ページID:79107更新日:2017年4月5日

ここから本文です。

平成29年度年度はじめ知事訓示要旨

平成29年4月4日(火曜日)午前10時から

防災新館2階会議室

 

訓示内容

はじめに 

皆さん、改めましておはようございます。

平成29年度がスタートいたしました。今日で4日目ということになりますけれども、本格的には昨日の新採用職員の辞令交付からスタートし、また、皆さん方の職場にも新しい職員がそれぞれ配属をされたと思います。

今日、私も桜にちなんで郡内織りの桜のネクタイをしてきました。こうして皆さんを見ると、同じ桜のネクタイはありませんけれども、そういう季節の中で、皆さん方に知事訓示ということで、今年度の私の思う方向性についてお話をさせていただきます。

まず、3月31日に129人の退職者、先輩方を県庁から送り出させていただきました。この年代の先輩方は、1980年代の中央道の全線開通、そしてかいじ国体、ある意味では、山梨の今のベースを作っていただいた先輩であります。山梨発展のために、それぞれの仕事の中で対応してきたことに心から御礼を申し上げながら、その意思を引き継いでいくということが、我々後輩にとって一番大切なことだと思いますので、改めて退職者の皆さんに感謝を申し上げ、今後のさらなる発展をお誓いをしたところでございます。

そして、先ほども触れましたように、4月1日からは104人の新採用職員を迎えることになりました。採用となった皆さん方は、まだまだ学生から社会人への発展途上の若いフレッシュな方々であります。男性の方、女性の方、また事務職、技術職、配置先はそれぞれの仕事の中で違う部分はありますけれども、ぜひ若い感性を管理職の皆さん方が生かしていただく、その能力を引き出してもらう、そうしたことをぜひ皆さんの立場でもお願いをしたいと思います。

本年度の課題 

そして、今年の1月からお話をそれぞれさせていただいておりますが、今年度は、実行加速するという1年に位置づけをさせていただいております。皆さん方と色々な議論をし、平成27年度は計画を作る年、産業界、関係者の皆さん方と一緒に議論をして、ダイナミックやまなし総合計画をはじめ、60以上の計画を策定、見直しをさせていただきました。それを、平成28年度は、実行する年と位置づけさせていただきました。それをまさに、昨年の色々な検証を含めて、29年度予算を議会で認めていただき、もう今日から本格的に対応していただかなければなりませんが、ぜひそれぞれの部局、また所属の中でも、ぜひ成果をあげていただきたいと思っています。

ただし、今は働き方改革が言われる中で、私は残業をたくさんして、仕事の成果を求めるという年代ですが、そういうことを言っているわけではありません。10ある私たちのそれぞれの力を、どう盛り上げていくかということであります。残業を含めて15、20の仕事をするということではありません。私も根性はある方ですけども、いわゆる根性論ということを皆さん方にお願いはいたしません。スピードと効果を出すには、独力では成果になりにくいというものがたくさんあります。そういう意味で、外との連携を心掛けていただきたいと思っています。この2年以上、部局間の連携、市町村や産業界との連携と、繰り返し連携ということを私からお話をさせていただきました。それがなかなか、全ての皆さんに伝わっているかどうか、まだ私も若干自信がない部分がありますが、ぜひその部分を今から時間を割いてお話をしたいと思います。

連携というものは、それが上手に進化していけば、革新、イノベーションというものに繋がっていきます。今の実績を次のステップに上げていくためには、今自分が手元に持っているものや、足元だけを見ていたら、次の仕事、次のステップが見えにくいと思います。そういう意味では、外の人が今の事業をどう思っているのか、どういう目で見ているのかを含めて議論をし、またそれを一緒にやっていくということに繋げていただきたいと思います。

