ページID:102237更新日:2021年11月30日

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令和3年11月定例県議会知事説明要旨

令和3年11月定例県議会の開会に当たり、提出いたしました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

はじめに、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が今月19日に閣議決定され、国において、現在、補正予算の検討が進められているところです。

県としても、国の動向を注視しつつ、迅速な対応を行って参ります。

さて、今月、本県は長い歴史の中で、山梨県誕生150年と信玄公生誕500年という二つの大きな節目を迎えました。

先人たちの手によって営々と積み重ねられてきた歴史の延長上に、今、私たちは立っていることを強く深く自覚し、将来にわたってこの山梨を持続的に発展させ、次代に引き継いでいくことが大変重要だと考えております。

時代が変わっても、希望や笑顔あふれる「ふるさと」、誇るべき「ふるさと」がある。

このような理想を目指し、県民一人ひとりが豊かさを実感できる山梨を実現すべく、県議会の皆様や県民の皆様と共に、力を合わせて取り組んで参る所存であります。

先ず、当面する県政の課題について、御説明申し上げます。

はじめに、新型コロナウイルス感染症の第六波に対応するための体制強化について、三本の柱で御説明いたします。

第一の柱は、医療提供体制と検査体制の拡充であります。

本県の感染状況は、10月下旬以降、新規感染者数が減少し、現在、小康状態にありますが、感染力が強い新たな変異株の流行などにより、今後も中長期的に感染拡大が起こる可能性があります。

こうした場合にあっても、県民の皆様に十分な医療を提供できるよう、従前の「病床等確保計画」を充実させた「保健・医療提供体制確保計画」を策定いたしました。

本計画では、ピーク時の新規感染者数が第五波の1.5倍となると想定しておりますが、既に、医療機関において376床、宿泊療養施設において966室、併せて1300人以上が療養できる場所を確保済みであり、新たな想定でも十分対応が可能となっております。

一方で、感染拡大時の迅速な療養開始に向けては、運用面での課題が指摘されていたことから、療養先の調整方法の明確化や、稼働率アップに向けた消毒作業の効率化、搬送体制の強化など必要な見直しを行ったところであります。

問題があれば、解決に向けて真摯に検討し、実行に移す。

この基本姿勢を崩すことなく、入院、宿泊療養、そして自宅に戻ってからの退所後ケアを三位一体で運用することにより、必要とする県民に必要な医療を届けられる体制を堅持して参ります。

また、感染拡大の局面に至る前に、その兆候を察知し、早期に封じ込めるためには、「検査体制の充実」が極めて重要であります。

このため、県内の医療機関に対する検査機器の配備を強力に進めてきたところであり、一日当たりの検査可能件数は、年内には約2000件まで増強される見込みであります。

更に、県の衛生環境研究所において、来年3月を目途に、新たな検査室を稼働させる準備を進めており、これにより、更に300件程度の検査能力の上乗せが可能となります。

また、中長期的に見れば、新型コロナウイルスに次ぐ新たな感染症の流行は必ずやってくることから、これを見据えて、衛生環境研究所の機能を抜本的に強化する必要があります。

このため、同研究所の敷地内に新たにウイルス検査棟を整備することとし、基本計画策定に要する経費を11月補正予算に計上したところであり、施設の規模や整備スケジュールなど具体的な検討を進めて参ります。

次の感染拡大に備えた対策の第二の柱は、ワクチン接種の促進であります。

現在、高齢者の93パーセント、全対象者のうち84パーセントが2回の接種を終えており、希望者への接種は概ね完了したと考えております。

一方で、接種率を更に上昇させていくためには、若年層を中心に、接種希望者の掘り起こしを進めていく必要があります。

県では、10月にイオンモール甲府昭和に特設会場を設置し、予約不要の接種を行ったところ、30代以下の若者を中心に、想定を上回る1179名の方にお集まりいただきました。

これをモデルケースに、甲斐市が同様の取り組みを実施するなど、気軽にワクチンを接種できる環境づくりは広がりを見せており、市町村と協力して更なる接種を進めて参ります。

