トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 平成28年度知事会見 > 知事臨時記者会見1(平成28年11月4日金曜日)
ページID:75893更新日:2016年11月14日
ここから本文です。
本館2階特別会議室 11時00分から 発表事項
|
知事
本日は大変お忙しい中、HySUT(ハイサット)の桑原会長をはじめ、関係する皆様方のご列席の中で、HySUTと山梨との間で、「水素エネルギー関連産業の集積に向けた取り組みに関する協定」を結べたことを、本当に、うれしく思います。
今回、HySUTの方々をはじめ、皆様方から、いろいろな面において、御理解を賜りました。特に関東経産局の資源エネルギー環境部の松岡部長には県とHySUTとの橋渡しもお願いしましたし、また、NEDOの板倉統括主幹には、橋渡しの実現に向けて、ご努力いただいたことに、本当に、この場を借りて、厚くお礼を申し上げたいと思います。
言うまでも無く、この協定は、これからの水素エネルギー社会の実現に向けて、大きなステップを踏んでいけるフェーズになると確信しています。
御案内のとおり、水や再生可能エネルギーを含む、多様なエネルギーから、様々な方法で製造ができる水素というものは、電気や熱といった、基本的なエネルギーがありますが、水素の活用というのは、将来の生活また経済活動に、中心的な役割をいずれ担うことが確実であり、その方向性が、おおいに、国をあげて期待されているところでございます。
特に、我が県は、御案内のとおり、世界最先端の研究技術をもった山梨大学が、先導していただいたおかげで、そのベースができております。この水素というものは、燃料電池において、エネルギー効率が高いこと、利用段階で、温室効果ガスの排出が全く無いこと、さらには、災害時の非常対応にも効果が非常に大きいというような、多くの優れた点があります。
但し、現在では、この水素を利活用した社会には、まだまだ技術的な面、コスト的な面、さらには制度面、インフラ面において、まだまだ多くの課題があります。そういう意味において、国をあげて経産省の皆様方が、旗をふっていただいている多様な技術開発や、低コスト化を実現するというかたちで、実現の可能性があり、これからの社会の実装をどうしていくのか、ということを、積極的に、ロードマップを含めて、取り組んでおられます。
我が県におきましても、先ほど話しましたように、水素エネルギー社会の実現のため、水素ステーションの設置も今年させていただき、今回のHySUT様が、水素技術センターを米倉山に建設するというかたちで、県は、まず、土地を貸与するというかたちで、水素エネルギーの技術開発を支援するというスタンスに立ちながら、相互にHySUT様と連携し、水素エネルギー関連産業の集積・育成に努めるということが、今回の協定の大きな趣旨でございます。
この水素技術センターの整備によって、これから、燃料電池に関する技術開発力が、さらに高まり、低コスト化を推進することができれば、世界の水素エネルギー社会に向けて大きく加速する土台が、このセンターによってつくられるのではないかと思っております。
私が就任以来、山梨県を、やまなし燃料電池バレーにしようということで、ひとつずつ、積み重ねをしてきました。工業技術センターの燃料電池評価室しかり、今回の水素技術センターの設置・誘致によって、その部分が、大きく加速するといこうことが、本当にうれしく思いますし、また、今日、立ち合いをいただいております、松岡部長、また、板倉統括主幹をはじめ、経産省全体、さらにはNEDO全体にも、今まで以上のご支援ご理解を賜りながら、また、HySUTに関係する多くの企業の皆様方と力をあわせて、本県が、燃料電池バレーというかたちになっていけるようにお願いをしながら、本当に、時間が若干かかった部分もあったかもしれませんが、今日の締結、この日を迎えたことは、本当に私にとっても、うれしく思いますし、改めて、関係者の皆様方に心から感謝と御礼を申し上げ、私からの挨拶にかえさせていただきます。
本日は、本当に、ありがとうございました。
一般社団法人水素供給利用技術協会会長
ただ今、御紹介いただきました、水素供給利用技術協会HySUTの桑原でござます。本日、山梨県様と水素エネルギーの集積に向けた取り組みに関する協定を締結できましたことを、非常にうれしく思っております。
締結まで、ご尽力いただきました、後藤知事をはじめ、山梨県の関係者の皆様には、厚く御礼を申し上げます。
また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOの関係者におかれましては、今回のプロジェクトをはじめ、HySUTの事業運営にあたりまして、常日頃より、大変多くのご支援・ご指導を賜り、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
HySUTは、2009年に設立された、水素供給利用技術研究組合を前身としており、水素エネルギーの供給及び利用に関する、技術開発、調査研究及び普及啓発等を総合的に行うことにより、水素の安定的かつ安全な供給の確保を図り、ユーザーの満足度を向上させ、水素エネルギー産業の健全なる発展に寄与する、ということを目的として、今年2月に設立された法人でございます。
現在、HySUTでは、NEDO様より委託を受けまして、水素ステーション安全基盤事業に関する研究開発として、実環境下における安全運用技術の研究開発に取り組んでいるところでございます。
今般の協定締結を受けまして、本研究開発事業として、水素技術センターを山梨県甲府市の県有地に建設することとなりました。水素技術センターは、オフサイト型の商用ステーションの標準的な仕様を備えており、水素ステーション全体または部品・構成機器の一層の安全安心に資する技術開発や水素ステーションの運転管理手法のより一層の高度化を図る技術開発を行う予定でございます。
