ページID:94670更新日:2020年4月28日

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令和2年4月臨時県議会知事説明要旨

令和2年4月臨時県議会の開会に当たり、提出致しました案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。

先ず、横内正明元知事の御逝去に対しまして、衷心より、哀悼の意を表したいと存じます。

横内元知事におかれましては、平成5年に衆議院議員に初当選されて以来、国政、県政の推進に御尽力されました。

国政におきましては、衆議院議員を3期務められ、この間、法務副大臣などを歴任されるとともに、県政におきましては、平成19年から2期8年間にわたり山梨県知事として、暮らしやすさ日本一の県づくりを基本理念に掲げ、富士山の世界文化遺産登録や、リニア中央新幹線、中部横断自動車道、新山梨環状道路など県内の高速交通網整備の土台づくりを行うなど、県政の推進に御尽力をいただきました。

生前の御功績に対し、県民の皆様とともに感謝申し上げ、心から御冥福をお祈り申し上げます。

さて、新型コロナウイルスの感染拡大の勢いは依然として衰える気配を見せず、本県におきましても、4月に入ってから感染者が急増するなど、非常に深刻なステージを迎えており、今、まさに県民の皆様が命の危険に晒されている状況にあると言っても過言ではありません。

こうした状況を踏まえ、国は、4月16日に緊急事態宣言の対象を全国に拡大したところでありますが、これを受け、本県においても4月19日に緊急事態措置として、県民の皆様に対する不要不急の外出自粛や、一部の事業者に対する休業等の協力要請を行ったところであります。

感染症の専門家は、何の対策も取らずに現在の状況が続いた場合、極めて短時間に感染爆発が生じる恐れがあると指摘しておりますが、こうした事態を防ぐために、先ずは検査体制を充実・強化し、感染者の早期発見、早期治療を徹底することが重要となります。

仮に本県において感染爆発が生じた場合、重症患者は50人、入院が必要となる患者は1500人発生すると推計されており、既に重症患者向けの病床については、山梨県立中央病院や山梨大学医学部附属病院の協力を得る中で確保致しました。

しかしながら、本県の医療崩壊を防ぎ、県民の皆様の命を守るためには、1500人と見込まれる入院治療を必要とする患者について、その状態に応じて適切な医療を提供できる体制を構築することが急務であり、引き続き、病床の確保や患者を受け入れるための宿泊施設の借り上げなどに取り組む必要があります。

また、感染拡大による経済活動の停滞により、中小・小規模事業者の皆様方からは、売上減少や資金繰りの悪化など、切迫した訴えが、毎日、私のもとに届いております。

特に、宴会や旅行の自粛、学校の休業などにより、国の緊急事態宣言以前から実質的な休業状態に追い込まれている飲食店や宿泊施設、給食関連事業者などの窮状を目の当たりにする中で、本県の経済活動を担う数多くの事業者の皆様に対する更なる支援の必要性を痛切に感じております。

こうした状況を踏まえると、今、真に必要なことは、先ず第一に感染防止対策の徹底と医療提供体制の強化により県民の皆様の尊い命を守ること、そして、スピード感を持って全ての中小・小規模事業者の事業継続を支援し、県内経済・県民生活への影響を最小化することであると私は確信しております。

県では、緊急事態措置として、外出自粛や一部の事業者に対する休業などを要請しました。

今後は、この効果を見極めていく必要がありますが、先手を打って感染拡大防止と医療提供体制を強化することとし、当面、3箇月間の対策に必要な予算を計上しております。

しかしながら、22日に開かれた国の専門家会議においては、「向こう1年はこの流行と付き合っていかないといけない」との指摘がなされたところであります。

県政、そして県民の皆様の命を預かる身と致しましては、長期間の戦いとなることを覚悟しつつ、スペイン風邪など歴史の教訓に学び、第二波、第三波に対しても、万全の備えをする必要があります。

また、中小・小規模事業者の支援につきましては、休業などの協力を要請した一部の事業者に対する支援ではなく、県内全ての事業者に分け隔てなく、地に足の付いた支援を行っていくことが、本県の経済にとって一番重要なことであると確信しております。

こうしたことから、国において新たに創設される自由度の高い新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、県民の皆様の命を守るための対策と県内全ての中小・小規模事業者の事業を支えるための対策に全て充当して参ります。

補正予算の編成に当たりましては、山梨県議会新型コロナウイルス感染症対策連絡会議からの御提言も踏まえるとともに、先般、国が策定した緊急経済対策について、現時点で取り込めるものは最大限取り込みつつ、情勢の変化や本県の実情に適切に対応し、スピードとボリュームが両立する本県ならではの予算案として編成致しました。

主な内容を御説明致します。

1つ目の柱は、「感染拡大防止と医療提供体制の整備」であります。

先ず、感染拡大の防止についてであります。

マスク・防護服・消毒液等につきましては、県で必要数を確実に確保し、医療機関、社会福祉施設等に配布して参ります。

特に、品薄状況にあるマスクは、7月上旬までに総計1000万枚を計画的に配布するとともに、障害者の就労支援施設と連携し、布製マスクを生産する体制の構築にも取り組んで参ります。

また、遠隔診療について、医療機関には経済的な負担なしでシステムを導入し、医療従事者の診療時の感染リスクと、患者の院内感染リスク・外出時の感染リスクを低減して参ります。

次に、医療提供体制の整備についてであります。

先ず、PCR検査につきましては、山梨大学医学部附属病院の協力を得ながら、新たにドライブスルー方式の検査を導入することにより、検査能力を現行の約2倍に強化して参ります。

これにより、早期発見・早期治療に結びつけ、患者の負担軽減を図るとともに医療崩壊を防いで参ります。

次に、病床数の確保につきましては、入院の必要のある患者の受け入れに必要な病床400床を確保するため、患者を受け入れていただく地域の基幹病院に対して特別給付金を交付致します。

また、入院治療の必要ない患者を受け入れるための宿泊施設の借り上げを行うことにより、感染患者受け入れ病院の負担軽減を図り、本県の医療システム全体として患者数の増加に対応するとともに、重症化した患者に対し適切な医療が提供できる体制を構築して参ります。

なお、この借り上げは、感染拡大のスピードが加速化している現状に鑑み、早急に対処する必要があるため、4月26日より、北杜市の「ホテル若神楼」様の御協力のもと、軽症者を受け入れることとしたところであり、今後も状況に応じて対象施設を順次拡大できるよう体制を整えて参ります。

加えて、感染者の受け入れを行う医療機関で働く医療従事者の皆様は、感染リスクの高い環境で昼夜問わず対応に追われており、大変な負荷がかかっていると承知しております。

県民を代表し、この場をお借りして感謝を申し上げます。

こうした医療現場の最前線で、県民の命を守るために御尽力いただいている医療従事者の方々に対し、県民からの謝意を表するために、新たに応援金を支給させていただくとともに、肉体的・精神的な負担を軽減していただくために、休息の場となるホテルなどの宿泊費を助成して参ります。

2つ目の柱は、「県民生活に与える影響を最小化するための対応」であります。

県立学校や県立大学等における遠隔教育を早期に実施するため、必要な機器整備等を行い、児童・生徒の皆様の学習の機会を確保致します。

また、介護保険施設で職員の感染が発生した際に、施設サービスの継続を図るため、山梨県老人福祉施設協議会、山梨県老人保健施設協議会と連携し、他の介護保険施設等から応援職員を相互に派遣する体制を構築して参ります。

更に、肺炎になると重症化しやすいと言われている妊婦の皆様の休暇取得を促進するため、休業に伴う収入減の一部を補塡する制度を創設するとともに、感染拡大に不安を感じる妊婦の皆様が産前産後ケアセンターの宿泊ケアを無料で利用することができるよう、所要の経費を計上致します。

3つ目の柱は、「県内経済の安定化に向けた緊急対策」であります。

先ず、売り上げの減少に苦しんでいる全ての事業者の皆様に最速最短で、持続化給付金など国の様々な支援策を届けることが何よりも重要と考えております。

国では補正予算成立後、持続化給付金の速やかな交付を予定しており、本県においても県内の事業者の皆様がもれなく受給できるよう、県内各地の商工会等に中小企業診断士等を配置し、中小・小規模事業者の皆様方の事業継続等を強力にサポートして参ります。

申請を「待つ」のではなく対象となる事業者の方々がもれなく受給できるよう、国や県の支援制度をこちらから御案内しその活用を強力に支援する、プッシュ型の積極策として展開して参ります。

また、中小・小規模事業者の資金繰り支援については、規模・内容ともにリーマンショック時をはるかに上回る、400億円という過去最大の融資枠で「新型コロナウイルス感染症対策融資」制度を創設致します。

この融資は、国の利子補給や保証料補助に加え、県単独でも保証料を補助し、対象となる全ての皆様が保証料の負担なしで融資を受けられる制度とし、県内経済を支える中小・小規模事業者の皆様方を支援して参ります。

今回の補正予算は、国の制度のみならず県単独の支援策も盛り込み、現時点で考えられるあらゆる施策を反映した予算として編成するとともに、今後の不測の事態や情勢の変化に機動的に対応できるよう予備費を5億円増額したことなどにより、その規模は、一般会計で245億9000万円余となっております。

次に条例案についてであります。

私自身の給与を1箇月間返上し、実質「1円」とする条例案を提出致しました。

国による緊急事態宣言の対象拡大を受け、県下におきましては外出自粛を含め、更なる我慢の日々が続いております。

山梨県の感染症対策は多くの県民の皆様の我慢の上に成り立っている、この極めて重要な事実を踏まえ、陣頭指揮を執るべき知事たる私が、先ずは県民の皆様の我慢の先頭に立つ。

その覚悟を、この条例改正には込めたものであります。

その覚悟への御理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

以上、提出案件の御説明を致しました。

なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。

今後も引き続き、県民の皆様の命と生活を守るために、状況の変化に適時適切に対応しながら、全庁一丸となり、オール山梨の精神で切れ目のない対策の立案・実行に全力を尽くして参ります。

県議会議員各位におかれましては、引き続き、県の新型コロナウイルス感染症対策への御理解と御協力をお願い申し上げます。

最後に、この場をお借りして、県民の皆様に改めて申し上げます。

先ず、医療現場の最前線で、昼夜問わず県民の命を守るために御尽力いただいている医療従事者の方々に皆様とともに改めて感謝を申し上げたいと思います。

また、県の緊急事態措置としての休業等の要請に対し、経営面で大きな影響を受けるにもかかわらず、御協力いただいている事業者の方々に心からの敬意を表すとともに、感謝を申し上げます。

山梨県における感染拡大防止は今が正念場、まさに踏ん張りどころであります。

こうした困難に直面してもなお、私や全ての県庁職員は、新型コロナウイルスを克服し、その後の豊かさを築くための努力を、一瞬たりとも止めることはございません。

そして、県政を担う全ての者の心は、常に県民の皆様の身近な生活とともにあることを確信致します。

外出自粛など、日常生活の様々な場面で、県民の皆様に我慢を強いる状況が続いておりますが、今ここで、もうひと踏ん張りしていただければ、その先には、必ず明るい未来が待っています。

「ふんばろう!やまなし」。

是非、この難局の中にあっても希望を忘れずに頑張って参りましょう。

令和2年4月28日

山梨県知事 長崎 幸太郎

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