来月からは、3回目のブースター接種が開始され、2回目接種完了から概ね8箇月以降のタイミングで接種が受けられるようになります。

また、これまで対象外とされていた12歳未満の子どもについて、薬事承認後に接種を開始するとの方針が国から示されました。

こうした方々に迅速かつ確実にワクチンをお届けできるよう、引き続き、国や医療機関などとの連携や調整を行い、接種主体である市町村をしっかりと支援して参ります。

第三の柱は、事業継続が求められる施設の感染対策の強化であります。

先ず、重症化リスクの高い方が利用されている「高齢者施設」「障害者施設」において、本格的な冬を迎えるに当たり、これまで以上に感染防止対策を強化して参ります。

特に、ひとたび感染が発生するとクラスターになりやすい入所施設においては、感染拡大の兆候があった場合、職員などを対象とした定期的なPCR検査を全県で実施することといたします。

更に、通所も含めた全ての施設を対象に、検査キットを配付し、症状のある利用者等に早期に検査ができる体制を構築いたします。

これに加え、感染対策の強化に必要な備品の購入等に対して、国の基準額に大幅に上乗せして補助を行うこととし、施設の種別や規模に応じて5万円から最大70万円の助成を行って参ります。

次に、これまで支援が行き届いていなかった場所においても感染対策を強化するため、理容室、美容室、学習塾などの日常生活に密着したサービスを提供する事業者に対する支援を行って参ります。

これまで、グリーン・ゾーン認証を取得している飲食店や宿泊施設については、変異株対応のための機器購入に対して助成を行ってきたところであります。

今般、理容室や美容室、公衆浴場など利用者が長時間滞在し、マスクを外す場面もある施設や、学習塾、スイミングクラブなどワクチンを接種できない子どもが集団で利用する施設を新たに補助対象とし、換気対策の強化などに必要な備品購入に対し、最大30万円を助成して参ります。

現在、経済活動が徐々に再開しておりますが、今後再び感染が拡大した場合でも、日常生活に密着したサービスの利用は継続することから、密になりやすい場所や、ワクチン未接種者が多い場所での感染対策のレベルアップに努めて参ります。

次に、コロナ禍で深刻な影響を受けた県民や事業者への支援についてであります。

先ず、休業や失業などで収入が減少し、生活が苦しい方に対しては、昨年3月から、県社会福祉協議会を通じた生活福祉資金の特例貸付により生活を支えて参りましたが、コロナ禍の長期化に伴い更なる支援の必要があることから、貸付原資を増額して参ります。

また、コロナ禍で孤立しがちな産後の母親に対する支援として、レスパイトケアの活用を進めて参ります。

子育ては24時間休みがなく、特に乳児を育てる母親は夜泣きなどで十分な睡眠時間が確保できないことから、心身に不調をきたすケースもあり、コロナ禍での外出控えにより孤立が進むと、産後うつにつながる危険もあります。

疲れ果てたお母さん方が、一時的に育児から解放され、心身を休めてリフレッシュできるよう、ホテルや保育施設等を活用して子どもの一時預かりを行うレスパイトケアを試験的に実施し、普及に向けた課題の検証につなげて参ります。

孤立感は、子育ての場面に限らず、幅広い層に拡大しています。

私は、本県が培ってきた無尽の文化は、人と人とのつながりを保つための大切な文化だと考えており、コロナにより分断されたつながりを回復させる力があると信じています。

ワクチン接種率が向上し、感染者が減少している状況を踏まえれば、県民の皆様の生活が一歩でもコロナ前に近づくことがあるべき姿ですが、無尽などの宴会や会合は、いまだに開催しづらい社会的な雰囲気があります。

このため、無尽などの宴会の安全性をきちんと検証し、開催しやすい環境づくりを進めることを目的に、先月から、本県独自の「やまなしグリーンパス実証事業」を開始いたしました。

この実証事業では、一部の認証店舗において、ワクチンの接種証明や検査の陰性証明の提示を条件に、パーティションの設置など従来の感染防止対策を一部緩和するとともに、人数制限なく個室で宴会を行えることとし、検証を進めて参りました。

現在まで感染の連鎖は確認されていませんが、この効果を早期に検証し、忘年会や新年会のシーズンに間に合うよう、12月中の社会実装を目指して取り組みを進めて参ります。

併せて、12月、1月の2箇月間は、飲食需要の回復に向けて、「やまなし食のグリーン・ゾーン応援キャンペーン」の第一弾を実施することとしていますが、この間の無尽の開催についても実質20パーセントの割引を行い、開催を支援して参ります。

また、第二弾のキャンペーンは、年末年始を過ぎた2月以降に実施されることから、飲食店の利用を減退させないよう、プレミアム食事券1万円分の購入につき、タクシーや運転代行を利用できる1000円分のクーポン券を付与することといたします。

次に、文化立県の実現についてであります。

文化芸術活動は、県民の心に安らぎと豊かさをもたらすばかりでなく、人々の交流を生み出し、地域の賑わいの創出や経済の活性化にもつながるものであります。

9月補正予算においては、その第一歩として、ライブハウスなど地域の小規模な文化活動拠点に対する支援を行うとしたところです。

今般、次なる一手として、コロナ禍で活動を制限されていたアーティスト本人を支援することとし、舞台公演や作品展示に必要な施設利用料への助成を行うことにより、活動再開を後押しして参ります。

文化芸術による地域活性化を目指す「文化立県」の実現に向けては、現在、若手県職員によるワークショップを立ち上げ、新たな視点での検討を進めるとともに、「やまなし自然首都圏構想研究会」において、有識者の意見を伺っているところであります。

この結果を踏まえ、今年度中には、具体的な施策方針を戦略として取りまとめ、本格的に施策を展開して参ります。

次に、「バイ・ふじのくに」の取り組みについてであります。

コロナ禍で販売状況が厳しい農家等を支援するため、昨年度から静岡県と連携し、それぞれの県産品を両県民が購入し合う「バイ・ふじのくに」の取り組みを推進して参りました。

今年の夏の感染拡大により一時中止を余儀なくされていましたが、再度、復活に向けたスタートを切ったところです。

先月には、静岡県内において山梨県産の農産物や地場産品を販売する山梨物産市を開催したところであり、昨年の約2倍に当たる1万人以上の静岡県民の皆様に御来場いただき、シャインマスカットやあけぼの大豆、あんぽ柿など旬の特産品が早い時間に完売するなど大盛況でありました。

また、中部横断自動車道の全線開通を受け、今月20日からの2日間、道の駅富士川において、静岡県の海産物等の特産品を一堂に集めた静岡物産市を開催したところ、多くの県民の皆様にお集まりいただき、関心の高さを実感したところであります。

この取り組みは、民間企業にも広く浸透しており、今後も、官民が連携し、「バイ・ふじのくに」を通じた地域経済の活性化を促進して参ります。

次に、安全・安心な土地利用についてであります。

本年7月、静岡県熱海市において、適切な施工がなされていない盛土に起因する大規模な土石流災害が発生しました。

これを受け、本県では速やかに緊急点検を実施し、安全性を確認したところですが、危険な盛土に対する規制の強化は喫緊の課題であると考えております。

現在、本県では、「山梨県土砂の埋立て等の規制に関する条例」に基づき、3000平米以上の土地に土砂を搬入し、埋立てや盛土を行う場合、許可を要することとしております。

今般、緊急的な措置として、これまでの規制の対象に加え、同一事業区域内で採取された土砂のみによる盛土等についても、新たに規制対象に加えることとし、必要な条例改正案を提出したところであります。

なお、土砂の埋立てや廃棄物の処分を適切に行うことは、良好で安全・安心な生活環境を保全するために大変重要であることから、今後、更に課題を整理した上で、新たな包括的な規制の在り方についても検討して参ります。

これとともに、私が重要な問題と考えているのが、太陽光発電施設の安全対策であります。

太陽光発電施設の適正管理に向けては、県内各地で環境破壊につながる事例や近隣住民に災害発生の不安を抱かせる事例が多発していたことから、本年6月定例県議会において新たな条例の制定を御議決いただき、規制を強化したところであります。

この矢先、甲斐市の菖蒲沢地区において建設中のメガソーラーについて、十分な防災対策がなされないまま工事が滞っていることが明らかになり、地域の住民の皆様から、今後の事業を不安視する声が寄せられました。

これを受け、発電事業者である株式会社トーエネックに対して、事業者として責任を持って完全な形で工事を完了させるとともに、稼働後の維持管理についても万全を期すよう、私自ら強く申し入れを行ったところであります。

しかしながら、今月に入り、申し入れに返答しないばかりか、発電施設を第三者に譲渡したことが判明しました。

地域の安全性に脅威を及ぼしたまま、その責任を放棄するがごとき対応は、公益事業を行うグループ会社の一員であり、かつ、当該会社自体が上場企業という社会の公器にあるまじき、無責任極まりないものであり、強い憤りを禁じ得ません。

当該事業の在り方については、安全を確保する観点から、十分な検証を行う必要があると考えており、地域住民の皆様の不安の解消に向けて、甲斐市とも連携して最大限の対応を行って参ります。

次に、提出案件の内容につきまして御説明申し上げます。

今回提出いたしました案件は、条例案9件、予算案3件、その他の案件9件となっております。

先ず、条例案のうち、県職員等の給与に係る条例の改正についてであります。

県職員、学校職員並びに警察職員に係る給与につきましては、去る10月18日、人事委員会から期末手当の引き下げ等を内容とする勧告がありました。

これを踏まえて、勧告に沿った対応を行うこととし、必要な条例改正案を提出したところであります。

また、特別職につきましても、一般職の期末手当の改定等に併せ、必要な措置を講ずることといたしております。

次に、予算案のうち主なるものにつきまして申し上げます。

本年6月、千葉県八街市において、通学路を下校中の小学生の列にトラックが衝突し、5人の児童が死傷する痛ましい交通事故が発生いたしました。

これを受け、本県では、本年7月以降、学校、道路管理者、警察の三者が連携して通学路の合同点検を実施し、これまでに約1200の危険箇所を確認したところであります。

いずれの箇所も関係者が連携し、ソフト、ハード両面から対策に着手しておりますが、このうち、横断歩道や信号機など交通安全施設の整備を早急に進めるため、所要の経費を計上いたしました。

このほか、観光地の安全性、快適性を向上させるための道路修繕に要する経費、南アルプスの玄関口である広河原の価値向上のための検討に要する経費、県庁舎、県有施設の照明のLED化に要する経費などを計上いたしております。

以上の内容をもって編成しました結果、一般会計の補正額は、50億円余、既定予算と合わせますと5914億円余となります。

その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願いいたします。

なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。

さて、締めくくりに、新型コロナウイルス感染症という歴史的な状況を踏まえた上で、なお私たち山梨県が進むべき方向と方針を改めて申し上げます。

私は知事就任以来、県政運営の基本的方向性として、「県民一人ひとりが豊かさを実感できる山梨」を目指すことを掲げてきました。

それは、人口減少という国全体の不可避なトレンドの下、特に我が県のような小規模県においては、県民一人ひとりの持つ意味は極めて大きなものとなると考えるからです。

「山梨の全ての可能性・潜在力を活かしきる。」

これを通じて、「県民一人ひとりが豊かさを実感できる山梨を実現する。」

全ての施策はただその一点を目指し、収れんするべくあらゆる手段を講じて参りました。

百年に一度の歴史的大禍となったこの度の状況を踏まえても、そして、いよいよ「コロナ後」の世界をここ山梨においていかに構築すべきかという段階においても、私は、この道筋こそ、私の県政運営における基本軸に据えるべきとの考えに、いささかの揺らぎもありません。

国においては、新しい内閣にあって、「成長と分配」ということが謳われました。

しかし、成長の在り方、分配の在り方、これこそは地域社会それぞれが先ずもって、その地域の状況と実状に応じて個々に追求すべきものです。

山梨には山梨らしい、山梨ならではの、私たちの住まう場所だからこその、成長と分配への道があるべきと考えます。

私は、ここ山梨にあっては、何よりもまず先に、「山梨にある全ての可能性と潜在力を活かしきる」ことこそ、着実に「豊かさ」への跳躍につながる最短距離であると、このように信じます。

私はそのために、これまで2年9箇月の任期中、まだ見えぬ魅力があればそれを掘り起こし、小さな魅力は更に大きく、大きな魅力は日本から世界へと、山梨における全ての資源の高付加価値化を推し進めるべく心がけて参りました。

観光業、製造業、農業、サービス業、あらゆる県内の産業分野においては勿論のこと、文化芸術やスポーツ、更には県有財産の活用など行政分野においても高付加価値化を主眼に工夫を重ねてきたところです。

知事就任から今日に至る2年9箇月、その取り組みの中ではっきりと見えてきたことがあります。

それは、この山梨においては県民一人ひとりこそが、最大の可能性であるということです。

それがゆえに、この山梨の将来像を描いていくに当たっては、人間の育成、全ての山梨県民のそれぞれの可能性を最大限に開花させるための環境づくりに取り組むことが不可欠であります。

そこにあっては、先ず、その土台として、誰一人として取り残すことのない堅牢な仕組みを練り上げ、築かなければなりません。

もし、ここ山梨において、女性が女性であるというだけの理由で、社会における活躍が阻まれ、その可能性の開花が妨げられているのであれば、私たちは、そのような環境に毅然として立ち向かい、あるべき姿に改善しなければなりません。

男女共同参画・女性活躍は、本県の最重要施策として取り組むべき課題です。

もし、ここ山梨において、年老いた父母の介護をするために離職を余儀なくされたがゆえ、明日からの生活をどのように維持しようかと途方に暮れている人がいるとしたら、私たちは社会として、親御さんの介護を担い、安心して働きに出て頂けるように取り組まなければなりません。

介護待機ゼロは、全ての世代の安心を支える基礎条件として、あらゆる努力を傾注して実現を目指さなければなりません。

あるいは、もし、ここ山梨において、子どもが、その家庭環境によって学ぶことから遠ざけられ、希望や可能性が閉ざされそうになっているのであれば、私たちは山梨の総力を挙げて、個々の子どもたちが置かれた家庭の状況が決してハンディキャップや不利な環境に転じえない社会システムを一刻も早く構築しなければなりません。

25人学級などによる少人数教育の実現や、ヤングケアラー支援のための体制構築など、あらゆる家庭環境の子どもたちの学びから進学までを支援する「ヒトを創るやまなし」の構築に向けて、なお一層、力を注いで参る覚悟です。

これらの土台があればこそ、本県は未来に大きな花を咲かせることができるようになりましょう。

なんとなれば、山梨の子どもたちは、誇るべき資質を備えているからです。

子どもが自ら将来を切り開いていくために最も重要な「自己肯定感」の高さ、そして、人の役に立ちたい、地域の役に立ちたいという思いの、いずれの資質も、全国で最も高い水準にあるのです。

山梨に貢献したい、社会に貢献したい、その志のもとに、未来に挑戦し、更には世界と伍していきたいという、そんな子どもたちの活躍したいという夢を叶えること。

その夢と希望に向かって、如何なる環境の下にあっても、誰一人、置き去りにされることのない山梨を築くこと。

これこそがヒトと富の連環の構築そのものであり、これからの山梨を跳躍させるための成長と分配の基本理念に他なりません。

かつて、薩長土肥などの幕末に雄藩として維新の原動力となった地においては、殖産興業により確保した財源をもとに人材育成に投資し、そこから羽ばたいた有為の人材が当の薩長土肥のみならず日本国を大きく飛躍させました。

令和の御代にあって我が山梨においても、しっかりとした自主財源の確保を通じて、全ての県民一人ひとりの可能性を最大限に花開かせ、その恵みを全ての県民のもとに届ける、そして、それにより更なる県民の可能性を育む。

私は、こうした拡大発展の循環の構築を通じ、我らが誇る、ここ山梨から、我が国の発展をけん引する範たるを示したいと思います。

ヒトと財が世代をつなぐ、永続的で発展性のある地域社会をつくる。

それが、山梨が向かうべき成長と分配の未来であります。

ぜひ、県民の皆様、県議会の皆様、そして県庁の仲間とともに、志を一にして、山梨を令和時代の新たな雄藩として立ち上がらせるべく、邁進していきたい。

このように決意しております。

令和3年11月30日

山梨県知事 長崎 幸太郎

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山梨県総務部財政課 
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