ページID:50349更新日:2023年1月20日

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知事記者会見(平成25年1月4日金曜日)

本館2階特別会議室

11時30分から

知事コメント

 

 平成25年年頭にあたって

知事

皆さま、新年明けましておめでとうございます。それぞれ良いお年をお迎えになったことと思います。

さて、安倍内閣が発足いたしまして、デフレと円高を克服することによって、経済を再生することを当面の最重点課題として、積極的な緊急・財政政策に取り組むということでございます。既に新内閣の政策に期待して、円安あるいは、株高という傾向が現れているわけであります。

本県にとりましては、主力産業である機械電子産業が輸出産業であるだけに昨今の円高によって、非常に大きなダメージを受けてきて、これが本県経済の大きな下押し圧力になってきたわけであります。新内閣の政策によって円安傾向が定着するということになりますと、本県の経済には非常に大きなプラスの要因になってくるであろうと、私としては期待しているわけでございます。

そういう意味で安倍内閣の経済政策が成功するようにご期待を申し上げたいと思っております。当面といたしましては、大幅な補正予算が編成されるわけでございますから、県政といたしましては、これを積極的に取り込んで、具体的には防災・減災をはじめとする公共事業あるいは若者を中心とする雇用対策、それから少子化対策、新エネルギーの開発、農業を含めて成長産業の振興といった課題に積極的に取り組んでいきたいと思っているところであります。

なお中央自動車道の笹子トンネルの事故の関連でございますけれども、関係者の皆さんが非常な昼夜兼行の努力をしていただいていることについては、評価するところでありますが、依然として大きな影響が出ておりまして、この暮れ正月、観光地、観光施設によっては入り込み客が三分の一であったところもあるわけでありまして、大きなダメージが引き続き生じているということであります。したがって、私としては引き続き、国土交通省、中日本高速道路株式会社に対しまして、安全は確保した上で、1日も早く全面完全復旧するように要請を続けてまいりたいと考えております。来週の月曜日、7日でありますけれども、太田昭宏国土交通大臣にお会いしてそのことをお願いしたいと思っているところであります。

さて、今年はこの12日から長年準備して参りました国民文化祭が開幕するわけでございます。今年の11月まで約300日間に渡りまして、全県下で100近い多種多彩な文化イベントが繰り広げられるわけであります。

また、12月には全国障害者芸術・文化祭も開催されることになっておりまして、まさに文化に明け、文化に暮れる1年になるわけでございます。

よく山梨県は文化の面では遅れているようなことを言う人がいるわけでありますが、私は決してそのようなことはないということを県民の皆さんに知ってもらいたいと思います。それはいろいろな数字で表れているわけでありまして、例えば、文化財についていえば、国宝及び重要文化財などの数は人口当たりに直しますと、全国で8番目ということでありまして、狭い地域にわりと密に文化財が分布しているということであります。また、博物館、美術館の類は人口割でいきますと全国で2番目に多いと、図書館に至っては人口割りでいけば全国で1番多いということでございます。

さらに痛感したことでありますが、昨年11月に新県立図書館が完成して、いろいろな文化イベントを開催しているわけでありますが、予想を超える大勢の県民の皆さんが参加を希望しておられまして、このようなことを見ても県民の文化に対する関心度が大変に高いものがあるなと感じているわけであります。このような文化資源が豊かであり、また文化に対する関心も強い本県でありますから、国民文化祭は必ず成功いたしますし、また成功させなければならないと思っております。

同時に国民文化祭を契機として本県の文化力をさらに強めていくという努力も今後もしていかなければならないと考えているところであります。

この際、県民の皆さんにお願いしたいことでありますけれども、それぞれ県民の皆さんには地域地域の文化イベントに積極的にご参加をお願いしたいことが第1でありますが、2点目として、いろいろな文化イベントに全国各地から参加者としてあるいは観覧者として大勢の県外のお客さまが山梨を訪れるわけでございます。そういう山梨へ訪れるお客さまに対して山梨へ来てよかったと山梨は良い所だと、もう1回来てみたいと思っていただけるように、おもてなしの心で温かく迎えていただきたい。このことを県民の皆さんに特にお願い申し上げたいと思うわけであります。

