関する要請活動について

先般、25日、26日に農林水産大臣、及び内閣官房長官に対して行いました「シャインマスカットの海外ライセンス付与に関する要請活動」について、御報告申し上げます。

改めて論ずるまでもなく、シャインマスカットは日本の果樹農業を牽引する最重要産品の一つです。

各産地は、地域特性を生かした匠の技で品質を高め、国内外を問わず、市場から確かな評価を得るべく生産全体の水準向上に努めて参りました。

とはいえ、中長期的には、人口減少により国内市場の縮小は避けられず、海外市場での販売拡大こそが国内産地の将来を左右する決定的課題となっております。

そのため、各産地は輸出拡大にも懸命に取り組んでおります。

しかしながら、輸出拡大には相手国の植物検疫という大きな関門があり、これは政府間交渉に委ねられているため、地方自治体が、その協議に直接加わる道は、一切開かれておりません。

現状では、この政府間交渉の成果は全く芳しいものではありません。

本県の主産品であるブドウや桃について、この数年、新たな輸出先国は全く増えていないのが実情である一方で、ペルーからのブドウや、米国からのスモモの輸入は相次いで解禁され、国内市場での競合は着実に拡大しています。

こうした状況下で、シャインマスカットについて海外ライセンスを与えて現地での生産を許容することにより、既存の輸出市場を脅かしめるような事態を招くことはもちろん論外ですが、我が国にとって有望な潜在的輸出市場に新たな競合を生み出し、将来、国内生産者が本来得られたであろう高付加価値の販売機会の消失を生ぜしめかねないことを重々留意すべきです。

すなわち「得べかりし利益」を失わせるおそれがあります。

更には、ライセンス生産品を「ジャパンブランド」として流通させることにより、国内生産者が長年にわたり匠の技を磨き上げて築いてきた真正性と物語性に裏付けられたブランド価値を毀損せしめることは、断固として回避させなければなりません。

このようなことから、山梨県としては、海外生産に対するライセンス付与は、まず国内産シャインマスカットの海外輸出環境が十分に整備され、国内産地が国際市場で正当に競い合える体制が確立された後にこそ、初めて検討されるべき課題であるとの立場を明確に示して参りました。

このような考え方に基づき、先般、JAグループの皆様とともに、小泉進次郎農林水産大臣に対して、「海外生産の前に、国内産地の競争力強化と輸出拡大のための支援を最優先にすべきである」との要請を行いました。

具体的には、新規輸出先国の拡大や輸出条件・物流・検疫体制の整備、国産品ならではの品質・安全性・ストーリーを訴求する差別化プロモーションの推進などを、国として一体的に進めることを求めました。

これに対し、小泉大臣からは、「生産地の理解を欠いた海外ライセンスはあり得ない」との極めて明快かつ力強い御判断を即座に示され、海外ライセンス付与を当面見送るという極めて重い英断を下されました。

この御決断は、単なる当面の措置にとどまらず、日本の果樹農業の未来を守り、国内生産者の正当な権益と国際的ブランド価値を守り抜くという国家的視点に立った極めて大きな政治判断であり、将来にわたり歴史的な意義を持つものと評価するものであります。

私は本県を代表して、この高い見識と決断力、そして国の未来を見据えたリーダーシップに深甚なる敬意と感謝を表します。

今後は、この大臣の英断を確かな出発点として、国や他の産地と緊密に連携し、輸出条件の整備、新規市場の開拓、差別化された海外プロモーション、物流・制度環境の改善などを着実に求め、日本産シャインマスカットを世界の消費者に正当に届け、味わっていただけるよう全力を尽くして参ります。

令和7年9月29日

山梨県知事 長崎幸太郎

 

知事発言概要

 

このページに関するお問い合わせ先

山梨県高度政策推進局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1331

山梨県総務部財政課 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1381   ファクス番号:055(223)1385

同じカテゴリから探す

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop