ページID:98378更新日:2021年2月16日

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令和3年2月定例県議会知事説明要旨

令和3年2月定例県議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

はじめに、新型コロナウイルスの収束が見込めない厳しい状況下にあって、現場の最前線で御尽力いただいております医療関係者の方々に、県民を代表して、この場をお借りして感謝を申し上げます。

また、感染防止対策の徹底など、懸命に御努力くださっております全ての県民の皆様、そして営業時間の短縮要請に御理解と御協力をいただいた事業者の皆様にも感謝を申し上げます。

次に、年末から年始にかけて開催された、第99回全国高等学校サッカー選手権大会において、山梨学院高等学校が全国制覇の偉業を成し遂げられました。

新型コロナウイルスによる閉塞感、不安感が渦巻く中、県民に勇気と希望と感動を与えてくれた選手や指導者の方々に、県民を代表して心からの賛辞を送らせていただきます。

さて、私が知事に就任してから、2年が経過致しました。

「県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなし」。

この言葉を県民の皆様にお示しし、未来の豊かな山梨を築くために、知事就任以来、常に全身全霊、一切の妥協を許さず全力で県政運営に当たって参りました。

1年目に種をまく。

土台を作る。

2年目は、検討段階から実行段階に移行し、施策を本格展開する。

昨年の2月定例県議会で、私は、議員各位、県民の皆様に対しまして、このように所信を表明致しました。

その後は、今日に至るまで、感染症の拡大防止と医療提供体制の整備、県民生活の安定の確保、経済の安定化など、新型コロナウイルスへの対応に、昼夜を問わず力を注ぎ続けた1年となりました。

感染拡大防止と経済活動の両立。

コロナ禍の厳しい局面にあっても、山梨が日本の先頭に躍り出るために、数々の布石を打って参りました。

感染症対策、教育、福祉、産業、観光その他あらゆる分野において、いかに高付加価値化したコンテンツを提供できるか、すなわち、あらゆる施策はもちろんのこと、民間における取り組みともども、その価値を向上させることが肝要であり、昨年は、その萌芽が少しずつ見え始めた1年でありました。

ここ山梨に大輪の、様々な色の花を咲かせるべく、今年も常に「先手対応」の心がけで、精力的に布石を打ち続けて参ります。

これまでの常識が変わっても、県として全ての施策の基本理念は、引き続き「県民一人ひとりの幸せの実感」の実現であります。

これを根本に据え、総合計画それ自体の「進化」をはじめ、県政全般について、より望ましい社会の実現に向けて能動的に提案し、働きかけ、そして自ら行動する姿勢で挑む。

本県を更に前進させるための大きな節目の1年とするべく、引き続き、一歩、一歩確実に歩みを進めて参ります。

先ず、当面する県政の課題について、御説明申し上げます。

はじめに、総合計画の改定についてであります。

総合計画については、新型コロナウイルスがもたらした社会の変容の徴を、本県にとっての前進の機会として生かしていくべく、社会の変革を断行する姿勢で見直しを進めており、今定例県議会に、その素案をお示しさせていただきました。

コロナ禍は、社会、経済の変容のみならず、日常生活や個人の価値観までも大きく変化させ、もはやコロナ前の社会に戻ることはないでしょう。

見直しに当たっては、こうした観点から、「県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなし」の基本理念は継続しつつ、コロナ前から、加速、若しくは、変化させる必要がある政策を中心に見直しを行いました。

先ず、加速させる政策として、柔軟なライフスタイルを可能にする二拠点居住の推進や、新たな日常において情報通信ネットワーク技術を活用するためのデジタル・トランスフォーメーションの推進などを見直しました。

また、変化させる政策としては、個人と個人をつなぐコミュニティ、このコミュニティがコロナ禍による外出自粛の要請などにより、分断されることのないよう、その強化に取り組み、高齢者の孤立解消への支援や、地域のボランティア活動への支援などを充実させて参ります。

更に、新たに、未知なる感染症への対応について、「感染症に対して強靱な社会づくり」として政策に位置付けました。

今後、この素案をもとに、議員各位をはじめ、広く県民の皆様の御意見を伺う中で更に検討を進め、6月定例県議会には最終的な見直し案を提出して参りたいと考えております。

次に、喫緊の課題である新型コロナウイルスへの対応についてであります。

東京都をはじめとする大都市圏では、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制することができずに、再び緊急事態宣言が発出されました。

病床や療養施設の準備が間に合わず、多くの感染者が自宅療養の名目で自宅待機せざるを得ない、医療崩壊ともいえる凄惨な状況が、連日、報道されております。

また、大都市東京に隣接するがゆえに、本県には、他県とは比べようのない感染拡大圧力が及んでおり、年末年始から感染者が急増致しました。

更に、静岡県において、英国で流行する変異型ウイルスの市中感染と疑われる事例が確認されたことから、本県においても、感染防止対策を徹底するために、緊急的に飲食店等に営業時間の短縮を要請致しました。

このような状況を目の当たりにして、多くの県民の皆様が不安ととまどいを感じたのではないでしょうか。

しかしながら、本県のコロナ対策は先手対応・事前主義のもと、先月8日には、病床確保フェーズを2から3に引き上げ、必要となる予算を専決させていただき、速やかに追加の病床を確保するとともに、富士北麓地域において、新たに宿泊療養施設を開設することとし、現在、鋭意準備を進めているところであります。

本県においては、感染された方が、今後も自宅待機をせずに、症状に応じて適切に療養できるよう、引き続き、万全の医療提供体制を堅持し、県民の皆様の不安を払拭して参ります。

更に、今月下旬からは、ワクチン接種が始まります。

県では、先月14日、対策本部内にワクチン班を立ち上げ、ワクチン接種が迅速かつ円滑に実施できるよう、相談窓口の設置や医療機関との調整など、接種体制の構築を進めております。

今月1日には、県民からの専門的な相談への対応や市町村の支援に、民間のノウハウを活用することが有効と考え、医薬品に関する専門的な知見と豊富な経験を有するシミックホールディングス株式会社との間で、包括連携協定を締結したところであります。

また、4月から開始される高齢者等への先行接種に当たっては本県独自の山梨モデルとして、消防団や民生委員、地域の公共交通事業者などが連携し、交通手段のない高齢者が円滑に接種を受けられる体制を構築し、希望する全ての高齢者の皆様が確実に接種を受けられるよう取り組んで参ります。

今後も、一人でも多くの県民の皆様に、円滑にワクチン接種ができるよう、市町村や県医師会などと連携し、着実に準備を進めて参ります。

また、本年4月には「山梨県感染症対策センター」、いわゆる山梨版CDCを設立致します。

センターにおいては、未知なる感染症への備えも強化するため、マスク等の衛生物資の備蓄、国の機関が実施する研修等を活用した専門人材の養成に取り組んで参ります。

更に、国内外の感染症専門家からなるグローバル・アドバイザリー・ボードを設置し、情報・知見の収集、分析などを行い、県民及び県下自治体への感染症情報の積極的な発信などにも取り組んで参ります。

今後も、先手対応・事前主義の基本姿勢で、感染症に対して万全の備えを講じて参ります。

次に、コロナ禍における経済・雇用の安定についてであります。

商工業振興資金貸付金のうち経済変動対策融資につきましては、昨年4月から12月までの申し込みが約1万300件、融資額も1637億円余となっており、コロナ禍による県内経済への影響は長期化しております。

このため、引き続き県内の事業者の資金繰りを支援することとし、令和3年度も当初予算としては過去最大となる500億円の融資枠を確保致しました。

加えて、先月18日の菅総理大臣の施政方針演説において、現在、実施している無利子・無担保融資の限度額を4000万円から6000万円に引き上げる方針が示されました。

これを受け、本県においても事業者の皆様の資金需要に遅滞なく迅速に対応できるよう、専決により限度額の引き上げを行ったところであります。

今後も、県内経済を支える中小・小規模事業者の資金繰りを強力に支援して参ります。

一方で、雇用情勢は厳しい状況が続いており、県内の有効求人倍率は昨年12月時点で1.07倍、新型コロナウイルス感染症に起因した県内の解雇等見込み労働者数は、本年2月5日時点で、602人に達しております。

この離職者等の一刻も早い再就職を支援するため、昨年7月から、4回の合同就職説明会を開催して参りましたが、4月にも追加開催し、再就職に向けて支援を継続して参ります。

更に、休業や失業などにより収入が減少し、生活が困難となった方を支援するため、生活に必要な資金を貸し付ける事業については、昨年3月に開始してから、これまでに約1万2900件余、42億6000万円余と、非常に多くの方に利用されております。

引き続き、十分な貸し付けができるよう、県社会福祉協議会に追加の貸付原資を助成して参ります。

次に、グリーン・ゾーン構想の推進についてであります。

感染症に対して強靭な社会へ移行するため、昨年6月にグリーン・ゾーン認証制度を創設して以来、これまでに認証を受けた施設や現在申請中の施設は、県内の飲食店等のほとんどを占める5300件を超え、事業者の皆様の感染症対策への高い意識と御努力に、改めて感謝を申し上げます。

新しい生活様式への対応を促すために創設した設備改修や機器購入の助成事業については、事業者の皆様から非常に多くの申請をいただいていることから、2月末の申請期間の終了を控え、十分な事業費を確保致しました。

このうち、機器の購入等に対する支援事業については、当初の予定どおり2月28日の申請をもって終了致しますが、グリーン・ゾーン構想の更なる推進を図るため、新たにグリーン・ゾーン認証取得に必要となる機器購入等を支援する事業を創設致します。

また、設備の改修等に対する支援事業については、事業期間を延長し、いずれの支援事業も3月以降は、グリーン・ゾーン認証の取得を助成の要件とし、引き続き、事業者の皆様を支援して参ります。

更に、この認証制度を国際的に評価されるものとするため、新たに感染症対策に資する最新の製品や技術に係る実証事業を行い、その成果をもとに認証基準のブラッシュアップを図って参ります。

こうした取り組みを通じて、感染症への対応が余儀なくされる状況においても、不断に前進することのできる社会への移行を図って参ります。

次に、脱炭素に向けた取り組みについてであります。

平成21年、本県は、「CO2ゼロやまなし」を宣言致しました。

県民、事業者、行政が連携し、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロとする、全国の都道府県に先駆けて行われたこの宣言は、現在も高く評価されております。

昨年11月、G20リヤド・サミットにおいて、菅総理大臣は、2050年カーボン・ニュートラルの実現を表明致しました。

本県が地球温暖化対策をリードしていく。

「CO2ゼロやまなし」の実現に向けて、新たな施策展開も含め、多様な取り組みを推進して参ります。

先ず、水素・燃料電池技術の活用についてであります。

これまで米倉山において、全国に先駆けて再生可能エネルギーである太陽光発電の電力を活用した、CO2フリーの水素を製造し、エネルギー源として使用するP2Gシステムの開発に取り組んで参りました。

来年度は、県内の商業施設や工場を対象に、現在整備を進めている水素出荷設備により、水素を輸送し、CO2を排出しないエネルギーとして利活用する社会実証を行うとともに、このP2Gシステムの実用化を目指し、水素・燃料電池技術のトップランナーとして、水素社会の実現を力強く先導して参ります。

また、今年度に着手した、土壌中に炭素を貯留することで、地球温暖化を抑制する取り組み、4パーミル・イニシアチブについては、全国展開を目指し、私自らが発起人となり、趣旨に御賛同いただいた1都12県と国の農業・食品産業技術総合研究機構や大学等の研究機関で構成する「4パーミル・イニシアチブ推進全国協議会」を発足致しました。

これと併せて、4パーミル・イニシアチブによる炭素貯留効果等について、科学的エビデンスを得るため、農業・食品産業技術総合研究機構とコンソーシアムを設立し、連携して研究を実施して参ります。

更に、農業系高校での出前授業等による啓発活動や、果樹の剪定枝の炭化等に関する試験研究や現地実証試験を進めており、今後、山梨発の4パーミル・イニシアチブの取り組みを、積極的に展開して参ります。

豊かな水資源に恵まれた本県は、全国有数の水力発電の地でもあります。

県では、小水力による電源開発を進めて参りましたが、この度、富士吉田市等において有望な箇所が確認されたことから、来年度から整備に着手して参ります。

また、小水力発電の一層の導入拡大を図るため、現在、開発有望地点の流量など、事業化の検討に必要な調査等を進めており、来年度は、この調査結果等を活用し、事業者セミナーや地域に根ざした新電力会社の設立に向けた勉強会を開催することにより、市町村や事業者による取り組みを支援して参ります。

更に、走行時にCO2を排出せず、災害時には非常用電源としても活用できる電気自動車等の次世代自動車については、県の公用車更新時における計画的な切り替えや、公共交通機関に対する新たな補助制度の創設により、一層の普及促進を図って参ります。

加えて、県を挙げてCO2削減に向けた取り組みを一層強化するため、昨日、全国初となる全市町村共同による「ゼロカーボンシティ宣言」を行うとともに、併せて、各種団体や企業のトップにも呼びかけ、「ストップ温暖化やまなし会議」を立ち上げたところであります。

今後はこの組織を核として、情報の収集と共有、企業による先進的な取り組みへの支援等を積極的に進め、今まで以上に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進して参ります。

次に、管理捕獲従事者等研修施設の整備についてであります。

ライフル射撃やわななど狩猟全般にわたる研修拠点については、管理捕獲を担う山梨県猟友会等の意見を伺いながら、必要な機能や規模、整備場所等の検討を進めてきたところでありますが、昨年3月に、韮崎市から県に対し、韮崎市穂坂町の県有林内への整備を求める要望書が提出されたことから、この県有林内に整備する場合の概算工事費などの基礎資料を得るための調査を実施致しました。

この調査において、当該県有林内に2箇所の適地があり、そのいずれかに整備するか等の整備条件により、概算工事費は、16億円から28億円程度が見込まれる結果となりました。

ニホンジカなど有害鳥獣による農林業被害は依然として深刻な状況にあり、捕獲従事者の確保・育成など、管理捕獲体制の一層の充実が喫緊の課題であることから、この調査結果を踏まえ、山梨県猟友会や韮崎市の意見をお聞きする中で整備の可否等について検討を進め、早期に整備方針をお示しして参ります。

次に、国民体育大会の招致についてであります。

国民体育大会の開催は、本県スポーツの振興や文化の発展はもとより、山梨の多彩な魅力を発信する絶好の機会であり、県勢の発展に大きく貢献するものと認識しており、県では、県議会における国体招致の決議を踏まえ、日本スポーツ協会の定める開催基準に従い、令和13年の第86回大会の招致を目指すこととしておりました。

しかしながら、本年度開催を予定していた鹿児島国体が、新型コロナウイルス感染症の影響により令和5年に先送りされ、以降の開催県についても1年順送りを基本として、開催時期を定めることとされたため、この決定に則して、本県は令和14年の大会の招致を目指して参ります。

今後、共催者となる県スポーツ協会と緊密に連携し、開催要望書の提出に向けて準備を進めて参ります。

次に、令和3年度当初予算の編成に当たりまして、その基本的な考え方を申し上げます。

未だ収束の見えないコロナ禍にあって、来年度の本県財政は、実質県税収入が令和2年度当初予算から90億円以上落ち込み、近年経験したことのない極めて厳しい状況となることが見込まれております。

しかし、このような状況下においても、命と経済の両立と、「県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなし」を実現するために、あらゆる知恵を絞って妥協することなく施策を展開していく必要があります。

このため、予算編成に当たっては、命と経済の両立を主題とした上で、徹底した選択と集中、最小の予算で最大の効果を確保するためのレバレッジの効いた予算、スクラップアンドビルドの徹底、この3点を基本方針として編成致しました。

先ず、1点目の選択と集中についてでありますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、行政を取り巻く環境は大きく変化致しました。

県庁の限りある財源、あるいは人的資源、これらを重点分野に集中的に投入できるよう、全庁を挙げて事務事業総点検に取り組んできたところであり、これにより、効果が薄くなった事業・優先度が低くなった事業など、全事業の約3割に当たる551事業で廃止を含めた見直しを行いました。

2点目のレバレッジの効いた予算については、県庁全体で新たな歳入源の確保への意識を徹底するとともに、最小の県負担で最大の効果を上げるために国の補助、あるいは有利な起債を最大限活用し、県負担を抑制致しました。

3点目のスクラップアンドビルドの徹底については、予算編成に当たり、一つの新規事業に対して、一つ以上の事業の廃止を義務付けました。

これらにより、限りある財源と人的資源を集中すべき分野として、県民の皆様の生命、生活の防衛のための施策、そしてコロナ後を見据えた山梨県の将来展望の創造に必要となる施策に重点を置いて予算を編成致しました。

今後、施策の展開に当たりましては、関連部局間の連携と協働はもちろんのこと、市町村、民間団体、国や他の都道府県など、様々な主体との連携により、事業効果を高めて参ります。

以下、予算案の具体的な内容について御説明致します。

先ず、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。

先ほど申し上げたとおり、非常に厳しい財政状況ではありますが、県民の皆様の命と生活を守るために、新型コロナウイルス感染症対策には万全を期す必要があります。

本県においては、先手対応・事前主義を基本として、早期発見、早期治療の徹底と、万全の医療提供体制を構築したところでありますが、来年度においても、引き続き、この体制を堅持して参ります。

先ず、早期発見に向けて、感染拡大局面にあっても、症状のある方や感染者と接触された方に十分な検査を行える体制を維持して参ります。

また、医療、介護の現場における感染拡大を阻止するため、マスクや消毒液などの衛生物資が不足する場合を見据え、県で一定量を備蓄して参ります。

更に、医療提供体制については、県の要請により病床を確保した医療機関に対し、病床確保費用を助成するとともに、軽症者等が療養するための民間宿泊施設を3箇所確保して参ります。

今後も、引き続き、県民の皆様の命を守るために、感染症に対して万全の備えを講じて参ります。

次に、防災・減災対策についてであります。

近年の気候変動の影響により、自然災害は激甚化・頻発化するとともに、噴火の際は多様な火山現象が想定される富士山火山災害や、南海トラフ地震・首都直下地震などの大規模地震の発生の切迫化などを踏まえると、県土強靱化対策を強力に推進することは、県民の生命と財産を守るため、また、未来への投資としても極めて重要であると考えています。

これまでも、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の特別予算を活用し、県土強靱化を進めてきましたが、令和2年度にその期限を迎えることから、継続的な予算確保について、あらゆる機会を通じ、国へ要望を行って参りました。

その結果、国では昨年末、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」として、5年間で約15兆円の投資規模を決定するとともに、第3次補正予算に3兆1000億円余の予算を計上したところであります。

本県においてもこの予算を積極的に活用し、2月補正予算に252億円余を計上したところであり、令和3年度当初予算と一体的に執行し、県土強靱化対策を更に加速させて参ります。

加えて、気候変動による水害リスクの高まりに対応するため、流域のあらゆる関係者が協働して、流域全体で水害を軽減させることができるよう、流域治水対策を推進するための基本方針を策定するとともに、氾濫推定図の作成や、対策メニューの検討に着手して参ります。

また、富士山火山防災対策については、現在、国や静岡県、火山専門家等とともにハザードマップの改定作業を進めており、本年度末に完成する予定であります。

改定後は、速やかに、新たな被害想定に対応した富士山火山広域避難計画を策定するとともに、地域住民や観光客が、迅速かつ確実に避難できるよう市町村の避難行動計画の策定を支援して参ります。

一方で、新たな広域避難計画が策定されるまでの間においても、地域住民等が自ら適切な避難行動を取ることができるよう、火山現象の特性や避難方法についての住民理解の促進に取り組むことが必要であります。

そこで、溶岩流のシミュレーション動画を活用した住民説明会を開催するほか、火山灰が車両避難に及ぼす影響を理解していただくため、降灰を再現した車両走行体験事業を実施して参ります。

また、近い将来の発生が懸念される南海トラフ地震や首都直下地震などについて、最新の知見を用いた被害想定調査を実施することとし、所要の経費を計上致しました。

これらの防災・減災対策の推進により、県民の皆様の安全と安心を担保して参ります。

次に、生活困窮者等への支援についてであります。

新型コロナウイルスの感染拡大と長期化の中で、社会生活にも様々な影響が出てきており、とりわけ、社会的に弱い立場の方への影響は深刻であり、その支援も非常に重要であります。

生活困窮者を様々な支援策に迅速につなげられるよう、相談支援体制を強化するとともに、収入減少により、住居を失う恐れが生じている方に対して、給付金を支給するために所要の経費を計上致しました。

また、子どもの貧困対策としては、子ども食堂などの開設に対して助成するとともに、県内どこでも均一的に、かつ家庭の事情に寄り添った支援ができるよう、食料支援等を通じた見守りと自立に向けた支援体制を構築して参ります。

更に、ひとり親家庭へのサポートとして、子ども食堂の運営団体が公園などで、子どもとその親を対象に行うイベント「GO TO PARK」活動などを支援して参ります。

加えて、就職氷河期世代の正規雇用に向けた支援策の強化や、児童虐待を未然に防止するため、児童相談所における相談体制の強化、市町村が行うひきこもり対策を強化するため、アドバイザー派遣等の支援、ギャンブルやゲーム等の依存症支援に取り組む民間団体との連携の強化、コロナ禍で増加している女性の自殺防止をはじめとする、総合的な自殺防止対策などに積極的に取り組んで参ります。

なお、これらの支援については、現在想定し得る最大限の対策を講じているものでありますが、コロナ禍という、かつて経験したことのない厳しい状況下にあって、行政の支援の谷間で苦境にあえぐ県民の方々に対し、機動的な支援ができる体制も必要となります。

このため、NPO団体や民生委員など、地域の実態を把握している方々を構成員とする「支え合う地域づくり推進会議(仮称)」を設置し、新たな社会問題に対し、適時適切に行政の支援を差し伸べることができる仕組みを構築して参ります。

次に、教育環境の充実についてであります。

少人数教育の推進は、私の重要公約の一つであります。

将来の山梨を支える原動力となる子どもたちの力を最大限に伸ばすことができる教育環境を整備することこそ、山梨県再生の原点であると考え、少人数教育を計画的、段階的に導入するべく、少人数教育推進検討委員会を設置し、慎重に検討を重ねて参りました。

また、国においては、昨年12月に公表した令和3年度予算で、現在は40人と定められている公立小学校2年生以上及び中学校の学級編制の標準を小学校に限り、来年度から段階的に全学年35人としていくとの方針が示されております。

これまで、他の都道府県に先駆けて、少人数教育に取り組んできた本県としては、こうした国の動きを歓迎するとともに、更に取り組みを加速するため、検討委員会からの報告も踏まえ、全国初となる本年4月からの小学校1年生に引き続き、令和4年度から小学校2年生にも25人学級を導入することとし、更には小学校3年生以上についても少人数学級の推進を検討して参ります。

なお、少人数教育を推進するに当たっては、財源面や教員の確保など、大きな課題がありますが、今般、法人県民税法人税割の超過課税分や企業局電気事業会計からの繰入金、また将来的には県有資産の収益力向上の取り組みにより得られた財源を積み立てる「やまなし教育環境・介護基盤整備基金」を設置することとし、この基金の活用を通じて、導入を進めて参ります。

こうした次世代への積極的な投資を通じて、将来の本県を支える貴重な人材の育成に取り組んで参ります。

次に、本県を牽引する産業分野における人材の確保と育成についてであります。

ウィズコロナ、アフターコロナの時代に、本県経済を一早く回復の軌道に乗せ、その先にある反転攻勢へとつなげていくためには、本県経済を牽引する多種多様な産業分野と、県民生活を支える社会福祉分野における人材の確保と育成が重要となります。

特に、本県経済を下支えしてきた中小企業者は、経営者の高齢化が進む中、後継者不在率が全国で上位にあることから、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞により、廃業を選択させる恐れが生じております。

そこで、中小企業者の事業承継の促進を図ることとし、新たに事業承継・引継ぎ支援センター(仮称)を設置するとともに、センターを活用し、具体的な承継計画の作成に取り組む中小企業者を対象に、企業価値の簡易算定等に要する経費を助成することとし、県内中小企業の経営と雇用の存続を図って参ります。

また、本県の豊かな森林資源を有効に活用し、林業の成長産業化を実現するためには、これを支える高度な知識と技術を有する担い手の確保・育成が重要であることから、令和4年度に県立農業大学校に森林学科を開設することとし、必要となる施設の整備や学生募集などを行うため、所要の経費を計上致しました。

新学科では、県内をはじめ、隣接する東京圏などから幅広く入学者を迎え、スマート林業など先進的な技術を学ぶカリキュラムを編成することで、現場で即戦力となり、将来的に林業経営体の中核を担う人材を育成して参ります。

更に、農業分野においては、新規就農者の更なる確保・育成を図るため、国内最大の農業総合情報サイトに本県の特設ページを開設するとともに、就農希望者に対し、オンラインで本県の魅力を発信するなど、首都圏等の就農希望者に向けた情報発信を強化して参りました。

来年度は、新たに、本県農業の重要な担い手となり得る親元就農者への支援制度を創設するとともに、新規就農者の農業用機械の導入支援の充実を図るなど、新規就農者の更なる確保と定着に向けた取り組みを推進して参ります。

また、「地域の守り手」としての役割が期待される建設産業分野の持続的な発展を図るため、建設業関係団体等と連携し、担い手の確保・育成等に取り組むとともに、ICTの導入による生産性の向上など、魅力ある建設現場の実現を目指す取り組みを推進して参ります。

加えて、地域や産業界から求められる人材を育成するため、県立高校において、産業界と連携し、新たな職業教育のプログラムを開発し、モデル校での実践に取り組むとともに、産業技術短期大学校においては、AIやIoTなど時代の要請に即したカリキュラムの導入について検討を進めて参ります。

また、こうした本県の様々な産業分野に従事している現役世代の方々が、親の介護や子の保育などの悩みを抱えず安心して就業できる環境づくりは、子どもたちの力を最大限に伸ばすための教育環境の充実とともに、山梨の今日を支え、明日を創るためにこそ、最も重きを置くべき「山梨という社会の基礎条件」であります。

このため、介護待機者ゼロ社会の実現に向け、必要となる介護施設の整備を進めつつ、質の高い介護人材を確保するため、介護施設等の優れた取り組みを県が評価する、新たな認証評価制度を創設し、人材育成や職場環境の改善等を積極的に推進して参ります。

更に、本県においては、保育所等への入所に関して待機児童はゼロとなっておりますが、育児休業を終えた方が、スムーズに職場復帰できるよう、時期を問わず希望する保育所へ円滑に入所できる環境の整備に向けた検討を進め、新しい姿の待機児童ゼロの実現を目指して参ります。

次に、新たな海外展開の推進と近隣県との連携についてであります。

ポストコロナ時代に向けて、本県産業の更なる発展を促進するためには、これまで以上に積極的に海外展開を推進するとともに、国内においても、近隣県との連携を強化し、本県産業の発展の礎を築いていくことが重要であります。

本年度は、四川省との友好県省締結35周年、アイオワ州とは姉妹県州締結60周年となる節目の年でしたが、新型コロナウイルスの影響で、やむなく関連事業の実施を見送りました。

来年度こそは、これら姉妹都市との関係強化を図るため、民間レベルでの具体的な交流へと深化させ、共に新たな価値を生み出す「姉妹都市2.0」とも言うべき新たな段階の取り組みを進めて参ります。

また、本県とこれまで交流のなかった新たな地域と互恵関係を構築し、人材や文化、産業等における交流を促進するため、今後も安定的な経済成長が見込まれるインドとロシアを対象に、現地の基礎データの収集や分析などに取り組んで参ります。

また、新たな労働の担い手として期待される外国人材の受入体制を構築するため、ベトナムの地方政府との連携協定の締結に向けた取り組みにも着手して参ります。

更に、本県農産物の更なる輸出を促進するため、香港や台湾、駐日外国公館を対象としたプロモーション活動を展開して参ります。

加えて、中国へのぶどうの輸出解禁については、私自ら、孔駐日大使に輸出解禁への協力を要請したところ、全力での支援を約束いただき、いよいよ輸出の解禁が期待されるところであります。

今後は、生産・流通・販売の一体的な輸出の枠組みを構築し、輸出が解禁された暁には、本県の高品質なぶどうを、他県に先駆け中国へ輸出できるよう万全の準備を進めて参ります。

また、政府が進める押印の廃止により、苦境にあえぐ本県の誇るべき伝統工芸である印章産業についても積極的に支援することとし、趣味や芸術品としての新たな印章製品の開発を支援するとともに、海外での販路を開拓するため、需要や市場の調査を実施して参ります。

次に、近隣県との連携についてであります。

静岡県と連携する「バイ・ふじのくに」の取り組みの一環として、静岡空港内に両県の協働誘客施設を設置し、空港利用者に両県の魅力をPRし、両県経済の活性化につなげて参ります。

また、中部横断自動車道南部区間の全線開通を間近に控え、本県と静岡県がモデル地となっているアニメを活用し、県を跨いだ広域周遊を促す取り組みを実施するとともに、両県の縄文土器など特徴的な歴史文化資源を活用した文化観光を推進し、文化芸術を通じた交流を一層促進して参ります。

今後は「バイ・ふじのくに」の取り組みを、新潟、長野、静岡、山梨による中央日本4県に拡大し、県産農畜水産物や地場産品の相互購入、域内の観光交流を促進し、依然として厳しい本県経済の回復に取り組んで参ります。

次に、機動センター(仮称)の整備についてであります。

近年、急激な社会情勢の変化、科学技術の進展等を背景に、犯罪は一段と巧妙化・複雑化しており、捜査活動における客観証拠に基づく確実な立証や迅速・的確な初動捜査の重要性が増しております。

一方、現在、鑑識課と科学捜査研究所が入庁し、科学捜査の拠点となっている警察本部石和分庁舎については、建築から50年が経過し、老朽化・狭あい化が課題となっております。

このため、新たな庁舎を整備することとし、これに併せて、初動捜査部門を担う機動捜査隊、交通機動隊を同施設に集約し、科学捜査と初動捜査の新たな拠点とすることで、県民の安全と安心の確保に努めて参ります。

なお、新庁舎は、令和6年度の完成を目指し、来年度は、地質調査や用地測量、施設の実施設計に着手して参ります。

次に、官民協働による行政課題の解決についてであります。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新しい生活様式の定着が求められる中、民間企業においては、様々な技術やアイデアが続々と生まれており、こうした新たな考え方を活用することは、本県の抱える課題の解決に寄与するものと考えております。

このため、県政運営において、新たな技術やアイデアを活用することを目的として、民間企業の提案を一元的に受け付け、審査する「やまなしコラボ・ゲートウェイ」を立ち上げることとし、これにより、パートナーシップを構築する中で、新たな事業・施策に反映させて参ります。

また、子育て支援や地域の活性化など、行政だけでは対応が難しい社会的課題を解決していくためには、地域のニーズに対応した様々な社会貢献活動を促進していく必要があります。

このため、ビジネスの手法を活用して社会的課題の解決を目指す県民やNPO等の起業、創業を支援するための体制を構築し、多様な主体が地域を支え合うソーシャルビジネスの取り組みを促進して参ります。

最後に、県有資産の高度活用についてであります。

山梨県が所有する県有地、県有施設、更には、長年にわたる行政運営により蓄積されてきた知識、技術などは、全て県民の皆様の血税により取得、維持、そして管理されてきたものであり、いわば、81万県民全体の財産とも言えるものであります。

この県民全体の財産から生み出される利益は、他でもない県民自身に還元されなければならず、県は、県民の皆様からお預かりした県有資産を、県民生活の向上のために、最大限に活用する責務があります。

世界有数の経済都市である東京に隣接しながらも、首都圏内でも極めて自主財源に乏しい本県にあっては、これら県が持つあらゆる資産・資源を聖域やタブーを設けることなく最大限に生かして、県民の皆様の生活向上に役立てていかなければなりません。

このため、今般、新たに設けた「県有資産の高度運用と資産価値の向上および収益強化に関する検討会・県民資産創造会議」において、県内外の有識者の最新の知見と豊富な経験から、県有資産の高度運用と価値向上のための具体策などについて御議論いただくこととしたところであります。

会議におきましては、新たな投資が必要となるものばかりではなく、本県が全国に、世界に誇り得るもの、既にあるものを掘り起こし、しっかりと磨き上げる、付加価値をつけていくという視点で、県有資産から、いかにして県民全体の利益をこれまで以上に生み出すか、活発に御議論いただくとともに、その成果を踏まえ、更なる財源の確保に努めて参ります。

以上の内容をもって編成した結果、令和3年度当初予算の一般会計の総額は、当初予算としては過去最大となる5292億円余となっております。

次に、条例案のうち、主なるものについて申し上げます。

先ず、山梨県部等設置条例の改正についてであります。

今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、更なる体制強化と、これまで積み上げた知見を組織的に蓄積し、次世代に向けて、その活用を図るため、感染症に関する業務に特化した知事直轄組織を設置することとし、「山梨県感染症対策センター」、いわゆる山梨版CDCとして、今後、本県の感染症対策の司令塔としての役割を担って参ります。

また、林業の担い手の確保・育成や県有林の更なる有効活用など、林政の重要課題に対応するとともに、太陽光発電施設の適正管理に係る条例の制定や、より実効性のある事業者指導の在り方検討など、環境・エネルギー施策を一層推進するため、森林環境部を再編し、それぞれの分野に特化した新たな組織を設置し、業務の効率化等を図って参ります。

更に、これまでリニア交通局が担ってきた、リニアやまなしビジョンに掲げるテストベッドの聖地化や関連産業の集積、二拠点居住の取り組みに加え、社会全体のデジタル・トランスフォーメーションを推進するため、リニア交通局を再編し、リニア未来創造局を設置致します。

次に、やまなし教育環境・介護基盤整備基金設置条例の制定についてであります。

小学校における1クラス25人を基本とする少人数教育の計画的・段階的な導入や特別養護老人ホーム等の実質待機者の解消を図るための介護施設整備など、教育環境や介護基盤の整備・充実を図り、県民生活の基礎となる条件を整え、働く世代の安心につなげていくことが必要とされています。

これらの取り組みには、教員の増員に伴う人件費や、介護基盤を整備するための施設整備費、介護保険給付費等、毎年、多額の負担が生じますが、こうした中長期的な施策を着実に推進していくため、新たにやまなし教育環境・介護基盤整備基金を設置し、使途を明確にした財源を確保して参ります。

その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。

なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。

最後になりますが、就任から3年目を迎えるに当たり、今後の山梨をいかに創造し、向かわせていくべきか、私なりの決意をここに述べさせていただきます。

就任以来、議会の皆様の御理解を得ながら、「県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなし」、その実現に邁進して参りました。

改めて、議会や県民の皆様の御理解と御協力に感謝を申し上げます。

飛躍にもう一歩、というところにあって、百年に一度の大禍とさえ言われる、新型コロナウイルス感染症という大きな波に飲み込まれました。

この大禍の中で、日々の執務にあって、県民の皆様の声、議会の皆様の声、県庁職員の声、その一つ一つに心を傾け、考え続けて参りました。

一人ひとりが豊かさを感じることができ、個性ある豊かさを実現するためには、知事として県民の気持ちをいかに支え、どう寄り添えば良いのか。

命と生活、経済を守る中でも、山梨県と山梨県民に活力を取り戻すためには、行政として何ができるのか、何をすべきなのか。

感染症によって衰耗しかねない県民と社会のために、行政はどう臨むべきなのか。

私は、ここ山梨を「あらゆる可能性に開かれた場所にしたい」。こう願うに至りました。

幼児から児童、学生さんらには夢がある。

障害をお持ちの方、ひとり親家庭で頑張っておられる方、御家族や全ての家庭に夢がある。

老いゆく全ての方にも、日々の楽しみと明日の慶びを感じていただきたい。これまでの人生の御苦労に報い、次の夢を育める山梨であってほしい。

年齢や環境にとらわれず、あらゆる夢と希望に開かれた山梨に向け、行政と施策の心はどこにあるべきなのか。

あらゆる可能性に向けて開かれた地、可能性のフロンティアを創り、その先に県民一人ひとりが個性あふれる、それぞれの豊かさを実感できる日常の到来を、山梨におけるアフターコロナの時代の象徴にしたい。そう決意致しました。

県庁職員が一丸となって起案・立案する、県民の心に寄り添った施策は、就任3年目のこれからは全て、県民の可能性と山梨県の可能性を見出し、守り、育み、願わくば実現する、そんな可能性応援施策としたく思っております。

負よりも正が勝り、マイナスよりもより大きなプラスを生み出すために、行政こそが先頭に立つべきではないでしょうか。

可能性を萎縮させ、潰すのではなく、人間も産業も生活もそして甲州の地そのものも、でき得る限り伸ばすためにはどうすれば良いのか。

可能性を最大限に呼び込むだけでなく、可能性を最大限に伸ばす甲州の地を創造したい。

そのためにこそ、全ての施策は、県民一人ひとりの可能性を後押しするものであってほしい。可能性に優しい甲州を創造したい。

更にはデュアルライフや二拠点居住という新しい時代を迎え、外からの智恵と人材が流入し、甲州の歴史と文化の上で融合する。首都圏の一翼を担うという恵まれた地理にあっては、温故知新の活力がまさに内側から湧出するものと信じています。

コロナ禍にあって、都市圏から再び注目を集める山梨の魅力を活力に転じさせるべく、私はここに、「可能性への挑戦」という旗を掲げるものであります。

あらゆる可能性を応援するためにこそ、行政には何ができるのか。行政は何をすべきなのか。

知事としての向こう10年を見据え、甲州を、日本で最も豊潤な可能性のフロンティアにしたく、ここに覚悟を表する次第です。

令和3年2月16日

山梨県知事 長崎 幸太郎

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