それから富士山世界文化遺産の関係でありますが、いよいよ6月、世界文化遺産の登録の可否が決定されることになるわけであります。世界遺産が今約960となっておりまして1,000に近くなってきておりますから、ユネスコの審査のハードルも年々高くなってきているわけでありますから、決して富士山といえども楽観することはできません。しかし、私としては富士山は必ず世界文化遺産に登録されると確信しているところであります。世界遺産が実現しますと、他の世界遺産の例もそうでありますけれども、富士山に対する国民の関心が一挙に高まって参ります。そこでちょうどうまいことにといっては何なのですけれども国民文化祭が開かれて、6月から始まる時期は、富士山に関するイベントがたくさん行われるわけでありますから、ここでそれを思い切って世界遺産登録イベントと切り替えをいたしまして、できるだけ多くの観光客を県外から呼び込んでいきたいと思っております。また富士北麓の地域につきましては、この7年間、準備のために地域の皆さんには本当にご苦労をおかけしてご尽力を賜ったわけであります。そのような地域の皆さんと一緒に富士山の環境の保全、そして富士山を巡る景観の保全整備をしっかり進めて、そして世界遺産にふさわしい世界に誇ることができる地域づくりを進めていかなければならないと考えております。

また、これは各地そうでありますけれども世界遺産センターというような世界遺産の価値を来訪者に理解してもらう施設も当然造っていかなければいけませんし、同時にあそこには県立の環境科学研究所という立派な研究所があるわけでありますから、登録が実現いたしましたらこれを富士山科学研究所といった形に模様替えいたしまして、富士山の環境保全に関する研究と、そしてもう1つは昨今話題になっている富士山の火山防災に関する研究、この2つの研究が全国のメッカになるような研究所にしていきたいと思っているところであります。

それからもう1つ今年で特出されることは、甲府駅南口地域の整備がいよいよ本格的に始まることでございます。甲府駅の南口、今の景観は30年前のかいじ国体の時に形成されたものでございますけれども、そろそろこれを模様替えしていかなければならないということで検討して参りました。そしていよいよ今年から駅前広場と平和通りこれについて模様替えの事業が始まるわけでございます。イメージといたしましては、かの太宰治が甲府を評しまして綺麗に文化が染み渡っている街と、文化が定着して、きちっとした文化的な景観ができている街という意味だと思いますが、そのようなイメージのエレガントで文化的な都市空間が形成されていかなければならないと思っているわけであります。

加えまして、今年の9月には県庁の防災新館が完成いたします。これは災害が発生したときの司令塔になる建物でありますけれども、同時に1階の部分は「やまなしプラザ」という名称の賑わい空間でございまして、ジュエリーミュージアムとかイベントスペースとかが設けられるわけであります。ここには何時もいろいろなイベントが開かれて、そして県民の皆さんの足が自然に向いてくるような姿に、賑わいの空間にしていきたいと思っております。

また防災新館が完成いたしましたら現在の県警本部が入っております、あるいは教育委員会が入っております旧館、別館と言いますけれども、これは文化財になっている昭和初年にできた立派な建物であります。これを昭和初年にできたそのままに修復いたしまして、その中には旧知事応接室を修復して県政歴史展示室にしたり、あるいは明治以来甲州財閥のように日本の発展に貢献した山梨県人の業績を顕彰する記念館をつくったりしたいということであります

そしてさらに県庁敷地全体を公園の状態に整備いたしまして、いつでも県民に開かれているオープンな県庁敷地としたいと、土曜日でも日曜日でも夜間でもいつでも入ってくることができるオープンな空間にしたいと思っているところでございます。

その他、今年は他にもリニア中央新幹線、それから中部横断自動車道の整備も着実に進展いたしますし、本県にとってはいろいろと明るい話題、賑やかな話題が多いわけでございます。今年はえとが巳年ということでありますが、巳年という年は蛇が脱皮する、皮を抜け出していくように新しいことが生まれるという暗示を持った年だと言われているわけであります。ここ数年を振り返りますと、本県を巡る情勢はなかなか厳しいものがございまして、平成20年、21年は、かのリーマンショックによる大不況があり、(平成)23年には東日本大震災と原発事故による風評被害その他による非常に大きなマイナスがあり、昨年24年は戦後最悪といわれる円高による経済のマイナスがあったわけであります。そのような意味でここ数年、全体としては暗い雰囲気があったわけであります。えとにあやかるわけではないのですが、今年こそ未来に向かって明るい新しい展望が開ける年にしたいと考えているところであります。

そのため県庁としては前向きに積極的に施策を展開していくつもりであります。

県民の皆さま方の県政に対するご協力をお願い申し上げると同時に、県民の皆さんのご健勝とご活躍をお祈りいたしまして新年のご挨拶とさせていただきます。

<質疑応答>

記者

先ほど国民文化祭の夏のイベントを富士山の登録イベントに切り替えて呼び込みを図りたいという話があったのですが、これは6月の登録が実現するか否かに関係なく、もう登録イベントとして打ち出すということでよろしいでしょうか。

知事

それは登録が実現したらということです。登録が実現したら、もちろん国民文化祭ではありますけれども、富士山世界遺産登録記念イベントという形にして行きたい。模様替えをしていきたいと。そうは言っても、以前に準備はかなりできているわけでありますから、まるっきりがらっと変えるわけにはいかないわけであります。登録が実現した時には、こういうものを加えるというようなものをあらかじめ準備しておいて、実現したらそれを加えて世界遺産記念イベントという性格を強めるようにしたいということであります。

記者

今のお話しですと、要は今予定されているイベントにまた新たなプラスアルファを付けるということでしょうか。

知事

そうです。

記者

どのようなことをちなみにお考えでしょか。

知事

それは、イベントはいくつもありますから、それぞれに現在、検討しております。世界遺産が実現したら、こういうものを加えようというようなことをそれぞれのイベントについて考えていると聞いておりますが、具体的に今、私が1つ1つについて把握しているわけではありませんから、申し上げられませんけれども、まだ登録されるかどうか分からない段階でこういうものをやりますと言うようなことを、担当者もまた言えないだろうと思います。

記者

最初におっしゃられました、安倍内閣の発足に関してですけれども、内閣の政策の成功を祈るということは分かるのですが、具体的に県として例えばさらにそれを底上げしていくようなことについてもう少し具体的に教えていただけないでしょうか。

知事

県として安倍内閣の成功のために何か底上げしていくということは、これは端的に言えば、安倍内閣に協力して大型補正予算を組むわけですから、それが的確に執行され、経済に良い影響を及ぼすように県として、他の県もそうですけれども補正予算の的確な執行を地方自治体の立場で支援していくということになるだろうと思います。それにプラスして県単独に本県の経済を浮揚させるために、県単独に何か施策があるかということでありますが、これは今の段階ではまだ考えておりませんけれども、必要があれば県単独の施策も考えて行かなければならないと思っております。

記者

その場合、どういったところを焦点にして行きたいというものがありましたら、補足で伺いたいのですけれども。

知事

当面は、本県の場合には雇用に非常にマイナスの影響が強く現れてきているわけであります。雇用指標が全国に比べれば、かなり悪いということでありまして、したがって、若年者の今年3月に卒業する大学、あるいは高校新卒者の内定率も去年に比べれば少し上がっているという状況ではありますけれども、若い人が社会に出ていく1番最初の段階でつまずくということはよくないわけでありますから、そういう若年者を中心とする雇用対策が、経済対策の中では大きいのではないか。加えて懸念されていることではありますけれども、中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(中小企業金融円滑化法)が終ることに伴う倒産の懸念はありますので、それを政策金融でバックアップしていくというこの2つはやはり大きいだろうと思います。

記者

(1月)7日に太田昭宏大臣にお会いして、要請を行なわれるということですが、具体的にはどのような形でお話しをしながら、要請活動を行なっていきたいとお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

知事

既に先月27日に先月要望書はお出しをいたしまして、その要望書を受けて、中央自動車道の富士吉田線について無料化を、大臣が直ちにこのくらいのことはやってあげなさいと言ってやってくれたそうです。それに対するお礼は当然しなければなりません。その上で、県の実情、先ほど申しましたようにこの暮れ正月、ところによってはお客が平年の3分の1であったという、本県の経済にボディーブローで効いているという状況をよく説明して、できるだけ早く全面開通というものをお願いしたいということを申し上げるということだと思います。併せて本県の国土交通行政に関するリニアをはじめといたしまして、あるいは高速道路はじめといたしまして、状況をご説明して今後のご協力ご支援をお願いするというようなことになるだろうと思っております。

 

(以上)

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
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