加減乗除の四則計算には、割り算、掛け算、引き算、足し算があります。10と10の組み合わせをする際に、当然のことながら、10を10で引くと0になってしまいます。10÷10は1です。10+10は20です。10×10は100になります。そして、県の仕事も、私が言っていることは全くこの四則計算と同じ意味であります。連携する際に、相手のデメリットとか、連携なんかしてもしょうがないとマイナス思考になると、まさに10-10は0になってしまいます。せっかく連携をしようとした出会いがまさに0ということで、何も進まないということであります。役割分担だけを色々議論して、この程度でいいやと割り切ってしまうと、10÷10で1です。現状維持ということで次に進めないということです。プラス思考で、10+10。一緒にやるだけ、当然物事も進むわけですけれども、手間や時間の部分を割り引くと、なかなか増大しないというものが10+10ということ。プラス思考ですから、まだ進むということであります。もっと言えば、かけるということ。この事業を、絶対、私たち・俺たち・皆でやってみようという、かけてみるということが一番大切だと思っています。そのように思い込んで連携をすると、10×10の相乗効果で、この熱い気持ちで、必ず大きな化学変化が起こる。いわゆる触媒というものが、皆さんに求められているということは、この2年間お話をし続けてきましたけれども、まさに触媒の機能になって、相乗効果を目指していただきたいということであります。管理職の皆さんには、自分自身が触媒になって、熱い気持ちを重ね合わせて積極的にそれぞれの施策を進めていただきたいと改めてお願いしたいと思います。

この典型的な事例が、昨年度の全国知事会で3つの優秀政策として評価していただきました。それぞれがどんなものかということは、皆さん方にご案内のとおりであります。単に産前産後ケアセンターを作ったわけではありません。太陽光発電施設の適正導入ガイドラインを作ったわけでもありません。そして、やまなしパワーを作ったわけではありません。やはり、知恵を絞り、力を合わせ、新しい形をつくったということだと、私は思っています。

そういう意味で産前産後ケアセンターの発想も、原則は市町村が行う仕事を、山梨県は小規模な市町村が多いということで、全市町村が県と連携をしたという部分が評価をされた。アイデアとか形を作るベースの素材というのは、非常に素朴であり、当たり前のことかもしれません。そういう意味において、一緒に行うことが、県民の皆さん方にとって非常に良いことと評価されたと思っています。太陽光発電にしても、再生エネルギーを普及促進することは当然のことであります。ただし、その際に景観や環境面に配慮しなければならない。両立させるためには、基準を作った方がいいであろうと、市町村を含めて色々な方と協議をしながらガイドラインを作りました。やまなしパワーにしても然りであります。60周年を迎えた企業局の水力発電の利益を、どういう形で分かりやすく県民の皆さん方に還元をするかという部分をお示ししながら、関係者間で合意形成し、全国初の仕組みが導入できたと思います。

そういう意味では、どのようなアイデアでも、発見や発明といった全く新しいものを作り上げていくというのは大変難しい部分はありますけれども、それを組み合わせて対応を進めること、連携をする必要性というものを、この3つの事業がまさに示してくれていると思いますので、ぜひこの3つの優秀政策が見本として、それをまた今年度それぞれの部局の中でよく議論し、また新しい仕組みというものを模索しながら努力していただきたいと思っています。

県内経済は緩やかに回復し、人手不足も懸念されています。一つの業界では人が足りない。一つの業界では人が余っている。この業界間のミスマッチをどのように制御していくのかというものも、これからの県の大きな行政課題となると思っています。また、企業の誘致や事業拡大をして、雇用を確保しなければならないということで、これは先ほどのアイデアでありますけれども、二つのことをさらに付け加えさせていただきたいと思います。

調布付近の中央道の渋滞緩和で、調布付近は、一昨年の12月末時点で、2車線でありました。それを3車線化にして渋滞緩和を行い、3割から4割の渋滞緩和の効果があったと言われております。また、今年度から、本県の町村において工業団地の緑地率の緩和があります。現行法では25%の緑地を設けなさいとなっています。それを25%から15%ないし10%にしていくことで、今工業団地が足りないと言われている部分を現存の工業団地内で事業拡大ができるという新たな手法が確立されることとなりました。まだまだ、町村の皆さん全てが着手しておりませんので、これは産業労働部が中心となって、ぜひ市町村主体でその緩和ができ、事業拡大の強い意思を持っている企業体の皆さん方に大いにプラスになっていただけるようにと思います。今お話したように、お金をかけるだけでなく、アイデアと工夫で改善できるものもあります。そういう意味では、部局長の皆さん、そして所属長の皆さんが、どういう形で次の時代を見据えたアイデアを出していくのか、県内はもちろん、県外の色々なニーズを踏まえた中で、その課題を常に整理をするというのが私も含めて、この場にいる幹部の皆さん方の大きな仕事だと思っています。

そこで、必要なことは、これもずっと言い続けていることでありますが、やはりイノベーションです。要するに新しい事業や制度を作る際には、やはり虫の目だけではなく鳥の目が必要だということであります。職員の皆さん方は全ての方が非常に仕事熱心です。専門性は高いです。そして、自分のエリアのことはよく知っています。ただし、現場だけを知っているという方もややもすればいるので、それを俯瞰するのが皆さんの役割です。私がいつも思っていることは、鳥の目を持って俯瞰して見てみると、色んなものが見えてきます。県民の皆さん方が、公務員という私たちの仕事をまずどう見ているのか。そして、県内の産業界、教育界などの方々が私たち県庁にどんな期待、どんな思いを持っているのか、さらには、日本の中、世界の中で、この山梨というのは、どんな輝きをこれから発することができるのか、しなければいけないのか。また、交通網も社会基盤の整備もかなり進んで参りましたが、リニアの問題にしても、情報にしても、それは、本県のそれぞれの企業、また、県民の皆さん方がどういう交通網の整備、情報整備をした後に将来を見ているのか。先ほど冒頭にお話ししました、先輩方が築き上げてきた私たちの色々な施策や今の基盤というものを過去から未来へ続いている時間軸で当然ありますから、それを、今、私たちがどういう手を打って行かなければいけないのか。そして、職員の皆さんの個々の人生、家族や仕事、そして生活をどういうふうにバランスをとっていくのか、もろもろあると思います。

ぜひ、皆さん特に新年度がスタートしたばかりですから、昨日新採用職員の皆さん方にも元気よくあいさつしようというお話を最後にさせていただきました。そういう意味において、部下の皆さん方が手元の書類だけ見ている、そして顔を伏せて仕事をしている時は、ぜひ顔を上げてみようということで、声をかけて欲いと思います。そうすれば、いろんなものが、人や物が、必ず新たに見えるはずです。ですから、鳥の目を持つことは、まず自分の顔を少し上げて、ぐるっと見渡すという簡単なことであります。そういう意味で、私自身も、昨年度以上に努力をしますが、特に幹部の皆さん方には、積極的に外の人や、関係する業界の皆さんとですね、よく話をしていただきたいと思います。その中で、県の施策がどう評価されているのか、どう映っているのか、そして、自分の仕事を検証し、やるべきことをぜひやり抜いていただきたいと思います。

1月の訓示の冒頭にもお話しをさせていただいたように、今から10年後に2027年リニア中央新幹線の品川-名古屋間の開業が控えています。今まで夢であり将来の可能性であったリニアが、まさに現実のものになるということであります。そういう意味において、地に足が着いた力強い完成予想図を私達が全体としてとりまとめ、きちっと描ききらなければならないと私は思っています。ですからそれは総合政策部やリニア交通局だけの仕事ではもちろんありません。農政部も福祉保健部も産業労働部も全ての部局が10年後リニアが開業がしたときに、それぞれ所管する産業や地域がどう変化をしていくのかを思い描き、どんどん知恵を出して欲しいと思います。そして、それを具体的に考えて欲しいと思います。また、その実現前にどんなステップを踏まなければいけないかという検証も併せてしていただきたいと思います。そのステップ、段階を洗い直す作業がまさに今年度の早い時期だと思います。その作業をぜひ速やかに本格化をしていただくように改めてお願いします。そして、開業の効果が全県に影響することが大きな目標の一つですが、県民の皆さんにとって10年後の将来に対する思いは、それぞれ異なるのではないかと思っています。そういう意味では、県民の皆さん方全てと機運の醸成を図りながら一緒に対応する、県がしっかり説明をしていくということです。そして、先ほどもお話ししたとおり、部下の皆さんだけではなく、やはり皆さん方も、部長の部屋、次長の部屋、それぞれの課長の席に座っているだけではいけないということであります。ぜひ、県内だけの効果ではなく、近隣のリニアに関係する都道府県がどんな施策を今講じようとしているのか、そして、海外からどういうふうにそれが見られているのか、そして、過去と現在と未来を繋いでいくうえで、どういうふうになっていくのかという広い視野をぜひ持ちながら、柔軟な発想を持ってその仕事に取り組んでいただきたいと思います。

今日は訓示という形で政策課題についてはこのぐらいにしますが、1月4日に「仕事と生活の“こぴっと!”両立宣言」を、メディアの皆さん方の前でさせていただきました。これは、山梨県庁版イクボス宣言というものでもありますし、働き方改革をどうしても今やっていかなければいけないという前提に立った時に、まず、山梨県庁の中で職員の皆さん方がワークライフバランスをどのように確立をさせ、それを充実させることによって、県民の皆さんに高い行政サービスを提供していかなければいけないという視点で宣言したものであります。そして、この宣言の柱は3つであります。業務の効率化、マネジメントの強化、そして、職員の皆さんの意識改革、この3つが宣言の柱であります。この宣言を言葉だけのものにしないということで、実効性を持たせなければいけないというのが私の強い思いであります。そういう意味では、職員の皆さん全体で業務と同様に、働き方改革の宣言の実行ということを是非心がけていただきたいと思います。やはり、職員の皆さん方全員が働きやすい職場は、仕事の能率も当然上がるでしょうし、そして、県民の付託に応えて、新しい色々な施策や県民が求めるニーズ、物に応えていけることができると確信をしています。部局長、所属長の皆さん方はまさにトップにいてマネジメントをしていいただく主体であります。そういう意味では、私の話が終わった後、総務部長からお話があり、そして、この働き方改革の両立宣言をそれぞれ具体化する作業に入りたいと思いますので、所属長の皆さん方もそれを見届けていただいて、それぞれの職場の中で対応を進めていただきたいと思います。

職員に向けて 

そこで今年度、皆さん方にどうしても贈りたい言葉があります。「勇往邁進」という言葉であります。これは、そのままの意味で、恐れず、ためらわず、目標に突き進むという言葉です。私達は、一昨年度、十分に部局間、そして所属の中で議論をして計画を作り上げました。昨年は、そのスタートが出来た年であります。今年は、その施策を加速実行する年にしなければいけないと思います。そういう意味では、計画や施策を実行する際には、色々な障壁やハードルが具体化する際にはもちろんあります。しかし、それに怯むことなく目標や計画をやり遂げるという強い意志、それと先程お話ししましたが、それにかけてみるという相乗効果を出していかなくてはいけないということだと思います。当然、もっと具体化して前に進むわけですが、やはり色々な課題が見えてきます。そして、その課題を解決するには、微調整をしたり、大幅に変えなければいけないという部分も出てくるかもしれませんが、まだ、その時期ではないと私は思っています。是非、足を止めずに皆で仕事をしたいと思っています。そういう意味では、部局長、所属長の皆さん方はその先頭に立って仕事をしていただく方であります。新たな時代を造るということは本当に難しいことであります。それぞれの施策を具体化するには、かなりの胆力が必要であります。それを部局長、所属長の皆さん方にはやっていただかなければいけないということだと思っています。この「勇往邁進」という字を皆さん方の胸に置いていただきながら、部下の皆さん方も元気が出るように、励ましながら「上を向け」という事も、声を掛けていただきながら進むべき道を、鳥の目で俯瞰して見ながら、勇気を出して走りきって欲しいと思います。それが、今年度、実行を加速する年だと思っております。是非、幹部の皆さん方におかれましては改めてお願いを申し上げます。部局の中で、所属の中で、今まで行った事を加速しながら、是非、成果を出していただきたい。そして、それは県民の皆さんにとって大きくプラスになる。そして励みになる事だと私は確信しています。連携というものを一つのキーワードにしながら、それが県政を加速させるエネルギーになると私は思っております。その繋がりの色々な組み合わせが、山梨を大きく発展させるステージに持って行けると私自身は考えております。しっかりとした今までの色々なベースの物があるにしても、10年後、20年後を見据えながら、大きく計画を実行しながら県民の皆さん方が「県庁がやっているんだったら、一緒にやっていこう」という事も含めて、今年度、それぞれの部局で思いを達成していただきたいと思います。職員の皆さん方にも、色々な部分でご厄介をかけるかもしれませんし、単に長時間の仕事をするという事を言っているわけではありません。是非、仕事は集中して家庭の部分にも目配りをしながら、更に、この1年間が職員の皆さん方にとって健康で充実した年度になるように心からお願いをして、県庁一丸となって新しい山梨県を作っていく、その加速が出来る1年になりますように心から改めて皆さん方にお願いをして、私から皆さん方への訓示とさせていただきたいと思います。ご静聴有り難うございました。

 

(以上)

H29知事訓示画像

このページに関するお問い合わせ先

山梨県総務部人事課 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1371   ファクス番号:055(223)1379

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

同じカテゴリから探す

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop