インタビュー

《(株)大直 SIWA・紙和 営業開発 プロデューサー》一瀬 愛
Vol.46 【働く】誇りを持って地場産業を世界に
今回のゲスト
《(株)大直 SIWA・紙和 営業開発 プロデューサー》一瀬 愛さん

家業のお手伝いから“新しいブランドの担当者”に

 家業の仕事を始める前は東京で別の仕事をしていました。今年で11年目になる弊社の直営店が吉祥寺にあるのですが、当時の店長が産休に入る時ちょうど私の仕事の契約が終わるタイミングだった事もあり、それがきっかけで大直の仕事を手伝うようになりました。
 店長として働き始めて半年くらいからは営業もするようになりました。最初はアルバイトのような気持ちで入ったのですが、やり始めると自分だったらこういうお店がいいな、こういう商品が欲しいなということを考えるようになりました。
 私が仕事を始めてから6年目にこれまでとは全く違う新しい事業を始めるからその担当をするように言われました。それが今のSIWA・紙和ブランドです。私の中で長年、性別や年齢を問わない幅広い方を対象とした新しい製品を作りたいという思いがありましたので、非常に大きな期待を持ったスタートを切りました。

思いを形に〜自分の仕事はブランドを育て上げること〜

 新しい事業の立ち上げにあたってはデザインを外部のデザイナーにお願いしゼロから動き出すことになりました。そのデザイナーが山梨県出身で日本を代表するプロダクトデザイナーの深澤直人さんです。深澤さんにデザインとブランドコンセプトを依頼して、素材の良さを活かし現代の生活に合ったシンプルな製品を企画していただきました。こうして新しい事業が『SIWA・紙和』というブランドとして形になっていきました。
 SIWA・紙和の製品は、和紙の持つ魅力がありながら、耐久性と強度があり破れにくいもので、それは使っていただくとわかっていただけると思います。
 SIWA・紙和ブランドが立ち上がってからの私の仕事は、大きく分けて2つあります。営業の中でお客様からいただいた意見を反映させ、次のシーズンにはどのラインナップをやっていくかを考え、それをデザイナーに投げかけて一緒に新作を開発していく仕事。それから「ブランドを育て上げる」仕事です。
 ブランドとは、製品だけをつくるのではなくて、トータルをプロデュースしていく事が非常に大切です。例えば製品と同じイメージを持ったカタログがあり、展示会があり、プレス内容があるので、その全てにおいてトータルでブランドをプロデュースし、ぶれないブランドを作り上げていくことが私の大きな役割です。

仕事を通しての出会いを大切に 〜出会いが世界に広がる〜

 2008年に東京ビッグサイトで開催された展示会「インテリアライフスタイル」に出展し、大きな反響をいただきました。今は国内での認知も広がっていますし、さらに購入されたユーザーさんがブログに感想を発信するなど口コミで広げてくれていまして、本当にありがたいと思っています。
 また、海外向け事業として毎年フランスで開催される展示会に出展しています。海外では紙という素材でバッグや服を作るという発想が新鮮ということで注目をいただいていると感じています。
 国内外とも製品を通してこれまでには出会えなかった人達との出会いがあります。私たちの製品は市川大門の土地で長い歴史を持って生れた和紙という地場産業で、ここにしかない製品です。その誇りを持ち世界中からこの製品が欲しいと言っていただけるような活動ができたらと思っています。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

 子どもの頃から毎年、一年の抱負を書き初めに書く習慣でした。その習慣は今も続けており、毎年お正月の三ヶ日には新しい手帳にこの先何をしたいということを常に書き綴ります。私の夢をかなえる為の何より大切にしている事は、「自分の思いを超えることはない」と意識する事です。自分の思いや考えを高くする事で実際の自分もそうなっていくので、まず“何を思えるか”を大切にしています。
 ありきたりかも知れませんが、私が大切にしているお守りのようなものですので、お薦めします。

バックナンバー

一瀬さんのこれまで

19歳:東京直営店の店長と営業を担当。

2007年:深澤直人氏と共同で開発する新ブランドに担当として関わる。

2008年:新ブランドの第1段を発表。
インテリアライフスタイル初出展。「日経デザインアワード」を受賞。

2009年:フランスの展示会(メゾン・エ・オブジェ)に初出展。海外からの反響も大きい。

現在:営業開発 プロデューサーとして山梨と東京を行き来する毎日。

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