なお、本技術開発においては、HySUTの会員会社であります、日立オートモティブシステムズメジャメント株式会社様、三菱化工機株式会社様、JXエネルギー株式会社に、HySUTの研究分室として参加していただき、水素ステーションにかかる知見等を集積しまして、効率的に遂行していくことにしております。
また、山梨県とHySUTがお互いに持つ資源を有効に活用しながら、各種連携を図ることで、地域社会の発展にも、寄与していきたいと考えております。
最後になりますが、皆様のご期待に応えるべく、水素エネルギー社会の健全なる発展に寄与することを目指して、より一層、努力して参りたいと思っております。今後とも、何とぞ、ご支援ご協力をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
経済産業省関東経済産業局資源エネルギー環境部長
本日は、水素エネルギー関連産業の集積に向けた取り組みに関する協定締結式、誠におめでとうございます。
関東経済産業局といたしましては、水素・燃料電池の産業を、関東圏で活性化していくことを進めていきたいと考えて参りました。
水素は、効率的なエネルギーであり、また、環境に負荷のかからないエネルギーであり、長期的に、長時間、利用ができるということでBCP的な対応ができる、かつ、こうしたエネルギーを利用することで、エネルギーセキュリティーに資するものとして、重要な二次エネルギーだと考えております。
燃料電池に関しましては、既に世界的な成果をだしていらっしゃるこの山梨県で、水素につきまして、新しい技術開発の拠点ができることは、非常に、うれしいことだと思っております。
後藤知事が先ほど、お話しされておりました燃料電池バレーの実現に向けて、ぜひ頑張っていただくことが、結果的に、水素の需要のある関東圏で、成果を出していく、その利用が広がっていく、そういったことが期待されるものだと思っております。
微力ではございますが、私も、ぜひ、今後、技術開発・発展に向けて、ご支援させていただければと思っておりますので、今後とも引き続き、よろしくお願いいたします。
関係者の皆様の、今後のご活動の成功・ご発展を祈念しております。
本日は、おめでとうございます。
記者
桑原会長にお伺いします。3点伺います。協会として、こういった県・自治体とセンターを設立するということをやるのは、初めてなのかどうかということと、設立されるセンターの規模、面積とか総工費とかがわかっていれば教えて下さい。
一般社団法人水素供給利用技術協会会長
このようなかたちで、自治体と協定を締結させていただくのは初めてのことでございます。それから、2点目は、規模でしょうか。敷地のサイズは、約31メーターかける約27メーター面積として約850平方メーターを予定しています。
記者
総工費とかが、もし、わかれば。
一般社団法人水素供給利用技術協会会長
総工費につきましては、申し上げられないことになっております。
記者
桑原会長にお伺いしたいのですが、このセンターでは、まず、どんなことを研究開発でやるのか、それから、タイムスケジュール、いつまでにどういうことをやろうというようなロードマップを作られているのか、その点を教えて下さい。
一般社団法人水素供給利用技術協会会長
詳細は、お手もとの資料、渡してある参考資料の後半部分で、本事業で実施する技術開発項目は以下のとおりということで、水素ステーション用設備・部品の実証だとか、充填プロトコルの実証、計量技術の実証、連続充填の実施による氷結発生の有無の検証、人材育成・技術伝承及びトレーニング内容の検証、それから、低コストステーション技術の安全性検討ということですが、ざっくり言いますと、今現在、ご存じのとおり、FCV並びに水素ステーションが、かなり加速的に普及しているなかで、水素ステーションの安全性の評価、また、あわせて、経済性を良化させていく、採算性をよくしていく、といったところ、また、さらには将来を見越した人材の育成、こういったことに主力を置いて、研究開発を行っていきたいと考えております。
記者
いつぐらいまでということでしょうか。
一般社団法人水素供給利用技術協会会長
今回、この水素ステーションが、運用開始になるのが、来年の12月から再来年の2月まで、3ヶ月間が研究開発の実証期間と予定しております。
記者
3ヶ月の後は、どうされるのですか。
一般社団法人水素供給利用技術協会会長
3ヶ月経過した後の活用方法については、まだ、具体的には決まっておりませんが、有効活用を図るべく検討していきたいと考えております。NEDO様の他の実験による利用とか、または、HySUTで引き続き、この施設を活かして研究するとか、いろいろなポジションがあると思いますが、関係者と知恵を出し合って、検討して参りたいと考えております。
記者
知事にお伺いしたいのですが、県としては、このプロジェクトに関する役割なのですが、土地の提供以外に、県としての支援とか協力していくようなことがあれば、教えて下さい。
知事
近隣に、ゆめソーラー館があり、いろいろな水素関連の施設が連続してできることになるので、それらを融合して、気運を高めるというのが大きな役割だと思います。
また、今回、桑原会長がお話しした規模でセンターのハード的な整備が行うことになり、次のステップが、事業が終了した、実証のさらに進んだ商業化の部分でも、いろいろなことを期待しながら、この後の会で、新たな協定を結ばさせていただきますが、先ほど、話しましたとおり、やまなし燃料電池バレー、要するに、山梨には、水素関連のいろいろな研究施設、実証をする施設、それに関連する施設、全部まとまって集中してある、ということを大きな目標にしていくことで、いずれ山梨の企業も育つでしょうし、県外から、今回、HySUTに関係する全国でも著名な会社の方々に、立ち合いをいただいており、そういう産業間の連携を強めることで、企業誘致、企業集積、さらには県内企業の育成ということにつなげていけば、一番いいかたちでセンターがいきていくと考えています。
<以上>